日本人が学ぶべきガン・ディフェンスとその必要性について
- 2020.05.01
- 護身術
いつも心に1枚の洗車割引クーポンを。どうもサイコ田中です。
銃刀法により殺傷力のある道具の所有・携行が厳しく規制されている日本において、
銃器を使用した犯罪に巻き込まれるリスクというのは、ほぼ皆無と考えても差し支えないと思われます。
しかし昨今では警官が銃を奪われたり、暴力団事務所の周辺で銃火器を使った襲撃事件などが多数発生しており、
「全く考慮にも値しない」とは言い切れないというのが現状です。
今回は日本人が学ぶべきガン・ディフェンスとその必要性について、
法的な側面などを踏まえて解説していきたいと思います。
いわゆる「タクトレ」は意味が無い?
昨今はエアソフトガンを用いたサバイバルゲームの流行に伴い、
一般の方もいわゆるタクティカル・トレーニングに取り組む機会が増えているようですが、
市販のエアガンを使った訓練はそれほど実戦的でないと考えたほうが無難でしょう。
まず第一にエアガンには一切反動の概念がありません。
中にはリアルな反動を再現した製品も存在しますが、やはりそこは玩具、機械的に生み出された衝撃が感じられる程度で、
実銃の使用感にはほど遠いというのが現実です。
(私自身、エアガンはいくつも所有していますが、あくまでコレクションとしての側面しか意識していません)
また実際に弾丸を装填した銃は重く、とてもエアガンのように軽々と扱えるような代物ではありません。
そのようなものをどれだけ撃ち、正確に的を射抜くことが出来たとしても、
本物の銃で同様のパフォーマンスが出来るはずもなく、あまりに空虚な印象が否めません。
反動も重さもない玩具で軍人の真似事をどれだけ繰り返しても、
実際に銃を使う機会が訪れたとき、あるいは銃器による襲撃を受けた際の対応力が高まるとは考えにくく、
その時間とエネルギー、コストはクラヴ・マガなど本場のCQCを学ぶ機会に充てたほうがよほど効率的に違いありません。
あくまで趣味や息抜きとして、楽しんで取り組む分には全く問題はありませんが、
エアガンを使用したいわゆる「タクトレ」で身を守るスキルが身につくと本気で考えている方には、
エアガンは玩具でしかなく、身を守るためのツールではないということを今一度自覚していただきたいと思います。
(玩具で出来るのは結局のところまさしく児戯に等しい「ごっこ遊び」でしかないということです)
日本人が学ぶべきガン・ディフェンスとその必要性
ここからは日本という国における、日本人のためのガン・ディフェンスとその必要性について、
法的な側面など3つのポイントから解説したいと思います。
日本にお住いのほとんどの方は実際に銃を手に取る機会など無いと考えられますが、
何事にも例外はあります。いつか訪れる「その日」のために、最低限の知識だけでも身に着けておきましょう。
”ダミー”を使った脅迫・強要など
日本で現実的なガン・ディフェンスが求められる機会として、
玩具の銃などといった”ダミー”を用いた脅迫・強要(主に強盗)に遭遇する、という状況が想定されます。
もちろん、攻撃者が手にしているのはあくまでもダミーであり、弾など出ない偽物には違いありませんが、
訓練を受けている人間でも、本物と偽物を区別するのは至難の業です。
特に最近の市販エアガンは際立って完成度が高く、見た目のみならず一部の内部構造まで実銃のそれを再現しているほどです。
このようなものを突き付けられた時には、それを単なるダミーと決めつけて対応するにはあまりにも危険が大きく、
例えエアガンだったとしても顔面に向けて発砲され眼球などを撃ち抜かれた場合は無事では済みません。
よってこのようなシチュエーションで求められるのは、本物と偽物を見極めて区別することではなく、
可能な限り速やかに武装解除・制圧することに違いありません。
(基本的にガン・ディフェンスの最終目標はナイフ・ディフェンス同様武装の解除と制圧に収斂します)
反社会的勢力の関係者とトラブルになった場面
都市部の治安があまり良いとは言えない地域にお住まいの方などが考慮しなくてはならないリスクとして、
反社会的勢力(暴力団など)の関係者とトラブルになってしまった場面での対応が挙げられます。
もちろんヤ〇ザの方々も色々と法律や条例の知識を持っており(一般人よりよほど詳しいかもしれません)、
普段から銃を持ち歩く、などということはほぼあり得ないと考えられますが、
・対立する組織の事務所が隣接している
・抗争一歩手前のような緊張した状態に置かれている
・幹部クラスの移動に伴う護衛
など、実際に銃を携行している組員がその辺を歩き回っている状況は十分に考えらます。
(そしてそこに出くわすかどうかは完全に運次第です)
もしも銃を携行している反社組織の関係者とトラブルに陥ってしまった場合最悪その場で射殺されても全く不思議ではなく、
十分警戒が必要と言えます。
ほとんどの反社組織は良くも悪くも地域に根付いた活動を展開しているため、
長く対象の地域周辺に暮らしている方にはある程度「見分け」がつくと考えられますが、
旅行などで訪れて勝手のわからないまま「危険な地域」に足を踏み入れてしまう可能性は無視できません。
もしも反社組織と関連のある建物などが存在する地域を訪れる際には事前にしっかりと情報を集め、
正しい知識を持った地域住民の方にアドバイスを受けたうえで、そうした「危険な地域」に迷い込んでしまうことの無いよう注意しましょう。
また昨今Youtubeなどで動画のネタとして反社勢力関係者を煽るような行為する人物を見かけますが、
文字通り自殺行為なので絶対にやめましょう。
特殊なケースと考えられる最善の対応
日本において銃器が絡む事件が発生する確率は極めて低く、考慮にも値しないと言っても差し支えないほどですが、
非常に稀なケースとして、以下のような状況が想定されます。
・国内外の犯罪組織による同時多発テロなど
・元警官あるいは退役軍人による銃乱射など
・外国人同士の争いに巻き込まれる……etc
昨今は北米・ユーロ圏において組織的な(あるいは完全な個人による)テロが頻発しており、
日本も他人事とは言えないと考えるのが無難です。
同様にして元警官や退役軍人などが心を病むなどして凶行に走るというケースも決して珍しくはなく、
その際自宅などに隠し持っていた(本来は退職時に返還の義務あり)銃器を用いることが考えられ、
知識と経験を伴った本職の人間が扱うためそのリスクは計り知れません。
(狩猟に関する資格を持った人物による散弾銃などを使った攻撃もここに含まれます)
また近頃は日本でも急速に多国籍化が進み、様々な思想や信仰を持つ人種が入り乱れており、
いつどこで衝突が起こっても不思議ではありません。
(電車で中国人やブラジル人、黒人の集団同士がトラブルになっている場面はよく目にします)
それらの根底にあるものは人種差別や宗教弾圧などですが、
日本人も何らかのとばっちりを受けてトラブルに巻き込まれたり、火の粉が降りかかるような状況に置かれることは十分考えられ、
その際ナイフなどの典型的な凶器はもちろん、銃器が飛び出しても何ら不思議ではありません。
このような特殊なケースはほぼ起こらない、巻き込まれる確率の極めて低い状況には違いありませんが、
もしもその場に居合わせてしまった場合は覚悟が必要です。
・とにかく銃声から遠ざかるように移動する
・なるべく姿勢を低く保ち、カバンなど持っている場合は胸の前に抱える
・車の後ろや建物の陰に隠れ、射線を切る
といった対応が最善と考えられますが、攻撃者が元軍人などのプロの場合は為す術がなく、
生き残れるかどうかはある程度運次第になると思ったほうがいいでしょう。
逃げるときもただ漫然と背を向けダッシュするのではなく、
遮蔽物に隠れて様子を伺いながら、段階的に銃声のする場所から距離を置くことを心がけ、
背後からあっけなく射殺されるなどということが無いよう気を付けなくてはなりません。
特に屋内などの場合人が殺到する出入口や非常口に真っ直ぐ向かうのは避け、
遮蔽物の多い場所に身を隠してやり過ごすか、机などでバリケードを築いてとにかく時間を稼ぐといった柔軟な対応が求められます。
極限状態こそ意思決定をスムーズに
極限状態でこそ求められるのが冷静さとスムーズな意思決定です。
生死の問われる状況下において判断の遅れと誤った対応は命取りであり、
特に銃器のような飛び道具が関わる場面ではわずかなミスでも致命傷になりえます。
・今何が起こっているのか
・今何をすべきなのか
・最優先されるものは何か
といった確認事項について速やかに情報を集め、次の行動を決定するまでの時間を可能な限り短縮していく意識が大切です。
こうした意思決定に役立つメソッドとして、OODAループが挙げられます。
OODAループについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考になさってください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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