【QuickTIPS】最小の動作で身を守るテクニック【防犯・護身】

【QuickTIPS】最小の動作で身を守るテクニック【防犯・護身】

いつも心に一本のケバブ串を。どうもサイコ田中です。

現代護身術のコンセプトに共通するのは、

「シンプルかつ効果的」という点ですが、なかなかイメージしにくいかと思います。

2023年2回目のQuickTIPSでは、

最小限の動作で身を守るテクニックについてお伝えします。


恐怖や混乱は避けられない

管理人は20代の頃、日本国内ではまあまあ治安が悪いほうの地域で生活し、

クラブセキュリティという危険と隣り合わせの仕事も経験しましたが、

どれだけ体を鍛えて真剣に練習を繰り返しても、

怖いときは怖い——これだけはどうしようもありませんでした。

 

情けない話ですが、

今でも路上でいきなり体の大きい外国人に襲い掛かられたら、

一瞬パニックになって今日までやってきた事も、ノウハウやスキルもすべて忘れてしまうでしょう。

刃物を持った攻撃者がまっすぐ向かってきたら、足がすくむかもしれません。

銃口を向けられたら、泣いて許しを請うのかもしれません。

ですがこれは、人間である以上仕方がないのだと個人的に感じています。

 

ファイトというのは言うまでもなく非日常——言うならば異常事態です。

普通にしていたら経験することのない場面ですから、

パニックになったり、強い不安や恐怖を感じ、混乱に陥るのも無理はありません。

はっきり言って仕方がないのです。

(諦めてください、などとは言いませんが、そういうものだと思ったほうが楽になれることは確かです)

 

本気で誰かが襲ってくる状況に慣れるということはまずありえないでしょうし、

日本で暮らす以上銃弾が飛び交うこともなければ、

命がけで歩かなければならないスラム街というのも存在しません。(一部例外あり)

それでも昨今報道される凶悪事件や動機・目的の不明な暴行・傷害事件は決して他人ごとではなく、

「自分は大丈夫」などと考えていると生き残ることは困難に違いありません。

 

恐怖や不安、焦りを感じるのは仕方がなく、それはそれでいいのです。

問題なのは、そこからどのように状況を打開し、

なるべく無傷に近い状態——要するに五体満足で家に帰るか、ということです。

当ブログで紹介しているテクニックやメソッドは、そのためのヒントになると信じてお伝えしています。


最小の動作で身を守る:3つのテクニックと基礎知識

さてここからは表題にある通り、最小限の動作で身を守ることの出来るテクニックを、

それらを成立させるための基礎知識とともに3つお伝えしたいと思います。

性別年齢を問わず実践でき、なおかつ効果的なテクニックだけを厳選しています。

身を守ることに興味をお持ちの方は、是非一度参考になさってください。

 

手を顔の前に突き出す

なんだか情けなく頼りない恰好に見えるかもしれませんが、

手を前に突き出す「こっちに来るな!」のポーズは、

実はとても理にかなっています。

 

まずこの体勢が持つ最大の強みは、

顔面を保護できるという点にあります。

多くの攻撃者が高確率で狙うのは顔面または頭部への殴打などであり、

特に急所が集中している顔面の周りは最優先で保護すべき部位と言えます。

顔の前に手を突き出すことでそれ自体がブロックの役割を果たすだけでなく、

相手の視界を邪魔して攻撃を出しにくくするという効果もあり一石二鳥です。

 

また突き出した手が相手の体の一部(肩など)に触れている場合は、

そこから動き出しの気配を感じ取ることができ、その技術があればカウンターを合わせる、

適切なブロックをするという動作に繋げることが可能となります。

これは総合格闘家なども活用するテクニックであり、非常に実践的かつ効果的アプローチと言えるでしょう。

(このメソッドを活用する最も著名なファイターは、UFCの二階級制覇王者、コナー・マクレガー選手でしょう)

 

もちろんそんな体勢のままで防戦一方で状況は打開できないので、

相手の動きを見ながら反撃の機会をうかがい、

急所への攻撃などでノックアウトするところまでが目標となります。

 

肩をすくめて身を翻す

路上のトラブルで見られる典型的な暴行のパターンは、

・服や体の一部をつかむ

・両手または片手で胸倉または襟首をつかむ

・シンプルにグーで殴る

などであり、いずれも向こうから接近してくる場面が大半と言えます。

 

このようなシチュエーションで最も効果的な最小の動作は、

肩をすくめて闘牛士のように身を翻す、というものです。

具体的なやり方と原理を解説しましょう。

 

1.肩をすくめる

説明不要ですが、自分の首が完全に隠れてしまうくらい、

しっかりと肩をすくめます。

こうすることでまず相手は首の周辺に触れることが難しくなり、

肩で顎の周りが保護されるため、殴打のリスクにも対応できます。

(プロボクサーなどが見せる”L字ガード”などはこれの応用になります)

 

2.半身を切る(斜に構える)

半歩か一歩どちらか片方の足を引いて、

相手に対して斜めか真横に近い状態に体の向きを変えます。

これにより被弾面積が小さくなり、相手はうかつに手を出しにくい状態となります。

また仮に体の一部を掴まれていたとしても、

勢いよく半身を切りながら(上体を回転させながら)ステップアウトすることで、

そのまま振り払ってしまうこともできます。

相手に向き直った後は、自分の攻撃を繰り出す準備をするか、

相手が酔っ払いなどの場合「落ち着いてください」などと声をかけましょう。

 

3.1及び2のステップを同時に行う

ここまで説明した1及び2の動作をほぼ同時に行うことで、

ほとんどの敵意を持った動きは制することが可能です。

タイミングと相手の動きの見極めが重要となりますが、

こちらから手を出したくない場面や、

正当防衛が認められるかどうか判断が難しい局面においては有効な動作と言えます。

 

肩をすくめて小さく回る——ただこれだけのシンプルな動作ですが、

コツさえ掴んでしまえば女性でも相手に直接触れられる時間を大幅に短縮でき、

悪質な痴漢などが相手の場面でも効果を発揮してくれます。

相手が隙だらけなら、攻撃をかわされて動揺している相手の顔面に、

本気のパンチをお見舞いしてやりましょう。

(実際ほとんどの場面では無言で顔面を殴ったほうが早くケリが付きます)

 

金的への膝蹴り

身を守るうえで、金的攻撃ほど合理的なものはありません。

なぜ金的がそんなに効果的なのかについて簡単に説明します。

 

金的ありのムエタイマッチなどを見たことがある人はご存じかもしれませんが、

なぜか金的ありのルールで試合を行うと、

選手双方が顔でもボディでもなく、必死になって金的を守るように動きます。

正直見ていて哀れなほどですが、いかに金的が致命的な急所かを物語る事例と言えるでしょう。

 

また金的攻撃は与えるダメージが致命的なのに加え、

最小の動作で攻撃できるという点も強みに違いありません。

攻撃者があなたを襲っている場面では、恐らく互いに手が届く距離で、

なおかつ双方ともに立ち上がった状態であることが大半と考えられます。

このような状況で相手が金的攻撃をもらわずにあなたを恫喝などするためには、

極端に腰が引けてしまった、不自然な体勢を取らざるを得ません。

もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、

よほど体格差がない限り、一般的な成人男性同士のリーチ差である以上、

手が届く距離にいるならば必ず相手の股間——すなわち金的はいつも射程内にあるのです。

 

特に相手の顔が目の前にあるほど切迫・接近した場面(壁に押し付けられるなどしている)では、

どちらか片方の脚を上げるだけで膝が相手の金的に直撃します。

脚を上げるだけなのでもはや膝蹴りという動作でさえないのですが、

とにかく相手の金的がすぐに触れられる距離にあるというのは、

こちらが主導権を握るため欠かせない条件と言えます。

もしも相手の金的を打てる可能性をわずかでも感じられる場面では、

相手の顔や腹部の周辺などはそっちのけで、

黙っていきなり金的を攻撃しましょう。

膝蹴りはもちろん、距離がある場合は足の甲を使った蹴り、

手の甲で強く打つ、下から鷲掴みにする(!)など攻撃手段は多岐にわたります。

直感的にやりやすい方法で、ためらわず決めに行きましょう。

当たれば相手は倒れます。


「小細工なし」が一番強い?

護身術を聞くと、相手の視点や生理的な反応を駆使した、

一種のトリックのようなものを思い浮かべるという方もいらっしゃるでしょう。

確かにそうしたテクニックも多数存在しますが、管理人個人としては、

セルフディフェンスこそ「小細工・駆け引きなし」が最も強力と考えています。

 

理由はいくつかありますが、恐らく最も重要なポイントは、

「考えている時間がないから」ということでしょう。

緊迫した場面ではあれこれ考えたり、準備をしている時間などありません。

(というか相手がそれを与えてくれません。やるしかないのです)

ごちゃごちゃと手順の多いテクニックは、何度練習を重ねても結局は本番で、

「これをああしてこうして……」と余計なことを考える羽目になり、

結果反応も遅れ、手順が飛び、より混乱が強まるという最悪な結末につながってしまいます。

そうならないよう練習通りの動きができるまで反復あるのみなのですが、

相手がいつも想定通りに(練習の流れ通りに)動いてくれるという保証はなく、

そうしたメソッドは汎用性に欠け実戦的とは言えません。

 

あれこれ考えるのはやめ、直感や本能というものに身をゆだね、

その時最適と思える動作を取ることが、結局は生存率を高めることにつながります。

(人間はもともとそのように作られているとも言えるでしょう)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。