今日から始める護身術10【人体の急所】
- 2019.07.31
- 護身術
いつも心に一本の物干し竿を。どうもサイコ田中です。
今日は記念すべき(?)シリーズ第10回目として、人体の急所について解説したいと思います。
人の身体にはどうやっても鍛えられない場所や、強い衝撃を受けると呼吸などの機能が一時的に麻痺してしまう部位が存在します。
これらを素早く的確に攻撃できれば、相手の動きを止め、危機的状況を脱することが出来ます。
人体にはどんな急所があり、どのような攻撃が効果的なのでしょうか。
そもそも急所とは何か
人体の急所というと、鳩尾や金的、眼球などが代表的ですが、
私の知る限り人体の急所には明確な定義がありません。
というのは、人間の身体は意外と脆いので、
すごく強力な攻撃を受けた場合、どこでも急所になりうるからです。
例えば銃で撃たれた場合、「急所は外れた」とかいう言い回しを見かけますが、
撃たれているのですから無事なわけはありません。迅速に処置しないと命を落とす可能性だってあるでしょう。
ナイフで刺された場合も同じで、急所からずれていたとしても骨にまで達する傷は重症ですし、
大量失血で命を失う危険と痛みによるショック状態に陥るリスクに変わりはありません。
人体の急所というと一撃で命を絶たれるような致命的な弱点を想像しがちですが、一番重要なことは、
どんな方法でどんな攻撃を与えるかという点です。
肝臓(レバー)は有名な弱点ですが、腹筋を徹底的に鍛えていれば、小中学生の蹴りやパンチではほとんど効きません。
お腹周りに厚い脂肪がある場合も同様です。
これに対し胸筋と胸骨で覆われた胸の上部は比較的頑強で急所と呼ばれる部位は存在しませんが、
体の大きな人に本気で殴られたら息が止まります。最悪骨が折れたり、胸の筋肉が切れてしまうかもしれません。
これは急所を突かれるのと同等かそれ以上のダメージです。
このようにたとえ急所を狙ってもあまり効果がない場合と、反対に急所と全然関係がない場所でも大ダメージになる場合があるので、
人体の急所はあくまでも目安に過ぎません。
本当に大事なのは、なるべく確実に、そして素早く相手に大ダメージを与え、
戦いを終わらせることです。手段を選べないような場面なら、武器を使っても問題ないでしょう。
また急所の知識があっても的確に突く技術がなければ何の役にも立ちません。急所を覚えるときは、
そこをどうやって攻撃すればいいのかもセットで覚えるようにしましょう。
それでは実際にどのような急所を、どうやって攻撃するのが効果的かを説明します。
一撃で倒せる急所とその攻撃手段
人体に急所とされる場所は数多く見られますが、
格闘技経験がなく体力的に優れているわけでもない人がいきなり狙って最大限の効果を引き出せる部位は、限定されています。
今回はとにかく簡単に大ダメージを与えられる急所とその攻撃手段にのみ絞って紹介したいと思います。
眼球(目とその周囲)
眼は言うまでもなく、非常に繊細な感覚器官の一つです。
ここを強く打たれたり指で突かれたりすると、強い痛みと共に一時的に視力が低下します。
主な攻撃方法は相手の目に指先を押し込む目潰し(サミング)ですが、
相手を失明させてしまうリスクがあるためとてもオススメは出来ません。
危険度があまり高くない場面においては、指先で眉毛の下辺りか、
頬骨の少し上ぐらいを軽く撫でるだけでも十分効果がありますし、
もしもお酒や洗剤などが近くにあるなら、相手の顔にそれらをぶちまけるだけで立派な目潰しとなります。
熱いものを顔に叩きつけるのも有効です。
鼻
鼻の骨はとても脆いので、非常に弱い力でもあっけなく折れて、痛みと出血を伴います。
鼻骨が折れた場合はほとんどの場合かなりの量の鼻血が出るので、呼吸が困難となるうえに、
相手に強い恐怖心を抱かせる効果があります。
血を見て興奮する特異体質の相手以外は、鼻を折ればとたんに大人しくなります。
鼻は顔の中でも突出している部位なので攻撃も当てやすく、骨も柔らかいので拳などをいためる危険性もほぼありません。
最も簡単な攻撃方法は頭突きです。前髪の生え際の少し下、額の骨の少しだけ膨らんでいる箇所を、思い切りぶつけましょう。
相手が詰め寄ってきて互いの顔が近づいているような場面でいきなり食らわせるのが最も効果的です。
このとき、互いの頭がぶつからないように気をつけましょう。狙うのはあくまで鼻か、口の周囲です。
目や鼻など、人の顔(頭)は急所と呼ばれる場所が集中しています。
迷ったらとりあえず拳を握って、相手の顔面を真っ直ぐ殴るというのが一番効果的かもしれません。
金的(股間)
急所の代名詞といえばこれでしょう。
よく格闘技の試合で筋骨隆々の大男が股間に蹴りをもらってうずくまっている場面を目にしますが、あの光景こそ金的が急所の代表たる所以とも言えそうです。
少なくとも男性にとって金的は鍛えようがなく、
身体の大きさなどには関係なく大ダメージになる弱点なので、まず真っ先に狙うべき急所といえるでしょう。
一番簡単な攻撃手段はキックですが、距離によって使い分ける必要があります。
相手と距離が近い場合、ただ足を上げるだけで膝が股間に命中して決まる場合もありますし、
逆に距離が遠い場合は、思い切り足を伸ばして、ボールを蹴るようにして繰り出すと効果的です。
近い距離で膝蹴りを金的に当てる場合は、相手の首の後ろに手を回して上体の動きを封じ、素早く膝を突き上げるのがコツです。
このとき、一緒に頭突きを入れると更に効果的でしょう。
パンチに自信があるという人は、もちろん金的を狙ってジャブやクロスを叩き込んでも良いでしょう。(蹴ったほうが早いとは思いますが)
その他の急所
急所とは呼べないまでも、リアルファイトにおいて主導権を握れる弱点はまだまだあります。
例えば相手の髪の毛が長い場合は、なるべく後ろのほう、後頭部に近いところを掴むとかなり痛いので十分効果的です。
掴んだまま頭突きや金的を入れるのが理想的でしょう。
また相手が口や鼻、耳などに大きなピアスを開けている場合、
ピアスごとその部位を掴むのもありです(ダーティファイトの極みですが)。
自分が底の厚い革靴やブーツなどを履いていて、相手がクロックスのようなルーズなものを履いているような場面では、
思い切り踵で相手の足を踏むという攻撃手段もあります。
これは狭い場所、特に電車の車内などで有効であり、特に夏場、サンダル履きの若者相手にはとても有効です。
足を強く踏まれると、人は踏まれたほうの足を無意識に一歩後ろに下げる傾向があるので、
そうしてバランスが崩れたところに頭突きや金的蹴りを入れることができれば、それで決まりでしょう。
もっとシンプルな攻撃手段として、相手の手の指を掴むというものもあります。
ある程度の握力が求められますが、思いっきり中指や薬指を握って反対側に折るような力を加えると、
相手は危険を感じて反射的に手を引っ込めようとします。その瞬間大きな隙が出来るので、頭突きや金的を入れます。
これらの攻撃手段はいずれも、総合格闘技やキックボクシングなどでルール上明確に反則とされているものです。
(MMAで相手の足を踏みつけるのはOKです)
それらがなぜ反則とされているのか、その意味を改めて考えれば、
ルールのない場面での生かし方も、自ずと見えてきますね。
自分が加害者にならないために
戦いを一撃で終わらせることは重要ですが、自分が犯罪者になっていては意味がありません。
これらの急所攻撃はあくまで自分の身を守るために、そしてやむをえない場合にのみ使いましょう。
とはいえ躊躇いは命取りになるので、もし本当に「やらなければやられる」という状況に陥った場合は、
迷わず全力で攻撃しなければならないことも事実です。
最低限人体の急所と呼ばれる場所を確認できたら、
そこをどうやって攻撃するのか、どんなタイミングでやるのかを普段からある程度イメージしておくといいでしょう。
特に金的への蹴りは、ぶっつけ本番だと距離感などが掴みにくいと思われるので、
平らな場所に置いたサッカーボールやクッションを適当に蹴って、感覚を養っておくのが理想的です。
繰り返しになりますが、
ここで紹介した急所攻撃は、あくまで護身の目的にのみ使用してください。
悪用は厳禁です。そして暴力は犯罪です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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