ハワイ発祥のハイブリッド武術”カジュケンボ”が面白い
- 2020.02.21
- 格闘技
いつも心に1滴のハバネロソースを。どうもサイコ田中です。
この世界には様々な格闘技が存在しますが、既存の武術をいくつか組み合わせて生まれたものは珍しくありません。
日本生まれの格闘技としてあまりにも有名なキックボクシングは本来、
空手やムエタイ、ボクシングなどを複合的に組み合わせて生まれたものであり、
かの有名なブルース・リーが広めたジークンドーは、ベースとなる詠春拳に、
空手やボクシングはもちろん柔道にフェンシング、サバットなど様々な武道のエッセンスを加えて完成されたと言われています。
今回はそうした所謂”ハイブリッド型格闘技”の中でも特にユニークで実戦的な武術として、
ハワイ生まれの格闘技であるカジュケンボを紹介したいと思います。
カジュケンボ――その名前から見える特徴と歴史
カジュケンボ(日本ではハワイアン拳法とも)は、戦時下に置かれていた1940年代にハワイで生まれた格闘技であり、
アルファベットを用いて表記すると、“KaJuKenBo”となります。
勘のいい方はおわかりかもしれませんが、これは様々な格闘技から文字通り取ってつける形で出来た名称に他なりません。
Ka=Karate(空手)
Ju=Judo(柔道)
Ken=Kenpo(拳法)
Bo=Boxing(ボクシング)
以上4つの格闘技を組み合わせて出来たのがカジュケンボとされていますが、他にも柔術やエスクリマなど、
ここには含まれない格闘技からもヒントを得て作られているようです。
このように複合的な技術体系を持つに至った歴史的背景として、
複数名の創設者らがそれぞれ全く異なる格闘技をバックボーンとしていたことが明らかにされています。
総合格闘技でも打撃専門のコーチと、柔術などグラップリング担当の指導者に分かれていることがほとんどですが、
カジュケンボは現代の総合格闘技など存在しない時代からそのような指導方針を採用し、
身を守ること、厳しい状況を生きぬことに焦点を当てて発展・進化を遂げてきたという背景を持ちます。
そのため護身を目的にした運用での合理性と効率性は極めて高く、
クラヴ・マガなどに並ぶ信頼性の高い現代武道として無限の可能性を秘めていると言っても過言ではないでしょう。
カジュケンボのここが面白い(すごい)
カジュケンボには他の護身を目的とした武道にはない強みがあります。
ここではそんなカジュケンボの魅力を大きく3つの項目に分けてお話ししたいと思います。
それほどメジャーではないが実用的な格闘技を学びたいという方や、
人があんまり知らない技術体系を持った武道に興味をお持ちの方は参考になさってください。
身につくテクニックが道場(指導者)によって変わる
カジュケンボの大きな特徴の一つが、その高い自由度と独創性です。
指導者は自身で新たなテクニックを考案することを強く奨励されており、
空手や拳法などのように伝統や師弟関係に縛られることがありません。
これによって道場ごとに教える内容が違うという少々奇妙かつ新鮮な現象が起こります。
指導者がそれぞれのバックボーンにある格闘技のエッセンスをプラスして全く別のものとして昇華させていく例も珍しくは無いため、
カジュケンボに関しては、道場が違えば流派・スタイルが全く異なるものになると解釈したほうが無難でしょう。
そのような柔軟さと奇抜さは、他の武道にはなかなか見られない特徴であり強みです。
徹底的にリアリティを追求した指導方針
カジュケンボは時間制限やルールにより保護された試合を想定した技術体系ではなく、
「ファイトは常に不公平で非日常的なもの」という前提で指導されるため現実に即した内容となっています。
このためクラヴ・マガなどと同様に金的蹴りや喉への打撃など、
一切躊躇のない急所攻撃が当たり前のように基本テクニックとして組み込まれており、
刃物や銃といった凶器攻撃を想定したメソッドも確立されているため実用性は申し分ないと言えるでしょう。
危険な内容にも思えるカジュケンボですが、試合が行われる際にはきちんとグローブや防具を装着するため死人や怪我人が出るようなことはありません。
(大道塾空道に代表される着衣型総合格闘技に近い印象があります)
子供や女性・高齢者でも丁寧に指導が受けられる
ハードな印象の強いカジュケンボですが、多くの護身術や実践武道のようにハードルが高いということはなく、
小さな子供や女性、高齢者でも安全に技術を身に着けられる指導方針が確立されています。
直接打撃系の格闘技の多くは対象年齢を中学生以上とし、女性用のコースはそもそも存在すらしないことも珍しくはない中、
カジュケンボは非常にオープンかつリーズナブルなセミナーを開講している印象があります。
地元小学校への出張指導をはじめ、誰でも自由に参加できるセミナーも頻繁に催されており、
年齢や体力に合わせた指導が広く行き届いているため多くの武道にありがちな「近寄りがたさ」のようなものもありません。
子供や女性が楽しく安全に学べて、なおかつ実践的な格闘技というのは世界的に見ても非常に稀有な存在です。
本当に価値のあるものはなかなか表に出回らないと言われますが、カジュケンボはその代表的な例なのかもしれません。
日本で指導が受けられるのは岡山県・兵庫県
さて、そんな独自の魅力がいっぱいのカジュケンボですが、
現在日本で指導が受けられるのは岡山県と兵庫県の2県のみ(2020年2月現在)です。
首都圏の方は黙ってマガジムに通いましょう。
興味を持たれた方は以下のリンクから、最寄り道場の代表者様にお問い合わせください。
現在私が確認できているのは以上2つの支部のみですが、
他にもありましたら是非コメント欄のほうでお知らせください。情報を追加させていただきます。
(お問い合わせ・苦情等につきましてはfujituboboyy0909@gmail.comまでお願いいたします)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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