【QuickTIPS】キックを上達させるために知っておきたいこと【格闘技】
- 2023.10.07
- 格闘技
いつも心に1台の超電磁パルス発生装置を。どうもサイコ田中です。
蹴りがある格闘技を習っていると必ずぶち当たる壁の一つは、
「イメージ通りに蹴ることができない」というものだと管理人は考えています。
(「俺の蹴りは完璧だぜ!」という方は黙ってブラウザバックしてください)
今回は蹴り技ありの格闘技向けQuickTIPSとして、
キックの上達に必要なポイントについてお伝えしていこうと思います。
”正解”は人それぞれ違うもの
格闘技を始めたばかりの方にはわかりにくいかもしれませんが、
蹴りだけでなくどんなに地味で些細なテクニックでも、
いわゆる”最適解”というものは人それぞれ違うものです。
著名なムエタイファイターを例に挙げると、
ブアカーオ、センチャイ、ロッタンなど切りがありませんが、
どの選手の蹴りも大まかには同じに見えますが、
恐らく細かいところは全く違っているでしょう。
これは各々の体格や持って生まれた身体の特性(上体の柔軟性や体幹の強さなど)に依存しており、
例えばロッタンがブアカーオのようなパフォーマンスをするのは困難でしょうし、
逆もまた同様に違いありません。
蹴りだけでなくパンチや肘、ディフェンステクニックの細部に至るまで、
”正解”は人それぞれ違っていて、だから面白いのだと管理人は思っています。
この記事を読んでくださっている方の中には、
「〇〇選手のような蹴りを身に着けたい」とか、
「〇〇選手みたいなKOパターンで勝ちたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、
結論から申し上げるとそれはあまりに難しい——というよりも、
既に前提として不可能に近いので諦めてくださいと言うほかはありません。
あなたが憧れる選手とあなたの体格がたとえ身長・体重・骨格など全ての項目で一致していたとしても、
その選手と同じように動き、攻撃を当てることは困難を極めるでしょうし、
それが効果的という保証はどこにもありません。
一番大切なことは、あなた自身の体格・性格といった個性を最大限に生かした、
あなたにしか出来ないパフォーマンスを目指すことに他なりません。
自分が強くなるために、まずは自分自身を知るということから始めるのも悪くはないでしょう。
蹴りの上達に欠かせない5つのポイント
ここからはキックが上手くなるために不可欠な要素について、
身体の使い方など5つの項目に分けてお伝えしようと思います。
格闘技初心者の方はもちろん、
中級者以上で伸び悩みを感じている方も是非参考にしてみてください。
しっかりと軸足を返す
これはキック・ムエタイ・空手など蹴り技を持つ全ての格闘技に共通する要素であり、
基本中の基本となるポイントですが、
軸足をきちんと返して蹴ることはまず大事です。
「軸足を返す」などと書くと少しわかりにくいですが、
要するに蹴り足と逆側——地面についているほうの足を、
きちんと蹴り足を振り出す回転方向に合わせて回してあげましょう、ということになります。
特にキックでは、「踵が相手の方を向くくらいしっかり返せ」と指導され、
ムエタイでは蹴り込む直前に軸足を外側に向けて踏み出すよう指導されることが大半です。
それくらい軸足を回すことは重要で、強力な蹴りを放つために欠かすことの出来ない動作です。
ですがそれ以上に管理人が重要視しているのは、
返した軸足を戻すことです。
何を言っているのかわかりにくいかもしれませんが要するに、
蹴りと同時に回した軸足を、
・しっかりと元の構えの位置に
・なるべく短い時間で
・バランスを崩さずに
戻してくるということです。
管理人個人の経験上、これができている人は強い人が多く、
逆に軸足をだらだらと戻す人は、スパーリング中あまり脅威に感じません。
正しいスタンスに素早く戻れるということは、
次の動作に短い時間で移行できるという意味であり、これができている選手は、
無駄がなく隙が無い——やりにくい相手に違いありません。
上半身の動作を意識する
蹴りは足を使った攻撃手段なので、どうしても下半身の動作に注目してしまいがちです。
ですが蹴りもパンチなどと同様に、
全身を使ったほうが効率的で合理的に違いありません。
いきなり「全身を使った蹴り」と言われてもピンと来ない方が大半だと思いますが、
要するに腰より上——上半身の動作にも気を使いましょうという話です。
上手い人の蹴りを真似しようすると、足元ばかりに目が行きがちですが、
管理人は蹴りが上手な人を観察する時こそ、上体の動きに目を向けていました。
上手い人ほど上半身と下半身を連動させることに長けており、
まさに全身を使って蹴ることを体現できているわけですが、
初心者や中級者レベルでは腕の振りばかりを意識ししてしまい、
どうしても上体の動きまでは意識できません。
よく「胸から脚が生えているようにイメージしなさい」などと言われますが、
管理人はこれを上半身を使って蹴ることを端的に表現した言葉だと考えています。
要するに蹴るときは腰から下だけを振り回して蹴るのではなく、
上半身もきっちり回して(ここが大事です)——そこに脚がついてくるようにイメージしなさい、ということになります。
こうした意識で上手な人の動きを観察したり、シャドーを繰り返していくと、
自分の蹴り方やインパクトの感触などが大きく変化することに気づくと思います。
(運動神経の悪い管理人はこの気づきを得るまでにかなりの年月を要しました。お恥ずかしい限りです)
しっかりと頭を保護する
初めて蹴りを習う際、必ずと言っていいほど、
「振らない方の腕で頭をガードしろ」と教わると思います。
これはディフェンス面で非常に重要であるのと同時に、
蹴りのメカニズムという点においても大きな意味を持ちます。
前項の「上体を使う」という部分と関連してきますが、
脚だけの力を使って力強く蹴るというのはそもそも無理があります。
上半身の力も上手く使って——理想的な方向にスピードと勢いを導くことで、
初めて蹴りのメカニズム上最大のパワーが発揮されます。
しっかりと顔を保護するように腕を動かすことは、
この上体の力を導くことを助ける役割を担っています。
実際に試すと分かることですが、振らない方の腕を顔の前で交差させるように、
すなわち回転方向と逆に動かすよりも、
回転と同じ向きにそろえて動かした方が、勢いがつくことに気づくはずです。
これは非常に重要な相違で、「顔面を保護する」動作のもう一つの意味はここにあります。
要するに振らない方の腕も、
しっかり脇を締めて回転方向に引き付ける(「押す」と表現する人もいます)ことで、
自然と上半身全体にも回転の力が生み出されてきます。
これと下半身の動作——すなわち蹴り足の回旋を組み合わせることによって、
初めて全身を使ったフルパワーの蹴りが完成することとなります。
頭を振って蹴る(頭も回転させる)
これは人体の構造と物理を応用したトリックですが、
蹴りと同時に頭も振ってしまえば、さらに威力は増す方向になります。
人間の頭というのは、想像以上に重たいものです。(体重の10%前後——4kgから6kgが平均的とされます)
ここまで述べてきた「上半身との連動」とも密接な繋がりがあるのですが、
この重たい人の頭を回転の方に向けて振り出せば、そこに大きなエネルギーが生じ、
結果的に首から下の上半身もそれに引っ張られるようにして回転しようとすることになります。
この時発生する勢い——エネルギーの移動を活用し、
更に強力な蹴りを放つことが可能となります。
(正確には首周りの筋肉の伸展など人体のメカニズムも絡むのですが、小難しい話になるため割愛します)
やり方はいたってシンプルで、
蹴りと同時または蹴り出す直前に、
回転方向に向かって頭を振るだけです。
蹴りと同じ方向に首を回す——と書いた方がわかりやすいかもしれません。
これに前項で述べた振らない方の腕の引きつけ、
更に上半身の回旋、蹴り足側の腕の振り、軸足の回転などが組み合わされば、
理論的に(というかもはや考えるまでもなく)途方もない破壊力が生み出されることは言うまでもありません。
特に蹴りの破壊力という点において伸び悩みを感じ始めている方は、
一度騙されたと思って頭を振ってみてください。
信じられないほどのパワーを感じられるはずです。
勘のいい方はもうお分かりかもしれませんが、
このテクニックはオーバーハンド系のパンチなどにも応用が可能です。
(パンチを振る方向に頭を振るだけです。簡単ですね)
予備動作を小さくする
蹴りのフォームなどには問題が無いのにあまり有効に活用できていないという方は、
蹴り出す際の動作に問題があるかもしれません。
蹴りの予備動作は意外と大きく、よほど気を使っていないと簡単に見破られてしまいます。
特に左または右のスイッチキックなどの場合予備動作はとても大きなものとなり、
蹴り出す前から前蹴りなどのカウンターを合わせられバランスを乱されるということも珍しくはありません。
蹴り出す前の動作は最小にすることを心がけ、
いつでも素早くコンパクトに——そして全く同じように蹴ることを意識しましょう。
また予備動作をあえて大袈裟にしたうえで、
何度も何度も繰り返した挙句、いきなり全然違うパンチなどと組み合わせるといったトリック(フェイント)も非常に効果的です。
大きな予備動作をなかなか矯正できない中級者以上の方はいっそ開き直って、
その予備動作を活用したフェイントやコンビネーションをいくつも引き出しにしまっておく方が、
結果的に唯一無二の武器を手にすることに繋がってくるかもしれませんね。
ストレッチは入念に
蹴り技は股関節の柔軟性が非常に重要であり、
それ以外にも硬い場所があるとその部位を中心にバランスが崩れ、
結果的に怪我などに繋がるリスクが高まります。
特に中高年以上の方で趣味として格闘技を始められる方や、
若くても運動不足気味の社会人の方などは注意が必要です。
蹴りの練習をしない日でも練習前はもちろん起床後、お風呂上りなどに出来る範囲で全身をストレッチし、
怪我無くトレーニングを継続できるコンディションを作っていくことが肝要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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