重要なのに何故か軽視されがちな部位とその鍛え方

重要なのに何故か軽視されがちな部位とその鍛え方

いつも心に1台の改造トラクターを。どうもサイコ田中です。

身体を鍛える目的は人それぞれで、その目的に見合った方法を採用するのが一番に違いありませんが、

その目的を問わず、重要なのに何故か蔑ろにされてしまう部位というのは存在します。

今回はそうした大切なのに何故か軽視されてしまいがちな部位とその鍛え方について、

自宅で安全に行えるトレーニング方法と共にお伝えしたいと思います。


「怪我をしないこと」の難しさ・大切さ

若い頃はかなり無茶な鍛え方をしていた管理人ですが、

30歳という人生の節目(?)を目前に控え、考え方が大きく変わりつつあります。

20代前半の頃は「とにかく高重量・高負荷」で、「1セット、1レップでも多く」を心がけてきましたが、

怪我やその後遺症による影響が無視できなくなるにつれ、「怪我をしないこと」が最優先になりました。

まだ総合格闘技の試合に出ていた頃は、毎度のように手首や拳・脚などを傷め、

練習が出来なくなって困るのはもちろん、お世話していただいているジムの関係者、対戦相手の方にもご迷惑をおかけし、

本当に情けない気持ちでいっぱいでした。

確かに、ハードに追い込む過程で必ずどこかを傷めたり、予期せぬトラブルに見舞われる恐れがあることは事実です。

ですが「成長のためにやむを得ない犠牲」と、長期的な健康面への配慮や自分が果たすべき責任を無視することは全くの別物と気づきました。

いかなる理由があろうとも、周囲に迷惑をかけたり、自分自身を無意味に傷つけるような鍛え方は正当化されるべきではありません。

それは単なる無謀・無責任な振る舞いであり、子供がする危険な遊びと何ら変わらないものです。

私たちが良識と責任感を持った社会人ならば(学生の方についても当てはまりますが)、

その目的を果たすために必要な努力を、その背後にあるリスクもしっかり考慮して続ける覚悟が必要に違いありません。

人生は戦いの連続であり、ノーリスク(ローリスク)・ハイリターンな勝負など一つも存在しません。

それがどんな分野であれ一定のリターンを求める以上、そこに付きまとうリスクを無視することは決して許されないことを肝に銘じ、

自身の果たすべき責任から目を背けることのない、本当の意味で「強い人」を目指しましょう。


何故か無視されてしまう5つの部位とその鍛え方

ここからは、大切なのに何故か無かったことにされてしまう部位とその鍛え方について、

上半身と下半身の両方から5つ紹介したいと思います。

筋トレが大好きという方はもちろん、格闘技をやっているとか、

これから何らかの格闘技を始めようと思っている方もぜひ参考になさってください。

ここで紹介するトレーニングに特別な器具等は必要ないため、自宅でゆっくりと取り組んでいただけます。

怪我の無いよう周囲の安全に十分配慮し、自分のペースで無理せず行ってください。

 

いわゆる普通の「筋トレ」だけを続けている人の中で、を鍛える人は少ないのではないでしょうか。

首は言うまでもなく人体の中枢にあたる脳を擁する頭部を支える部位であり、

ここが弱いと頭を中心に全身のボディバランスが乱れ、姿勢の悪化や動作の乱れに繋がります。

「首が太くなるのは困るよ」という人を除いては、しっかり首の周辺を鍛える時間も設け、

より男性らしい、逞しさと色気を兼ね備えたシルエットを手に入れましょう。

 

首を鍛える方法として、ブリッジがとくに有名ですが、

昨今の研究により頸椎に多大な負担がかかる危険なエクササイズであることが明らかにされ、

特別な理由が無い限り積極的に取り組むべきとは言えません。

代替案として、壁に頭を押し付けるという方法があります。やり方はいたって簡単で、

1.壁から少し離れたところに立つ

2.額(おでこ)を壁に押し付けるようにして体重を預ける

3.そのままゆっくりと顎を引く→戻すという動作を繰り返す

これだけです。

額から頭頂部にかけてを壁に押し付けることで首の前側が、

反対に壁を背にして立ち、後頭部を押し付けるようにすることで首の後ろ側が鍛えられます。

これまで床で行っていた基本的な首のコンディショニングでは首にかかる負担が大きすぎましたが、

壁にもたれて行うことによりその強度が大幅に低下し、安全性が向上した内容となっています。

運動強度が低いとはいえ、これまで首にフォーカスしたトレーニングを行ってこなかった人にとっては十分すぎる負荷であり、

30秒から1分間行うだけで首回りがバチバチになること間違いなしです。

(怪我の無いよう、無理せずゆっくりと自分のペースで行ってください)

頭だけをつけて行うのが困難であれば、写真のように手で支えても問題ありません。

 

手首

通常の筋トレではそれほど重視されない手首の強さですが、何らかの格闘技をやるとか、

単純な腕力・握力がものを言う場面では特に重要になる部位です。

怪我を防ぐことはもちろん、総合的な腕力向上、握力増強にも関連しており、

鍛えることで適度に血管の浮き上がった、太くて男性らしい前腕が手に入ります。

「手首は細い方が好き」という人以外は、普通の前腕・上腕のトレーニングとセットで取り組んでいきましょう。

 

手首を鍛えるうえで最も手っ取り早いのは、

拳を床に突いて行う拳立て伏せです。

柔らかいマットなどではなく、なるべく固い床の上で行うことが好ましく、

特に拳の人差し指と中指の付け根にあたる2か所の骨を押し付けるようにして行うことで、

自分のパンチで怪我をしない(自爆しない)、強い拳を作ることが出来て一石二鳥です。

慣れてきたら、手の甲の部分を床につけて行うリスト・プッシュアップ(Wrist push-ups)にも挑戦してみましょう。

 

手の指

「手の指なんて鍛えてどうするんだ」と思われるかもしれませんが、

手の指も手首同様に握力――すなわち総合的な膂力と密接な関係があり、無視するべきではありません。

突き指や指の骨の脱臼といった怪我を予防することに繋がることはもちろん、

しっかり鍛えることで特に懸垂運動・ボルダリングなど、何かにつかまってぶら下がるような動作でのパフォーマンスが大幅に向上します。

また前腕や手首の周囲、手指全体のシルエットもより太く、逞しくなることは言うまでもありません。

「指が太いのはちょっと……」という方以外は、積極的に鍛えてみましょう。

 

手の指を鍛える簡単な方法として考えられるのは、

手の指を床に突いて行う指立て伏せでしょう。

通常の腕立て伏せを指先に集中して行うだけなので難易度が低いとはいえ、

段階的に指の数を減らしたり、片手で行うことにより負荷の調整が可能であり、

初心者から上級者まで幅広く取り組めるメニューとなっています。

難しければ、手の指を床に突いたままの姿勢を30秒から1分間維持するだけでも効果があります。

指の怪我を防ぐために滑りにくいマットの上で行うか、滑り止めの突起が付いた軍手などを着用して行ってください。

 

足首

「マジで……?」と思われてしまいそうですが、足首の強さは意外に重要なものです。

捻挫などの怪我を防ぐことに関連するのはもちろん、片方の脚に体重を預けるような場面での姿勢制御、

体幹安定性とは特に密接な関係があり、鍛えているか否かは立ち姿や歩き方にまで現れてきます。

女性の方であればO脚の改善にも効果が期待できるため、積極的に取り組まれることをお勧めします。

 

手軽な足首の鍛え方として、

つま先立ちスクワットが考えられます。

1.足を肩幅に開いて立つ

2.踵を上げてつま先立ちの体勢に

3.ゆっくりと膝を曲げて腰を落としていく

要するに通常のスクワットをつま先立ちで行うだけなのですが、

注意点として、

・ゆっくりと行うこと

・足の甲から足首の前側を意識して行う

ということが挙げられます。

素早く行ってしまうと反動がついて負荷があちこちに逃げてしまい、ターゲットの足首周辺に効かせられません。

しっかりと足の甲から脛の下の方、足首の前側を意識してゆっくりと行い、

バランスを保つために足首の力を使うイメージを持つことが大切です。

10回から15回を1セットとし、合計3から4セットを目安に行っていきましょう。

バランスを取るのが難しければ、壁に手を突いたり腕を前に伸ばしたりして姿勢を安定させて行ってください。

 

足(足の指)

ただと言われてもイメージが沸かないかもしれませんが、

日本人の方には、「外に出るとき靴に覆われている部分です」と説明するとわかりやすいかもしれません。

足はいわゆるスクワットなどで鍛えられる大きな筋肉(大腿四頭筋やハムストリングス)などと並行して鍛えることが困難であり、

高重量のウェイトトレーニングをメインに行う方のほとんどにとって無視されがちな部位とも言えます。

足首と同様に身体を支えること、特に歩く・走る・跳ぶといった動作では起点になる部位であり、

この部分が鍛えられているかどうかで、運動時やただ歩いている時でさえ腰や膝にかかる負担に差が出ます。

もしも立ち仕事をされている方などで慢性的な腰痛や膝痛などに悩まされている方は、

太腿のような大きな筋肉だけでなく、足首や足全体(足指)を鍛えることにも目を向けられてみてください。

 

足(足指)の鍛え方として最も容易なものは、

立って前のめりになっていくだけの斜め立ちです。

1.両足を肩幅に開いて立つ

2.膝の裏と背筋をしっかりと伸ばして前のめりになる

3.限界一歩手前のところで止まる

キング・オブ・ポップこと故マイケル・ジャクソン氏のパフォーマンスに見られるような、

大きく前のめりになるポーズをイメージしていただくとわかりやすいかと思われます。

(ゼロ・グラヴィティというテクニックであり、マイケル氏は特許も取得しています)

このトレーニングのポイントは、

・しっかり足の指先に力を入れる

・膝を曲げたり背中を丸めたりしない

という点であり、足全体でしっかりバランスを取りながら、

猫背になったり反り腰になることなく、なるべく全身を真っ直ぐに保ったまま倒れていく意識が大切です。

とにかく限界まで前傾した姿勢を維持し、余裕が出てきたらさらに角度をつけるなどして負荷を高めていきましょう。

(30秒から1分間維持できるのが理想的です)

転倒による怪我を防ぐためにも、支えになるものや壁のある場所で行い、

滑りにくい床やマットの上で行うようにしてください。

写真は斜め立ちのイメージです。実際はここまで前傾する必要はありません(というか出来ません)。


「勝手に鍛えられる部位」など存在しない

よくある間違いとして、

ベンチやスクワットによって体幹や関連する小さな筋肉まで鍛えられる、というものがありますが、

人間の身体はそんなに都合よく鍛えられるものではありません。

今回紹介した部位についても、他の種目で一緒に強くできるような印象がありますが、

ターゲットを絞って行うかそうでないかは、成長速度や成長の可能性に大きく影響します。

肩の周辺をおろそかにすると腕や胸の成長に影響が出るように、

手首や足首といった末端関節のコンディショニングを軽視することは、

そこに関連する部位の成長を妨げていることと同義に違いありません。

特に若い方や筋トレを始めたばかりの方は、胸など大きな筋肉を鍛えていくことに意識を向けてしまいがちですが、

それらの大きな筋肉もその奥にある小さな筋肉も、身体の端のほうにある筋肉にまで繋がっていると考えるべきです。

これからより「伸びしろのある肉体」を作っていくためにも、また単純に怪我をしにくい長期的な健康を考慮した身体づくりを目指していくうえでも、

全身隅々までしっかりと鍛え上げるイメージを持ってほしいと思います。

一見地味で、どんな効果があるかいまいちイメージしにくいようなメニューでも、決して無駄にはなりません。

怪我のリスクを軽減しながらバランスの取れた理想の肉体を作るためにも、

普段考えたことも無いような場所の筋力にも目を向けていく意識が大切です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。