【一人で出来る】1日5分で覚える基本の打撃セットアップ【宅トレ】
- 2020.05.13
- 護身術
いつも心に1発のホローポイント弾を。どうもサイコ田中です。
まだまだ油断は出来ませんが、いよいよ日本でも外出自粛の段階的な解除が見えてきました。
今まで通りの生活に戻れる方もそうでない方も、とにかく現代人は時間に追われがちです。
今回はそうした忙しい社会人・学生の方のために、
1回5分で覚えられる簡単な打撃コンビネーションとそのセットアップを紹介します。
なぜ現代護身術では打撃が重視されるのか
クラヴ・マガを始めとした現代護身術(軍隊格闘技)では、
特にパンチなどの打撃技が重要視される傾向にあります。
理由はいくつか挙げられますが、はっきりしているのは、
・比較的簡単であること
・即効性(即応性)が高いこと
・誰でも一定の効果が期待できること
などが考えられます。
まず打撃技は投げ技や組技・関節技などに比べて習得するのが容易であり、
フィジカルへの依存もそれほど強くはありません。
攻撃を当てさえすれば一定の効果が期待できるため即効性に富んでおり、
「ちゃんと手順通りにやったのに、実際やってみると上手くいかない」ということが起こりにくいのが最大の特長と言えます。
また投げ技・組技にはシチュエーションによってそのリスクが大きく変化するという致命的な欠点があります。
日本では今月(2020年5月)10日、コンビニ店員がレジでトラブルを起こした客をその場で投げ飛ばし、
頭部を負傷させるという事件を起こしています。
この事件で投げ飛ばされた男性は意識不明の重体となり、コンビニ店員は傷害容疑で逮捕されていますが、
このような状況は誰にでも起こりうる可能性があり、他人事と考えるべきではありません。
(被害者になることはもちろん、加害者になる可能性も無視できません)
現場がどのような状況だったかは現在の報道内容から把握することが困難なため憶測で語ることしかできませんが、
トラブルを起こした男性客を投げ飛ばしたコンビニ店員は、ただ自分や他のスタッフ・買い物客を守ろうとしただけで、
男性客に対して敵意や悪意は持っていなかった可能性もあるのです。
しかし結果的に投げ飛ばされた相手は頭を強く打ち意識不明となっており、
その目的が自己防衛(護身)だとしても、過剰防衛に問われることに疑いの余地はありません。
(既にコンビニ店員は傷害容疑で逮捕されています)
このように、投げ技・組技などの技術体系は仮に護身を目的としていても安易に用いるべきでなく、
その場で相手を制圧・鎮圧できないまでも、速やかに動きを止め戦意を喪失させることのできる打撃技を優先的に活用すべきであることは明白です。
1回5分で覚える基本の打撃セットアップ
ここからは1回5分という短い時間で覚えられ、なおかつ効果的な基本の打撃テクニックを、
そのコンビネーションとセットアップの方法と併せてお伝えします。
計5つのステップで構成されており、各ステップ1分、合計5分間で完了するショート・ドリルとなっていますが、
体力や持ち時間に合わせて10分、20分と延長していただいても構いません。
身を守ることに興味をお持ちの方はもちろん、
実際に自己防衛の目的で使える技術をエクササイズ感覚で覚えたいという女性の方にも参考にしていただければ幸いです。
1.ハンドポジションと立ち方
まず初めに、しっかり立って構えることから覚えましょう。
両脚を肩幅に開いたら、利き腕側の足を半歩から一歩後ろに下げ、
上半身が正面よりもやや斜め(45度が理想)を向くように立ちます。
手のひらを外側に向けた両手で口の辺りを隠すようにし、両脇は隙間が出来ないようしっかり締めます。
手と足を所定の位置に揃えたら、顎を引いて肩を小さくすくめるようにします。
これで基本の構えは完成です。
(普通に立った状態から基本姿勢に移る動作を、スムーズに行えるまで何度も繰り返しましょう)
2.ジャブ
基本姿勢を取った時、前に出ているほうの腕(利き腕と反対の腕)で打つパンチがジャブになります。
しっかりと顎を引き、肩で顎の周りが隠れるようにしながら、
ゆっくり拳を前に突き出していきます。
この時、パンチを打つ腕の肘が大きく外に広がったり、
大きく回旋してしまわないよう注意しましょう。
基本の手の位置から、目線の高さに真っ直ぐ腕を伸ばすことを意識し、
そのまま同じ軌道で腕を戻せば、基本のジャブは完成です。
(握り拳だけでなく、掌底と呼ばれる親指の付け根付近にある膨らんだ部位を押し付けるように打っても効果的です)
1分間はひたすら基本姿勢からジャブを打つ動作だけを繰り返してください。
3.ストレート
ジャブとは逆、利き腕で打つパンチがストレート(クロス)です。
ジャブ同様しっかりと顎を引いたまま、パンチを打つ腕の肩で顎が隠れるようにし、
しっかりと腰を回して打ち込むのがポイントです。
腕だけを力任せに振り回したり、肩に余計な力が入るとスピードが落ち、パワーも半減してしまいます。
なるべくリラックスすることを心がけて肩の力を抜き、パンチを打った腕を素早く引くことを意識して取り組んでください。
1分間基本姿勢からストレートを打つ動きを繰り返したら、次のステップに移りましょう。
4.肘打ち(エルボー)
肘は、鍛えずとも硬く鋭利な人体の凶器の一つです。
基本の構えから、前に出ているほうの肘を小さく前に突き出すのと同時に、
一歩前に踏み込みます。(この踏み込みが重要なポイントです)
肘は下から上にすり上げるようにしても構いませんが、相手にしっかり効かせたければ、
肘の先(尖った部分)をなるべく真っ直ぐ押し込むようなイメージで打ち込むのが理想的です。
(肘を上から下へ振り下ろす打ち方もありますが、隙が大きい上に与えるダメージも必要以上に大きくなるため推奨しません)
前の手での肘打ちを1分間繰り返したら、次のステップへ移ります。
難しければ、写真のように片手で髪をかき上げる動作をイメージするといいでしょう。
5.膝蹴り
いきなり蹴りが出てきて困惑される方もいらっしゃるかもしれませんが、
特に難しいことはありません。膝を曲げ、脚を斜め上に跳ね上げるだけです。
ムエタイやキックボクシングでただ曲げた膝を斜めに持ち上げるだけの膝蹴りを打つと注意されますが、
(相手の腹部にしっかり当てるため、持ち上げた膝を前方に押し出すようにするが正しい膝蹴りです)
ここでの膝蹴りの目的は相手の股間(金的)を捉えることになるため、ただ脚を上げるだけで十分です。
基本姿勢から小さく前方にステップし、後ろに引いた足で軽く床を蹴って勢いをつけ、
折りたたんだ膝を下から斜め上に突き上げるようにします。
イメージしにくければ、腰の高さに手を出し、その手に膝の先をぶつけるようにするとわかりやすいかもしれません。
膝蹴りの動作を1分間繰り返して、最後のステップであるコンビネーションへ移行します。
写真のように上体を多少反らして蹴る方向と逆に捻ることで、バランスがとりやすくなります。
セットアップとコンビネーション
最後の1分間は、ここまでの動作を全て組み合わせてコンビネーションを構成します。
ジャブとストレートを組み合わせたワン・ツー、
肘打ちと膝蹴りを組み合わせたエルボー・ニーをそれぞれコンビネーションA,Bとし、
各コンビネーションを交互に繰り返すだけというシンプルな内容になっています。
大切なことは、必ずコンビネーションの前後で最初の基本姿勢に戻ることと、
各動作をゆっくりと行うことです。
基本姿勢が崩れると技のバランスも崩れ防御力も低下してしまうため、
しっかり基本の構えに戻ってから次の動きに移行する癖をつけるようにしましょう。
また慣れないうちに速く動いたり、全力で打ち込もうとするとフォームの崩れを引き起こします。
動作の一つひとつを確かめながらなるべくゆっくりと動き、雑になってしまわないよう注意してください。
2種類のコンビネーションを1分間交互に繰り返して終了です。お疲れさまでした。
生存率を上げるカギは「動き続けること」
極限状態で生き残るために大切なことは、
とにかく動き続けることです。
空手やテコンドーのパフォーマンスのようにキック1発で相手をノックアウトできれば楽に違いありませんが、
基本的に一発の攻撃で倒せる相手はいないと思ったほうがいいでしょう。
(そもそも一撃必殺のパンチやキックを持っているような人物に護身術は必要ありません。拳一つで億万長者になれます)
パンチを一つひとつ、キックの1回1回を丁寧に練習することはもちろん大切なことですが、
リアルファイトではとにかく手を止めないことが重要になります。
よってパンチ1発を当てて終わるのではなく、その次に何をするか、
蹴りが当たったらその次は何に繋げるかという連続攻撃の意識を持つことが何よりも大切です。
あなたが手を止めてもいいのは、相手に脅威(恐怖)を感じなくなった時だけであり、
それ以外の瞬間は常に攻撃しているときも、攻撃を防いでいる場面でも、
何かしら動き続けていることが生存率を高めるカギとなります。
ただし、日本の法律では過剰防衛にあたる「倒れた相手への攻撃」は行わないよう注意が必要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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