現代護身術の新常識「掴まれたときは無理に外すな」の意味

現代護身術の新常識「掴まれたときは無理に外すな」の意味

いつも心に一本のサボテン型爆弾を。どうもサイコ田中です。

護身術の技術体系として非常によく見受けられるものとして、

「掴まれた手首を捻ったり腕を素早く内旋させて外す」というものが見られますが、

昨今の現代護身術業界において、これらのテクニックはナンセンスとされています。

なぜ、腕や手首を掴まれたとき、無理に外すのは意味が無いと言われるのでしょうか。


目的を明確にするということ

あなたが護身術を学ぶ理由・目的は何ですか?

家庭環境や学校・職場での人間関係など、恐らく複雑な背景があるかとは思いますが、

一番の目的はやはり、身を守ることではないでしょうか。(当たり前のことですが)

身を守るという目的を達成するうえで、

実は「掴んできた相手の腕を外す」という行為にはそこまで意味がありません。

一体どういうことでしょうか?

一度でも恐ろしい目に遭われた方には容易に想像できることだと思いますが、

あなたの腕や服の一部などを掴んだ相手は、あなたがその手を振りほどいたり、

上手く小手先の技術で外すことに成功したとしても、

・外された手ですぐに別の部位を掴みなおす

・外された手で殴りかかる

・外された手でナイフなどの凶器を抜く

など、次のより強力・凶悪な手段へと移行するだけでしかありません。

よって、掴まれた手を外す・解くということ自体に、大きな意味は無いのです。

(むしろ掴まれた状態のままのほうが安全ということもあり得ます)

あなたの目的が本当に身を守ること、極限状態で生き残ることならば、

掴まれた手をどうにかするのではなく、

目の前の相手を、その場で速やかに処理すること、

すなわちその状況を如何にして安全かつスピーディに「終わらせるか」を考慮すべきです。

状況をフィニッシュするためにあなたがしたいことは、

相手の手を外すことでも、相手と手を掴みあったりして睨み合いを続けることでもなく、

素早い急所攻撃などでノックアウトすることに他なりません。

暴力的なアプローチを好まない方にとってはあまりに不都合かつ不合理なことかもしれませんが、

これがセルフディフェンスの現実です。


掴まれたときの基本ルールとスマートな対応

腕や服の一部を掴まれたとき、

それらを外す・振りほどくという対応がナンセンスだということがわかったところで、

実際のシチュエーションではどのように対応するのが理想的かをお伝えしようと思います。

男性はもちろん、女性や高齢の方、身体の出来上がっていない学生の方にとっても効果的なアプローチとなっています。

防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。

 

しっかりと顎を引き腰を落とす

腕や服の一部を掴まれたときは、

まず冷静に顎を引き、軽く膝を曲げ腰を落としましょう。

ぼんやりしていると高い確率で頭に向かってパンチや頭突きが飛んできます。

しっかりと顎を引いておくことで、まともに打撃を受けてもノックアウトされにくくなり、

頭突きに対しては自動的にカウンターの形になります。

またゆるく膝を曲げて下半身に体重をかけるイメージを持っておくことで、

急に腕を引かれたり、強く押されたときに体勢を崩しにくくなります。

咄嗟に素早い反応が難しくても、とりあえず顎を引いてしっかり立つことだけでもイメージできれば、

簡単にやられるということは無いでしょう。

 

決して相手のリアクションを待たない

よく路上で第三者とつかみ合いなどのリアルファイトに発展すると、

お互いケンカの経験などもない場合は、だらだらと意味もなくにらみ合いの時間が続きます。

目の前にいる相手が腕や服などを掴んできた時点で、

あなたに対し悪意や敵意、攻撃的な感情を持っていることは明です。

そのような相手とずっと掴み合ったまま膠着状態を続けたり、

「落ち着きましょう」などと語り掛けてもあまり意味はありません。

(相手が泥酔している場合などは尚更です)

決して相手の次のリアクションを待ったり、

「何かされてから対応しよう」などと思ってはいけません。

向こうから掴みかかってきた時点で、あなたには正当防衛の権利が認められます。

素早い金的蹴りなど不意打ちの急所攻撃を加えて動きを止め、

目の前の相手に強い恐怖・脅威を感じる場面ならば、

相手が膝をつくまで攻撃の手を緩めてはいけません。

 

頭突き・肘打ち・膝蹴りを軸に先手を打つ

腕や胸倉を掴まれた状態からでも、素早く繰り出せる攻撃手段は存在します。

最もシンプルなものは頭突きであり、

特に相手が両手で胸倉や腕を掴んできたような場面で有効と言えます。

額の硬い部位(頭に王冠やパーティハットのようなものをかぶった時、頭皮との境界線になるラインがイメージしやすいでしょう)で、

なるべく反動をつけずに素早く身体ごとぶつけるようにするのがポイントで、

狙うのは相手の鼻や顎、目の周辺などが理想的です。

頭突きは、相手が自分より背が低いときに使うと額同士が激しくぶつかり自爆するリスクがあります。

自分よりもやや背が高いか、同じくらいの背丈の相手に対し積極的に使うのがいいでしょう。

頭突きに次いで至近距離で強力な切り札になるのが肘打ちであり、

手首などを掴まれた状態からでも、肩を支点に素早く前腕を内旋させることにより、

相手の顔面に肘打ちを叩き込むことができます。

掴まれた手を解きに行く動作として、腕を内側に巻き込むような動作が見られますが、

同時に肘をぶつけに行くと、掴まれた手を外しながら打撃を加えることができて一石二鳥と言えます。

また同じく至近距離において強力な武器として、膝蹴りの存在も忘れてはいけません。

相手が自分より背が低い場合は軽く足を上げるだけで、

相手の方が大きくても思いきり膝の先を胸元に引き寄せるイメージで脚を振り上げれば、

金的(股間)か腹部に必ず当たります。

特に両腕を掴まれた状態や壁に押さえつけられているようなシチュエーションで有効であり、

3回から4回以上、立て続けに蹴ることが確実にフィニッシュするためのコツです。


迷ったら「顔面にパンチ」でOK

なかなかグレーな情報になるため声を大にしてお伝えするわけにはいきませんが、

正直な話、迷ったら「無言で顔面にパンチ」が最も簡単かつ効果的に違いありません。

上に述べた通り、あなたの目的が身を守ることならば、

目の前の相手とずっと手をつなぎ合っているのはナンセンスで、手を振りほどく行為にも意味はありません。

護身の目的はいつも「互いが無傷でその場を後に出来ること」ですが、

実力行使が求められる切迫した場面での目標は、「今すぐその場で相手を倒すこと」になります。

掴みかかってきた時点で相手には何らかの悪意と攻撃の意思があると認められ、

あなたには自分自身を守る権利、正当防衛が認められます。

腕や服の一部を掴まれるという非日常的な状況を前に、パニックになってしまう方がほとんどだと思われますが、

迷ったら相手の顔面に一発入れてさっさと逃げてしまいましょう。

(ほとんどの人は腕などを掴もうとすると顔面ががら空きになるので、普通にしていれば当たります)

極限状態ではわずかな判断・反応の遅れが命取りとなります。

あなたが目の前の相手に少しでも不安や脅威を感じるときには、

自分から手を出すことを決してためらってはいけません。

大切なことなのでもう一度お伝えします。

身を守るためならば、あなたは「自分から手を出してもいい」のです。

例え相手が女性や子供だったとしてもです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。