カギを武器にしてはいけない理由
- 2019.08.25
- 護身術
いつも心に一鉢の盆栽を。どうもサイコ田中です。
よく護身術で身近なものは全部武器にしましょうという話が出ますし、管理人もその考えには概ね賛成ですが、
カギだけは例外です。
なぜ、家や車のキーを武器にするのは好ましくないのか、その理由と考えられる代替案についてお話したいと思います。
何でも武器にしなさいとは言われるが実際は……
護身術のセミナーではとにかく「困ったときは何でも武器にしなさい」という指導を受けることもありますが、
それはいつも正しいとは限りません。
例えばガラス片などは、鋭利で殺傷力も高く、扱う本人も相手も大怪我をする可能性があるため好ましくありません。
相手を制圧するために手段を選べない場面でも、
命に関わるようなダメージを与えることは護身、自衛の目的を逸脱しています。
護身の目的は自身や第三者の身を守り安全を確保することであり、
攻撃者を必要以上に傷つけることではありません。
素手で戦うことが好ましくないことは事実ですが、
物事には限度があること、越えてはいけない一線があることもわきまえる必要があります。
道具は便利なものですが、使い方を間違えれば思わぬ事態を引き起こす可能性があることも事実です。
自分が手にしたものがその場をおさめるうえで適切かどうかの見極めも大切だということを忘れてはいけません。
カギを武器として用いる場合に考えられる3つのリスク
古典的な護身術のテクニックとして、
車や家のキーを武器にしなさいという教えがありますが、管理人はそれを適切とは考えていません。
なぜカギを武器として使うのは好ましくないのか、大きく3つの項目に別けて説明したいと思います。
壊れると使えなくなる
言うまでもありませんが、
カギなどの貴重品は壊れてしまうと大変なことになります。
例えばそれが家のカギであれば家に入れなくなり、
車のカギなら車に乗れない、車が動かないという状況も考えられます。
何でも武器にしなさいという教えを鵜呑みにして安易にカギを手にとってしまうと、
後々大変なことになる可能性があることを忘れてはいけません。
現場に落とすと面倒なことに
壊れてしまった場合と同様に、
現場付近でなくしてしまったり、攻撃者や好ましくない人物に拾われると厄介なことになります。
ましてカギなど小さなものですから、
少しの弾みで手から放れて、行方がわからなくなる恐れは大いにあります。
カギに関わらず落としたり紛失したりして困るような貴重品を武器として用いるのは絶対にやめましょう。
過剰防衛に問われる恐れも
カギは一般的に金属製であり、特殊な形状のものを除けば先端は非常に鋭利なため、
万が一相手の目に刺さったりした場合、失明は免れません。
眼球以外にも、喉や首筋、脇腹など柔らかく太い血管が走っている場所に刺さった場合は出血多量やショックにより、
最悪の場合命を落とす恐れもあります。
カギのような金属製の尖ったものを安易に武器として用いた場合、
思わぬトラブルや事件に発展する可能性があります。
相手が刃物を持っているなど命に関わるような緊急事態を除いては、
単に相手を殴打するなど威嚇的な攻撃手段に止めましょう。
どうしてもカギを使うなら
どうしても護身の目的でカギを持ち歩きたいというのであれば、
護身用とそうでないものを明確に別けておく必要があります。
家のカギや車のキーとは別に、
もう乗っていない自転車のカギやスペアが無数にある倉庫の鍵などを一つにまとめておき、
いざというときはそちらを取り出して使うという要領です。
ただし、上に述べたとおりカギは非常に殺傷力の高い鋭利な金属の塊です。
護身用に携行するのであれば極力先端が丸く、尖った部分の少ないものを選びましょう。
護身の目的はあくまでも自身の身を守ることであり、相手を不必要に傷つけることではありません。
もしもあなたが素手で制圧できる相手ならば素手で、
それが困難な場合でも可能な限り相手に必要以上のダメージを与えないよう工夫して対処するよう心がけましょう。
自分の身を守るためとはいえ、あなた自身が加害者(犯罪者)になっていては元も子もありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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