【格闘技】ガードが下がってくる原因と対策【護身術】

【格闘技】ガードが下がってくる原因と対策【護身術】

いつも心に1本の可変ラチェットを。どうもサイコ田中です。

格闘技を習ったり、試合を観戦していると必ず耳にする言葉の中に、

「ガードを上げろ!」というものが挙げられます。

当の本人は必死になって腕を上げているつもりでも、

いつの間にかずるずると下がってしまっているのがガードです。

何故、ガードは気づかないうちに下がっていくのでしょうか。


まずは正しい基本姿勢を作るところから

ガードが低い高い以前の問題に、

そもそも基本姿勢がきちんと形になっていれば、

頭部の危険な部位(顎・こめかみ等)はきちんと保護することが出来ます。

 

シャドーの最中ディフェンスが疎かになったり、

スパーリングが始まると顔面ががら空きになってしまう人というのは、

一番最初に教わる基本姿勢が崩れていることが多いように見受けられます。

 

自分では正しく出来ているつもりでも、なかなか理想的な形にならないのが基本姿勢です。

「もういいよ」と思うほど、そして馬鹿馬鹿しくなるほどしつこく、

鏡を見ながらただの基本姿勢だけを維持する時間を作り、

自分の体型やファイトスタイルにフィットした合理的な基本姿勢をしっかりと身に着けていきましょう。

 

基本姿勢のポイントは、

・しっかりと顎を引き

・両手は目線の高さに上げ

・膝は軽く曲げる

という3点であり、これらを抑えてさえいれば間違いはありません。

(足の幅やどの程度半身を切るかは本人のスタイルなどに依存するため細かくは言及しません)

 

安全な基本姿勢の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

↓ ↓ ↓

今日から始める護身術22【安全なスタンスの保ち方】


ガードが下がる3つの原因と対策

ここからはガードが下がってくる原因とその根本的な対策について、

大きく3つの項目に分けてお伝えします。

格闘技を始めたばかりの方や、身を守ること(護身術)に興味をお持ちの方は、

ぜひ一度参考になさってください。

 

前が見えない恐怖心から無意識に下げてしまう

ガードが下がってくる理由の最も典型的なものの一つは、

シンプルに前方がよく見えない不安から、

自分から無意識に下げてしまっているというパターンです。

 

やってみるとわかるのですが、正しい基本姿勢で顔面及び頭部を保護するように構えると、

自分の手で視界が塞がれるため前が見えづらくなってしまいます。

(慣れでどうにでもなるのですが、経験の浅い方には強い不安要素に違いありません)

相手の動きが確認できない不安から手が下がるのは自然なことで、

恥ずべきことでも何でもありませんが、それでは顔面ががら空きになりリスクしかありません。

 

どんなに緊張した状態でも、また恐怖が強まった場面でも、

致命的なダメージを回避するには頭部をしっかり保護する必要があります。

肘が乳首のラインよりも下がらないよう意識し、

両腕(両手)で小さな窓を作り、そこから相手の様子を窺うようにするといいでしょう。

「やばい!」と思ったときは両手で頭を抱えるようにしてカバーをすれば問題ありません。

 

攻撃にばかり意識が向けられてしまっている

攻撃すること(オフェンス)にばかり集中してしまうと、

半自動的にディフェンスは疎かになり、ガードは下がりがちになります。

 

相手をノックアウトする自信があるときも、またどんなに気が逸っている場面でも、

・攻撃後にしっかりと基本姿勢に戻る

ディフェンスとセットコンビネーションを活用する

フェイントを織り交ぜて様子を見る

など、自分が攻撃を当てることだけでなく、相手の攻撃を処理するイメージが大切です。

 

上手な人とスパーリングをすると綺麗にカウンターを合わせられたりして、

「攻撃一辺倒では危険だ」という事実は嫌でも認識させられますが、

常にカウンターのリスクを頭に入れておくことは、どのようなレベルにおいても言えることに違いありません。

特に護身術においては不意打ちの先制攻撃が大きな突破口となりますが、

それでもカウンター攻撃を受ける可能性を無視することはできません。

 

自分の攻撃だけが当たるゲームのような闘いは、この現実世界においては起こりえないのです。

 

ディフェンスに自信があるからこそ下がる

矛盾した言い回しのようになってしまうのですが、

ディフェンスが上手な人ほど、自信過剰になってガードを下げてしまうことが多いことも事実です。

 

特にボクシングのように蹴りや掴みのようなオプションの無い競技において顕著であり、

頭や上体を動かすディフェンスを多用するファイターの多くは、

むしろ動きの邪魔になるため手を完全に下ろす傾向にあります。

(典型的なL字ガードやフットワーク重視のスタイルなどに多く見受けられます)

 

卓越したディフェンス技術があればこその対応であり、

本人にその能力とポテンシャルがあれば問題は無いようにも思えますが、

顔面をがら空きにしているという事実に変わりはありません。

 

いつどのような危険な攻撃をどのようなタイミングでもらうか予測できない以上、

基本的にガードを自分から下げることは回避すべきであり、

いつでも頭を保護できる姿勢を取っておくに越したことはありません。

 

もちろん試合中の負傷などにより上手くガードが上がらない場面も想定されますが、

そういう時こそフットワークやヘッドムーブメントが生きる場面であり、

腕が上がるときはしっかりと上げておくのが確実です。


路上のファイトでは立ち方(構え方)に注意

ガードを上げておくのが大切なのは言うまでもなく、

ここまで重要さについて述べてきましたが、

路上のファイトとなると話が変わるため注意が必要です。

 

護身術(セルフディフェンス)において、典型的なファイティングポーズというのは、

相手を刺激する危険な姿勢とされており、回避すべきです。

特にしっかりと拳を握ったタイトなポーズは「やるぞ」「かかってこい」というボディランゲージに相当し、

目の前の相手をより一層感情的・攻撃的にするリスクがあり大変危険です。

 

路上のトラブルに際しては、

顎に手を添え相手の話を聞くような立ち方(インタビュースタンス)を採用し、

相手を刺激せずにいつでも身を守れるような距離感を維持する意識が肝要です。

また凶器攻撃を想定し相手の手元には常に注意を払い、

手にしているもの(ボールペンなど)は何でも武器にして抵抗しましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。