【防犯】危機管理能力を向上させる3つのルールと習慣【護身】
- 2020.06.23
- 護身術
いつも心に1頭のコモドドラゴンを。どうもサイコ田中です。
護身術と聞くと危険人物を華麗に転がしたり、凶器を奪ったりする技術を思い浮かべる方が多いと思われますが、
それらはあくまでも最後の最後――どうしようもなくなった時の切り札に過ぎません。
本来の意味での自己防衛においては状況認識に重きを置き、
如何にして潜在的なリスクを回避していくかが最大の課題です。
では、状況認識と危機回避能力を高めるために、どのようなアイデアが有効でしょうか?
今回は個人の危機管理能力を高めるためのルールと簡単な習慣についてお伝えしたいと思います。
視野を広く・死角を少なく
これから紹介する危機管理能力向上メソッドに共通するコンセプトは、
如何にして視野を広く、そして死角となる部分を減らすかということです。
路上におけるトラブル並びに突発的な凶悪犯罪、そのどちらにも共通するのが、
・注意力が低下しているとき
・視野が狭くなっているとき
・背後など死角を突かれたとき
などに、最も襲撃・攻撃を受けるリスクが高まるということです。
人に限らずどんな動物もリラックスしている時や注意力散漫になっているときには、
不意のアクシデントやトラブルに対して反応が遅れる傾向にあります。
この反応の遅れは命に関わるリスクのある場面において致命的であり、
一瞬の認知・判断の遅延が生死すら左右します。(車の運転などがわかりやすいと思われます)
また単純に視野が狭くなっていたり、背後など死角から近付く脅威に気づかなかった場合も同様に、
反応が遅れるか反応することすら出来ないため、身を守りようがありません。
普段から注意力を高く保つこと、そして可能な限り視野を広く保つ工夫が、
いざという時の生存率を高めることに繋がってきます。
あなたの危機管理能力を高める3つのルールと習慣
危機管理能力向上のため、注意力の維持と視野の確保が重要と述べましたが、
ここからは実際の生活においてどのような考え方が有効なのか、
基本的なルールと習慣を3つの項目に分けてお伝えします。
防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。
第三者を背後に立たせない
ゴ〇ゴ13ではありませんが、他者を後ろに立たせないことは非常に重要なルールです。
死角からの攻撃はある意味防ぎようがなく、反応も遅れるか不可能に近いため、
それが電車の車内にせよコンビニの店内にせよ、簡単に第三者に背後を取られない工夫は必要です。
(電車を待つ列などに加わる際も注意が必要です)
簡単な習慣として、壁を背にするというものがあります。
例えばスマートフォンを操作するときなどは、何もないところに立ち止まるのではなく、
手近な建物の壁を背にして立ち、適度に画面から顔を上げ周囲を見ながら操作するのが安全です。
(いわゆる歩きスマホは注意力が低下し視野も狭くなり大変危険なため、絶対にやめましょう)
またコンビニの店内などにおいても欲しいものがある陳列棚に近づいて立つのではなく、
後ろの陳列棚になるべく近づいて立ち、人が自分の前を通るようにすることが理想的です。
買物をされている他の方の迷惑になるかもしれませんが、平気で後ろを通られるよりはずっといいでしょう。
何かを注視する時間を減らす
視野を広く保つためにも、特定のモノや人を凝視する時間は減らすべきです。
街を歩いていると目を引かれるような変わったものや魅力的な人物がいるのも確かですが、
それらをじっと見つめているのは危険です。
移動中はなるべく視野を広く保ち、
・一点だけを注視しないこと
・目の高さにあるものだけを見ないこと
・すれ違う人物の視線や挙動に警戒すること
などといった意識を持つことが肝要です。
現代人の生活に欠かすことの出来ないスマートフォンも、じっと見ているのは好ましくありません。
電車に乗ってすぐにスマートフォン操作し始めるという人は、適度に顔を上げる癖もつけるようにしましょう。
このルールに関連する習慣として、人とモノを1つのセットとして観察するというものが挙げられます。
例えば1台の車に対して1人のサラリーマン、
1台の原付に対して1人の学生といった具合に、
モノと人をなるべく交互に、そして一つの単位として扱う観察方法が有効です。
路上における脅威は人だけとは限りません。
不審な路上駐車の車に酒の空き瓶、コンドームのパッケージなど治安の好ましくない地域になればなるほど、
危険を見つけるヒントになるものがそこら中に転がっています。
不審な人物はもちろん、潜在的なリスクをいち早く察知するためにも、
何気ないモノの配置や挙動といった小さな変化にも目を向けていく意識が大切です。
慣れてきたら、安全なものとそうでないもの(不安や脅威を感じるもの)を素早くフィルタリングし、
必要な情報を素早く集められる目の動かし方を探してみましょう。
無防備になる時間を短くする
注意力と視野の両方に関連するルールとして、
可能な限り無防備になる時間を減らすというものが挙げられます。
一般的な社会生活を営む方々にとっての無防備な時間というのは、
・カバンなどの荷物で両手がふさがっている時
・屋外での電話中
・満員電車の車内など身動きがとりにくい場面
などであり、これらの状況を積極的に回避することも一つの目標と言えます。
特に自転車を押して歩いている時、買い物袋などを両手に提げているときのリスクは高く、
僅かな反応の遅れが致命的なダメージに繋がる恐れがあり注意が必要です。
またいざという時生存率を少しでも高めるために身体を鍛えること、
自己防衛の実戦的な技術体系(実技)を身に着けることなどもここに含まれます。
無防備になる時間を減らすうえでぜひ実践していただきたい習慣の一つは、
車の乗車・降車に伴う確認行動です。
運転免許証をお持ちの方のほとんどは教習所の初期講習において、
車の乗り降りに際して、安全確認のために車の下も含め前後左右を、
しっかりと目視で確認してから乗るよう指導されたはずです。
小さな子供や動物、車のタイヤなどを保護するために重要であると同時に、
ドライバー自身の安全を確保する上でも欠かせない習慣に違いありません。
車に乗り込む瞬間というのはほとんどの人が車内の状態や車のフロント側にしか注意が向いておらず、
背後などから襲撃を受けると致命的なタイミングと言えます。
車に乗り込む際は車の周囲をしっかりと確認したうえで、
ドアを開けてから乗り込む直前には左右と背後を振り返り、
可能な限り速やかに内側からドアをロックし、発車に時間をかけない工夫が肝要です。
車に乗っている状態は一見安心のようですが、電話をかけたりスマートフォンを操作するなどしていると注意力が散漫になり、
悪意ある第三者の接近に気づくのが遅れがちです。
乗車後はしっかりとドアをロックし完全に窓を閉め、速やかに発進すべきです。
万が一乗車の前後に襲撃を受けた場合はクラクションや盗難防止装置のアラームを鳴らし、
周囲に危険を知らせ助けを求めるといった対応が求められます。
(車に乗ってからダラダラと飲食・化粧をするなどの習慣がある人は特に注意が必要です)
男性は満員電車の乗車時にも警戒を
電車に乗る機会が多い方で、特に男性の方は違った角度での警戒も求められます。
電車を利用する全ての男性にとって致命的となりうる潜在的リスクの一つが、
痴漢の冤罪被害です。
昨今はその件数が増加傾向にあり、裁判に発展し何とか有罪は免れたが、
社会的に甚大なダメージを受けるという事例がほとんどのように見受けられます。
特に近年は携帯端末における撮影機能の進化、SNSの普及に伴い「ネット私刑」という単語も生まれ、
混雑時は気が抜けないという男性は少なくないでしょう。
女性にとって痴漢が顕在化した脅威であるのに対し、男性にとってはその冤罪被害が潜在的脅威になるというのは何とも複雑なところですが、
やはりある程度は男性側の配慮と対策が必要と考えられます。
満員電車に乗車する際は可能な限り女性ではなく男性の近くに立つことを心がけるとともに、
・つり革を両手で握る(左右に配慮が必要)
・両手で本を読む
・壁やドアを背にして立つ
など、「両手が見えること」「女性の背後に立たないこと」を意識することが肝要です。
つり革もつかめないような混雑時はどうしようもありませんが、
なるべく女性の近くに立たない・両手が見えるようにしておくといった配慮は必要でしょう。
自分自身が法的に追い詰められないためにも、女性に不安を与えないためにも大切なことです。
男性は危機管理の一環として、電車の車内における痴漢の冤罪対策にも目を向けていきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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