今日から始める護身術30【年齢別・体型別トレーニング方法】

今日から始める護身術30【年齢別・体型別トレーニング方法】

いつも心に1万ボルトの動物用スタンガンを。どうもサイコ田中です。

護身術を学ぶ上で生じる疑問の一つとして、

「現在の自分の年齢・体型ではどのようなトレーニングが最適か?」というものが挙げられると思います。

今回はそうした疑問にお答えすべく、シリーズ「今日から始める護身術」の記念すべき(?)第30回として、

体型別・年齢別に取り組むべきトレーニング内容についてお伝えしたいと思います。


決して「遅すぎる」ということは無い

仕事に勉強、スポーツなど趣味に至るまで、

「若いうちにやっておけば……」とか「もっと早く始めていれば……」ということは少なくありませんが、

護身術に関しては、始めるのに遅すぎるということは決してありません。

確かに基礎体力やスタミナ、瞬発力などは年齢と共に衰える傾向にあるため、

若い人との間にフィジカル面での差は必ず生じてきますが、

技術的な――すなわちテクニック面での発展・向上に年の差は関係ありません。

昨今自己防衛を扱う業界において主流になりつつ現代護身術(クラヴ・マガなど)は、

フィジカルの強さや体力的アドバンテージに依存しない技術体系により構成されており、

しっかりポイントを抑えることで性別・年齢を問わず自己防衛能力の向上が期待できます。

また基本的な筋トレなどフィジカル・トレーニングについても、

始めるのに遅すぎるとか、「年齢的に手遅れ」などということはありません。

怪我に注意しながら年齢と共に衰える部位を中心にしっかり鍛え上げれば、

爆発力や瞬発力の低下といった弱点はある程度補うことが可能です。

(事実、40代・50代で驚くほどキレた動きをする指導者の方は少なくありません)

年齢や体型などを理由に始める前から諦めてしまうのではなく、

まずは「自分にも出来そうなこと」から、一緒に始めていきませんか。


年齢別・体型別トレーニング方法と注意点

ここからは、年齢別・体型別に最適なトレーニングの方法について、

その注意点も併せてお伝えしていこうと思います。

身を守ることはもちろん、身体を鍛えることや格闘技などに興味をお持ちの方で、

一体何から始めればいいかがよくわからないという方は、ぜひ参考になさってください。

 

【年齢別】取り組むべきトレーニング・格闘技

ここでは年齢別に取り組むべきトレーニングまたは学んでおくべき格闘技についてお伝えします。

年齢のみならず性別ごとにも抑えるべきポイントをまとめてありますので、女性の方も参考になさってください。

 

小学校低学年~10代前半

身体が全くと言っていいほど出来上がっていない、良くも悪くも発展途上の時期です。

この時期に取り組むべきなのは、

・心肺機能強化(水泳・マラソンなど)

・瞬発力強化(陸上・球技全般)

・柔軟性向上(体操・ダンスなど)

などに基礎体力向上にフォーカスしたトレーニングであり、

最優先されるべきは、とにかく「怪我をしないこと」に他なりません。

怪我のリスクはもちろん、精神的にも未発達な時期に相当するため暴力などに悪用されることを回避する意味でも、

格闘技を学ぶには適したタイミングとは考えられません。

(礼儀や精神面での強さを身に着けるためにこの時期から学ぶのもありかもしれませんが、管理人はオススメしません)

 

10代後半~20代前半

成長期が過ぎ、基本的な骨格などがある程度完成に近づく時期です。

この時期に優先して取り組むべきなのは、

・比較的軽い重量でのウェイトトレーニング

・ラダートレーニング

・ケトルベルを用いたトレーニング

など主に全身連動性や神経系を強化するトレーニングであり、

「脳と肉体をリンクさせること」がターゲットになると言えます。

またこの時期は良くも悪くも肉体的にある程度無理が効く(無茶が出来る)うえに、

心身共に充実し時間もエネルギーも持て余していると考えられるため、

性別を問わず格闘技を始めるには最適のタイミングと言えます。

もちろん「怪我をしないこと」は大切ですが、この時期にどれだけハードな練習に取り組めるかで、

スピード・パワー・スタミナなどに決定的な差が生じます。

打撃スパーリングなど激しい対人練習を積極的にこなし、自信をつけることを最優先にすることが望ましいと考えられます。

この年代で始めるべきオススメの格闘技として、

・フルコンタクト空手

・キックボクシング(ムエタイ)

・総合格闘技

などが挙げられます。

 

20代後半~30代

まだまだ心身共に充実した時期ですが、徐々に身体能力の衰えが始まります。

この時期にトレーニングを始めるとするならば、

・高重量を扱うウェイトトレーニング

・坂道ダッシュ

・ボックスジャンプ

など瞬発力・爆発力に加えスタミナを補強するメニューが最適と考えられます。

大きな怪我のリスクも無視できない年齢に差し掛かるため、ハードな格闘技を始めるにはそれなりの準備と覚悟が必要になり、

身を守ることが目的であれば、最初からクラヴ・マガなど現代護身術を学ぶのが無難かもしれません。

この時期に始める格闘技としては、

・ボクシング

・ブラジリアン柔術

など自分のペースでゆっくりと取り組めるものが好ましく、

特に女性の場合はボクササイズなどフィットネス感覚で始められるものが最も手軽で確実と考えられます。

 

40代~50代

どれだけストイックに鍛えても衰えを隠せない年齢であり、

トレーニングはとにかく「怪我をしないこと」を最優先に行うことが求められます。

・アイソメトリックトレーニング

・自重によるトレーニング(腕立て伏せなど)

・ジョギングなど

身体を支える基礎筋力が衰え姿勢が悪化することを防ぐ意味でも、

プランクなど体幹を刺激するアイソメトリックホールド種目は非常に効果的であり、

怪我を防ぐためにも高重量のウェイトを扱うのではなく、自重を使った古典的なトレーニングが安全と考えられます。

また男性でも皮下脂肪および内臓脂肪の蓄えられやすい時期に差し掛かるため、健康維持のためにも適度な有酸素運動が好ましく、

軽いジョギングや縄跳び、シャドーボクシングなどを積極的に取り入れることも有効です。

格闘技を始めるには安全面において困難な面があることは否めませんが、

・合気道

・システマ

・太極拳

など動きのゆっくりとした、パワーやスピードに依存しない技術体系を学ぶのが理想的と思われます。

また身を守るための技術を身に着ける場合には、衰えたフィジカル面をカバーすべく、

・武器またはツールを使った技術

・トラブルになった場面でのコミュニケーション方法

などを重点的に学ぶことを強くお勧めします。

 

60代以上

定年に差し掛かる60代以上の方は、「身体を鍛える」という意識よりも、

「健康を維持する」「身体を弱らせないようにする」という考え方が無難であり、

・朝晩のウォーキング

・就寝前または起床後のストレッチ

・ラジオ体操

などに取り組むことのが理想的であり、最も安全なコンディショニングの方法とも言えます。

骨や靭帯・関節の耐久力は限界に近付いているため高重量を扱うトレーニングなどはご法度であり、

若い頃のようなハードワークはもし出来たとしてもあまりメリットは無いと考えたほうがいいでしょう。

護身術として細かい技術体系を身に着けることも決して無駄にはなりませんが、

・最新のニュースにしっかり目を通す

・戸締りを確認する

・貴重品の扱いに気を付ける

・特殊詐欺の被害などを他人事だと思わない

といった、基本的な危機管理能力向上に努めることがより重要になると思われます。

 

【体型別】やるべき事・気を付けたいこと

ここからは体型別にやるべき事・注意すべき点についてお話しします。

自分がどの体型に相当するかわからないという方は、

BMI(体重kg÷身長m^2)を一つの目安としてください。

(BMI18.5未満で低体重、25.0までが標準、25以上は肥満傾向というのが一般的な指標です)

 

痩せ気味(低体重)

言うまでもありませんが、体重を増やさなくてはなりません。

ただ脂肪を蓄えて身体を重くするのではなく、筋肉をつけて増量することが好ましく、

・1回のトレーニングを1時間以内に終える

・トレーニング後に必ずプロテインを摂取する

・摂取カロリーを増やす

という3つのルールを守る必要があります。

体重の増えにくい(筋肉のつきにくい)いわゆるハードゲイナーと呼ばれる体質の人は、

筋肉の合成・回復に一般的な体型・体質の人よりも多くの時間を要すると考えられ、

トレーニング時間が長引くことはそれだけでオーバーワークのリスクに直結します。

痩せ型の人、体重の増えにくい方はワークアウトの1回1種目の質を上げ、

可能な限り短い時間で切り上げる意識が大切です。

またトレーニング後はしっかりとプロテイン等でタンパク質・炭水化物を補い、

摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回るような食事を心がける必要があります。

あまりに身体の線が細すぎる(体が出来ていない)状態でのハードワークは、

靭帯・関節を傷めるなどリスクのほうが多くお勧めできません。

まずは腕立て伏せなど自重を使ったトレーニングから行い、

そこから徐々にダンベルなど器具を使ったメニューを取り入れると効率的かつ安全に鍛えることが可能です。

体重がある程度増えてきたら、格闘技の練習等に参加してもいいでしょう。

 

標準体型(平均体重)

標準体重(平均体重)のラインに位置しているということは、

適性体重を維持できていると言い換えることも出来ます。

特に体重を増やしたり減らしたりする努力や工夫は必要ありませんが、

「特にここが頼りない」とか「この辺りを強くしたい」という部位があれば、

その周囲を重点的に追い込むといった身体づくりは無駄にはなりません。

バルクアップ自体に問題はありませんが、脂肪を蓄えて体重が増えすぎたり、

逆に痩せすぎてしまわないようトレーニング内容と食事には十分注意しましょう。

特に体重と体脂肪率の変動には気を使い、常に適性体重(自分が最も動きやすい・快適に感じる体重)周辺を維持する意識が大切です。

特別な疾患等が無い限り、格闘技や護身術の練習に参加しても問題はないと考えられます。

 

肥満傾向(太り気味)

わかりきったことですが、肥満の傾向にある方については、

運動や健康維持に差し障りの無いラインまで、身体を絞る必要があります。

とは言えいきなりウェイトトレーニングや自重を使ったトレーニングを行うのは、

腰や膝などの靭帯・関節に高い負荷がかかるため安全とは言えません。

軽いウォーキングやジョギングといった有酸素運動から始め、

・食事制限(摂取カロリーを低く)

・ベンチプレスなど上半身のトレーニング

・サンドバッグまたはミット打ち

などの取り組みが特に効果的と考えられます。

言うまでもなく、摂取カロリーよりも消費カロリーが上回らなければ体重は落とせません。

炭水化物(糖質)の量を減らす、一食をプロテインのみに置き換えるなどの工夫により、

一日当たりの摂取カロリーが代謝を下回ることが大前提となります。

膝・腰への負担を考慮して下半身を鍛えるのは体重がある程度落ちてからになると考えられますが、

上半身を鍛える分には特に制限はありません。

近くに通えるジムがあればベンチプレスなどを、

自宅にダンベルがある場合は座位でのオーバーヘッドプレス(ダンベルショルダープレス)などを行うことが好ましく、

もしも可能であれば腕立て伏せなどを行ってもいいでしょう。

(潰れてしまわないよう注意が必要です)

またミット打ち・サンドバッグ打ちは全身運動も兼ねた筋トレのような側面があり、

身体を絞るのにはうってつけと言えます。

近くに格闘技系のジムやサンドバッグを吊るしたトレーニングスペースがあれば、

積極的に叩いてみることを強くお勧めします。

(身を守ることに直結する打撃テクニックが身につくため一石二鳥です)

ある程度身体が絞れて来たら、格闘技ジムなどで本格的に練習を開始してもいいでしょう。


一人で強くなるために必要なことは?

私自身も人見知りが激しく、体育会系的なノリが苦手なためジムに通うのが億劫なタイプですが、

完全に一人で強くなるというのは、少し難しい気もします。

護身術・格闘技に関わらず、大多数のスポーツは相手がいて成立するものです。

(一部の陸上競技などは文字通り「自分との闘い」ですが)

水泳を水の無い陸の上で学ぶのが困難なように、

相手のいない状態で行う練習にはやはり限界があり、応用力や実戦での対応力を身に着けるには無理があると言わざるを得ません。

もしもあなたが本気で身を守る技術を身に着けたいと考え、

その一方でなるべくジムに通いたくない、一人で強くなりたいというスタンスをお持ちの場合は、

徹底的にリアリティを追求したトレーニング・メニューを、完全に単独で組む必要があります。

・攻撃者の存在をリアルに思い描いたシャドーボクシング

・ゴムチューブを使った「つかみ合い」のトレーニング

・走って逃げることを想定したインターバル走

など、挙げだすと切りがありませんが、一人で出来ることの「全て」を網羅するという意識が求められることは言うまでもありません。

単なるフィジカルトレーニングのみならず、暗闇を走るなど自分自身にストレスをかける工夫も欠かすことは出来ません。

正直、「なんかめんどくさそう……」と思う方が大半だと思われます。

もし少しでも一人での訓練が煩わしいもの、面倒なものに感じてしまった場合は、

黙ってお近くのジムに通われることを強くお勧めします。

それでも「俺は一人で強くなる」というストイックな方は、

私と一緒に自宅でこそこそ鍛え続け、完全無欠のセルフディフェンス・サイコを目指しましょう。

(サイコパスになりましょう、という意味合いではありません)

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。