【小ネタ】自制心と闘争心のバランスを保つ5つのテクニック【コラム】

【小ネタ】自制心と闘争心のバランスを保つ5つのテクニック【コラム】

いつも心に1本の砕石ハンマーを。どうもサイコ田中です。

自己防衛における重要なファクタの一つは言うまでもなく、

自身の内的欲求——衝動や強い感情の動きをどのように抑制するかという点に終始します。

アドレナリンは強い味方ですが、冷静さを欠いていては被害者ではなく加害者になる恐れがあり、

逆に恐怖心が強く表れてしまうと、反応・行動が遅れ対応力が低下してしまいます。

自制心や冷静さと、強い闘争本能——相容れない両者のバランスを取るために、

どのようなアプローチが考えられるでしょうか。


逃げたいときは逃げるのがベスト

あなたの本能が闘争ではなく逃走(逃避)を選択した際には、

迷わずその場から立ち去ること、ダッシュで逃亡することを強くお勧めします。

全ての人間には生まれつき危機回避に大きく関与する反応がインプットされており、

・黄色と黒のまだら模様を見ると危険を感じる

・暗闇に恐怖を感じる

・火や強い熱を回避しようとする

といったものがその典型例として挙げられます。

これらと同様に、目の前の第三者と何らかのトラブルになった場面でも、

あなたが直感的または本能的に「危険だ」「怖い」「どうしようもない」などと感じたときには、

そこから全力で逃げること、対象から遠ざかることを最優先に行動すべきです。

あなたの本能はあなたが思う以上に危険を知らせるバロメータとして機能します。

迷ったとき、少しでも不安や脅威を感じたときには、

いつでも逃げるという選択肢があることを覚えておきましょう。

(逃げられない場面では、残念ながら「やる」しかありません)


自制心と攻撃的感情のバランスを保つ5つのテクニック

自制心と闘争心は、その両者のバランスを取れた状態が理想的に違いありません。

(理性と本能がちょうど50対50のバランスになっていると考えてください)

こうしたアプローチは、恐怖心を克服することにも繋がっています。

ここでは理性と感情の均衡を保つためにどんなことができるか、

主にマインドセットの観点から5つ紹介したいと思います。

 

「冷静になれ」と言い聞かせる

古典的なやり方ですが、

自分自身に「大丈夫だ」「カッとするな」「キレたら負けだ」と言い聞かせるのは、

とても重要かつ効果的なアプローチです。

感情に押し流されて周りが見えなくなる時の最悪のパターンは、

一時の強い憤りや憎しみに任せて動き、正しい判断ができなくなるというものです。

これは護身術はもちろん格闘技などあらゆる対人競技にも当てはまる考え方であり、

極限状態(追い詰められた状態)でも普段通りの動きをするには、

なるべく自分自身の内面やイメージを、普段通りの形に近づけるほかはありません。

カッとなって周りが見えなくなりそうになった時には、

5秒から6秒(怒りのピークは大体5~6秒前後と言われています)、

「今の自分は普段通りか」「いつも通りの動きができるか」と自分自身に問い直しましょう。

普段から感情的になりやすい人、衝動的に行動してしまいがちな人にも大切な習慣と言えるでしょう。

 

自分にGOサインを出すルールを決める

管理人がセキュリティ時代に先輩方から指導されて採用していたアプローチは、

「やる」と決める――自分にGOサインを出すときのルールを決めるというものです。

例えば管理人自身の場合、

・相手に最低2回警告を与える(例:「お引き取りください」「これ以上は見過ごせません」etc)

・言葉、行為により攻撃を受ける(例:唾をかけられる、服を掴まれるetc)

・他のお客様またはスタッフが危害を加えられる

これらの条件のうちいずれか2つが満たされた時点で実力行使に移ると決めておくことで、

自然と迷いがなくなり、相手を差別することも無くなりました。

(以前は女性相手の場面で対応力が低下することを指摘されていました)

性格的に優しすぎる・真面目過ぎるなどして本気を出せない、いざという時手を出せない人はもちろん、

すぐにキレてしまい手が出やすい人にとっても効果的なアプローチです。

ぜひ自分の中で具体的にルールを設定し、迷いのない対応・行動を可能にしていきましょう。

 

ゲーム感覚でフラットな視点を保つ

管理人が学生時代から積極的に採用している心理面でのアプローチは、

ゲーム感覚で状況を見つめることで、なるべくフラットな目線を維持するというものです。

例えばRPG(ロールプレイングゲーム)では似たようなキャラクターが似たようなセリフを繰り返し、

時にあなたを励まし、時には恫喝するような場面もあるでしょう。

それと同じ規則性を現実にも当てはめ、あたかも目の前の人物をゲーム上のNPCであるかのように見つめることにより、

過度に感情を動かされたり、不安や恐怖を感じなくさせるというテクニックです。

このアプローチを効果的に運用するポイントは、

・相手を区別しないこと

・対応をパターン化しておくこと

・迷ったら逃げること

の3点です。

相手を区別しないことは性別や年齢を問わずフラットに対応するために不可欠なルールであり、

どんな人物と接するときも「村人A」「村人B」という単位で対応するということです。

(人間らしさが失われ単調なリアクションになりますが、家族や恋人以外にはそれぐらいが丁度いいでしょう)

対応をきちんと自分の中でパターン化しておくことで迷いがなくなり、その分不安も小さくなります。

(RPGにおける「戦う」「アイテムを使う」「逃げる」といった行動選択画面のように、

馬鹿にされたらこうやって切り返す、暴力を振るわれたらこうする、と大雑把に決めておくだけで十分です)

また迷ったらさっさと逃げてしまうのもゲーム的ではありますが、非常にスマートな対応と言えるでしょう。

 

感情を乱すものをなるべく遠ざける

当たり前のことですが、怒りなど負の感情を刺激されるようなものは、

自分から積極的に遠ざけるようにするのが肝要です。

例えば大声で話をする学生や女性が苦手という人は、

イライラしそうになっている自分を見つけたら、さっさと距離を置いてしまうのが無難です。

距離を置くのが困難な場合でも、音楽を聴いたりゲームに没頭するなどして、

なるべく気にしない、対象を視界に入れないといった工夫も重要です。

大切なことは、どんなときも感情をフラットに保ち、

冷静に周りを見ることのできる視点を持ち続けることです。

そのために障害となりうるものは、どんな手を使ってでも排除し遠ざけるというのが、

誰にでもすぐ実行できる生存戦略に相違ありません。

(暴力に訴えるなどそもそもあなた自身が加害者になるアプローチは許されません)

 

身体を鍛える・実戦的な技術を習得する

自信が無い人・もともと不安の強い人が自我を保つのは容易ではありません。

適度に身体を鍛え、実戦的なテクニックを吸収しておくことにより、

些細なことでは動じない自信が身に付き、それらは普段の言動にも変化をもたらします。

もともと身体が小さいことにコンプレックスを抱いている人はもちろん、

太りすぎでだらしない体型を気にしている人も、適度に絞ることで考え方、

世界の見え方が変わってきます。

誰かに絡まれたときも、「怖い」とか「どうしよう……」という負の感情を先行させるのと、

「かかってこい」「やってみろ」というマインドセットを持っているのとでは、その先の展開に決定的な差が生じます。

簡単に屈しない、負けない理由を自分で自分に与えることは、

決して無駄にはなりません。

自己満足でもなんでもいいので、ある程度身体は鍛えておきましょう。

(不安や恐れを拭うためにナイフなどの凶器を携行するのは大きな間違いです。気をつけましょう)


「怒りが人を強くする」という間違い

よく格闘技を扱うドラマや漫画では、

「怒りが人を強くする」という考え方や表現が見られますが、

こうしたイメージは根本的に間違っているので注意が必要です。

基本的に感情が人を瞬間的に強化するということはなく、

アドレナリンやエンドルフィンといった脳内物質が身体能力に影響を与えるだけです。

したがってあなたがブチ切れていても、平静な状況でも、

殴られたら痛いに決まっていますし、普段以上の力が出るということはあり得ません。

(アドレナリンが過剰に分泌されている場面では、痛みが緩和される可能性はあります)

「火事場の馬鹿力」などというすごい力が発揮されるためには、脳内物質の分泌と増幅が必要不可欠であり、

これらは目の前の状況(例:家が燃えている、子供が危険に晒されている)にのみ依存するもので、

個人の感情の動きや衝動とは関連がありません。

筋トレの最中もちょっとキレ気味ぐらいのときが力が出るような気がしますが、

本当に最大限のパワーが発揮されるのは冷静なとき、頭の中がクリアな時です。

アドレナリンの奔流と強い感情の変化を混同せず、

常にフラットな視点と冷静な判断・行動ができるよう心がけましょう。

こうした考え方は、誰かに殴られているときも、誰かを殴るときも共通しています。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。