【ツールディフェンス基礎】第1回:ツールを手に取るまでの流れ【護身術】

【ツールディフェンス基礎】第1回:ツールを手に取るまでの流れ【護身術】

いつも心に1年分の乾燥トウモロコシを。どうもサイコ田中です。

急に新しいことを始めたくなったので、護身術カテゴリーでの新シリーズとなる、

【ツールディフェンス基礎】の第1回をお届けしようと思います。

「わけがわからないよ」という方が大半だとは思いますが、

当ブログでは毎度のことです。お察しいただければと存じます。

それでは行きましょう。

(いきなり文体が変わって驚かれている方が多いかと思いますが、

中の人間は変わらずサイコ田中です。ご安心ください)


出来ればツールなんて使いたくない

本末転倒としか言いようがないのですが、

そもそも日本という国においては例え護身・自己防衛の目的だとしても、

人を傷つける恐れのあるツール類および一定のサイズ規格を超える刃物の所持・携行は強く規制されており、

最悪の場合その場で逮捕・連行される可能性さえあります。

(詳しくは日本の銃刀法について各自でサーチされてください)

 

よってグレーなものを持ち歩いたり、取り出して実際に使ったりということは、

出来ればしたくないということになります。本当の最終手段です。

 

当ブログではかねてより犯罪などへの悪用や護身を口実にした暴行・傷害事件への繋がりを避けるべく、

こうしたツールを扱うテクニックやノウハウを扱うトピックに関しては、

極力扱わないというスタンスを貫いてきました(一部例外あり)。

 

とはいえ昨今の日本国内における犯罪発生件数や路上トラブルの発生頻度、

攻撃者らが持つ凶暴性や不可解な動機・心理状態を見る限り、

身を守る側にも何らかの”武器”が必要なことは火を見るよりも明らかと言わざるを得ません。

 

よって部分的または段階的にせよ当ブログにおいてもツールを扱ったセルフディフェンス、

またはそれに付随したテクニック・ノウハウの提供を解禁することとし、

これから少しずつ当該シリーズ及び関連コンテンツの充実を図っていこうという次第です。

(決してネタ切れが深刻であるとか、そういったネガティブな事実はございません)


ツールを手に取るまでに気を付けたいこと

さてここからは実際にツールディフェンスの基礎として、

まずツールを手に取るまでに注意しておくべきことについて解説したいと思います。

性別年齢、格闘技経験の有無などに関係なく、

身を守ることに興味をお持ちの方は是非参考になさってください。

 

ツールをしまう場所は一定に

仕事に趣味、何にでも当てはまることですが、

いつも使う道具・すぐ使いたい道具は、

いつも同じ場所・同じ方向に収めておくべきです。

これは護身に使うツールでも同じことです。

 

特にセルフディフェンスの場合、

ツールを使う瞬間というのは往々にして非常に差し迫った事態であり、

一瞬の判断ミスや反応の遅れ、見極めのズレも許されません。

 

特に「ツールを抜く瞬間」というのは絶望的なほど無防備であり、

ここを抑えられるとどうすることもできなくなると言っても過言ではないでしょう。

(逆に言えば、攻撃者のツールを取り出す動作を抑えられれば、こちらが主導権を握れるということでもあります)

勝負は一瞬ですから、自分が使いたいツールに、

・出来るだけ短い時間でアクセスできる

・素早く取り出せる

・取り落としたりしない

ことが最低条件、前提条件となります。

これらを満たすうえでも、

ツールはいつも身体の同じ部位に、そして全く同じ方向にしまっておくことが大切です。

 

最小の動作で取り出す

それがタクティカルペンにせよそこら辺の靴ベラだったにせよ、

抜く動作が大振りになるのは好ましくありません。

前項で述べたように、ツールは取り出す瞬間が最も隙が大きくリスキーなため、

この動作をいかに最小化するかが課題と言い換えても差し支えないでしょう。

 

ツールを取り出す際には、腕を大きく後ろに振りかぶったり、

腕を前に突き出すような格好になったりしないよう注意しながら、

出来れば相手に「抜いたかどうかわからないような形で」取り出して、

しっかり握り込むことが肝要です。

 

ツールを抜くときに生じるリスクパターンは、

・抜くことまたは抜いたことがバレる

・突き出した腕を振り払われカウンターをもらう

先に殴られる(実はこれが一番多いケースだと思います)

などであり、

いずれも自分がツールを手に取った事が仇になる、大変危険なシチュエーションに他なりません。

 

被弾リスクを最小に抑え、最初から最後まで相手に主導権を渡さないためにも、

ツールは素早く、そして小さな動作で取り出すことを心がけましょう。

 

もう片方の腕でしっかりとカバーを

ツールを取り出す際の致命的かつメジャーなもう一つのミスは、

顔などの急所をカバーしないことです。

 

ツールを抜く際、ほとんどの場面でほとんどの人が、

片手で握ってそのまま構えの体勢に入ると思います。これは間違いではありません。

 

問題なのは、映画やドラマのワンシーンで見られるように、

何の警戒も無く無造作に得物を手に取って構えてしまう……というものです。

(ヤンキーがナイフを取り出すときの様子が典型的だと思います)

 

ここまで述べたように、ツールは取り出す瞬間が最もリスキーです。

勘のいい方ならわかることでしょうが、顔面がら空きでツールに手を伸ばすのは、

このタイミングで「殴ってくれ」とこちらからお願いしているようなものであり、

身を守る以前の問題です。致命的ミスと言っていいでしょう。

 

ツールを取り出す際には、空いている方の手でしっかりと顔面をカバーし、

ツールを抜いた後ももう片方の手はツールを握っている手に軽く添えるようにして、

上半身と顔面を保護できる形にすることを忘れてはいけません。

 

この基本形を作ってきちんと構えることさえできたなら、

勝てないまでも負けることはないはずです。相手が素手なら猶更でしょう。


まずは3ステップの自主トレーニングから

以上3項目に分けてツールを取り出す際の注意点について述べてきましたが、

まとめると以下のようになります。

 

ツールはいつも同じ場所にしまう

最小の動作で取り出す

・フリーになっている腕で急所をカバーする

 

この3点を意識しながら、

まずはツールを抜く動作だけを繰り返し練習してみてください。

 

非常にばかばかしい試みのように聞こえますが、

それがボールペン一本にせよキーホルダーにせよ、

毎回同じように素早く取り出して構えるというのは、

意外とぶっつけ本番で出来るものではありません。

 

毎日とは言いません。

週に数回、5分から10分程度という短い時間で結構ですので、

得物を抜いて構える——ただそれだけの動作を、無心で反復してみてください。

 

その一見滑稽にも見える営みの繰り返しが、

いざという時あなたやあなたの大切な人を守ることに、必ず繋がってくるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。