【小ネタ】お酒とセルフディフェンス【コラム】
- 2020.05.05
- 護身術
いつも心に1本の聖剣エクスカリバーを。どうもサイコ田中です。
新型コロナウイルス蔓延により自宅待機が強いられる中、
一人暮らしの方や単身赴任をされている方が酒量をコントロールできず、
アルコール依存症の悪化に苦しんでいるというニュースも耳にします。
今回はそんなお酒が好きな方や、家族や身近な人がアルコールを多く消費するという方が覚えておくべき、
お酒にまつわるセルフディフェンスについてお伝えします。
「酒は百薬の長」とはよく言うが……
「酒は百薬の長」などと言われ、全く飲まない人より普段からお酒を飲む人のほうが健康寿命が長いとされていますが、
やはりアルコールにはデメリットの方が多いと考えるべきです。
酒が「百薬の長」となりうるのは、あくまでも適量の範囲を守った場合の話であり、
普段から適量のラインを超えて飲むような方や、無茶な(危険な)飲み方をしているような方は、
やはり単純に寿命を縮めていると認識すべきです。
心臓や全身の血管はもちろん、肝臓や膵臓など分解に関わる臓器、胃や腸など消化吸収を担う臓器が受けるダメージは甚大であり、
特に肝臓は「沈黙の臓器」などと呼ばれ、自覚症状が出たときには既に手遅れ……ということは珍しくありません。
更にアルコールはタンパク質の吸収を阻害するため筋トレをしているような人にとっては天敵とも言えます。
また一部にはお酒を飲むことで暴力的になり、言葉や行為で他人や自分自身を傷付ける人がいることも事実であり、
このような人はアルコールを遠ざけない限り周囲に迷惑をかけ続け、やがて仕事や家族も失い、
破滅的な人生を歩むほかはありません。
このように「酒は百薬の長」とも呼ばれますが、負の側面のほうが大きく、
積極的に飲むべきであるとか、飲めないと恥ずかしいなどということは絶対にあり得ません。
長生きしたい人もそうでない人もお酒は「嗜む程度」を心がけ、
決して飲んでも飲まれることのないように注意しましょう。
お酒を飲む人との付き合い方と身を守るためのポイント
ここからはお酒を飲む人との向き合い方を、
身を守るために知っておくべき重要ポイントと併せてお伝えします。
自分自身がお酒をよく飲むという方、身近に飲み方が荒っぽい人物がいるという方は、
自分や周囲の人が傷つかないために出来ることは何かを知っておきましょう。
1対多数という形をつくる
泥酔して騒いでいるような人や、お酒の席でトラブルを起こした人と向き合う時は、
基本的に1対多数の形を作ることを心がけましょう。
酒に酔った状態では、身体の小さな人も思わぬ力を発揮し、取り押さえるのが困難になる可能性があります。
特に泥酔状態の若い男性などは一度暴れだすと制止するのが極めて難しくなるため、
事故や怪我を防ぐためにも、一人で向き合おうとせず、
必ず2人から3人、あるいはそれ以上で対応する形を意識しなくてはいけません。
また仮に制止できたとしても、落ち着くまでかなりの時間を要します。
泥酔した人物の動きを止めることに成功しても決して気を抜かず、
対象を刺激しないようお酒・煙草の類は徹底して遠ざけ、静かな場所に連れ出すことを最優先にしてください。
距離を置ける場合は速やかに離れる
周囲に助けを求めるのが困難な時や、複数名での制止も困難な局面では、
なるべく速く泥酔者から距離を置き安全を確保する意識が大切です。
手の届く距離に立っているといつ暴力を振るわれたり、不当な要求をされるかわかりません。
トラブルが大きくなる前に対象者から距離を取り、警備の人間や警察官などに対応を委ねることが、
結果的に酔っぱらっている本人のためにも最善の対応に違いありません。
決して泥酔している人物と拳を交えたファイトをしたり、力任せに制止しようとしてはいけません。
可能な限りその場に居合わせた全員が無傷で帰宅できるよう、常にベストを尽くす姿勢が肝要です。
凶器に相当するものを遠ざける
泥酔者と向き合ううえで非常に重要なポイントとして、
凶器になる恐れのあるものを遠ざけることが挙げられます。
お酒の席であれば空き瓶、ガラスジョッキ、灰皿、アイスピックなどは特に注意が必要であり、
その他にもシンプルにフォークやナイフ、皿などの食器はもちろん、
椅子や机などの家具にまで気を配らなくてはいけません。
酔った人物は良くも悪くも直感的に振る舞うようになるため、
視界に入るあらゆるものを武器にしようとする傾向があります。
また上に述べた通り泥酔者は思わぬ大きな力を発揮することがあり、
普段はとても持ち上がらないような重いものでも平気で振り回す可能性があり大変危険です。
酔っぱらって暴力を振るう恐れのある人物やそうした傾向のある対象からは、
・鋭利なもの(先の尖ったようなもの)
・硬く強度のあるもの(金属など)
・ある程度の重さがあるもの
などは積極的に遠ざけ、手の届く場所にあるのは攻撃を受けても安全に防げるか、
致命傷にならないものだけになるよう心がけましょう。
無理になだめたり落ち着かせようとしない
残念ながら、ほとんどの泥酔者に言葉は通じません。
身振り手振りを交えて「やめましょう」「落ち着いてください」と伝えるのはとても大切なことですが、
一度感情的・攻撃的になった泥酔者は自分や周りが怪我をするか、
警察などに取り押さえられるまで自分からは絶対に止まりません。
(これは泥酔者などに限った話ではありません)
無理に言葉でなだめたり落ち着かせたりしようとせず、
安全な距離を保ちながら、必要に応じて制止を試みたり、
警察を呼ぶ準備をする方がよほどスマートに違いありません。
誰も傷つかないために、あえて「諦める」ことが必要な場面があることも覚えておきましょう。
まだ話が通じるようならお酒を遠ざけ水を飲むよう勧め、静かな場所に誘導することも忘れずに。
ボディタッチは極力避ける
上の項目とも重なる部分ですが、
酷く酔っぱらっているような人物は、何をきっかけに暴れだすかわかりません。
ちょっとした言葉やさりげないボディタッチでさえ、
強い刺激として受け止められる可能性は否定できません。
例え相手を落ち着かせたりすることが目的でも、安易に相手の身体に触れることなどは避け、
「飲みすぎてない?」「大丈夫?」など、柔らかいトーンで語り掛けるのが安全なアプローチです。
お酒が入ると豹変するような人物の場合、本当に些細なきっかけで感情を乱し、
凶暴化する恐れを秘めています。
常に「親しき中にも礼儀あり」の精神を保ち、無礼講とされる場面でも目上の人や年上の人物には、
誠意を持った態度で接することがトラブル回避の第一歩です。
ナメられることはあっても、「ナメている」と思われることの無いよう気をつけましょう。
迷ったら速やかに110番
長々とお伝えしてきましたが、
迷ったら速やかに110番通報するのが確実かつ安全には違いありません。
・自分一人ではどうにもならない
・助けを求めることが難しい
・差し迫った身の危険を感じている
といった状況では、僅かな反応・行動の遅れが生存率を大きく左右します。
「困ったら110番」では警察官の方々にご迷惑をおかけすることになりかねませんが、
自分一人でどうしようもなく、その場から離れるのも困難であり、
文字通り手詰まりになった時には、警察の力を借りることを躊躇する必要はありません。
またそうした最悪の状況を想定し、しっかり充電された携帯電話を手の届くところに確保し、
安全な場所(トイレなど)から通報することも忘れてはいけません。
大声で「警察を呼んでください」でも問題ないとは思いますが、
あなたの声を聞いて行動に移してくれる人物ばかりとは限りません。
いざという時、意外に冷たいのが日本人です。
自分の身は自分で守るという意識を忘れず、危機管理能力を高める努力を続けることが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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