【防犯】実は一番危ない「中距離」を回避するテクニック【護身】

【防犯】実は一番危ない「中距離」を回避するテクニック【護身】

いつも心に1本のホッケースティックを。どうもサイコ田中です。

突然ですが皆さんは、1対1の殴り合いで最も危険なのはどんな距離だと思いますか?

距離が遠いときは攻撃が届かないのでなんとなく安全な気がしますよね。

近すぎると掴まれて振り回されたり、攻撃を受けたときの反応が遅れそうです。

結局「至近距離が一番怖いんじゃないの」と思われる方が多いかもしれませんが、

実は「近すぎず遠すぎず」という微妙な距離が、一番危険だと考えられています。

何故、中距離は危険なのでしょうか。


微妙な間合いを保とうとする相手には要注意

駅や電車の車内、飲食店などで第三者と何らかのトラブルに発展した時、

「手が届くか届かないか」という微妙な距離を取ってくる相手には注意が必要です。

こうした微妙な距離は頭を狙ったパンチや金的を狙った蹴りなどを最も当てやすく、

特に直線的なパンチは破壊力が最大になる極めて危険な間合いです

もしもトラブルになった相手が手が触れるかどうかという微妙な距離を取ったり、

あなたの動きに合わせてそうした微妙な間合いを保とうとする動きを見せた場合、

相手はあなたに何らかの危害を加える意図があり、

格闘技の経験があるか、それなりに喧嘩慣れしている可能性があります。

特に左右どちらかの足を半歩から一歩ほど後ろに下げて斜に構えて立ったり、

きょろきょろと周囲を窺うような素振りを見せる相手には、最大限の警戒が必要です。

「お互い大人だし相手は手を出してこない」などと高を括るのではなく、

「いきなり殴られるかもしれない」と思いながら身構えておくくらいが丁度いいでしょう。


危険な中距離レンジを回避する基本テクニックと練習法

ここからはそんな危険度の高い中距離(ミドルレンジ)を回避して安全に立ち回るためのテクニックを、

一人でも出来る練習方法と共にお伝えします。

難しいセオリーやメカニズムは徹底的に省き、直感的に覚えられる技術体系となっています。

防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。

 

片手を突き出して横歩き

微妙な間合いを回避する上で最も手っ取り早いのは、

シンプルに相手から距離を置いてしまうことです。

とは言えただ後ろに下がり続けるのは危険なため、

・相手に身体の側面を見せるようにして立ち

・前に出ているほうの腕を相手の方に突き出すようにしながら

・ゆっくり横歩きで後退りする

というのが安全なアプローチです。

いきなり殴りかかられても、身体を横に向けているため相手は的を絞りにくく、

更に突き出した腕がバリケードの役割を果たすため致命的な打撃を受ける可能性は低くなります。

また横目で後ろの状況を確認しつつバランスを取って後ろに下がれるため、

そのまま何も考えず後退するよりは遥かに安全と言えます。

とにかく相手と距離を取りたい、安全な距離感を保ちたいという時は、

身体を横に向けて相手の方に手を伸ばし、横歩きをすると覚えておきましょう。

体力的に余裕がある場合、小さくステップするように動くなどして動きに緩急をつけることで、

更に攻撃を受けるリスクを低減することが可能となっています。

 

一人で練習する場合は、ウォーキングなどに出かけられた際に、

長い直線道路で横向き後ろ歩きの練習をするのが最も簡単で効率的と考えられます。

変な人だと思われてもいいという方は、手を前に出してバランスを取りやすい動き方を探してみましょう。

 

肘を使ったブロックからクリンチ

後ろが壁などで下がることができない場合、

自分から距離を詰めるほかはありません。

・両肘を前に突き出すようにして両腕で頭を抱え込み

・相手の胸または顔に肘をぶつけるイメージで

・素早く地面を蹴って飛び込む

というアグレッシブなエントリーが簡単かつ有効です。

しっかりと顎を引き、後頭部を両手で覆うような姿勢を取ると、

自然に両肘が前に出ます。

そのまま相手の顔か胸元に肘をぶつけるようなイメージで飛び込めば、

頭を保護しながら素早く相手の懐に飛び込むことが可能です。

上手く相手との距離を詰められたら、そのまま相手の首に手を回して上から頭を押さえつけるようにし、

簡単に顔を上げさせないことが肝要です。

(頭はあらゆる動作の起点になるため、強く押さえられると身動きがとりにくくなります)

 

一人での練習法はいたってシンプルで、

ひたすらブロックの姿勢から前に踏み込む動作を繰り返すだけです。

頭を抱えるブロックの体勢を作ったら、利き腕側の足を半歩下げて立ち、

後ろに下げたほうの足で強く地面を蹴って前に飛び込みましょう。

手を伸ばしてギリギリ届かない程度の距離に相手の姿を思い浮かべ、

その距離を一気に詰められる程度の踏み込みと勢いがあればそれで十分です

余裕が出てきたら、相手の頭を押さえつけるクリンチへ移行する流れも一緒に確認しておきましょう。

 

椅子などを掴んで前に突き出す

近くに椅子やごみ箱のようなものがある場合、

相手の方に突き出して構えるだけで抑止力になる場合があります。

すぐに距離を置くのも詰めるのも難しい局面の場合、

物理的に「何かを間に挟む」ことによって、相手の動きを制することができます。

(この考え方に基づいた護身ツールこそ、学校などで採用されている「さすまた」です)

椅子の場合は脚のほうを相手に向け、胸元でしっかりと保持するだけで効果があり、

仮に掴まれて振り回されるなどしても、そこからいきなり打撃をもらうリスクはほぼ無いため、

とにかく相手との間に何かを挟んでおくという意識を保てればそれで十分と言えます。

また椅子をずっと構えていても埒が明かないと思ったときには、

なるべく反動をつけずに相手の方に向かって投げつけてそのまま追撃するか、

さっさと逃げてしまうというオプションもあります。

 

自宅ではスツールやパイプ椅子、鍋などを使った練習が可能であり、

椅子の脚を相手の方に向けて突き出す、投げるつもりで力強く突くといった動作を反復することで、

実際に相手と向き合ったときの動き方がイメージしやすくなるかと思われます。

ついでに椅子を振って相手を殴打したり、攻撃をブロックする動作も確認しておくといいでしょう。

椅子などを振り回す際には十分なスペースを確保し、周囲の安全に配慮して行うようにしてください。


危険な間合いはあなたが知っている

危険な間合いがわからない、イメージできないという方は少なくないでしょうが、

特に難しく考える必要はありません。

人には生まれつき本能的に危険や脅威を察知する能力が備わっており、

格闘技の経験などが無くとも「危ない距離」というのはある程度直感的に把握できます。

相手と正対した時点で「なんか嫌だなぁ」とか「やりにくいな」と感じる距離を避けていけば、

自然に致命的な打撃をもらう恐れのある間合いを外すことができ、

それだけで生存率を高めることができるとも考えられます。

(相手の正面に立たないことを意識するだけでも攻撃を受けるリスクは半減します)

相手に威圧感や強い恐怖を感じるときも同様であり、

あなたの本能が「逃げろ」と命じたときには、素直に従っておくのが確実です。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。