【QuickTIPS】5分間のウォームアップから始める基礎練習【格闘技】

【QuickTIPS】5分間のウォームアップから始める基礎練習【格闘技】

いつも心に1本の電気ショックバトンを。どうもサイコ田中です。

皆さんはGWをいかがお過ごしでしょうか。(管理人は多忙のため現実味があまりありません)

今年に入り日本ではマスクの着用が一部緩和されるなど、

新型コロナウイルスの影響も昨年よりも幾分か穏やかな印象を受けますが、

コンタクトスポーツの練習を再開したり、新しい挑戦をしようという方も少なくないかと思います。

今回はこれから格闘技(特にボクシングなど打撃系格闘技)を始めようとお考えの方に向けて、

5分前後で終わるウォームアップを軸にした基本的な自主練メニューをお伝えしようと思います。


怪我を防ぐうえで大切なこと

どんなに意欲があっても、またハードな練習をこなしていたとしても、

怪我をして治療や休養が必要な状況に陥っていては元も子もありません。

 

なるべく怪我をせず練習を続けていくために、

・早寝早起きを心がける(生活リズムを一定に保つ)

・暴飲暴食を避ける(内臓への負担を最小限に)

・練習の前後やお風呂上りに入念なストレッチ

といった心掛けと習慣作りが大切です。

 

特に多忙な現代人にとって時間の管理は大きな課題の一つですが、

お金も時間も体力も、すべて有限なもので急に増やしたり減らしたりは出来ません。

(お金は一瞬でなくなることがあるので例外的と言えるかもしれませんが)

練習を始めたばかりのビギナーの方が特に陥ってしまいがちな悪循環に、

「とにかくやらなければ」という実はあまり意味のない強迫観念に駆られて、

時間がないにもかかわらず、また体調が優れないにもかかわらず、

無理に練習を強行してしまうということが挙げられます。

 

格闘技はあなたがプロを目指すのではない限りあくまで趣味の一つに過ぎず、

仕事のように強いられるものでもなければ、

受験勉強のように一日も無駄に出来ないほど切迫した戦いではありません。

 

怪我をして全てを台無しにしてしまわないためにも、

どうか時間がないときはいま必要なことのみに集中し(優先順位を明確に)、

体調が悪いときは決して無理をせず、しっかりと体を休めてあげてください。

 

「今日はいいや……」という怠惰な感情は好ましくありませんが、

「今日は絶対にやらなきゃ……」などと自分を追い詰める必要はありません。

ゆっくりと自分のペースで、焦らず一歩ずつ進んでいきましょう。


4ステップ・合計5分から始める打撃の基本

ここからは誰でも出来る簡単な動作を軸に、

5分前後という短い時間で、尚且つ一人でも行える打撃の基礎トレーニングについて、

4つのステップに分けてお伝えしていこうと思います。

これから格闘技を始めてみようというビギナーの方はもちろん、

運動不足を自覚している社会人の方や女性、学生の方まで、

老若男女を問わず実践できる内容となっています。

是非一度参考になさってください。

 

Step1.肩をぐるぐる回す

最初のステップは読んで字のごとく、

肩をぐるぐると回してみましょう。

 

拳をゆるく握り、

後ろから前、前から後ろと回転方向を変えながら、

肩回りにだるさを感じるまでゆっくりと肩を回します。

 

腕はまっすぐ伸ばすのが理想ですが、

慣れないうちは肘を緩く曲げても構いません。

 

最初は小さな円を描いて回し、

徐々に円を大きくしていきます。

もしも肩に痛みが出た場合はすぐに動作を中止し、

肩回りを伸ばすストレッチを試してください。

それでも痛みが続く場合はこのウォームアップは行わないでください。

また痛みや違和感が強い場合は、医師に相談することを強くお勧めします。

 

このウォームアップを通して肩回りの小さな腱や靭帯が鍛えられ、

同時に関節の可動域も広がり肩こりの解消にもつながります。

肩回りのストレッチと並行して行うのはもちろん、

腕立て伏せといった筋トレ前のウォームアップとしても有効です。

 

Step2.上半身を色々な方向に捻じる(回す)

肩の次は腰や背中といった上半身の硬さを取っていきます。

 

ちょうど伸びをするような格好で両腕を頭上に伸ばして、

どちらか片方の手首をつかみます。

そうしたらそのまま掴んだ腕を反対側へ——頭の後ろ側へ伸ばすように、

上体を捻じっていきます。

(左腕を掴んでいるときは頭の右後ろへ、右腕の場合はその逆側へ引っ張ります)

 

自分の体全体を一枚の雑巾のようにイメージし(例えが悪いかもしれませんが)、

ギューッと絞るような感じでしょうか。

何秒間といった区切りはありません。

ゆっくり息を吐きながら、

背中から腰にかけて心地のいい伸びを感じたらそこで終わりにしてください。

 

続いて腰を左右に回していきます。

でんでん太鼓(小さな振り子と太鼓を組み合わせたおもちゃ)のように、

両腕をだらりと伸ばして、脱力を意識して上体を繰り返しターンさせます。

腰や股関節といった部位に痛みや違和感を覚えた場合はすぐに動作を中止し、

痛みの出ない範囲を探ってゆっくりと行ってください。

肩と同様に痛みや違和感が強い場合は医師に相談してください。

 

上体を素早く回旋

より安定したフォームで強いパンチを打てる身体が出来上がっていきます。

 

Step3.片足立ちの体勢を維持する

続いてはどちらか片方の膝を腰の高さに持ち上げて、

片足立ちの体勢を作ってみましょう。

 

最初は10秒前後で全く問題ありません。

そこから20秒、30秒と徐々に時間を伸ばしていき、

最終的には1分前後片足立ちの体勢を維持できることを目標に取り組んでください。

 

一見ナンセンスに思えるこの片足立ちエクササイズですが、

・強固なスタンス(土台)づくり

・平衡感覚強化

・蹴りの姿勢を作る基本

など、打撃系格闘技に求められる様々な要素を網羅的にカバーした、

理想的なウォームアップメニューとなっています。

特に体幹部(腸腰筋)への刺激は腰痛の改善・予防にも繋がるだけでなく、

普段の立ち姿やスタイルにも影響を及ぼすため、

女性の皆さんにも積極的に取り組んでほしいところです。(変な意味ありません)

 

Step4.脚を前後左右にぶらぶらさせる

最後のステップですが、

脚を前後左右にぶらぶらと揺らす運動です。

 

よくある振り子の動きをイメージし、

股関節を軸にして脚をなるべくまっすぐに伸ばして、

前後左右にぶらぶらと振ってみてください。

つま先が大体腰の高さに来るあたりを目安に、

力んだり勢いをつけすぎたりすることなく、

股関節を中心にした振り子をイメージすることがポイントです。

 

前後に足を振る場合は片手を壁につき、

左右に振る際には手すりのようなものに両手をつくとより安全に行えます。

 

このエクササイズはハムストリングス(太ももの裏側)の動的ストレッチになるだけでなく、

Step3で紹介した片足立ちと同様に腸腰筋群への刺激になり、

股関節周りの柔軟性が得られるのと同時に、安定した蹴り技を身に着けるための土台作りにもなります。

 

腰や下肢に痛みや痺れといった違和感を覚える場合はすぐに動作を中止し、

整形外科を受診することを強くお勧めします。


パンチや蹴りの練習が全てではない

「パンチやキックの動作が含まれてませんが……」という冷静なツッコミをいただきそうですが、

打撃の動作を反復したりミットやサンドバッグを叩くことだけが練習ではありません。

 

今回紹介したウォームアップの動作は、その一つ一つだけでは関連性が薄れて見えますが、

いずれのエクササイズもパンチや蹴り、ディフェンスの動作と密接な繋がりがあり、

「身体の使い方」という点において大きな意味を持っています。

 

一口にパンチと言っても、そのメカニズムは極めて複雑なもので、

下半身から発生したエネルギーを上半身、拳の先端まで伝える過程には、

言うまでもなく全身の連動性というものが関わっています。

今回紹介したウォームアップメニューは、一見バラバラで相関が無さそうに見えて、

実は最終的に様々な動作と直結する「基本動作」を構成しているのですが、

それは皆さんが実際にパンチやキックの動作を学ぶときに実感できることでしょう。

 

中国武術では門下生に当該武術の動作とは一切関係が無い(ように見える)日常動作を長期間反復させた後、

根幹となるメカニズムと技術をセットで習得させるという指導体系を取るものがありますが、

これは旧弊な体育会系メソッドに見えて、実は理にかなっていると管理人個人は考えています。

 

いきなり技のメカニズムを教えても、

よほど運動神経のいい一部の人間以外は大前提となる「身体の使い方」がイメージできません。

そこで最初は余計な知識や情報を一切与えず、

一見何の関係も無いような簡単な動作を反復させることによって、

関連する筋群や神経系を効率よく発達させることができ、怪我も防ぐことが可能です。

 

今回紹介した4ステップのウォームアップメニューも、各々が持つ情報量はそう多くはありませんが、

これから習得する様々なテクニックと深い関連を持つものばかりをピックアップしてお届けしています。

三日坊主でも構いません。まずは騙されたと思って、5分間身体を動かしてみてください。

シンプルなエクササイズの一つ一つが、必ずあなたを強くしてくれるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。