今日から始める護身術29【初めてのシャドーボクシング】

今日から始める護身術29【初めてのシャドーボクシング】

いつも心に1頭のヤマアラシを。どうもサイコ田中です。

身を守るテクニックを安全に、そして効率的に学べる練習方法の代表的なものとして、

シャドーボクシングが挙げられます。

今回はそんなシャドーボクシングに取り組む際の注意点とポイントについてまとめましたので、

一人でコツコツ強くなろうとお考えの方や、身を守ることに興味をお持ちの方は参考にしてください。


ウォーミングアップはしっかりと

格闘技経験者の方の中には、

シャドーボクシング(以下シャドー)そのものをウォーミングアップとして行っているという方もいらっしゃるかもしれませんが、

出来れば事前にウォーミングアップと最低限の準備運動は済ませておきたいものです。

確かにシャドーは心拍数を上げながら全身の筋肉・関節を温めてほぐし、効率的にウォームアップさせることが可能ですが、

それは普段から何らかの格闘技やハードなスポーツ、身体づくりに取り組んでいる人にのみ当てはまることであり、

初心者の方や運動習慣の乏しい方、身体がそれほど柔軟でないという方は、事前にしっかりとストレッチをする必要があります。

シャドーの前に肩や腰、背中などをほぐしておくことで怪我を防ぐとともに、

身体に負担のかからない、自然なフォームで動くことが出来るようになります。

またウォームアップが十分でないまま急に肩や腰を素早く回旋させるなどした場合、

靭帯・関節に想像以上の負担がかかり、場合によっては大きな怪我や障害につながる恐れもあります。

シャドーを行う前には特に肩・腰・肘などを入念に動かして違和感や痛みが無いかを確かめながら、

硬さや張りを感じなくなるまでしっかりとほぐしていきましょう。

下半身のストレッチも忘れずに。

 

柔軟・ストレッチについては、以下の記事で詳しく解説しています。

↓ ↓ ↓

今日から始める護身術27【護身に役立つストレッチ】


シャドーボクシングで注意すべき7つのポイント

ここからは特に初心者の方がシャドーに取り組む際注意すべきポイントについて、

姿勢や動作など7つの項目に分けてお伝えします。

シャドーに取り組むうえで特に必要な装具・道具のようなものはありません。

動きやすい服装に着替えて準備運動が出来たら、ストップウォッチかタイマーを用意して鏡の前に立ちましょう。

(全身が映るサイズの鏡があることが理想的ですが、無くても全く問題ありません)

 

基本の構えを崩さない(ガードを下げない)

シャドーに取り組む際、特に注意すべき点は何といっても、

基本の構えを崩さないよう意識することです。

初心者の方に多く見られるのが、最初はしっかり構えの姿勢が作れているのに、

時間が経つにつれてガードが下がり、顔面がガラ空きに……という状況です。

これではそもそも身を守るための第一歩であるディフェンスが成り立たず、

どれだけ続けても時間と体力の無駄になってしまいます。

シャドーを行う際は最初から最後までしっかりと基本姿勢(ベーシックスタンス)を保ち、

・ガードが下がらない

・顎が上がらない

・棒立ちにならない

という3点に気を付けながら取り組むようにしてください。

難しければ、最初の3分間は構えの姿勢を維持したまま、前後左右に小さくステップするだけでも構いません。

いきなりパンチを打とうとせず、基本姿勢を作るところからやってみましょう。

 

その場に留まり続けない(足を止めない)

姿勢の崩れと共によく見られる大きな誤りとして、

その場から一歩も動かない、というものが挙げられます。

パンチは綺麗に打てているし、ちゃんと基本の姿勢も維持できているのに、

足が全く動いておらず、いつまでも同じ場所に立ったまま……というのは好ましくありません。

ファイトはテレビゲームではありません。

相手も自分も動いていて、常に打つ位置・角度・高さは目まぐるしく、そして複雑に変化し続けます。

いつでも自分の手の届く位置に、全く動かず立ち続けてくれる標的などありはしません。

しっかりと攻撃者の姿を目の前に思い浮かべながら前後左右に足を運び、

縦横無尽に動き続ける意識を持つことが大切です。

よってシャドーを行う際には十分なスペースを確保し、

必要に応じて運動用のシューズを履くなど、滑って転倒するといったことが無いよう安全に配慮することが求められます。

(集合住宅等にお住まいの方は階下や隣室の方にご迷惑をおかけすることの無いよう、足音などに気を付けて行ってください)

 

攻撃だけに集中しない(ディフェンスの意識)

初心者の方だけでなくある程度慣れている人でもやってしまうミスは、

攻撃の動きだけを繰り返してしまうことです。

パンチならパンチだけを漫然と、同じようなキックの動作を延々と……それはそれで大切ですが、

あなたの目的が身を守ることならば、攻撃よりもむしろディフェンスの方へ意識を向けるべきです。

両腕でしっかりと顔を覆ってパンチをブロックする、肘で顎のラインをカバーするといった動作はもちろん、

小さく頭を振ったり、上体を傾けるなどしてパンチをまともにもらわないための動きを織り交ぜることには大きな意味があります。

グローブを付けて行うボクシングなどとは違い、素手のファイトでは拳一個分という比較的小さな面積のみを考慮すれば問題ないため、

頭は一個分ずらす、上半身は左右にほんの少し前傾させるだけで被弾リスクを大幅に軽減することができます。

普段のシャドーから頭や上体を動かす癖をつけ、少しでも受けるダメージを減らす意識を持つことが肝要です。

頭と上半身だけでなく、足を動かすのも忘れずに。

 

パンチは目線の高さかそれよりも上を狙う

下を向いて目線よりずっと下のほうにパンチを打っている方がいらっしゃいますが、

あなたが身長190cmの巨漢でもない限り、パンチは目線かそれよりも上を狙って打つべきです。

パンチを自分の目線よりも下、胸のラインめがけて放つということは護身を想定する場合ほぼ皆無であり、

攻撃者の顔面を狙うと考えた場合は自身の目線と同じか、それよりも上であることのほうがよほど現実的に違いありません。

特に女性や男性でも小柄な方の場合、攻撃者との間に大きな身長差(体格差)生じている可能性が高く、

体感的には目線よりもずっと上を狙わなければパンチが全く届かないということが起こります。

よって平均的な体格よりも小柄な方や女性がシャドーを行う際は、パンチを目線より上に向かって打つ意識を持つことが重要となります。

(パンチを上に向かって打つと肩の筋肉が鍛えられるため、パンチ力強化にも繋がり一石二鳥です)

 

リラックスして行う(力を入れすぎない)

「パンチの練習なんだから力を入れないと意味が無い」と思われるかもしれませんが、

実際に求められるのは適度な脱力(リラックス)です。

肩や背中に力が入ってしまうと動きが硬くなり、身体が本来持っている力を使い切れません。

適度に力を抜いてあげることで動作に関連する各関節の動きがスムーズになり、無理なく力を伝えられる自然なフォームが身に付きます。

また実際のファイトなどの極限状態では、過度の緊張を強いられるものであり、身体は勝手に硬くなるものです。

これは生理現象で避けがたく、プロも素人も関係なく直面する問題です。

普段からリラックスした状態で動く訓練を重ねておくことで、極限の緊張状態でも脱力を意識することができ、

本来の動きが出来るようになる可能性が高まります。

パンチを力いっぱい打ったり、腕や肩に力を入れて拳を振り回すのではなく、

拳は卵が潰れない程度にゆるく握り、肩は力を抜いて小さく上下させリズムを刻み、

ロボットのように硬くならないよう気を付けて取り組んでいきましょう。

 

パンチは腕をしっかりと伸ばし切る

よく「手打ちのパンチ」という言葉を耳にしますが、

腕だけならまだしもまともに腕が伸びてすらいないパンチを打つ方は頻繁にお見かけします。

パンチを打つ際にはしっかりと腕全体と伸ばし切るイメージを持ち、

肘が曲がったままになったり、肩を支点に振り回すだけにならないよう注意が必要です。

そのようなフォームの不正なパンチを何百、何千と繰り返しても全く効果はなく、

せっかくの練習がただの自己満足で終わってしまいます。

パンチを打つ際に肩や背中が縮こまった窮屈なフォームになってしまう方は、

両腕を広げて腰を回転させ、腕を左右にぶらぶらと振り回すような動作を繰り返して、

腰から肩、肘などが「連動する」という感覚を掴んでから再度取り組んでみてください。

 

路上のファイトを意識して行う

護身を目的として行うシャドーにおいて最も重要なことは、

ルールの無い路上のファイトを明確にイメージすることです。

路上のファイトでは基本的に、

・普段着を着用した状態

・互いに素手(あるいは何らかの武装)

・一対一とは限らない

といった状況が想定され、これらはボクシングなどの格闘技とは決定的に異なる部分であり、

何でもありという状況だけに、「何をやるのか」「何が最も効果的か」が最重要課題となります。

路上のファイトにおいてあなたの攻撃手段は基本的なパンチやキックのほかに、

・肘打ち

・頭突き

・金的蹴り

・目潰し

など多岐にわたります。もしも自己防衛を目的とし、路上のファイトを想定してシャドーを行う際には、

こうした特殊な攻撃手段も適度に織り交ぜながら、その場その場で最も効果的な攻撃手段を素早く組み合わせていく必要があります。

相手の服や髪を掴んだ状態から、あるいは最初に胸倉を掴まれた状態なども具体的にイメージし、

不意打ちの急所攻撃を軸にしたアグレッシブな攻撃を、4つから5つ以上まとめていく意識を持つことがポイントです。

(1つのコンビネーションを、4つから5つの攻撃で構成していくということです。例として、

肘打ち→頭突き→金的への膝蹴り→左右のパンチ→肘打ち

などが考えられます)


相手の姿をイメージするということ

シャドーという練習の最も大きな課題は結局のところ、

如何にして敵の姿をより鮮明に思い浮かべるか、ということに収斂すると考えられます。

単なるウォームアップとして、あるいは有酸素運動として取り組むというなら話は別ですが、

本気で身を守るためのスキルを磨くために行うのであれば、敵の姿をイメージできるかどうかでその効果は大きく変わってきます。

何も考えず漫然と鏡だけを見てフォームを確かめながら行うことも決して無駄にはなりませんが、

自分が攻撃を受けたときどんなことができるか、どんな対応が理想なのかを追求する上では不十分と言わざるを得ません。

繰り返しになりますが、ファイトはテレビゲームではありません。

「相手がいて、自分がいる」という単純なリアリティだけがそこにはあり、

遊びの要素や心のゆとりなどが入り込む余地は一切無いのです。

確かに、一人だけで本当に追い詰められた極限状態というものをリアルに想起するのは困難かもしれません。

ですが今あなたが護身術を学んで身を守りたいという意思を持っているならば、

そのきっかけになった体験が必ずあるはずです。

もしもシャドーに取り組む際には、どうかそのきっかけになった出来事を、

トラウマが呼び起こされない程度に思い出しながら、行ってみてください。

あなたが本気で「強くなりたい」「変わりたい」と思っているなら、

その恐怖心や劣等感が、きっとあなたの背中を押してくれます。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。