【QuickTIPS】スパーリングを通して強くなるための3つのポイント【格闘技】
- 2023.04.03
- 格闘技
いつも心に1本の犬用ハーネスを。どうもサイコ田中です。
2023年に入り、いよいよ日本においてもマスクの着用義務が緩和されるなど、
新型コロナの及ぼす影響が少しずつ和らいでいるという印象を受けます。
そうした中で、
近年自粛していたジム通いやコンタクトスポーツの練習を再開するという方も珍しくはないでしょう。
今回は格闘技を始めようという方や、これから練習を再開するという方に向け、
スパーリングの中で強くなるために必要なアイデアをお伝えしようと思います。
最初から上手にできる人はいない
格闘技に限らずどのようなことについても当てはまることだとは思いますが、
何もかも最初から上手くいくということは決してあり得ません。
(中には最初から何でも普通以上にできてしまう天才という人がいますが、
そういった一握りの限られた人種の存在はここでは無視します。もちろん管理人は凡人かそれ以下です)
スパーリングというのは大体練習の最後、
ミット打ちなどでへとへとになった状態からのスタートになることが多いため、
最初は疲弊してまともに動くことすらままならないでしょう。
また打たれる怖さはもちろん、相手に手を出すことに抵抗があったりして、
動作の一つ一つがぎこちなくなってしまうというのも、仕方のないことです。
最初から上手に出来るということはありえないので、
出来ない自分を責めたり、恥ずかしいと感じたりせずに、
まずは自分の直感に身を委ねて、がむしゃらに動き回ってください。
そんなことを繰り返しているうちに、段々”やるべきこと”が見えてきて、
自然と他の方や上のクラスの方と変わらない動きができるようになっていきます。
始めたばかりの方や中級者までの方はなるべく肩の力を抜いて、
「とりあえず相手と自分が怪我しなければOK」ぐらいの感覚で臨むのが一番です。
きちんとジムに通いやるべきことをやり続けていれば、必ず強くなれます。
両親はもちろん周囲の人に散々「お前は向いてない」と言われ続けた私が語るのですから、
説得力が違いますよね(?)。
スパーリングで意識したい3つのポイント
ここからは、実際のスパーリング中に意識したい重要なポイントについて、
メンタル面よりも実技面に重きを置いて3つ、お伝えしたいと思います。
格闘技を始めたばかりの方はもちろん、
ジムや道場に通い始めて2年前後の中級者の方までを対象とした内容となっています。
参考程度にご一読いただければ幸いです。
「今日やる事」を一つ決める
これは自主的に取り組まれている方が多いかもしれませんが、
その日ごとにしっかりテーマを決めて臨むというのは、非常に重要です。
慣れないうちは疲れと緊張で頭が回らず、
何が何だかわからないうちに終わってしまうスパーリングの時間ですが、
早い人で2週間、遅い人でも1か月ほどで大体の雰囲気は掴めるようになるはずです。
スパーリングの感覚に慣れてきたら、
決して漫然と打撃を交換する時間で終わらせてしまうのではなく、
明確な目的意識を持ち、テーマを設定して取り組むようにしていきましょう。
例えば、
・ディフェンスの動作に重点を置く
・フットワークを意識する
・コンビネーションを活用する
など大雑把なイメージでも問題はないのですが、
・いつも左のガードが甘いので下がらないようにする
・打撃を2回以上交換したらステップバックして距離を作る
・すべての攻撃動作の最後をローキックで締めくくる
など、具体的であればあるほど効果は高くなります。
また、一度に色々なことを試そうとするのではなく、
やる事を一つに限定する方が集中力が増し、効率も良くなるでしょう。
どのようなことについても当てはまる考え方ですが、
最初から色々なことをやろうとすると混乱しますし、
全てが中途半端になり結果的に身につく技術もいい加減なものになってしまいかねません。
あなたが10年に1人の天才でもない限りは、
一回の練習で設定する目標・目的は1つに限定し、なるべくテーマを絞るよう心がけていきましょう。
相手の反応を冷静に観察する
最初のうちは自分のことばかりで余裕がなく、
相手を見るのが困難かもしれませんが、
対戦相手の動きや反応を観察することは上達に必要不可欠です。
格闘技というのは相手がいて初めて成立するもので、
そういった意味では実際に動く人間を相手にできるスパーリングの時間はとても貴重と言えます。
その反面、痛みや疲労、緊張などが絶えず付きまとうため、
「どうしてもスパーリングの時間は苦手」という方も珍しくないでしょう。
(かくいう管理人自身も小学生の頃はそうでした)
そんなスパーリングが苦手な方にこそ、
スパーリングは「相手との対話」という風に捉えてほしいのです。
痛いし、怖いし、そんなの無理……と思われるかもしれませんが、
あくまでジムや道場における練習の一環ですから、
本気であなたを倒しに来る相手はいませんし、敵意や悪意をむき出しにして取り組むようなものでもありません。
(一部に例外として”危ない人”がいますが、そういうジムは辞めてしまってOKです)
なるべく肩の力を抜いてリラックスし、
相手の反応をうかがうことに重点を置いてスパーリングに臨むことによって、
多くの学びがあることに気が付くはずです。
・Aさんは教科書通りのジャブを打つ
・Bさんは右のクロスにカウンターを合わせてくる
・Cさんはスパーリング中に何度もシンガードを直す
などなど、人それぞれ動きや考え方に個性があることが何となく見えてきます。
そうした個人の”クセ”が掴めてきたら今度は、
それらを利用したアプローチを試みましょう。
・ジャブのステップインに素早いローを合わせる
・右クロスのフェイントから別の打撃パターンに変更
・シンガードを直そうとしたら飛び膝のふりをする(危ない)
などなど、相手に固有の動作に対するアプローチの中で、
またそれぞれに対する反応が得られ、それらがあなたの格闘データバンクに蓄積されます。
そうした知識を再構成する過程でファイトIQというものが高まり、
最終的にはあなただけのファイトスタイルまたはスタンスというのが完成されていきます。
最初は難しいかもしれませんが、
小さな小さな駆け引きを楽しみ、一つでも多くの情報・反応を相手から引き出しましょう。
そうした試みは、必ずあなたが強くなることに結び付きます。
具体的な戦略に基づいて立ち回る
さて、上の2つが何の問題もなくこなせるようになってきたら、
いよいよ自分の戦略というものを試す時間です。
ここまで試してきた攻撃及びディフェンスパターンの反復、
相手から得られた情報などを総動員し、
どうすれば「相手に嫌な顔をさせられるか」を考えていきます。
(性格が悪いと思われるかもしれませんが、戦略とは詰まるところそういうものです)
例えば、
「Dさんはローをきっちりカットしてくるので、
何回もローを蹴ってガードさせてから、いきなりインローを蹴る」というプランがあるとしましょう。
最初はこれでうまくいき、ローをカットしようとした相手の内股を蹴り飛ばせるかもしれませんが、
相手もあなたと同じ脳味噌を搭載した人間です。必ず対応してきます。
そこで今度は、
「インローに対応してステップバックされるようになったので、
追いかけてボディにクロスを当てに行く」というプランに切り替わります。
このように、ゲームプランの組み立てと実戦対応――そこからの再構成という一連の流れを経て、
最終的には「相手にもプランがある」ということに気が付きます。これは必ず見えてきます。
そこからが一番の問題で、さらなる上達への大きな壁の一つなのですが、
「相手にプランがあると分かった上で、それらを利用し自分が望むリアクションを引き出す」というのが最終目標となります。
管理人個人の経験上、これがスパーリングという練習における明確なゴールになると考えています。
何を言っているのかさっぱりわからないかもしれませんが、
格闘技はスポーツなのですから、必ず勝つための戦略があり、適切な解法があるはずなのです。
体格や運動神経など人それぞれ持っている特性が異なり、
絶対的な最適解というのは存在しないかもしれませんが、
プロアマ問わず結果を出している選手というのは、
絶対に何かしらの戦略――プランを持って臨んでいるはずです。
リング上ではそうした互いの戦略とテクニックがぶつかり合い、勝敗が決するわけですが、
運に左右される部分を除けば、個人的にはこの戦略というものが大部分を占めるのは無いかと考えています。
ですからスパーリングを通して上手くなりたい、もっと強くなりたいという気持ちを持っている人ほど、
戦略を練る時間にこそ重きを置いてほしいと思います。
ただ自分の立てた戦略が正しく機能するためには、
それらを支える基本的なテクニックの質も高い水準を保たなくてはなりません。
普段の基礎練習はきっちりとこなしたうえで、
戦略シミュレーションゲームのように、どうやって相手を打ち崩すかを考えてみてください。
きっとスパーリングの時間が楽しみになってくるでしょう。
馴れ合いの雰囲気を感じたら
長く同じジムや道場に通い、同じ顔触れで練習を続けていると避けられないのは、
”練習の馴れ合い化”です。これはどうも不可避のように思えます。
人は時間がたてば勝手に打ち解けて仲間になってしまう動物なので仕方ないのですが、
どうしても一回一回のスパーリングが緊張感を欠いたものになる印象は否めません。
そしてこれは強くなるために絶対避けたい状況の一つです。
もしも他の練習生と仲良くなりすぎたり、
同じ顔触れとばかり練習を繰り返すことによってマンネリ化を感じているならば、
週に1回程度でいいので他のジムへ出稽古に行くか、
ジムの移籍を考慮するべきでしょう。
慣れ親しんだ環境、人間関係から離れていくというのは寂しくもあり、
負の影響が生じる可能性も否定は出来ませんが、
厳密な意味であなたが強くなるために、
心の安らぎや親しみなどは必要ありません。
(やや厳しい言い回しになりますが、これが現実です)
仲間意識や集団への帰属意識を否定はしませんが、
より高い場所を目指すうえで時には切り捨てなくてはならないものも生じます。
「今のままでいいのだろうか」という疑問をそのままにせず、
誰よりも自分自身のために、ベストな選択ができる生き方を追求していきたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
-
前の記事
【QuickTIPS】自分に合った練習メニューの組み立て方【防犯・護身】 2023.03.18
-
次の記事
【QuickTIPS】5分間のウォームアップから始める基礎練習【格闘技】 2023.05.02