【小ネタ】ナイフを持ち歩く人間の行動と心理【コラム】

【小ネタ】ナイフを持ち歩く人間の行動と心理【コラム】

いつも心に1本の松の木を。どうもサイコ田中です。

ぞっとするような話ですが、”護身用”など称してナイフなどの凶器を持ち歩いている人は、

どこにでもいると考えたほうがいいでしょう。

特に昨今は電車の車内や駅の構内、歩行者天国のような一般の往来で、

刃物による無差別殺傷事件(通り魔事件)が起こることも珍しくはありません。

今回はそうしたナイフなどのような凶器を持ち歩く人間の心理と行動について、

現時点で私が理解している範囲で解説していきたいと思います。


人を見た目で判断することはできない

よく「人は見た目が9割」とか「見た目が100%」などと言われますが、

人を見た目だけで判断することは不可能です。絶対に出来ません。

例えばアイドルのような可愛らしい、一見すると可憐な容姿の若い女性でも、

カバンの中には何が入っているかわかったものではありません。

(物騒なもの・いかがわしいものが入っていても、実際にそれを確かめるまではわかりません)

反対にどう見ても挙動不審で怪しさしかないような人物でも、

実際にボディチェックをすると何かのレシートぐらいしか出てこなかった、ということも普通に起こりえます。

単純な顔立ちや背格好、服など身に着けているものから得られる情報は決して少なくはありませんが、

人を見た目だけで判断し、敵性かそうでないかを区別することは絶対に出来ません。

あなたが本当の危機管理能力を身に着けたいなら、

「近づく者は全て敵(かもしれない)」ぐらいの意識が丁度良く、

見かけの印象や雰囲気に流されないフラットな目線を保つよう心がけましょう。


凶器を持ち歩く人間に共通する3つの行動とその心理

ここからはナイフなどの凶器を持ち歩く人間に共通する心理と行動について、

主に私自身の経験を基に解説していきたいと思います。

身を守ることに興味をお持ちの方はもちろん、身近にそのような人物がいて不安を感じておられるという方、

実際に自分自身が凶器を持ち歩いているという人は参考になさってください。

***管理人には犯罪心理学の知識も無ければ、特別な資格なども一切持ち合わせておりません。あくまでも実際の警備業務を通した経験のみを基にした考察であることを最初にお断りしておきます。***

 

凶器を手の中で弄ぶ(確かめる)

凶器を携行しているほぼ全ての人間について当てはまる行動に、

無意識に隠している凶器に触れる、というものが見られます。

例えばポケットにナイフを隠している人物であれば、特に用もないのにポケットに手を入れてナイフに触れたり、

ポケットの上から何度も触れるようにします(触れたままにしていることも)。

こうした行動には、

・落としたりしていないか確認している

・周囲に危険なものを持っていることをアピールしたい

・触れることである種の安心感を得ている

といった目的があると考えられ、いずれもナイフのような凶器を持っていることをどこかで後ろめたく感じている一方で、

「武器を手にしている」という端的な事実により自己のイメージを拡大し、ありもしない万能感や全能感に浸っているようにも見られます。

ファッション感覚やある種の「お守り」として持ち歩いている分には特に問題ないのですが、

中にはいざという時本当に使うつもりで携行している人間もいることは事実であり、その危険性は計り知れません。

実用性を考慮している人間の場合はカバンの中など取り出しにくい場所ではなく、

ジャケットの内ポケットやベルトの周辺、ポケットなど素早く取り出せる場所に隠していることが多く、

場合によってはずっと手の中に握りしめている可能性さえあります。

このような人物は無意識にナイフを隠している場所に手で触れる傾向にあるため、

もしも衣服に不審な膨らみを見つけたり、カバンの中に手を突っ込んだままの人物に気が付いたときは、

手の動きを追いかけることで凶器を発見できるかもしれません。

 

衣服や手荷物で隠すようにしている

実際の警備業務において私が警戒レベルを最大にして接していたのは、

ぶかぶか・だぶだぶの衣類を身にまとい、カバンなどで片方の手を隠すようにしている人物でした。

サイズの大きいフード付きパーカーなどは大きな凶器を隠すことに適しており、

ミリタリージャケットなどはポケットが内外を問わず大きく作られているため危険なものを隠し持つことにうってつけと言えます。

またカバンの中に隠しているだけならまだしも、

カバンなどの手荷物で凶器を持っている腕そのものを覆い隠し、即座に攻撃できるようにしている人物とも遭遇しました。

特に冬場は単に着ぶくれしているだけなのか、危ないものを隠し持っているのか区別のつかない人物が多く、

ある程度まで脱がせてやっと出てきた、ということも少なくはありませんでした。

(下着の中に小さなモーフィングナイフを隠している女性がいて血の気が引いたのは、今となっては笑い話です)

このような人物は自身が危険なもの・違法なものを持ち歩いているという事実を明確に自覚しており、

半端に理性が働いているだけに質が悪いという印象があります。(隠すことに頭を使っている時点で危険です)

またこうした人物は実際に触れるなどして確かめない限り凶器を携行しているかどうかの見極めが難しいため、

襲われてはじめて気づく、という最悪の結果になる可能性が高く非常に危険と言えます。

もしも季節外れの厚着をしている人物やダボダボのだらしない服装の人、

カバンや紙袋などでどちらかの手が見えなくなっている人物に気が付いたときは、

手が触れない程度の距離を保つか、可能な限り距離を置くことを意識したほうがいいでしょう。

 

パトカーや警察官を見て挙動不審になる

パトカーを見て目を逸らす人物は職務質問を受ける確率が高いと言われていますが、

警察官や警備員などを気にするような素振りや、遠ざかる(遠ざける)ように動く人物には警戒が必要です。

言うまでもなくこのような人物には何か心にやましいところ、後ろめたい部分があり、

自分を断罪できる(捕まえて追及できる)権限を持つ存在を極端に恐れていると考えられます。

こうした回避行動は凶器の携行のみならず万引き・窃盗・痴漢など、

罪の意識や罪悪感を抱えているからこそ生じる不安と焦りに起因するものであり、

パトカーを目にしたり、サイレンを聞く、警察官や警備員の姿を見たときなどに、

・目が泳ぐ

・大げさな咳払いをする

・小走りまたは早歩きになる

・手で口の周りを隠すようにする

といった不審な挙動として表出します。

もしも身近にこうした動きを見せる人物が見られた際には十分警戒し、

特に関わりのない人物なら距離を置き、身近な人物ならさりげなく事情を窺うなどしましょう。


もしも「危ない人」を見つけてしまったら

もしも凶器を持っている人物やその可能性を感じさせる危険人物の存在に気づいても、

絶対にその場で咎めたり、取り押さえようとしてはいけません。

凶器に準ずるようなものを持ち歩く、いわゆる軽犯罪法に抵触する振る舞いをする人物に声をかけたり逮捕・連行するのは我々民間人ではなく、

あくまで警察官の仕事です。

確かに私人逮捕といって一般人がその場で犯人を取り押さえる権利も認められてはいますが、

それは決して義務ではなく、よほど差し迫った状況でもなければ本職の警察官に委ねられるべきです。

また下手に正義感を振りかざして動いた結果、本当に危険な相手を敵に回し、

その場で実際に凶器を使った攻撃を受けて命を落とすという最悪の事態は十分に想定されます。

もし凶器を持ち歩いているような人物を見つけても絶対に言葉や行為で刺激したり、近づいて武装解除しようなどと考えてはいけません。

あなたの勇気ある行動により多数の命が救われる可能性もあることは確かですが、

危険人物を凶行へと駆り立てるきっかけにもなることを忘れてはいけません。

上に述べた通り、そのような「危ない人」を見つけたり気が付いたりしたときは可能な限り距離を置き、

最低でも手の届かない距離は確保した上で、なるべく速やかに警察や警備員などに相談してください。

あなたも私もスーパー・ヒーローではありません。

凶器攻撃を受けたらあっけなく命を落とす、ただの人間でしかないという事実をしっかりと認めたうえで、

どうすれば自分や周囲の人々が受ける被害が最小になるかを最優先にして意思決定・行動していきましょう。

身を守ることが目的なら、ちょっと怖がりなくらいが丁度いいのです。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。