【一人で出来る】”片足立ち”から覚える基本のキック【宅トレ】
- 2020.04.29
- 護身術
いつも心に1本のB級アクション映画を。どうもサイコ田中です。
現代護身術において最も基本的な攻撃はパンチや肘打ちなど、上半身を使った打撃攻撃ですが、
基本的なパンチに次いで即効性が高いのは何といっても急所への蹴りです。
今回はそんな護身術としてのキックを、誰でも出来る”片足立ち”から一緒に覚えていきましょう。
基本的に路上のファイトで蹴りはNGだが……
格闘技におけるキックは強力な武器に違いありませんが、
ルールの無い路上のファイトでは、積極的に蹴りを使うべきではないというのが一般的な考え方です。
・蹴り足をつかまれる
・バランスを崩し転倒する
・金的へのカウンター
など、そのリスクは挙げ始めると切りが無く、とても有効な攻撃手段とは思えません。
しかし蹴り足を素早く引くことのできる膝蹴りや金的蹴りなど、効果的な使い方があることも事実です。
基本的に腰以上の高さに脚を上げなければ大きくバランスを崩すこともなく、
よほど足場が悪いわけでもなければ転倒のリスクはほぼ無いため、相手の下半身を狙う蹴りはむしろ積極的に狙うべきとも言えます。
仮に蹴りで倒すことが出来なくても、下半身に相手の意識を集めることで、頭部を狙った攻撃が当てやすくなるというメリットもあります。
また相手の頭や上半身の高い位置を狙う蹴りを放つ機会はない(使うべきではない)ため、
180度開脚できるような股関節の柔軟性も必要ありません。
(怪我をしない程度に柔らかければそれで十分です)
路上のファイトで攻撃手段としてキックを用いる際のリスクについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
↓ ↓ ↓
”片足立ち”から始める基本のキック練習法
ここからは誰でも出来る”片足立ち”の姿勢からスタートし、
実際に自己防衛の目的で効果的に運用できる蹴りを身に着ける練習法について、
3つのステップに分けて解説します。
とにかく片足立ちが出来れば性別・年齢は関係ありません。
身を守ることに興味をお持ちの方、いざという時「ただやられるだけ」で終わりたくないという方は、
ぜひ参考になさってください。覚えておいて損はないはずです。
ステップ1:まずは普通の”片足立ち”から
その場に片足で立って、両手でバランスを取っていきましょう。
膝を骨盤のライン(おへその少し下辺り)まで上げ、地面についているほうの脚は膝をしっかりと伸ばしましょう。
最初はふらふらしたり、身体が大きく傾いたりしてしまうかもしれませんが、
とりあえず10秒間耐えられれば全く問題ありません。
片足ずつ交互に、10秒を目安にしっかりと片方の足でバランスを取る感覚を掴んでください。
慣れてきたら少しずつ時間を延ばし、両脚とも30秒間を目標に姿勢を維持できるようになりましょう。
片足立ちの姿勢を30秒間安定して保つことが出来るようになったら、次のステップに進んでください。
(最初からできるという人や1週間近くかかってしまう人など個人差があると思いますが、自分のペースで焦らず取り組んでいきましょう)
ステップ2:膝を前に押し出す(膝蹴り)
片足立ちの姿勢を難なく維持できるようになったら、
今度は腰の高さに上げた膝を、小さく前方へ押し出すような動作を加えてみましょう。
骨盤を水平に回旋させるイメージで、膝のお皿を押し込むようにして突き出します。
この際上体が後ろに反ったり、支えている脚の膝が曲がったりするかもしれませんが、
そこまで細かくフォームを気にする必要はありません。
曲げた膝を前に押し出すようにする動きだけを繰り返し、骨盤の回旋とお尻の筋肉の収縮を感じられればそれで十分です
慣れてきたら、踵を太ももの裏(お尻)に引き付けるようなイメージでしっかりと膝を曲げ、
膝の先を尖らせるようにイメージしていきましょう。
軸足(支えているほうの脚)の膝が伸び、上体を適度に逸らしてバランスが取れるようになれば、
自然に効果的な膝蹴りのフォームが身につくはずです。
感覚が上手く掴めないという方は、とにかく脚の付け根から膝の先端を一本の丸太か槍のように見立て、
前方へ突き込むようなイメージを持ってトライしてみましょう。
膝をできる限り高く持ち上げ、上から下へ落とすようにするとわかりやすい場合もあります。自分に合った感覚の掴み方を探ってみてください。
ステップ3:曲げている膝を伸ばす(金的蹴り)
膝蹴りのイメージがしっかり掴めるようになってきたら、
今度は曲げている膝をゆっくりと伸ばしていきます。
最初は時間をかけてゆっくりと、膝を伸ばして戻すという動作だけを繰り返してください。
(膝から下をぶらぶら揺らしたり、回したりする動きも効果があります)
膝の曲げ伸ばしに痛みや違和感がなく、しっかりとバランスも保てるようなら問題ありません。
ステップ2では曲げたままの膝を突き入れるイメージでしたが、
ここでは膝をしっかりと伸ばし切り、膝を支点に脛からつま先を加速させて蹴るような意識を持ちましょう。
片足立ちの体勢から軽く反動をつけて曲げた膝をお尻のほうに引き付け、一気に下から上へすくい上げるようにします。
一番勢いがつくところで太ももの動きを止めると、膝から下が慣性で勝手に前方へ投げ出されていきますが、
膝を伸ばし切ったときにつま先が自分の腰よりも下、膝の高さよりも上に達していれば、相手の金的(股間)に蹴りが入ります。
脚が高く上がりすぎず、かといって低すぎないところでブレーキがかかるようになるまで繰り返し練習し、
膝から先をスナップさせる(鞭のようにしならせる)感覚を掴んでいきましょう。
片足立ちの体勢から足を前後に振る動作はハムストリングス(太ももの裏側)の動的ストレッチにもなるため、
感覚がうまく掴めなければまずはストレッチ感覚で脚を振り上げる動作だけを何度も繰り返すだけでも問題ありません。
最終的に構えた体勢(軽く蹴り足を後ろに引いた体勢)からスムーズに蹴り足を振り上げ、
何度繰り返しても金的の高さでつま先が止まるようになれば、基本の金的蹴りが身についたことになります。
全てのステップを組み合わせてキックをマスター
ステップ1から3を無事クリア出来た方は、
最後に全てのステップを組み合わせた動作を試してみてください。
片足立ち→膝蹴り→金的蹴り……という動作になりますが、
これはムエタイ発祥の地タイでプロのムエタイ選手が実際に取り入れているキックドリルであり、
非常に合理的な練習方法となっています。(ムエタイ選手は金的蹴りのところを前蹴りにしています)
順番を変えて片足立ち→金的蹴り→膝蹴りなどとしても構いませんし、
実用性の観点から膝蹴り→金的蹴り×3などするのも面白いでしょう。
片足立ちでしっかりバランスを保ち、蹴りの動作においても大きく姿勢が崩れなくなれば、
あなたの蹴りは十分効果的・実戦的なものになったと言えるはずです。
・バランスを崩さない(片足立ち)
・膝を前に強く突き入れる(膝蹴り)
・蹴り足を素早く引く(金的蹴り)
といったポイントをしっかりと意識し、本当に使えるキックをマスターしていきましょう。
言うまでもありませんが、覚えた蹴り技は身を守る目的のみに用い、
暴力や犯罪に悪用することの無いよう注意してください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
-
前の記事
【小ネタ】ナイフを持ち歩く人間の行動と心理【コラム】 2020.04.28
-
次の記事
【小ネタ】杖・ステッキは護身の目的に使うことができるか【コラム】 2020.04.30