【コラム】映画で学ぶ護身術:第1回『ワイルドカード』【新シリーズ】

【コラム】映画で学ぶ護身術:第1回『ワイルドカード』【新シリーズ】

いつも心に1台のレーザー距離計を。どうもサイコ田中です。

早いもので、当ブログを開設してから3年が経過しようとしています。

正直な話ネタも尽きてきたので、

新たな試みとして、「映画で学ぶ護身術」と題し、

様々な映画作品の中から管理人が厳選した、

実戦的な護身術を学べる(かもしれない)タイトルを紹介したいと思います。

記念すべき第一回は、ジェイソン・ステイサム主演の『ワイルドカード』です。


『ワイルドカード』のあらすじと見どころ

今回紹介する『ワイルドカード』(原題:Wild Card)は、

「世界で最もセクシーなハゲ男」ことジェイソン・ステイサム主演のアクション映画であり、

よくあるB級の雰囲気を醸しつつも、根底にはギャンブル依存症などの重いテーマも含まれています。

 

ステイサム演じる元エリート軍人のニックはラスベガスの街で雇われの用心棒として生活し、

冴えない日々を送っていましたが、元恋人のホリーが暴行被害を受け、彼に助けを求めたところから物語が動き出します。

(相手がマフィアの跡取り息子で――といった具合に、あとは非常によくあるプロットに従ってストーリーは進行します)

 

この作品の見どころはもはや語るまでもなく、主演のジェイソン・ステイサムによるキレのあるアクションと、

血生臭くも美しい「漢の世界」でしょう。

0か100か――残酷なまでに突き抜けるしかない一人の男の生き様は、男性なら”刺さる”こと請け合いです。

セルフディフェンスのヒントにするとかそんなことは関係なしに、

純粋なエンターテイメントとしても十分に楽しめる内容となっていますので、

興味を持たれた方はYoutubeのプレビューをぜひ一度ご覧ください。


『ワイルドカード』から学ぶ実戦的セルフディフェンス技術3選

ここからは映画『ワイルドカード』から学べる護身テクニックについて、

明日から使えるノウハウと共に3つの項目に分けてお伝えします。

身を守ることに興味をお持ちの方は、当該のタイトルをご視聴の上で、

ぜひ一度参考になさってください。

 

勝利のカギはいつも”先制攻撃”

作中のほとんどのシーンでステイサム演じるニックは、

不意打ちに近いタイミングでの先制攻撃をしかけていますが、

これは(現実の)実戦においても生存率を高める上で重要な戦略です。

 

真面目な方や気の弱い方は「こちらか先に手を出すなんて……」と考えてしまうかもしれませんが、

ルールの無い路上のファイトで手を出されるのを待っていたら、

問答無用で殴られて一発ノックアウトされてしまいます。(仮にブロックできても無傷とはいきません)

 

確かに日本の法律上先に手を出してしまうと暴行罪に問われる確率が極めて高く推奨はできませんが、

強い身の危険を感じている場面で何もせず棒立ちでいるというのは、

自殺行為と言うほかありません。

頭に血の昇った攻撃者や常識の通じない危険人物は、

あなたやあなたの周囲の人間の人生や生活のことなど一切考慮していません。

そんな相手に一方的に殴られて怪我をさせられるくらいならば、

自分からアグレッシブに向かっていって警察のお世話になるほうがよほどマシに違いありません。

(この考え方は少々極端ですが、実際現在の日本では「泣き寝入り」「殴られ損」になるケースが圧倒的多数を占めると考えられます)

 

眼や喉、金的(股間)といった急所を狙って素早い先制攻撃を仕掛け、

なるべく短い時間でファイトを決着させましょう。

 

そこにあるもの(手にしているもの)を武器にする

『ワイルドカード』の主人公ニックは銃やナイフといった武器を使わないことを信条としていますが、

この考え方は現代護身術にも通じるところがあります。

 

そもそも日本ではいわゆる銃刀法によりグレーなアイテムの所持・携行が厳しく取り締まられており、

その目的が身を守ること――護身であったとしても、例外なく逮捕または検挙されます。

 

護身用ツールの課題については、以下の記事でも詳しく解説しています。

↓ ↓ ↓

【小ネタ】ツールの「護身用です」はどこまで通用するか【コラム】

 

 

よって身を守ることを目的に普段から物騒なものを持ち歩くのではなく、

そこにあるものや普段身に着けている普通のアイテムを、

即興武器として用いるというアプローチがとても重要になります。

 

『ワイルドカード』の作中に見られた描写を例にすると、

・クレジットカードで切りつける

・灰皿または酒瓶で殴打する

・椅子を相手の足元に転がす

・バターナイフとスプーンで刺す

などなど、非現実的に見えて意外にも実戦的なテクニックが散見されます。

例えそれが映像作品でアクションコーディネーターが組んだ殺陣(スタント)であったとしても、

「これは使えるかもしれない」という視点で見ることは決して無駄にはなりません。

これはどんな映像作品を視聴する場合にでも当てはまる考え方です。

(ただし一部の漫画やアニメはあまりに非現実的な表現を多く含むためこの限りではありません)

 

相手の「武器」を狙って攻撃する

現代護身術の基本的なメソッドの一つに、

「相手の武器を攻撃する」というものがあります。

 

「相手の武器を攻撃する」と書くと非常に抽象的な響きですが要するに、

・相手が武器を持っている手を狙う

・相手の拳や脚を破壊する

といったニュアンスであり、そのままの意味であることが分かります。

 

特に『ワイルドカード』という作品においては、クライマックスのファイトシーン、

ダイナー裏での大立ち回りでこのメソッドの有効性が確認できます。

・凶器を持った腕に打撃を与える

・銃の発射機構を無効化する

・相手の拳に鋭利なものを突き立てる

など、相手の攻撃手段を奪うことの重要性と脅威を排除するためのヒントが確認できる表現となっています。

(細かい部分だと相手のパンチを額で受け止めるなど、かなり高度なテクニックも見られます)

 

もちろんこのような技術は高度な訓練と気の遠くなるような反復を経て身につくものですが、

「こういう考え方がある」と知っているだけでも、それはあなたにとって強力な武器になります。

そしてその武器はいつか来る”その時”に、あなたやあなたの大切な人を守るために役立つはずです。


現実は映画のようにはいかないが……

繰り返しになりますが、映画におけるファイトの描写というのは、

あくまでも殺陣・スタントであって、演技に過ぎません。

我々がジェイソン・ステイサムのような動きで相手を圧倒するというのは、

現実的には不可能であると考えるべきです。

 

ですが俳優の動きや戦闘描写を観察する中で、

実戦に生かせるヒントが見つかることも否定はできません。

少なくとも今回紹介した『ワイルドカード』というタイトルからは、

・不意打ち(先制攻撃)の有効性

・即興武器を有効に用いるアプローチ

・相手の攻撃手段を奪う立ち回り

などが学べると管理人は考えていますし、他にも路上のファイトで役立つヒントはいくつも隠されています。

 

身を守るうえで大切なことは、

「最初から最後まで相手を圧倒するイメージ」を可能な限り拡大することです。

例えそれが世間でB級映画と言われる色々とガバガバな映像作品だとしても、

あなたが生存率を高めるヒントになるなら役に立つ教材なのです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。