現代護身術の真実

いつも心に一杯のほうじ茶を。どうもサイコ田中です。

今日はなかなか大仰なタイトルですが、「現代護身術の真実」と題して、

現代社会における護身術の存在意義や利用目的などについて語りたいと思います。

個人的な意見を垂れ流すだけの記事になると思いますので、興味が無い方は「戻る」をクリックしていただいて一向に構いません。

自分の大切な時間は、100%自分のために使いましょう。(とはいえ、誰かの役に立つことを願って書いていることには違いありません)


日本人に護身術は必要ない?

私は趣味で格闘技や護身術を学んでもう10年以上になりますが、どんなセミナー、どんな練習会に参加しても必ず指導者の方が仰る言葉の一つに、

「そもそも平和な社会に護身術など必要ない」

というものがあります。

確かに、治安に優れ犯罪率の低い社会において護身術の必要性と実用性はほぼ皆無であり、無視しても構わないとさえ思われます。

実際、朝起きて電車に乗り、仕事または勉強に明け暮れ、帰りは遅くとも9時には帰宅するという生活をただ漫然と繰り返す過程においては、

ほとんど危険な場面になど遭遇しないでしょうし、実際に事件やトラブルや巻き込まれるとしても、宝くじに当選する程度の確率でしかないでしょう。

つまり、ほぼ起こりえないのです。

私は護身術として軍隊格闘技のメソッドを多く活用していますが、

これらは元々、戦場という局地を想定した技術です。

失礼な言い方になりますが、平和ボケした日本の社会においては、引き出しの奥の印鑑のように、

ほとんど使う機会の無いものです。

これらの技術を一生懸命習得するのが馬鹿馬鹿しく無意味というのは、強ち間違いでもないでしょう。

正直に白状すると、私がクラブのセキュリティを勤めていたのは、自身が身につけた技術が本当に使えるのかを試すためであり、

そういった意味では、自らある程度危険とわかっている空間に身をさらしているのですから、

護身の本来のあり方とは趣旨が違ってしまいます。私はこの虚しさに気づいて、セキュリティの仕事を辞する決断に至りました。

この現代社会を生きる多くの日本人にとって護身術は恐らく、必要の無いものです。

緊急事態は確かにいつ訪れるかわからないものですが、確率は極めて低い上に、どうやっても回避しようが無いパターンも多々あります。

地震に備えて家具を固定したりするように、身体を鍛えて技術を学ぶのはいいことですが、そんなことに血道を上げていられるほど世の中は単純ではありません。

誰もが自分一人の人生を一生懸命全うし、責任を果たすので精一杯です。

この忙しい情報社会の現代においては、護身術などあるいは、必要ないのかもしれません。

(以前投稿した記事と矛盾する内容になりますが、何卒ご理解ください)


ほとんどの「護身術」は全く使えない

更に言えば、私の経験上、「護身術」と名のつく技術体系のほとんどは、

極限状態においてほとんど役に立ちません。

例えばよくあるデモンストレーションに、「相手が腕をつかんできたら」というのが見かけられますが、

あんなものは意味がありません。

現実における戦いでは、相手は悠長に腕なんて掴んできません。

最初から殴りに来るか、服の肩口を掴みに来ます。

もしつかまった場合、相手のほうが身体が大きければ次の瞬間には投げられるか、もう片方の腕で思い切り殴られて終わりです。

相手に腕をつかまれたときの対処法を知っていても、「えっと、こういうときはこうして」などと考えている暇はありませんし、

相手はあなたが技をかけるのを黙って待ってはくれません。この手の技術は、何百何千と馬鹿らしくなるほど繰り返し練習し、

反射的に再現できなければ全く無意味な上に、圧倒的な体格差がある場合役に立ちません。

よく、護身術のセミナーには私のような物好き(サイコ野郎)以外に真面目そうな女性も何人か参加していますが、

彼女たちが技の練習をするとき、相手をする男性のほとんどは空気を読んで力を抜きます。

つまり手加減して、わざと倒されます。

これは茶番以外の何ものでもありませんし、参加した女性にとっても意味がありません。

更に言えば「本番」で相手の男性は恐らく空気も読まないし手も抜きません。

そして練習したとおりのシチュエーションになる確率は極めて低いでしょう。

この手の技術をどれだけ学んでもあまり意味が無いことに気づく勘のいい女性は、その後セミナーに姿を見せることはありません。正しい判断だと思います。

セミナーも終盤に差し掛かった頃、外国人指導者の多くは口をそろえてこう言います。

「銃を抜きなさい。それが一番早くて確実だから」

馬鹿らしくなってしまうのですが、これが現実です。

本当に身を守りたければ、強力な武器を携行していざという時使えばいい。シンプルですが、身体を鍛えたり、苦労して技術を身に付ける必要も無い。

アメリカではスーパーやホームセンターで銃を手に入れることが出来ますから、それらを日用品と一緒に買うほうが楽に違いありません。

時間もエネルギーも知識も、そしてお金さえも、賢く効率的に使わなければ無駄になります。

護身術や逮捕術、軍隊格闘技などは、本職のセキュリティや軍人が身に付ければいいのであり、大半の一般人にはほぼ不要といえるでしょう。

私のような自意識過剰なオタクが趣味程度に覚えるのは全く問題ないかもしれませんが、

撃たれたら死ぬという現実の前には、全く虚しい形骸に過ぎないと思うのです。

インストラクターは更にこう付け加えます。

「確かに我々はプロだが、いきなり銃で撃たれたら死ぬしかないんだよ」


全ては「暴力」に帰結する

イスラエル生まれの軍隊格闘技クラヴ・マガでは、

(ある意味当然なのですが)キックやパンチなど、打撃の練習が重視されます。

多くの方が護身術というと、相手をその場に組み伏せたり、静かに制圧して動けなくする、

というものを想像されるかと思いますが、あれは全く非現実的です。

私の知る限り護身術の究極的な到達点は残念ながら、暴力です。

もっと簡潔に言うなら、「殴ったほうが早い」ということです。

攻撃者は、あなたやあなたの身近な人に明らかな敵意を持っています。

そんな相手を優しく制圧する必要はないし、気遣いは無用です。

相手を押さえつけながら「落ち着いて、話をしましょう」というシチュエーションは最高ですが、

これは私の経験上非常に稀なケースです。現実はもっと厳しく、単純です。

相手がつかみかかったり、殴りかかろうとする素振りを見せたら、私はためらいなく手を出します。

先手必勝、死角からの不意打ちが喧嘩の必勝法だと、経験で知っているからです。

怪我をさせないために気を使おうとすると、結局誰も守れないことが多いと私は思います。

私はまだ学生だった頃、ロー・コンバットのセミナーであるコーチに投げかけられた言葉を今でもはっきりと覚えています。

「余計なことを考えるのをやめなさい」

「敵はあなたを人間だと思っていない。だからあなたも、相手を人間扱いする必要はない」

当時二十歳そこそこだった私には衝撃的でしたが、これらの言葉がなければ乗り越えられなかったであろう危険な状況を経験したことも事実です。

いざという時、相手を優しく抑え込んだり、腕や肩の関節を極めて制圧するなんて、少なくとも今の私にとってはナンセンスです。

いきなり殴る。それもなるべく相手に見えづらい角度で、急所を叩く。残念ながら、これが恐らく最適解です。

本当に危険な状況で求められるのは、相手を今すぐその場で倒すことです。

この理論は、「銃を抜きなさい」という言葉に繋がるところがあるように思います。


それでも私が護身術を学ぶ理由

私は、戦って死にたいとか、不特定多数の他者を危険から遠ざけたいという気持ちは微塵も持ち合わせていないので(この辺がサイコなのでしょう)、

警察官や軍人になろうと思ったことは一度もありません。そもそも集団生活とか体育会系のノリが苦手なので、多分務まりません。

はっきりしていることは、自分が弱いという現実を知っているということです。

私は小学生の頃から空手を習っていて、中学まで喧嘩で負けたことがありませんでしたが、

高校で初めて刃物を持った相手と向き合い、何も出来ない自分に失望するという体験をしています。

これが、私が護身術に興味を持つに至ったきっかけです。

あだ名が「のび太くん」で、容姿やその他様々な部分にコンプレックスがあったのは事実ですが、

やはり一番は、漠然とした「強さ」に憧れたということになるのでしょう。

格闘技を始めたきっかけを色々な人に尋ねると、必ずと言っていいほど「強くなりたかった」という答えが返ってきます。

私も同じです。理由もわからず、当てもなく、理想や真理のようなものも持たず、とにかく強さを追い求めました。

もうすぐ三十歳という年齢になって改めて思うことがあります。

おそらく本当の「強さ」は、身体が大きいとか、技術が洗練されているということとは違います。それは、もっと根本的な部分で、

「そもそも敵を作らない」ということです。これは、誰にでも出来るし、一番簡単な身を守る方法です。

なんだか綺麗事のようになってしまいますが、結局どれだけ筋トレをして身体を大きくしても、どんなに強いパンチが打てるようになっても、

それらの力を一切使わずにトラブルを回避するのが最もスマートな護身術です。

要するに巧みな話術で丸め込むとか、お金をつかませるとか、社会的に追い詰めるとかそういうやり方です。

パンチ一発で倒せる相手でも、殴る理由が目の前から消滅してしまえばそれまでです。

私がセキュリティをしていたクラブの責任者は、スーツ姿で、丸腰のまま問題を起こした客の前に現れて、

一分もたたないうちにトラブルを解決して見せました。

私はその光景を見て初めて、自分が幼稚だと気づいたのです。

本当の強さとは、目の前の相手を、暴力も用いず、安っぽい脅し文句も使わず、

その場を丸く納める懐の深さと器の大きさのことだと思います。

つまりそういうものを持っている人は、必死に身体を鍛えたり技を磨いたりする必要はないのです。

私がその現実を目の当たりにしてもなお、護身の道を探求するのは、それが好きだからというのと、

自分がクラブのオーナーのような胆力も社会的影響力も持ち合わせていないことを知っているからに他なりません。

私は自分が弱いと知っているから、強くなるために鍛えます。単純明快ですが、今はこれが答えで良いと思っています。

サーフィンが趣味の人が週末に波の様子を伺うように、

私は身を守る技術を学ぶのが好きだから、時々ジムに行ったりセミナーに出たりして、自己満足しているだけです。

恐らく意味なんて無いでしょう。それでも私は、私が身に付けた技術や考え方が、誰かの役に立てば良いと思ってこのブログを立ち上げましたし、

これからも情報を発信していくつもりです。

どんな技術にも、それを必要としている人がいると私は信じています。高校生だった私が、ナイフを持った相手に勝つ方法を求めたように。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ジムに行かなくても強くなれる方法

いつも心に一本のゴーヤを。最近胃もたれ気味のサイコ田中です。

格闘技や護身術に興味があるけど、入会金や月謝を払ってジムに行くのはちょっと……という方は、実は多いのではないでしょうか。

単純にジムや道場が近隣に無いため通うのが難しいという方もいらっしゃるかもしれません。

今日はそんな方のために、格闘技を独学で習得するヒントをお伝えしたいと思います。

複雑な事情によりジムに通えない方も、体力に自身が無い方でも、まずは自宅で出来る練習をはじめてみませんか?


ジムで教わるのが一番の近道

最初に結論から申し上げると、

格闘技を完全に独学で覚えるというのは、なかなか難しい部分があるというのが現実です。

指導者から直接アドバイスを受けることが出来れば、間違いなく上達は早まりますし、確実に体力も向上します。

いい指導者にめぐり合えれば、悪い癖をその場ですぐに修正してもらえるうえに、

上手くなるコツも一人ひとりに合わせて教えてもらえます。

更に対人の練習(約束組み手やスパーリング)の時間は必ずと言っていいほど設けられていますから、

覚えた技術を実戦に近いシチュエーションで試しながら、相手との駆け引きなども無理なく身につきます。

指導者から適切な指導が受けられる、対人練習が出来るというのがジムに通うことの最大のメリットであり、

これらは独学では決してカバーできない部分でもあります。

これから格闘技を始めようと思っている方は、なるべくならジムに入会し、最低半年間は指導者の下で練習に取り組むことをオススメします。

それが強くなるための最短ルートで、間違いの無い選択です。


一人で格闘技を学ぶ方法

ではジムで練習する以外に格闘技を学ぶ方法は無いのかというと、決してそんなことはありません。

細かいフォームの修正や技術の直接指導、対人練習などはどうやっても難しいところですが、

それ以外のところは一人でも十分にこなせます。

正直な話、管理人自身シャイで人見知りが激しいので、ジムに通うのは億劫ですし、

何より潔癖症なので、単純に体臭や口臭がキツイ人や汗っかきの人との練習は苦手です。

そんな私が実際に自宅で取り組んでいる練習方法をいくつか紹介しますので、是非参考にしてみてください。

格闘技はジムに通わなければ学べないと思っている方は、もっと気楽に考えて、出来ることからやってみましょう。

 

Youtubeの動画を参考に練習

本当にいい時代になったもので、いまどきはジムや道場の指導者がチャンネルを立ち上げて、

通信講座のような動画を無料で公開しています。

これらの動画では本来直接指導されないとわかりにくい部分も細かく丁寧に、わかりやすく説明されているため、

わざわざジムや道場に足を運ぶ必要が無く画期的といえます。

ボクシング、空手など大体の格闘技は名のある日本人指導者が何らかの形で動画をアップしているので、

自分が気になるものを見て、ちょっと動きを真似るだけでも十分練習になります。

Youtubeの動画を参考に練習する場合のポイントは、あまり色々な動画を同時に見ないことです。

例えばパンチについて説明されている動画だけでも無数に存在しますが、

一度ある動画を見たら、それだけを繰り返し見て、覚えていくのが理想的です。

よくわからないうちに沢山ある動画を片っ端から見てしまうと、頭が混乱して、ポイントをうまく捉えられません。

一つの動画を見たら、その指導内容を何度も自分で試してください。それでもまだコツがわからなければ、他の動画を見るようにするといいでしょう。

 

日々の筋トレに格闘技の動きを取り入れる

これはすでに筋トレがある程度習慣になっている人向けですが、一番簡単な方法です。

例えば腕立伏せは、それだけだと胸筋や三頭筋くらいにしか効きませんが、

指先や握りこぶしを床について行えば、パンチを打つ際に重要な筋肉に刺激が入るようになります。

また有名なメニューとして、リバースランジやスクワットに蹴りの動作を組み合わせるというものがあります。

やり方は至ってシンプルで、例えばリバースランジの場合、

後ろに引いた足を戻してニュートラルの姿勢に戻るのと同時に、蹴りを繰り出すだけです。

いつもの筋トレに新しい刺激を加えつつ、蹴りのパワーに繋がるバランス感覚や連動性を高めることができ、一石二鳥です。

こうした筋トレと格闘技のトレーニングを組み合わせたエクササイズもYoutubeで紹介されているので、

気になるものを見つけたら試してみましょう。

 

ゴムチューブで「一人グラップリング」

柔道経験者の方は、道場にゴムチューブがぶら下がっているのを見たことがあるかもしれません。

シンプルなツールですが、一人で効果的な練習が行えます。

ある程度伸縮性のあるものを引く動作により、相手とつかみ合いになったときに主導権を握るための総合的な腕力を鍛えられます。

公園の遊具に太めのチューブをくくりつけて、縦横斜めと、いろいろな方向に引っ張るだけで効果はありますし、

チューブを2本使えば左右の腕で違う方向に力を加える練習ができ、

これは相手をつかんで投げたり、相手の動きをコントロールする練習になります。

もちろん、チューブの真ん中を足で踏み、両端をぐいぐい引くだけでも十分な効果が得られます。

シャドーボクシングにも共通することですが、

相手の姿や動きをイメージできれば、一人でも質の高いトレーニングは可能です。


ジム通いだけが強くなる道ではない

今は本当に便利な時代になったので、自宅で画面越しに指導が受けられる動画やアプリがどんどん増えています。

これらをうまく活用すれば、ミットやサンドバッグを叩くとか、

スパーリングをする以外の練習は全て自分一人でも行えます。

確かに格闘技の技術は結局のところ、陸の上で泳ぐ練習が出来ないように、相手と闘うことでしか身に付けられない部分はありますが、

シャドーや型、筋トレなど、大部分は一人で黙々と積み重ねるものです。

基本の型を繰り返すだけではいざという時役に立たないかもしれませんが、

闇雲にサンドバッグを叩き、惰性で馴れ合いのスパーリングをやるよりは遥かに質の高い練習といえるでしょう。

ジムに通って汗を流すことだけが、強くなる方法ではないのです。

そもそも私たちの目指すゴールはどこでしょうか?プロの格闘家になるのが目標なら、毎日ジムで激しい練習に取り組まなくてはいけないと思いますが、

そういった目標が無いのならわざわざジムに通う意味はあまり無いとも言えるでしょう。

自分に合った練習を自分のペースでやれることが独学の最大の強みです。

引っ込み思案な人や体育会系のノリが苦手な人、近くにジムがないという人は、無理してジムに通う必要はありません。

まずはあなたが興味を持った格闘技についてYoutubeで検索して、基本のワンツーパンチから始めてみませんか?

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術9【ナイフはなぜ危ないのか】

いつも心に一体のミイラを。どうもサイコ田中です。

突然ですが皆さんは、もしもナイフを突きつけられたらどうしますか?

怖いし、何も出来なくなってしまいそうですよね。

もしも訓練を受けていたとしても、実際に刃物を目にしたときの恐怖と不安は、あまり変わらないと思います。

なぜ、ナイフなどの刃物は怖いのでしょうか?

今日は私の実体験なども交えつつ、刃物の恐ろしさと、ケース別の対処法を紹介したいと思います。

刃物による無差別殺傷など、凶悪な事件も他人事とは言えない世の中です。

いざというとき生存率を最大限高めるために、あなたにも出来ることがあることを知ってください。


あまりに厳しいナイフ・ディフェンスの現実

先に結論から申し上げます。

ナイフなどの刃物による攻撃の約9割は、防ぐことが出来ません。

映画やドラマで華麗にナイフを取り上げるアクションシーンがあるかと思いますが、

あれはあまりに非現実的であり、幻想というほかありません。

なぜ、刃物による攻撃を防ぐのは困難なのでしょうか?具体的な例を挙げて説明します。

 

攻撃を止められない

例えばイスラエル生まれの軍隊格闘技クラヴ・マガでは、初級クラスのナイフ・ディフェンスにおいて、

両手で相手のナイフ攻撃をブロックするというテクニックを習います。

ですが冷静に考えてみてください。あなたがナイフによる攻撃を防ぐのに両手を使っているのに対し、

相手はナイフを持っていないほうの手も、足も、自由に使えるのです。

当然ですが、相手はナイフを止められたと思ったら次の瞬間には、

空いているほうの手でつかみかかるか、殴りつけてきます。こちらは手が塞がっているので、まともにもらうしかありません。

うっかり手を放してしまえば、あとはナイフによる攻撃が待っているだけです。

このように、攻撃者がナイフ以外の攻撃手段をいくつも持っているのに対し、

素手で身を守るほうにはほとんど選択肢がありません。

防戦一方になり、最後には刺されるか切られて終わってしまいます。

 

多角的な攻撃に対応できない

ナイフによる攻撃は、極めて多彩で変則的です。

握りや構え方一つで攻撃パターンも変化し、攻撃される部位や角度も大幅に変わります。

一回の攻撃をどうにかやり過ごしても、

次から次へと襲ってくる様々な方向からの攻撃に、全て対応するのは不可能です。

上から振り下ろされたナイフを両手でうまく受け止められても、

その瞬間に相手の手からナイフを奪わなければ、がら空きの胸や腹部を刺されて致命傷になります。

相手の殺意が強ければ、あなたが倒れて動けなくなっても、攻撃の手を緩めないでしょう。

ナイフ・ディフェンスにおける難題とは、

予測不能に近い攻撃を紙一重でかわし、瞬時に武装解除しなければならないという点なのです。

これは、訓練を受けていない素人や、試合で使う技しか覚えていない格闘家には真似できません。

 

防御する手段が無い

例えばパンチやキックなどであれば、格闘技の知識があればブロックの仕方がわかりますし、それに従っていればまず問題は無いでしょう。

ですがナイフによる攻撃は、身体の一部を使って防ぐことなど出来ません。

片腕一本を犠牲にする覚悟で挑むというなら話は別ですが、並大抵の人はそんな覚悟を決めて攻撃者に対峙することはできません。

またナイフの大きさや形状を正しく認識していないと、防いだと思っても刃が身体に届いていて、普通に刺されるということも起こりえます。

特に刃渡りが10センチ近くなると、体感的にリーチは20センチ前後長くなるため、距離感をつかむのが難しくなります。

今年(2019年)6月に起きた交番襲撃事件では刺された警察官は防刃ジャケットを身に付けていたそうですが、

それでも致命的なダメージを回避できず、重症を負っています。

もしもナイフで不意打ちに近い形で急所を狙って攻撃された場合、まず命の保障はありません。

 

武装しているかどうかさえわからない

ナイフには様々な大きさや種類がありますが、

一番小さいものになると手のひらに収まるくらいのものまで普通に売られています。

まして夜間に、つや消しの黒っぽい刀身のナイフで攻撃されたら、ほとんど目に見えません。

私自身、相手が素手だと思っていたら、いつの間にか手の甲を思いっきり切られていて、

血を見てやっと気づいたという恐怖体験も一度や二度ではありません。

相手の服装や挙動などから凶器の携行を見破るというのもまた慣れと経験が求められ、一般人には至難の業です。


刃物を手にした相手と遭遇したら

では現実に刃物を持った相手と向き合うことになったら、一体どうするべきなのでしょうか。

とにかく逃げる

あなたが真っ先に考えるべきことは、護身が必要な場面全てに共通して言えることですが、

まず全力で逃げることです。

相手が凶器を持ってこちらに攻撃する意思があるとわかった時点で、なるべく早くその場を離れることが先決です。

そして逃げるかどうかを決断し、実際に行動へ移すまでの時間も可能な限り短縮することが求められます。

この逃げるという初動が、生存率を上げるうえで最も重要です。

 

物を投げる

とにかく刃物を手にした攻撃者とは一定の距離を保ちたいので、

手近なものは何でも投げて相手の動きを止めましょう。

椅子や自転車など、重いものを投げつけるのがもっとも効果的ですが、

軽いものでもとにかく投げつけていれば簡単には接近されません。

近くに消火器があるなら煙を食らわせるのは有効ですし、周囲が真っ白になるので視界を奪う効果もあります。

ナイフなどで武装した相手と向き合ううえでも最も致命的なのは、距離を縮められることです。

身体の一部をつかまれるなどした場合、命は無いと思いましょう。

 

長いものを振り回す

物を投げるのと同様に、持ち物を振り回すというのは有効です。

とにかく簡単に触らせなければいいので、ある程度長さのあるものを不規則なリズムで振り回し、

相手に的を絞らせないようにしましょう。

傘や杖などが強度の関係上好ましいのですが、

持っていない場合はベルトや上着、充電器のコードなどでも問題ないでしょう。

とにかくナイフによる攻撃をまともに食らわないよう距離を取ることが目的なので、相手にダメージを与える必要はありません。

更に言えば相手にダメージ与えられるような道具は、奪われたときのリスクが高くなるため使うべきではないでしょう。


最後は「やる」しかない

相手から逃げることができず、周囲に投げたり振り回せるようなものが無い場合、

これは最悪の事態ですが、生き残るためには「やる」しかありません。

よほど高度な訓練を長期にわたって続けてきたわけでもない限り、

素手でナイフをどうにかするのはほぼ不可能です。ただ、簡単にやられないために出来ることはあります。

まずは金的蹴りを狙います。素早くコンパクトに相手の股間を蹴ることが出来れば、その一発で動きを止め、逃げ出すチャンスに繋がるかもしれません。

さらに下半身へのキックはカウンターをもらうリスクが小さく、蹴るほうもバランスを崩さず最小限の動きで攻撃できるため安全です。

蹴り足を素早く戻せるというのも強みです。

金的蹴りがうまくいかなかった場合は、どこかを切られるか刺される覚悟で、パンチを当てにいきます。

顔に一発でも入れることが出来れば確実に相手の動きは止まるので、その隙を見逃さずに逃げましょう。

リーチを最大限生かせない分キックよりリスクは高く、カウンターをもらうダメージもありますが多少は仕方ありません。

パンチした手をつかまれないよう素早く引くことを意識し、真っ直ぐ顔面だけを狙いましょう。

相手が顔を打たれることを気にしてガードするような動きを見せたら、すかさず金的蹴りを狙います。

 

残念ながら、素手でナイフを持った相手と向き合うような状況に陥った場合、一般の方の9割はまず助からないと思われます。

ナイフによる攻撃はほとんど防ぎようが無く、身体の一部をつかまれるなどした場合はどうしようもないのが現実です。

突きつけられた時点でほぼ終わりと言っていいでしょう。

合気道や一般的な護身術などで紹介されている、手首をひねるなどの武装解除の方法は、

相手との体格差などを一切考慮していないため無意味です。(相手のほうが力が強い場合は全く抵抗できずにやられてしまうため)

またそのような方法で実際に相手からナイフを奪おうとしても、練習したとおりの攻撃パターンにしか対応できない上に、

「ああやって、こうやって」と頭で考える時間が生まれるので動きは遅くなります。

一番手っ取り早いのは、真っ直ぐ相手の目を見たまま、いきなり金的を蹴ることです。これは相手が刃物などの凶器を持っていない場合も同様です。

相手に明確な殺意や敵意があることを感じたら、迷わず攻撃するしかありません。

先手必勝の急所攻撃は、身を守るための切り札です。覚えておきましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術8【危険な相手の見分け方】

いつも心に一冊のHobbyJapanを。どうも実はオタクのサイコ田中です。

前回は「場所」について取り扱いましたが、今回は「人」にフォーカスして危険を回避するコツをお伝えします。

今も昔も変わらず危険な人々はどこにでもいます。

それらを見分けて、なるべく関わりを避けていくにはどうすればいいのか、私自身の体験なども交えながらお話したいと思います。

これから夏本番、祭りなどの行事に観光、レジャー、様々な人と触れ合う機会があると思いますが、

どこに潜んでいるかわからない危険を可能な限り回避し、楽しく実りある夏にしましょう。


人は見た目が9割のウソ

いきなりですが、結論から言うと、人を見た目で区別することはできません。

何故かというと、人が会話の中でバレない程度に嘘を交えるように、

見た目にも相手を騙すトリックを組み込めるからです。

典型的な例を挙げるならば、それは女性の化粧です。

女性の皆さんには申し訳ありませんが、ほとんどの女性の「すっぴん」と「メイク後」は、顔が全然違いますよね。

それと同じように、見た目は服装や持ち物、装飾類を用いてある程度ごまかすことが出来てしまいます。

本当にメイクが上手な人は、別人になるという言い方もしますよね。

このように私たちが見て受け取っているものは、ほんの表面上の情報に過ぎず、本質は見抜けません。

ですから相手の見た目からその素性を探ったり、正体を読み解くなどということは不可能です。

大事なことなので断言しておきます。そんなことはできません。

ですがある程度経験を重ねて観察眼が鍛えられてくると、ある種の傾向があることまではわかります。

ここからは私がクラブのセキュリティとして働いていたときの経験なども交えて、外見から得られる情報とその傾向、対策についてお話します。


こんな人は危ない

それでは実際にどんな見た目の人が危険な傾向が強いか、実際の例などもあわせて見ていきたいと思います。

あくまでここに挙げる例は一部で、全ての人が危険ということはありません。

きちんと相手を見て、可能なら話を聞いてから見極めましょう。

繰り返しになりますが、人を見た目で判断することは誰にも出来ません。気をつけましょう。

 

刺青・タトゥーが入っている

非常によくあるケースですが、

身体の一部に刺青またはタトゥーが入っている人は、要注意です。

若くてやんちゃだった頃に勢いでやってしまった、という人なら見えないように長袖などで隠しているか、消した跡が確認できるので問題ないのですが、

明らかに見えている、見せているような人はやはり危険です。

私の経験上タトゥーが入っている若い人は、音楽関係者、格闘家、軍人などが多く、最悪のケースが「本職」の方でした。

このように刺青やタトゥーが身体の一部に見られる人とは、距離を置いたほうが無難と考えられます。

ただし最も危険なのは、目立たないためにあえて刺青を入れていないか、見えないところに入れている人物です。

こういう人は何かトラブルを起こしたときに足がつかないようにするため、

極端に特徴や個性を殺そうとしている傾向があり、大変危険です。

落ち着いていて服装が地味なのに、黙ってナイフを出したりするような危険人物がこれに該当します。

私は過去に一度だけ、片方の脚の太ももに大きな刺青を入れている男性を取り押さえたことがありましたが、

目に見えないところに刺青があるような人は多分普通とは違う神経構造の持ち主です。もしも気づいたら(無理だと思いますが)警戒しましょう。

海外の方は普通にファッションとして刺青を入れていることが多いので、あまり気にする必要は無いと思います。

 

スキンヘッド・坊主頭

スキンヘッドや丸刈りといったヘアスタイルは、

よく反抗や反逆のシンボルなどといわれますが、だから危険というわけではありません。

髪を短く刈り込んでいるような人は、何か激しいスポーツをやっているか、

軍人か元軍人である場合が少なくないからです。

特に格闘家やラグビー、アメフト選手に多く見られ、その大多数が服の上からでもわかるほどたくましい身体をしています。

こういう人物は安全とはいえないので、距離を置くのが無難でしょう。

また上の画像のように坊主頭でなおかつタトゥーが入っているとか、耳がつぶれ鼻が平らというような特徴がある場合、危険度は高くなります。

前者は過激な思想の持ち主が多く、後者は寝技系格闘技かボクシングの経験者であることが一目でわかります。

このような人物ともしトラブルになった場合、最悪の場合命を落とす可能性もあるため、やむをえない場合を除いては関わりを避けましょう。

野球少年たちは基本的に問題ありません。

 

明らかに顔を隠す意図がある服装

フードつきパーカーやマスク、

サングラスなど明らかに顔を隠す意図がある服装や装飾品をまとっている人物は、黒に近いグレーです。

例えば花粉症の時期はマスクをしていても違和感はありませんし、昼間ならサングラスをしていても不思議ではありません。

問題なのは、夜間にサングラスをかけているとか、暑い時期にわざわざマスクをしてフードを被っているなど、

明らかに顔を隠す意図が表れているような場合です。

これらの人物は何か後ろめたいところがあり、無意識に顔や名前など素性を知られる情報を隠そうとする意図が働いています。

それが単なる隠し事や秘密の趣味ぐらいなら何の問題もありませんが、悪意や殺意ならば話は別です。

私の経験上クラブの入り口でボディチェックをして物騒なものが出てくるのは、この手の服装をしている人物が最も多かったです。

また一つの実験として、夜の街を黒のフードつきパーカーと黒のスウェットパンツでうろついた事があるのですが、三日連続で職務質問を受けました。

やはり警察官の方はよく見ていますね。

 

季節感の無い服装または奇抜な格好

単なるお洒落で、他と差別化を図りたいだけの人ならいいのですが、

明らかに季節感が無く不気味な服装の人は、安全とは言えません。

まず冬なのに夏のような格好をしている人、あるいは夏なのに暖かい服装をしている人。

こういう人は覚せい剤など薬物の影響で感覚に異常をきたしている場合があり、大変危険です。

また色や形がちぐはぐで統一性が無く、派手な服装をしている人も要注意です。

これらの人々の中には普通の人とは違う感性を持った「アレな人」が混ざっており、話が通じないとか、一般的な常識を持ち合わせていない場合があります。

この手のトラブルメイカーは些細なことでキレたり警察を呼ぼうとしたりする傾向があるので、近寄らないことを強くオススメします。

(中には話すと普通の人もいますが、変わっている人が多いと思います)

 


意外と安全な人の特徴

見た目は怖いけど、案外普通という人の特徴もあわせて紹介しておきます。

気になる人がいたら声をかけてみても面白いかもしれませんね。

(あくまでも私自身の経験に基づいた、個人の意見です)

ゴリゴリのマッチョな男性

ただ身体を鍛えるのが好きなだけで、実は甘いものや可愛いものが好きという人もいます。

また根が臆病なだけに一生懸命外見を強く見せようとしているという人も多く、

このタイプは優しくて真面目なのに力持ちで、いざという時頼りになりますから、

女性ならばパートナーとしてオススメの人材です。

ただし一緒に食事に行くと会計がすごいことになります。

 

金髪や奇抜な髪の色をした人

一見すると派手で抵抗がありますが、話してみると普通どころか面白い人がたくさんいます。

性格的には目立ちたがりか、その逆に臆病で引っ込み思案な傾向があるそうで、

特に後者の方は自分を変えたいという変身願望を強く持っていて、音楽やコスプレなどが趣味ということが多いようです。

またこのタイプは多趣味で器用なことが多いので、友達になれたらどんどん新鮮な刺激を受けることが出来て、視野も広がりそうですね。

 

大きなピアスを口や鼻にまで開けている人

確かに中には攻撃的で危険な思想の持ち主もいますが、

その大半はむしろ臆病なほど他人の目を気にし、争いを避ける傾向があります。

そもそも過剰な装飾は自信の無さの表れであり、内にある強い不安を隠すための手段です。

ちゃんと話を聞いてあげると、彼らは人並みかそれ以上の感受性を備えた、優しい心の持ち主だということがわかると思います。

私の知人に顔中ピアスだらけの男性がいるのですが、彼に一度興味本位で訪ねたことがありました。

「そんなに穴だらけで、喧嘩のときどうするの?」

すると彼は真顔で、

「俺は喧嘩なんか出来ないし、やらないよ」

と答えました。彼らは見かけこそ派手で攻撃的な印象ですが、内面はとても穏やかで理知的なのです。

どうか怖がらず、普通に接してあげてください。いい話し相手になってくれるはずです。


人の内面と向き合うということ

ここまで危険な人、実はそうでもない人の特徴を挙げてきましたが、

結局人は外見ではなく中身が大事です。

普通の学生やサラリーマンのような姿で社会に溶け込んでいるサイコパスもいるでしょうし、

一方で明らかに反社会的な風貌でも中身は穏やかで平和を愛しているという人もいるでしょう。

人は絶対に見た目ではわかりません。

第一印象が最悪で、「こいつとは絶対友達になれない」と思った人と毎週のように食事に行く関係になるかもしれませんし、

それが最高のパートナーになる可能性だってあるわけです。その可能性を生かすも殺すも、最後は自分次第です。

それが危険な人でもそうでない人でも、一番大切なことは、

その人の内面にきちんと向き合うことだと思っています。

ちゃんと話を聞き、どんな価値観や世界観を持っているのか、また何が好きで何が嫌いなのか、そういう情報を得てはじめて、人の本質は見えるはずです。

ですからどうか、人を見かけで判断しないで、その内面にあるものを見つめる努力をしてください。

スキンヘッドや大きなピアス、刺青などを入れているような人は実は、とても繊細で臆病な一面も持ち合わせています。

特に若い女性などの場合、過去に辛い体験をして心に闇を抱えている人には必ずと言っていいほど自傷の痕跡が見られます。

彼らは簡単には心を開いてはくれませんが、いつでも誰かに助けを求めています。安心できる居場所がほしいのです。

もしも見た目が荒んでいて、近寄りがたいオーラを出しているような人でも、あなたがどんな姿勢で向き合うかによって、結果は変わってきます。

なるべく避けたほうがいい人がいるのは事実ですが、

見た目で相手の人間性や人格まで「決め付ける」のは絶対にやめましょう。

あなたの人生を変える出会いは、どこに転がっているかわかりませんからね。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術7【危険な場所の見分け方】

いつも心に一滴のラー油を。どうもサイコ田中です。

いよいよ夏本番、長い休みを取って旅行に行ったり、友達と遊びに行く方も多いのではないかと思います。

今日はそんな外出時、

人の多い場所など土地勘の無い旅先で危険な目に遭わないためにあなたが避けるべき場所を、管理人自身の経験なども交えてお伝えします。

特に学生の方は人生一度きりの大切な時間をより充実したものに出来るように、

身の回りにある様々な危険を是非再認識してください。


まずは危険な場所に近づかない

身を守る上で一番大事なことは、そもそも危険な場所に近づかないことです。

類は友を呼ぶという言葉があるように、

過激な思想や危険な世界観を持った人々は、自然と集まる傾向があります。

そしてそこは彼らの感性をそのまま反映したかのように、薄暗く剣呑な、どことなく「ヤバイ雰囲気」を放つ空間です。

典型的なのはクラブやバーですが、それ以外にも危ない場所はあるので、この際覚えてしまいましょう。

関西でもそこそこ治安の悪い地域に6年以上暮らしている私が、今日まで何事も無く暮らすために避けてきたのは次のような場所です。

 

ゲームセンターまたはダーツバー

少なくとも昼間のゲームセンターは何の問題もありません。

また夜間でも小さな子供を連れている大人がいるようなところは安全です。

問題なのは、駐車場に人目でそれとわかる黒塗りのセダンやワンボックスなどが停まっている、

学生などの姿が無いゲームセンターです。

これはほぼ100%の確率でグレてしまった若者やヤクザ気取りの中高年が集う場所なので、近づいてはいけません。

特にダーツバーは私の経験上、近づくだけでも普通に絡まれることもあるので、

その店がある通りを避けて動くか、何人かのグループで行動しましょう。

「警察官立寄所」のステッカーが張ってあるところは、雰囲気が悪くても安全です。

 

深夜の駅周辺

都市部にお住まいの方はおわかりかもしれませんが、

0時以降の駅周辺は酔っ払いや若い男女、時には学生まで徘徊する無法地帯です。

近くに交番がある場合は全く問題ないのですが、それでも問題を起こすトラブルメイカーは必ずいるものなので、こういった場所には近づかないのが理想です。

また駅近くの居酒屋やバーで自分自身が酔っ払いになってしまった場合は、

トラブルに巻き込まれないうちにタクシーなどで駅を離れ、落ち着いた店で飲み直すなどしましょう。

今はもうほとんどが撤去されているかもしれませんが、駅周辺に喫煙スペースがある場合、ここが一番の鬼門です。覚えておきましょう。

 

若者の多い繁華街

若者が多く、子供や中高年、高齢者の姿が無い場所というのは、必ず理由があるものです。

そういう場所は警察にマークされているので安全といえば安全ですが、保障はありません。

自分の身は自分で守るのが原則で、特に社会人の場合は全て自己責任というところもあります。

こうした「普通の人が寄り付かない」場所に近づくのはやめましょう。

事件やトラブルに巻き込まれてからでは取り返しがつきません。

やむをえない場合を除いては、サラリーマンなどが歩いている明るくて大きな通りを歩きましょう。

近くに風俗店がある場合の危険度は計測不能です。事前にわかっているなら絶対に避けましょう。

 

奇抜なデザインの建物や飲食店など

見た目が派手で他と違った目の引き方をするような建物は、グレてしまった若者や学生のたまり場になりがちです。

「ちょっと洒落てる」ぐらいなら問題ありませんが、

一目見て奇抜と感じるような店には、なるべく一人で入らないようにしましょう。

また頻繁に外装や店の名前が変わるような飲食店も要注意です。

これらは何らかの複雑な事情を抱えている場合が多く、

いわゆる「本職」の方たちが出入りしている可能性があるため、好奇心だけで近づくのはやめましょう。

換気扇から嗅いだことの無い臭いが混じった煙が出ているような店は、普通の店ではありません。絶対に入らないようにしましょう。

(入ってみたら普通にいいお店だった、というケースもあるので一概には言えないのが難しいところです)

 

その他の危険な場所について

中華街など、外国人の文化や風習が複雑に混じり、深く根付いているような場所は、出来れば避けたいところです。

些細なきっかけでトラブルに発展する場面も多い上に、

相手は言葉の通じない外国人という最悪な状況になるため、危険度は極めて高いと言えるでしょう。

一般の方が何の問題も無く出入りしているような通りなら問題ありませんが、それが事前に確認できない繁華街は避けて通るべきです。

また店の前に堂々と灰皿が置かれているような焼き鳥屋や古着屋は、若者のたまり場になっている可能性があります。

入ったときは問題なかったけど、出ようとしたらやばそうな奴らに詰め寄られた、なんてことも起こりえます。

特に彼らは自分たちの縄張り(hood)を重要視する傾向にあるため、部外者には容赦なく攻撃してくる可能性もあります。

タバコの吸殻や缶コーヒー、エナジードリンクの空き缶などが捨てられている場所は危険度高めです。


「危険な場所」はあなたが知っている

とにかく大切なことは、よく知らない場所に興味本位で近づくのはやめましょう、ということです。

観光客などがごった返している場所は問題ないとして、

京都などでも通りを一つ間違えると大変なことになると言われるように、危険な場所はどこにでもあるものです。

あなたが事前にきちんとリサーチして、治安の良さや安全を確認できているような場合を除き、

知らない街の知らない通りを歩くのは避けるのが無難でしょう。

そして何より信頼できるのは、あなた自身の感覚です。

あなたが危険な思想や考え方を持っている場合は別として、

人には危険を察知する能力が生まれつき身についています。

ですからもしもあなたが「なんとなく嫌な感じ」「気持ち悪い」と感じたら、そんな場所からはさっさと離れましょう。

これが一番簡単で、最も大切なことです。

知らない場所に近づかない、嫌な感じがしたらその場を離れる。身を守るための基本法則です。

 

少し見方を変えると、同じ街並みでも違った情報の受け取り方が出来るようになり、印象が変わります。

楽しいこと、面白いことばかりを発見できればいいのですが、そううまくはいきません。

身近な危険を回避するためにも、

「不自然なところ」や「なんとなく違和感のある場所」を探す癖もつけるようにしましょう。

そうして磨かれた感性はいつか、あなたやあなたの大切な人を危険から遠ざけるための、強力な武器になるでしょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

筋トレが続かないときに試したいこと

いつも心に一人前の親子丼を。サイコ田中です。

何にでも当てはまることですが、一つのことを続けるのって難しいですよね。

私も典型的な三日坊主で、なかなか長続きしない性格なのですが、奇跡的にブログは続いています。

筋トレも「やらなきゃいけない」とわかっていても、単純に時間が無かったり、

やる気が出なかったりで、出来ないときがあります。

今日はそんなときでも「よし、やろう」と思えるようになる方法をいくつか紹介します。

これで三日坊主から抜け出し、理想の身体を手に入れましょう。


筋トレを「やりたくない」のは当たり前

筋トレって苦しいしめんどくさいし、出来ればやりたくないですよね。

中には「筋トレ大好き!」という人もいるかもしれませんが、

そんな人にも「これは苦手」「これはキツイ」という種目やメニューが必ずあると思います。

筋トレを「やりたくない」と思うのは、ある意味自然なことです。

なぜなら筋トレの本質は自分をいじめることで、

ストレスがかかる上に、常に限界を超えなければいけないという縛りがあるからです。

やっていて苦しい、もう嫌だと思うような負荷や強度でなければ、トレーニングとして成り立ちません。

だからこそ終わったときの達成感があり、成長の実感があり、さらなる挑戦の意欲がわくのです。

やっている最中は面白くもないし、今すぐやめたいと思うような種目もいっぱいあります。

それでもやった分だけ身体は確実に変化します。

もしも筋トレ自体を楽しいと思っている人がいるなら、その人は負荷をかけ切れていないか、厳しい言い方をすれば「甘えている」のだと思います。

本来筋トレとは苦しいものです。楽しく出来ることが理想ですが、

楽しく出来るようなトレーニングの効果はあまり高くないのが現実でしょう。

(気分転換に「楽しいトレーニング」を取り入れるのは大切です)

 

筋トレを続けるためのコツ

それでもやらなければ変わらないのが身体、心です。

「そんなことはわかってるけど、やりたくないものはやりたくないんだよ」という方に是非オススメしたい、

筋トレを続ける、やる気になるためのコツをいくつかご紹介します。

 

ルールを決めてしまう

これが一番難易度が高いのですが、シンプルな方法です。

要は筋トレをする日と種目を決めてしまって、毎朝起きて歯を磨くように、習慣化してしまうのです。具体的には、

・月曜日、水曜日、金曜日は筋トレをする

・月曜日は上半身と体幹、水曜日は下半身のみ、金曜日は上半身と下半身

・必ず1時間以内に終わらせる

という具合に、ルールを設定します。

これが守れなかったときのペナルティーを用意する必要はありません。

筋トレするために生きているわけではないので、そこまで厳格にする意味はないでしょう。

一番大切なことは、このルールを自分にとって当たり前の習慣にすることです。

朝起きたら、顔を洗って歯磨きをして、軽くストレッチをする。それからタイマーをセットして一気にその日のメニューをやってしまう。

最初はかなりきついですが、慣れてくるとそれが普通になり、

むしろやらないと気持ちが悪いので、無理してでもやろうとするようになります。こうなったらもうこっちのものです。

ちなみに私の場合は、

・月水金が筋トレ。どうしても出来なければ一日ずつずらす。

・月曜日は懸垂、腕立、スクワット

・水曜日は腹筋、背筋、バーピー

・金曜日は懸垂、腕立、スクワット

・ウォーミングアップの時点で体幹トレーニングをやっておく

・トレーニングの最後にシャドーを3分間

という感じでルールを決めて、約半年で当たり前になり、一年でストレッチなどと同じ習慣になりました。

現在は様々な種目がここに追加されましたが、基本的なところは変わっていません。

 

とりあえずやってみる

これが意外と難しいようで簡単、なおかつ効果的だと私は思っています。

朝起きて、身体がだるくてしょうがない、全然疲れが取れてない、でも筋トレしなきゃ……

そんなときは、とにかく上半身裸になり、イヤホンを耳に突っ込んで好きな音楽をかけます。

軽く準備運動をしたら、

意外と身体が動くことに気づくので、そのまま一気に懸垂や腕立伏せなど、パンプを感じやすい種目をやってしまいます。

終わった頃には、案外身体は動くという気づきと達成感が残ります。

何もしないと今日は休んでしまったという罪悪感と敗北感、そして体感的に一回り小さくなってしまった身体だけが残ります。

絶望的に多忙なときでも、身体がしんどくても、

人にはやり始めると出来るという性質があるので、これを生かして乗り切りましょう。

 

カフェインに頼る

あまりオススメはできませんが、

最後の切り札としてエナジードリンクを飲むという方法があります。

エナジードリンクそのものの効果(カフェインなどの効能)を生かすというよりも、

「これを飲んだからやれる」「これを飲んだからやらないと」という気持ちになることに意味があります。

そういった意味では、エナジードリンクとは究極的にプラシーボ効果しかないただのジュースなわけですが、それでいいのです。

一番大事なことは、あなたがやる気になり、実際に動けることです。

もしもカフェインを摂ることでモチベーションが回復し筋トレに臨めるならば、積極的に活用しましょう。

ただし飲みすぎには注意です。


あなたは何のために鍛えるのか

筋トレを続ける上で一番大事なことは、目標を明確にすることです。

体重を何キロまで絞るとか、体脂肪率を何パーセントにするとか具体的な数字を示すことはもちろん有効ですが、

根本的なことは、どうして身体を鍛えるのか、という部分です。

強くなるため、生まれ変わるため、色々目的はあるでしょうが、

そうした目的があって始めてモチベーションが生まれ、トレーニングが継続されます。

筋トレが続かないという人は、一度「筋トレしなきゃ」という余計な強迫観念を捨てて、惰性のトレーニングをやめましょう。

そして自分が筋トレを始めた理由をもう一度思い出してください。

もしも今現在のあなたが目指す理想に筋トレが必要ないなら、やめてしまっても問題ないと私は思います。

ですが逆に、身体を鍛えなければならない理由がきちんと定まっていて、それが揺るぎないものであるならば、あなたは筋トレを続けるべきです。

そして苦しいとき、モチベーションが上がらないときは、何度でも自分に問いかけてください。

「お前は何のために鍛えるのか」と。

そうすれば自ずと答えは見えてくるでしょうし、次の瞬間にはジムへ行く準備を始めているでしょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術6【スマホで出来る簡単護身術】

いつも心に一軒のラーメン屋を。どうもサイコ田中です。

突然ですが皆さんはスマートフォンをお持ちでしょうか?

今は小学生から年配の方まで、幅広く普及したスマートフォン。

もしかしたらこの記事も、スマートフォンで読んでくださっている方がいるかもしれませんね。

今日はスマートフォンのアプリやその他の機能を使って、より簡単に、そして効果的に身を守る方法をご紹介します。


防犯アプリを最大限に活用しよう

すでに利用されている方もいらっしゃるかもしれませんが、スマートフォン向けに防犯、防災用アプリが多数公開されています。

操作や設定が手軽で使いやすいものばかりですので、どれか一つはインストールして、いつでも使えるようにしておきましょう。

ごく簡単にですが、オススメのアプリを紹介します。

 

Digi Police

警視庁公認の防犯アプリで、防犯や護身に役立つ様々な機能が一つに集約されています。

事件などのリアルタイム通知機能が東京都内でしか利用できないなどの問題もあるようですが、防犯機能がとても充実しているので、

迷ったらとりあえずコレをインストールしておけばいいと思います。

App Storeからダウンロード

Google Play で手に入れよう

 

撃退アラーム 振るだけで鳴る防犯ブザー

その名の通り、スマホを振るだけで使える防犯ブザーです。緊急メール送信機能なども搭載されているため、万が一事件に巻き込まれても安心です。

とにかくシンプルに、使いやすさを求めるならこちらのアプリがオススメです。こちらのアプリはiphone専用です。

App Storeからダウンロード

 

防犯アラーム&助けてメール送信

こちらも機能がシンプルで使いやすい防犯ブザーです。androidユーザーの方をこちらを利用してください。
Google Play で手に入れよう

 


スマホで簡単護身術

防犯アプリを使う以外にも、スマホを使って身を守る方法があります。

ここで紹介するのはごく一部です。スマホにはまだまだ色々な使い方があるので、自分だけの「スマホ護身術」を見つけてみてくださいね。

 

インカメラで後方確認

スマホのカメラには、いわゆる「自撮り」をするためのインナーカメラが搭載されています。

これを使って、後ろを振り返らずに後方確認が出来ます。

夜道で誰かにつけられていると感じたときや、電車の車内で死角から痴漢行為に遭っているような場面で活用してください。

特に痴漢被害の場合は相手の顔を撮影できれば、SNSなどを使って間接的に犯人を追い詰めることも可能です。

(いわゆる「ネット私刑」を奨励、正当化する意図はありません)

 

強力ライトで簡単目潰し

LEDライトのアプリを入れておけば、いざというとき起動して相手の顔や目に光を浴びせることで、

一時的に視力を奪うことが出来ます。

これらのアプリによって放たれる光は想像以上に強力なので、昼夜を問わず相手に光を直視させることさえ出来れば十分な効果が期待できます。

マートフォンを向けると相手は顔を撮影されると思って身構えたり、最悪スマホを叩き落されたりする可能性があるため注意が必要ですが、

スマホを両手でしっかりと握り、カバンやポケットから素早く出して光を浴びせれば問題ありません。

目潰しが成功したらそのまま逃げてもいいでしょうし、相手が武装しているなど危険な状況であれば、そのまま金的蹴りなどを食らわせてもいいでしょう。

当然ですが、悪用厳禁です。

 

スマホ自体を武器として使う

もはやスマホそのものを武器にしてしまうという考え方もあります。

身体の大きい相手や武装した相手に素手で抵抗するのはあまりにも危険です。

かなりグレーな情報になるため詳しい製品などを紹介することは出来ませんが、

ナイフや突起物を内蔵したスマホケースが販売されています。

警察官による職務質問を受けたときなどには面倒なことになるかもしれませんが、

いつ訪れるかわからない極限状態を考えると、持っておいて損は無いでしょう。

注意しなくてはならないことは、不審者や攻撃者を撃退するためにスマホを投げないことです。

スマホは個人情報の塊です。万一悪意ある第三者やストーカーに拾われた場合の被害は計り知れません。

スマホを武器にして戦うときは、相手に奪われないこと、その場に落としたりしないことに細心の注意を払いましょう。

これはLEDライトを用いる場合についても同じです。


スマホは身を守るための万能ツール

本当にスマホひとつで何でも出来る時代になりました。

ゲームや動画にSNS、色々な使い方がありますが、ちょっと視点を変えれば護身に役立つ道具にもなります。

特に防犯アプリはひとつに様々な機能が集約されているものが多いので、とりあえず一つでもインストールしておけば安心です。

防犯ブザーは周囲に危険を知らせることで被害の拡大を抑え、あなた以外の人を守ることにも繋がります。

LEDライトはストロボ機能を使えば夜間事故に遭った際などに助けを求める手段としても活用できますし、

カメラによる撮影はそれ自体が暴力や痴漢などの犯罪に対する抑止力になります。

これだけ色々なことが出来る便利な道具を持っているのですから、それらを使わない手はありません。

日常生活をより安全に、安心して過ごすためにアプリをどんどん活用しましょう。

もしもあなたやあなたの身近な人が危険な場面に遭遇したときは、スマホが武器になるということも覚えておいてください。

スマホを使ってより手軽に、そしてスマートに、あなたとあなたの大切な人の生活を守りましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

今日から始める護身術5【キレる人々との接し方】

いつも心に一体のゾンビを。どうもサイコ田中です。

あなたの周りには、急にキレるヤバイ人はいませんか?

今日はそんなヤバイ人に出会ってしまった、あるいは身近にそういう人がいる場合の対処法を紹介します。

 

いきなりキレる現代人

近年日本では、よくわからない理由でキレる人々が増えています。

「イヤホンの音漏れを注意されたから」「子供の声がうるさかったから」「レジで年齢確認を求められた」etc…

はっきり言って意味不明ですし、いわゆる「逆ギレ」というパターンが多いようですが、とにかく迷惑極まりない話です。

そして厄介なことに、この突然キレる人々は、外見などで見分けることが出来ないということです。

スーツを着たごく普通のサラリーマンが、電車の車内で口論の末に相手を殴り倒すとか、

落ち着いた紳士風の高齢男性がブチギレて刃物で襲い掛かるなど、ほとんど予測不能に近い事態です。

このような危険人物は、あなたの身の回りにも潜んでいるかもしれません。

他人事だと思ってのんびりしていると、想像を絶するようなトラブルに巻き込まれるかもしれません。

最悪な事態に陥る前にあなたが出来ること、そして万が一相手をキレさせてしまった場合の対処法を知っておきましょう。

 

相手をキレさせない方法

危険を回避するが護身の第一歩。まずは相手をキレさせないことが前提です。

ヤバイ人たちは一体どんなきっかけでキレるかわからないうえに、

見かけや雰囲気での判断も難しいところがあります。

地雷を踏まないための一番簡単な方法は、いたってシンプル、徹底的に無関心を装うことです。

キレる人たちは、何らかのきっかけがあってキレるのであって、スイッチが押されなければ爆発はしません。

つまりあなたが直接相手に声をかけるなどの働きかけをせずに、

徹底して存在自体を無視し続ければ、まずトラブルにはなりません。

ルールを守らない人やモラルの無い人を見ると不愉快な気持ちになるし、注意したい気持ちもわかりますが、

あなたの正義感があなた自身の首を絞める可能性もあることを忘れないでください。

相手がいきなりキレるヤバイ人かどうかを見極める明確な指標などはありません。誰にでも声をかけるのはやめましょう。

 

問題なのは、あなたの些細な言動などが原因で相手がキレる場合です。

これは予測の難しさという意味ではまさに地雷そのものです。

ですがこの場合も対応はシンプル。マナーを守って、常識的な行動を心がけるだけです。

例えば電車内で通話をしないとか、すれ違いざまに肩が当たってしまったらすぐに謝るとか、基本的で当たり前のことです。

要は相手にキレるきっかけを与えなければいいだけなので、

一般的なマナーを守り、モラルある行動を心がけていれば問題ありません。

 

相手をキレさせないためのルール、それは、

自身はモラルを守って良識的な振る舞いを心がけながら、他人の不適切な言動には目をつぶるということです。

これは非常にストレスの溜まる生き方ですが、いきなりキレる人を遠ざけるためにはやむを得ません。

そうして溜まってしまったあなた自身のストレスは、買い物や食事、筋トレなどの運動で上手に発散しましょう。

あなた自身が「キレる人」になっては元も子もありませんからね。

 

キレる人に出会ってしまったら

どんなに気をつけていても、意味不明な理由や理不尽ないちゃもんをつけてキレてくる迷惑な人はいます。

実際にそういうヤバイ人に遭遇してしまったときにあなたがすべきことは、大まかに2つです。

 

まず最初の一つ目は、とにかく相手と向き合うことです。

いきなりキレるヤバイ人でも、同じ人間です。

言葉は通じるのですから、まずはしっかりと話を聞いて、相手が何にキレているのかを探りましょう。

しょうもない理由なら平謝りに徹しながら時間を稼ぎ、警察や周囲の助けを待ちましょう。

明らかにこちらに非があると考えられる理由ならば、誠意を持ってきちんと謝罪しましょう。

とはいえそんなことにならないために、普段から良識ある行動を心がけるべきです。

もしも相手がブチギレて緊張した空気になったら、落ち着いて携帯のカメラを起動し、動画モードで撮影しましょう。

携帯はカバンに入れたままでも構いません。

音声さえ記録できれば、相手が暴力的な言葉や脅迫めいた表現を用いた場合、相手を追い詰める強力な武器になります。

トラブルの際には証拠となる映像や音声を残せるよう、

普段から携帯のカメラまたはボイスレコーダーを素早く起動できるよう工夫しておくといいでしょう。

 

二つ目は、相手から距離を取ることです。

電車の車内など身動きの取りにくいような場所でも、最低1メートルは離れてください。

さりげなく、半歩から一歩、後ろに下がるだけでOKです。

とにかく相手の手が届く距離にいるのは危険です。これは、他のシチュエーションについても言えることです。

相手はいきなりあなたに暴力を振るう可能性がありますし、最悪の場合は刃物などによる攻撃を受けることも考えられます。

手が届く距離で、突然不意打ちに近い形で攻撃された場合は、残念ながらほぼ防ぎようがありません。

怒りを爆発させた相手からはなるべく距離を取り、広げた両手を顔の前に構えるなどして、攻撃に備えましょう。

万が一攻撃を受けた場合は、とにかく頭を守りながら、大きな声で助けを呼びましょう。

相手が刃物などを取り出した場合は、

持っているカバンなどを振り回すか盾にして、体力の続く限り抵抗しましょう。

よほど人通りの少ない場所や深夜で無い限りは、必ず警察や通行人が助けてくれます。

致命傷を避けながら時間を稼ぐことが、生存率を上げるために重要となります。

 

身の危険を感じたら

たとえ相手が女性や高齢者でも、身の危険を感じた場合は何らかの対処が必要です。

本来暴力を用いることは好ましくありませんが、やむをえない事態においては手段を選べません。

体力や運動神経に関係なく、誰でもとっさに使える身を守るためのテクニックを、シチュエーション別にいくつか紹介します。

ここで紹介する技は、護身の用途以外には決して使わないでください。悪用は厳禁です

暴力は犯罪だということを、くれぐれもお忘れなく。

 

 

頭突き

相手に服や身体の一部をつかまれ、そのまま殴られたり押し倒されそうになったときに有効です。

相手との距離は、1メートル未満、こちらが手を伸ばせば相手に触れられる距離が目安です。

 

前髪の生え際の少し下、頭蓋骨のやや膨らんだ箇所を、相手の鼻めがけてぶつけます。

ポイントは、絶対に頭を振って反動をつけないことです。攻撃する意思を相手に悟られるうえに、カウンターの攻撃をもらうと致命傷になりかねません。

いきなり無言で、相手の首から胸元のあたりにキスするようなつもりで身体ごとぶつかりましょう。相手の頭を手で押さえるとより効果的です。

狙うのはあくまでも相手の鼻です。間違って額などに当ててしまうと自分もダメージを受けるので要注意です。

 

金的蹴り

相手が自分よりも身体が大きいとき、凶器を手にしているようなときに有効です。

相手との距離は1メートル以上、思い切り手を伸ばしてギリギリ相手に触れないぐらいの距離が目安です。

 

地面に置かれたサッカーボールをつま先で蹴るのをイメージしてください。

相手との距離を測って半歩から一歩踏み出したら、相手の股間めがけて蹴り足を振りぬきましょう。

斜め上に、小さく弧を描くようにして蹴るのが理想です。

相手の股の間に足を突っ込んで、そのまま足の甲ですくい上げるようにイメージするとうまくいくでしょう。

思い切り強く蹴る必要はありません。なるべく速く、正確に当ててください。軽くでも十分効きます。

 

目潰し

相手から攻撃を受けそうな気配を感じたとき、あるいは実際に攻撃された際に有効です。

手を伸ばせば相手に触れられる距離であることが前提です。

 

手を前に突き出し、相手の顔を触りに行きます。鼻の位置がわかったら、

そこから目の辺りを適当に指先で押すだけです。

指を強く押し込む必要はありません。指先が目に少しでも入れば、それで十分です。

相手が目を気にする仕草を見せたら、すかさず頭突き、金的蹴りを叩き込みましょう。

もしも伸ばした腕がつかまれた場合、高確率で引っ張られるので、その勢いを使って頭突きを入れてもいいでしょうし、

相手が頭や上半身を振って手をかわそうとしたら、すかさず金的蹴りを狙いましょう。


 

普段からトレーニングや反復練習をしていない人が、映画やドラマのように相手の手や腕を取って抑え込むことはほぼ不可能です。

あなたが危険な目に遭ったときに取るべき対応は以下の通りです。

・とにかく手や身近なものを使って頭を守る

・相手から一定の距離を保ち、投げられるものは投げる

・金的や目など、どうやっても鍛えようが無い急所を狙って攻撃する

 

もしも頭に強い打撃を受けた場合、脳に深刻なダメージを負うか、最悪の場合命を落とします。

両腕で頭を抱え込むようにするか、カバンなど顔の前に突き出して、まともに殴られないよう気をつけましょう。

相手からは逃げられそうなら逃げることを最優先に考えて距離を取り、

拾って投げられそうなものはどんどん投げましょう。

特に相手が刃物などを持っている場合は、どれだけ距離を取り時間を稼げるかが生存率を左右します。

目や鼻、男性の急所は鍛えようのない弱点です。

もしもその場から逃げることも、これ以上時間を稼ぐのも難しいと感じたら、これらの部位を狙って反撃しましょう。

反撃する際に重要なことは、そうした気配や素振りをなるべく見せないことです。

相手に頭を下げる振り、一方的にやられている振りをしながら、いきなり不意打ちをしかけるのが最も安全で効果的です。

上着やカバンを投げつけてから、そのまま攻撃するのも有効でしょう。

反撃する際に気をつけることがもうひとつあります。それは決してためらわないことです。

中途半端な攻撃に効果はありませんし、相手を刺激するだけです。

自信を持って、狙った場所を躊躇無く叩きましょう。

 

反撃は最後の切り札

基本的に、こちらから手を出すのは好ましくありません。

目撃者が大勢いる場合は、警察沙汰になってから不利になりますし、傷害罪や過剰防衛になると社会復帰はほぼ不可能です。

昼間の駅や通学路など、周囲に助けを求められるときは大声で助けを呼び、逃げられるときは逃げてください。

もし逃げられない状況に陥った場合でも、あくまで時間稼ぎに徹し、隙があれば逃げるというのが理想です。

それでも相手がもし話の通じない危険な相手で、命の危険を感じたときには、迷わず反撃すべきです。

一方的に暴力を振るわれて被害者になるよりも、抵抗して加害者と被害者のグレーゾーンに踏み込むほうがまだましです。

暴力で目の前の問題を解決するなんて幼稚でみっともないことですが、あなたの人生は一度きりで、命はひとつだけです。

大切なものを守るために「やるしかない」瞬間があることを、どうか忘れないでください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術4【護身に役立つ格闘技】

いつも心に一頭のツキノワグマを。どうもサイコ田中です。

本日はシリーズ「今日から始める護身術」の第四回【護身に役立つ格闘技】と題して、

身を守ることに役立つ格闘技を、それぞれの長所短所と共に紹介したいと思います。

 

格闘技と護身術

格闘技って、どれも護身用に使えるんじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、

私個人の意見としましては、半分YESで、半分はNOです。

まず、格闘技にはどれもルールがあり、試合もスパーリングも、そのルールに従って行われます。もちろん練習もそのルールがあることを前提に成り立っています。

ほとんど毎日のようにミットを蹴ったりサンドバッグを叩いたりしているわけですから、殴る、蹴るといった動作は一般人の比較にならないほど練磨されており、

破壊力も桁違いです。

一対一の殴り合いなど、普段の練習に近いシチュエーションで、なおかつ相手が素人であれば、まず負けることは無いでしょう。

 

逆に言えば、ルールの枠を外れた、想定外の状況や反則技などに対しては、ほぼ無防備ということです。

例えば相手が複数人の場合や、刃物を持っているようなケースでは、普段の練習とかけ離れた状況になるため、

どんなキャリアの持ち主だったとしても、わずかな反応の遅れとミスで、致命傷を負いかねません。

 

このように、格闘技を習っている、あるいは知識があるからと言って、自分の身を守れることにはなりません。

あくまでも条件つきで、素人よりも少し有利なだけでしょう。

剣道有段者も、竹刀が無ければただの人です。

そうした現実を踏まえて、実際に格闘技を紹介していこうと思います。

 


打撃系格闘技(Striking)

立ち技系ともいわれる分野の格闘技で、代表的なものは空手、ボクシングなどです。

打撃系全般に共通する特徴は、高い攻撃力とハードルの低さです。

打撃系格闘技はその名の通り打撃に特化しており、その破壊力は圧倒的です。

ジムや道場が全国にあり、そのほとんどが初心者向けクラスを開講しているので、誰でも気軽に始められるというのも魅力です。

 

ボクシング

ボクシングは、良くも悪くも王道を行く打撃系格闘技で、

洗練されたディフェンス技術、華麗なコンビネーション、そして圧倒的なスピードが特徴です。

 

●長所

・ディフェンスに特化しており、護身に最適

・相手を一撃でKOできるパンチが身につく

・有酸素運動によるダイエット効果(女性にもオススメ)

 

●短所

・パンチしか覚えられず、パンチにしか対応できない

・身体が大きくなりにくい

・ライセンスを取ると面倒なことになる

 

フルコンタクト空手

空手は日本の代表的な格闘技ですが、その中でもグローブなどの防具をつけずに素手で殴りあうフルコンタクト空手は、護身という観点においても有効と考えられます。

フルコンタクト空手の武器は何と言っても一撃必殺の破壊力、これに尽きます。

 

●長所

・素手の殴り合いに特化しており、より実戦的

・礼儀作法が身につく

・全国に多数の流派と道場がある

 

●短所

・顔面への打撃に対応していない

・何かと精神論を持ち出す傾向がある

・道場による当たり外れの差が激しい

 

キックボクシング(ムエタイ)

キックボクシングは、ボクシングと空手のいい所を足して割ったような格闘技です。

しっかり顔面打撃にも対応しているうえに、蹴り技も習得でき、肘打ちなどの有効な使い方も学べます。

 

●長所

・パンチとキック、両方を習得できる

・首相撲や肘打ちなど、実戦的なテクニックが身につく

・女性にモテる(?)

 

●短所

・覚えることが多く、未経験者にはハードルが高い

・ジムの数が少なく、初期費用なども高くなる傾向がある

・闇が深すぎるプロの世界


寝技系格闘技(Grappling)

柔道やレスリングなど、相手をつかんで投げたり、関節を極めたりすることに特化した格闘技です。

これらの格闘技はつかみ合いの距離から展開することが多く、相手を動けなくする技も多彩なため、護身にはうってつけといえます。

打撃系格闘技に比べると競技寿命が長い傾向にあり、幅広い世代の人々が活躍しているジャンルでもあります。

 

 

柔道

柔道は日本の国技でもあり、伝統的な武道のひとつです。

投げ技以外に絞め技、関節技もあり、特に相手を抑え込む技術は洗練されているため、

相手をなるべく安全に制圧したい場面などでは有効と考えられます。

 

●長所

・着衣の相手と組み合う場面での対応力の高さ

・学校や地域の道場で指導が受けられる

・身体が大きくなる

 

●短所

・相手をつかめなければ何も出来ない

・練習中の事故などが問題視されている

・とにかく道着がクサイ

 

レスリング

レスリングは王道を行く寝技系格闘技のひとつであり、相手を投げる、転がす、抑えつけるという一連の流れの鮮やかさは、他に類を見ません。

レスリングを経験したアスリートは身体能力が極めて高い傾向にあるため、他のスポーツ、格闘技への応用も期待できます。

 

●長所

・とにかく強力なタックルとテイクダウン

・相手の動きをコントロールすることに特化

・総合的な身体能力の向上

 

短所

・カウンターの蹴りなどをもらうと致命傷になる

・相手を後ろに投げるなど、危険な技が多い

・大学など限られた場所でしか指導を受けることが出来ない

 

ブラジリアン柔術

寝技といえばこれが真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

たとえ自分が下になろうと上になろうと関係なく極められる無数のサブミッション、多彩な技の連携と展開。

とにかく関節技を極めるならこれです。

 

●長所

・他に類を見ない多彩な関節技

・ルールさえ守れば誰でも安全に練習できる

・競技そのものの奥深さと面白さ

 

●短所

・とにかく寝転がった状態(グラウンド)が前提

・合わない人にはとことん合わない

・国内では指導者を見つけるのが困難

 

 

寝技系全般について当てはまる致命的な欠点として、次のようなものが考えられます。

・相手をつかむ、倒す以外の選択肢が無い

・打撃に対し無防備

・タックルなどにカウンターをもらうリスク

 

柔道出身で総合格闘技へ移行した選手などを見るとわかりますが、

ディフェンス技術が身についていないと一方的に殴られて負けてしまいます。

寝技系が持つ特徴と武器を最大限生かすためにも、打撃に対する最低限の対応を学ぶことは必須です。

逆に言えば、きちんと対策さえ出来れば、打撃しか知らない相手はあっさり倒せるということです。


その他の格闘技(Others)

打撃系、寝技系以外の特殊な格闘技もいくつか紹介します。

これらはまだまだ発展途上であり、国内でジムや指導者を見つけるのが非常に困難ですが、

ただ単に空手、柔道を習うよりもずっと効果的に護身のテクニックを学べることは言うまでもありません。

 

総合格闘技

いわゆるMMA(Mixed Martial Arts)です。海外だとUFC、国内ではRIZINといった団体が有名です。

大晦日にテレビで裸の男が殴りあっているのを見たことがある人は多いのではないでしょうか。あれがまさにそうです。

総合格闘技の最大の魅力は何と言っても「打・投・極」すべてに通じているという点でしょう。

殴ってよし、蹴ってよし、投げてよし、極めてよし。ほとんどルールのある喧嘩です。そういった意味では、路上で遭遇する危険な状況に近いものがあるといえるでしょう。

物騒な話になってしまいますが、喧嘩に強くなりたければ、今の時代は総合格闘技一択です。(暴力を推奨、正当化する意図は一切ありません)

 

●長所

・「打・投・極」全てを同時に習得できる

・最も路上の喧嘩に近いルール

・男らしい身体が手に入る

 

●短所

・練習も試合もとにかく危険

・ジムや道場が少ない

・初心者にはあまりに高すぎるハードル

 

クラヴ・マガ

イスラエルで開発された軍隊格闘技です。

日常で遭遇しうるあらゆる危険な場面を想定した独自の技術体系を持ち、武装した敵の制圧に特化しています。

あくまで私個人の意見ですが、現在日本国内で指導を受けられる実戦型護身術の中では、おそらく最強です。

本気で身を守りたいと思っている人には迷わずオススメします。

 

●長所

・高度にシステム化された練習で無理なく強くなれる

・他の格闘技では学ぶことが難しい、武装した相手への対応が学べる

・打撃やグラップリングなど、様々なオプションプログラムを選択できる

 

●短所

・指導を受けられる場所や機会が著しく限定されている

・初期費用や年会費などコスト面でのハードルが高い

・クラスは明確に別けられているが、練習は総じて厳しい


結局どれが一番?

ここまで大まかに3つの種類に別けて護身に役立つ思われる格闘技を紹介してきましたが、

結論から言うと、どれが一番強いかなんて誰にもわかりません。

打撃系には打撃系の、寝技には寝技の特長と魅力がありますし、どれが一番かを決める明確な基準はありません。というか、そんなものはナンセンスです。

一番大切なことは、強くなるために練習を続けること、追求をやめないことです。

そして何より、苦しい練習も地味な筋トレも、楽しみながら取り組めることです。

ですからあなたが格闘技に興味が無ければ無理に始める必要はありませんし、楽しくない練習を惰性で続ける意味は無いでしょう。

冒頭に述べたとおり、格闘技はあくまで護身におけるヒントであり、わずかなアドバンテージに過ぎません。

この格闘技が最強で、それ以外は弱い、使えないなどということもありえません。どんな技術も使い方であり、その根底にある信念と理想こそが重要なのです。

全ての格闘技は突き詰めれば暴力です。護身の目的とゴールは暴力ではありません。綺麗事のようですが、それだけはどうか心に留めて置いてください。

 

あなたがやってみようと思える格闘技はありましたか?

もしも興味のある格闘技が見つかったら、迷わず始めましょう。何事にも遅すぎるということはありません。

そしてあなたの出会った格闘技が、あなたやあなたの大切な人を守るために役立つ日が来たとしたら、それがあなただけの最強の格闘技です。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

 

今日から始める護身術3【基本の心構え】

いつも心に1mgのカフェインを。どうもサイコ田中です。

シリーズ「今日から始める護身術」の第三回は【基本の心構え】と題して、

危険な状況を回避し、自身が被害者にも加害者にもならないためのヒントをお伝えしたいと思います。

 

護身の意味と目的について

一般的に護身術というと、次のようなものを思い浮かべる方が多いかと思います。

・暴れている相手を制圧する

・つかまれた状態から抜け出す

・相手の武装を安全に解除する

 

確かにこれらは護身術の技術には違いありませんが、

基本的にこちらが手を出すのは最後の手段であり、避けるべき状況と言えます。

私が思う護身の究極的なゴールは「何も起こらないこと」です。

実際に手を下さなければならないような状況を回避していくことが、本来の護身術のあり方で、

実際に攻撃者を制圧するような技術は、おまけのようなものだと思っています。

誰かに危害を加えられるような状況に陥らないための技術、考え方こそが護身の本質であるべきで、

その先にあるものは単なる暴力でしかありません。

もしもあなたが自分の身を守ることを口実に暴力を正当化しようとしているなら、それは非常に危険な思想です。

大事なことなのでもう一度言います。

相手を傷つける行為は、それがどんな理由であれ単なる暴力であり、犯罪です。

綺麗事などではありません。

あなたが犯罪の被害に遭わないために、そしてあなた自身が犯罪者にならないためにも、護身の意味を正しく理解してください。

 

余談になりますが、

私は学生時代、ほぼ毎日のようにラバーナイフを振ったり軍隊格闘技の真似事をしていた時期があるのですが、

ある外国人留学生にこう言われました。

「君はそれが護身術だって言ってるけど、俺からしたら君はただのFreak(ヤバイ奴)だよ」

「自分の身を守りたいのはわかるけど、それだって結局は暴力じゃないか」

「もしかして君は本物のPsycho(サイコ野郎)なのか?」

正直に言って、背筋が凍りました。

そして自分がいかに愚かな考えに取り憑かれていたかを悟り、自らの振る舞いを恥じました。

よくある黒歴史だといいのですが……。

ちなみにこれが、私が「サイコ」とあだ名されるようになった所以でもあります。

(実にどうでもいい情報でしたね)

 

 

危機管理能力を高めよう

では実際、攻撃者と直接向き合う状況を回避するために、あなたには何が出来るのでしょうか。

馬鹿馬鹿しいほど単純な答えですが、それは、

危険な状況をつくらないことです。

わかりきった話ですが、そもそも攻撃者に出会うような状況を作らなければ、

「やらなけらばやられる」という最悪な事態は回避できます。

そのためにはまず、日々の生活の中で、危機管理能力を高めていく必要があります。

 

危機管理ってどういうことかわからないという人のために、ざっくり説明すると、

「いつも最悪の事態を想定して動こうね」ということです。

例えば仕事ならミスした場合のことを考えてあらかじめ保険をかけておくとか、

電車が止まっても遅刻しないように別のルートを調べておくとか、ごく当たり前のことです。

 

それを日常生活に当てはめていけば、それが自動的に身を守る手立てになります。例えば、

・帰りが遅くなった

→不審者や酔っ払いなどに出会うと危ないので、遠回りでも明るい通りを歩く

・路肩に不審なワンボックスが停車している

→事件に巻き込まれる可能性を考慮して、なるべく近寄らないようにする

・見知らぬ人が声をかけてきた

→人は目的も無く近づいて来ない。注意深く相手を観察して対応する

 

至ってシンプルですが、要は「次にこうなるかもしれない」という予想を立てて、

もっと露骨な言い方をすれば、妄想を膨らませながら行動することがとても重要です。

自動車免許をお持ちの方は、教習所で教わりましたよね。

「だろう」運転ではなく、「かもしれない」運転を心がけましょう、というやつです。

あれを日常生活にも当てはめてみてください。

つまり、「私は大丈夫」ではなく、「明日は我が身」の精神で行きましょうという話しです。

「水と安全はタダ」などという言葉は、この際忘れましょう。

 

ソーシャルスキルを磨こう

あなたが危険を回避するために最初から持っている武器、それはソーシャルスキルです。

言い換えるならば、コミュニケーションの能力です。

相手を観察し、自分に何を求めているのか、何を伝えようとしているのかを探ることは、

トラブルが起きた際に互いが傷つかないために出来る、護身の第一歩です。

あなたがどんなに注意力を働かせて危険を回避するように動いても、

トラブルに巻き込まれる可能性をゼロには出来ません。

例えば電車の車内など、他者との距離が否応なしに接近するような場面では、

一番簡単な「距離を取る」という対応が難しい場合があります。(女性であれば、痴漢の被害に遭うのが典型例です)

そういった状況で相手とトラブルになった場合の多くは、手を出すには至らないまでも、

相手に対する具体的なリアクションというのが求められます。相手を見ること、話を聞くことといったソーシャルスキルは、

まさにこのような場面で力を発揮します。

では実際にどのような対応が望ましいのか、想定されるいくつかのパターンに分けて見ていきましょう。

 

・相手がこちらに敵意を向けているとき

まずはこちらに争う意思が無いことを示すため、広げた両手を相手のほうに向けて、

「落ち着いてください」「話し合いましょう」と語りかけます。非常によくある対応ですが、これはとても重要です。

決してあなたのほうから攻撃的な態度を取ったり、姿勢を見せてはいけません。(ファイティングポーズなどは最悪です)

一番大切なことは、相手の興奮を鎮めて、きちんと話を聞くことです。

それが時間稼ぎになって、警察やセキュリティの助けが来るまでに、危害を加えられる可能性を大幅に下げることが出来ます。

もし攻撃されたとしても、広げた両手で相手は狙いを定めにくくなっているので、ダメージを軽減できます。

 

・電車の車内で痴漢に遭った場合

痴漢の被害は特に女性が多いと思いますが、取るべき対応はひとつです。

毅然とした態度で相手の手をつかみ、「警察に行きましょう」と伝えてください。

相手の手をつかむのは、当然逃げられないためですが、それ以上に、

「お前はもう逃げられない」「お前はもう終わりだ」という言外のメッセージになるからです。

痴漢をする人間のほとんどは、その行為が持つリスクの高さを十分に理解しています。

そのスリルを楽しんでいるのかもしれません。いずにれしても彼らは「捕まったら終わり」という条件の中、

そのような行為に及んでいます。手をつかむという対応はまさに、幕の引き時を教える合図です。

ほとんどの相手はその時点で萎縮するか動揺し、身動きが取れなくなるでしょう。

仮に相手が暴れて逃走を図ったとしても、そのとき他の乗客が異変に気づくので、犯人に逃げ場はありません。

また「警察」というキーワードを明確に示すことで、周りに事件性をアピールし、緊張した空気を作る効果もあります。

 

・酔っ払いに絡まれた場合

これも非常によくあるケースだと思いますが、考え方は同じです。

相手をよく見て、話を聞き、落ち着かせることです。時間が無くても、無視はいけません相手を刺激します。

「どうしたんですか?」「気分が悪いんですか」など、落ち着いてやさしい言葉で語りかけます。

近くに椅子やベンチがあるなら「一回座りましょう」と声をかけるのもいいでしょう。

相手がある程度落ち着いてきたら、「水を持ってきます」「タクシーを呼んできます」などと言い訳をして、

さっさとその場を離れてしまいましょう。

ただし、冬場の屋外や交通量の多い場所は危険なので、ちゃんと安全な場所に誘導して警察などに預けてから立ち去りましょう。

何度も言いますが、自分も相手も被害者にならないことがベストです。

 

 

こちらが争いを避けようとしても、それが困難なケースもあります。

・日本語が通じない外国人

・認知症の高齢者

・若者の集団

・薬物などで酩酊状態にある人

 

これらの相手は話が通じないか、こちらの説得に応じない可能性が極めて高いので、残念ながら実力行使が求められます。

こうしたやむを得ない状況については、また別の機会にお話したいと思います。


いかがだったでしょうか?

何かトラブルに巻き込まれそうになると、焦ってパニックになってしまいがちですが、

一番大切なことは、冷静に状況を見極め、相手を注意深く観察することです。

そうすることで必ず突破口は見えてきますし、もし実際危険な目に遭ったとしても、被害を軽減することに繋がります。

普段の生活でも「危機管理」、そして「ソーシャルスキル」という言葉を意識していることが、

いざという時にあなたやあなたの大切な人を守るための手助けになることをどうか覚えておいてください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。