【小ネタ】役に立たない・危険な自己防衛トレーニング【コラム】
- 2020.06.18
- 護身術
いつも心に1本の毒矢を。どうもサイコ田中です。
護身術を学ぶきっかけは様々で、その背景には複雑な事情が隠れていることが多いでしょう。
自宅でコツコツと鍛えていらっしゃる方も、少なくないかもしれません。
「強くなりたい」「変わりたい」という強い思いは大切ですが、
気持ちだけが先走って、あまり意味のない練習や危険な鍛え方をしていませんか?
今回は実際に管理人がやってしまっていた、良くないトレーニングの例をいくつか紹介したいと思います。
ジム又はセミナーで指導を受けるのがベスト
基本的に格闘技にせよ護身術にせよ、
ジムやセミナーで正しい知識を持つ指導者の下で練習するのが一番です。
独学で強くなるにはやはり限界があり、
まして格闘技・護身術はともに相手がいて初めてその効果を確認できる技術も多く、
強くなるうえでスパーリングなどの対人練習は欠かせません。
陸上で水泳の練習ができないように、
一人での練習には限界があることをしっかりと自覚し、
機会があれば一般向けの公開セミナーや体験会にどんどん参加していきましょう。
僻地にお住まいでジムに通うのが困難と言う方は、
SNSなどを利用してコミュニティを築き、地域の公民館などで合同練習をするという手もあります。
(指導者としての資格を持つ人物が責任をもって主催出来る場合に限ります)
こんなトレーニングは危ない&役に立たない
ここからは、実際に管理人が取り組んでいたものの中でも、
特に危険で役に立たないトレーニングをいくつか紹介したいと思います。
防犯・護身に興味をお持ちの方の中で、特に独学で鍛錬されている方、
自宅でトレーニングされているという方は一度参考になさってください。
そしてもしも心当たりがあれば、ここで取り上げる好ましくない練習は今すぐ中止してください。
身体に重りをつけてのシャドー
管理人がフルコンタクト空手をやっていた頃に取り組んでいた、
非常にメジャーであると同時に、あまり良くないトレーニングの代表例です。
重りをつけて動き回った後で重りを取り外すと、身体がすごく軽くなったように感じますが、
実際は遅くなっているため注意が必要です。
2014年のとある研究結果により、
荷重によるトレーニングは運動のパフォーマンスを低下させる可能性が示唆されました。
ごく簡単に説明すると、
重りをつけることで、その重さに抵抗するため身体が(意図せず)理想的なフォームを崩し、
身体に合わない不適切なフォームが染みつき、結果として動きが悪くなるということです。
スピードやキレの低下はもちろん、怪我のリスクもあるためデメリットしかなく、
凡そ積極的に取り組むべきとは考えられません。
ダンベルを持って行うシャドーも、ゴムチューブにより負荷をかけて行う練習も同様であり、
どうしても行う必要がある場合、週に1回程度の頻度に抑えるべきでしょう。
ハイキック・ミドルキックの練習
当ブログでは繰り返しお伝えしていることですが、
一般的に路上のファイトでキックを使う機会はありません。
腰よりも上の高さへの蹴りは、
・蹴り足を掴まれる
・バランスを崩し転倒する
・相手に大怪我を負わせる可能性がある
などリスクしかなく、とても積極的に用いるべきとは言えません。
蹴ってもいいのは蹴り足を素早く引ける膝蹴り・金的蹴り・ローキックなどであり、
ミドルキック・ハイキックを練習するのは時間と体力の無駄遣いとしか言いようがありません。
(ミドルキックやハイキックを練習する時間を膝蹴りなどの練習に割くほうが遥かにスマートです)
またミドル・ハイを蹴るための股関節の柔軟性も同様に不要なため、
180度開脚を目指した無理なストレッチ運動も必要ありません。
ビール瓶で脛を叩く
こちらも「重りシャドー」と同様、管理人がフルコン空手時代に取り組んでいた練習で、
今でもこの古典的な鍛錬を積まれている方もいらっしゃるかもしれません。
硬いもので叩いた部分の骨は固くなる、というのは間違いではありませんが、
正しい鍛え方とは言えません。
空手家が砂袋を蹴ったりビール瓶で脛を叩くのは、
脛の周辺にある神経や毛細血管を潰して痛みを感じにくくさせるためであり、
骨を固くするためではありません。
(そうした意図もあるかもしれませんが、副次的なものであると考えるべきです)
骨を強くしたければ牛乳や小魚などカルシウム豊富な食品を積極的に摂り、
栄養バランスの取れた食事を心がけることが一番の近道です。
また縄跳びなど膝から下の骨に小さな衝撃を加える運動も骨を強くすることに繋がります。
間違ってもビール瓶のようなもので脛をボコボコ叩いたり、
強い痛みを感じるようなものを全力で蹴ったりしてはいけません。
怪我を防いでスマートに鍛えることを心がけましょう。
使い方のわからないツールを振り回す
Youtubeで護身術や自己防衛にまつわる動画を見ていると必ずと言っていいほど見受けられるのが、
ヌンチャクや特殊警棒などのツールをブンブン力任せに振り回している人々の姿です。
まず、正しい使い方のわからないツールを購入・所持していることが既に間違いであり、
適切な指導を受けないまま直感的に振り回すなどは自殺行為です。
特にヌンチャクやトンファーなど特殊な形状の武器は時に予測不能な動きをすることがあり、
・顔面などを強打して怪我をする
・手からすっぽ抜けて周囲の人や物を傷付ける
・近隣トラブルに発展する
などリスクしかありません。
よくわからないものをよくわからないままに扱うのはセルフディフェンスどころか、
愚かしい自己破壊行為です。
あなたの目的が自分や大切な人の身を守ることならば、
その目的に見合った正しい道具を、正しい使い方を理解したうえで所持・運用しなくてはなりません。
(路上のファイトで優位に立つだけなら、ボールペン1本で十分です)
自己流トレーニングを見直すきっかけを
Youtubeには怪しい動画を投稿している人が大勢いると上に述べましたが、
我流のトレーニングを続けている人にとっては、
取り組みの姿勢を見直すいいきっかけになるかもしれません。
一心不乱に警棒を振り回す中年男性はいかにも滑稽であり、
正しいフォームを知らないままサンドバッグを叩く少女の姿には痛々しさすら感じます。
自分が間違った、あるいは危険なトレーニングをしているかどうかは、
客観的に見なければ案外わからないものです。
自分のトレーニング内容に疑問をお持ちの方は、一度ご自身の練習している姿を動画に収め、
1週間ほど時間をおいてから、フラットな目線でご覧になってください。
かなりおかしなことをやっているように見えると思いますが、
安心してください、それは誰でもそうなるのです。
(シャドーを録画して見直すと、鏡で見ているのと全然違うので驚くのと同じことです)
おかしな部分があるとわかったら、そこを修正すればいいだけです。
危険で無意味なトレーニングを回避し、合理的に、そしてスマートに強くなっていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
-
前の記事
低コストのバルクアップ食材と節約レシピ 2020.06.17
-
次の記事
シナリオ別ソロ・ドリルNo.03【両腕で掴みかかられたとき】 2020.06.19