【コラム】映画で学ぶ護身術:第3回『ザ・ゲスト』【新シリーズ】

【コラム】映画で学ぶ護身術:第3回『ザ・ゲスト』【新シリーズ】

いつも心に1本のロックピックハンマーを。どうもサイコ田中です。

今回はシリーズ「映画で学ぶ護身術」の第3回として、

2014年に公開された洋画『ザ・ゲスト』を紹介したいと思います。


『ザ・ゲスト』のあらすじと見どころ

今回紹介する映画『ザ・ゲスト』(原題:The Guest)は、2014年にアメリカで製作された作品であり、

極めて一般的なB級アクション映画の雰囲気を漂わせていながら、

そのカテゴリ(ジャンル)が”スリラー”に設定されているのが大きな特徴と言えます。

 

大まかなあらすじとしては、

戦争で長男を失ったとある一家に、ある日長男の友人を名乗る男が訪れる……というものですが、

そこからの展開の変化と物語の加速感は凄まじく、

ぼんやり鑑賞していると置いて行かれること間違いなしの、

ジェットコースター型サスペンス映画となっています。

 

一応ジャンルが”スリラー”となっているため誰にでもお勧めできる作品とは言えませんが、

主演のダン・スティーヴンスの圧倒的イケメンぶりを眺めているだけでも十分に楽しめるので(?)、

管理人個人としてはぜひ女性の方にも観ていただきたいと思っています。


『ザ・ゲスト』で学べる3つの実戦的護身テクニック

ここからは映画『ザ・ゲスト』の劇中シーンから、

現実のセルフディフェンスにも応用できそうなテクニックを3つ紹介したいと思います。

身を守ることに興味をお持ちの方は、当該のタイトルを観ていなくても全く問題ありませんので、

ぜひ一度参考になさってください。

 

顔面に刺激物を浴びせる

これはバーでの戦闘シーンにおいて確認できるテクニックで、

体力やスポーツの経験などに関わらず、誰にでも実践可能なアプローチとなっています。

 

ダン・スティーヴンス演じるデイヴィッドはバーでファイアボールというカクテルを注文しますが、

これはウイスキーにシナモンや唐辛子といった香辛料を漬け込んだ、

匂いだけで咳き込むほど刺激の強いカクテルです。

デイヴィッドはこれを攻撃者の顔面に浴びせることで不利な条件において先手を取ることに成功します。

こうした攻撃方法は手軽で確実、なおかつ効果的であり、

実生活における緊迫した場面においても、力を発揮してくれることに疑いはありません。

デイヴィッドは一時再起不能にした相手をしっかりとノックアウトしていますが、

体格差が大きい場面や体力に自信がないときには、

相手の顔にぶちまけてさっさと逃げる、というのも有効です。

 

ここで詳細な内容を記載するのは好ましくないため深く掘り下げることは避けますが、

・市販の眠気覚ましドリンク(エナジードリンクなど)

・洗濯用液体洗剤

・シンプルに熱湯

などは携行していても特に不自然でなく、十分効果的と言えるでしょう。

 

この系統のトピックでは毎回のようにお伝えしていますが、悪用は厳禁です。

ここで紹介している知識やテクニックは、身を守る目的のみに用い、

決して犯罪や人を傷つける行為に応用してはいけません。

 

先手を取る立ち回り

常に自分が相手を圧倒できる状況を作ることは、

身を守るうえで欠かすことの出来ない技術に違いありません。

 

前項で紹介した「液体を浴びせる」というのもその一つであり、

劇中の戦闘シーンのほとんど全てのにおいて、

デイヴィッドは自ら仕掛けることで、相手を圧倒しています。

 

日本の法律では手を出した時点で暴行罪になってしまうため、

軽率な振る舞いはなるべく回避したいところですが、

一刻を争う場面や生命の危険が感じられるような局面においては、

手段を選んでいる余裕はありません。

 

結果が好ましくない方に向かったとしても、

積極的に自分から仕掛けて状況をコントロールし、

なるべく無傷でその場を立ち去れるよう、常に心の準備をしておくことが大切です。

不意打ちの先制攻撃は護身の第一歩と覚えておきましょう。

 

環境を利用した攻撃

現代護身術においては、周辺環境を利用した攻撃手段も重要視されており、

その例となる場面も『ザ・ゲスト』には散見されます。

 

バーでの戦闘シーンにおいては、

・刺激の強いアルコール飲料

・ビリヤードキュー

・酒瓶

などが環境に絡んだ即興武器として機能しており、

その場にあるものを武器にするという、現代護身術の基本がわかりやすく表現されています。

 

またホームパーティのシーンでは、

壁際に立った状態から相手を殴打するのではなく、

壁に相手の頭を叩きつけることでノックアウトするという描写が見られますが、

これも環境を利用したアプローチのサンプルに相違ありません。

 

無数に存在する攻撃手段の中から、

「今、どれが最も確実で効果的なのか」を短い時間で判断し実行するというのは、

決して容易なことではありません。

よって日ごろから高いレベルで(なるべく現実に即した内容で)イメージトレーニングを反復することや、

今現在自分がいる場所の周囲で武器になりそうなもの(文具類・棒状の金属など)を探す習慣

実際に起きた事件などを参考にした傾向と対策の立案などが重要になります。

 

しっかり体を鍛えたり格闘技を習うことも大切ですが、

広い視野で周辺環境を俯瞰し、自分にとって有利な条件や素材がどれだけ揃っているかを探ることも、

生存率を高めるうえで欠かすことの出来ないトレーニングです。

日常の何気ないワンシーンの中に、勝利のカギは転がっているかもしれません。


「ただの一般人」が生き残るためにできること

さて、ここまで映画『ザ・ゲスト』の内容に絡んだ護身テクニックを紹介してきましたが、

映画の登場人物で敵を圧倒しているのはそのほとんどが軍人や格闘技経験者、

体を鍛える習慣のある人物であるというのが一般的です。これは揺るぎません。

(『ザ・ゲスト』における謎の男デイヴィッドも、軍人というバックボーンがあることは明らかです)

 

軍人でも格闘家でもない、ごく普通の一般人が極限状態を生き延びるために大切なのは、

わざわざ語るまでもないことなのですが、

徹底してトラブルまたは争いごとを回避することに他なりません。

 

危険な人物または場所に近づかない

・自分から積極的に譲る、または一歩引く姿勢で接する

・たとえ相手から舐められても、「舐めている」と思われない振る舞いを心がける

といった対応が肝要であり、こうした「大人の対応」は社会生活における多くの場面で、

あなたにとってプラスの結果をもたらしてくれるはずです。

相手と争って勝つのが目的なら、リングに上がって闘ってください。

生き残りたいのなら、どうすれば争わずに済むのかを考えましょう。

それが最もスマートな危機管理のメソッドであり、

セルフディフェンスの最適解ではないでしょうか。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。