【QuickTIPS】刃物が持つ危険性について(令和6年度最新版)【護身術】

【QuickTIPS】刃物が持つ危険性について(令和6年度最新版)【護身術】

いつも心に1本のバス釣り用ロッドを。どうもサイコ田中です。

護身術を学んでいると必ず目にするトピックとして、

「もし刃物を持った相手に襲われたら」というものが挙げられますが、

そうした技術体系や知識のほとんどは役に立たないと考えた方が無難です。

何故、刃物はそれほどに危険なのでしょうか?


ナイフディフェンスのリアル

ナイフなどの刃物を扱うセルフディフェンスは世界中にいくつも存在し、

もちろん日本でも一部の武術や格闘技でそうした知識も共有されていますが、

それらのほとんどは実戦においてあまり役立たないと考えるべきでしょう。

 

理由は明白で、

この世界でいわゆる普通の日常生活を送るほとんどの人々は、

実際にナイフで襲われるという経験が無いからです。

 

本末転倒のように聞こえるかもしれませんが、

実際に見たことも聞いたことも、またやったことも無いようなことを、

どうやって他人に伝えるのでしょうか?

海も川もプールさえも無い地域に住む発展途上国の人々に陸上で水泳を教えて、

その人々は果たして実際に泳げるようになるでしょうか?

戦場やテロの脅威といった極限状態の最前線に立ったことのない我々が、

どうやって本当に身を守る術を学べるというのでしょうか?

 

実際に刃物で襲われ、刺される・切られるといった経験が無い我々が学べることのほとんどは、

残念ながら全て机上の空論になると言わざるを得ません。

またそうした知識を共有できる数少ない機会や人材等に恵まれたとしても、

実際に正しく知識や技術を獲得し自身で応用していくことは困難を極めるでしょう。

 

馬鹿馬鹿しいほどシンプルな話ですが、

人間は自分で体験し、試行錯誤を重ねる中でしか成長することが出来ません。

実際にナイフで刺されたり、切り付けられたりしたような人物から話を聞けるのが一番なのですが、

残念ながらそのような人物は、そのほとんどがもうこの世にはいないのです。

これがナイフディフェンスにおいて避けては通れない、

残酷で絶望的な現実なのです。


あなたが知らない刃物が持つ5つの危険性

ここからはナイフなどの刃物が持つリスクについて、

現代護身術で特に重要視されている要素にフォーカスして5つご紹介します。

身を守ることに興味をお持ちの方は是非参考になさってください。

 

至近距離から始まる攻撃

よくある護身術のデモンストレーションに、

「ナイフを持った相手が向かってきたら」というものが見られますが、

そんな間抜けな攻撃者はいません。

(いるかもしれませんが、かなりやる気のない少数派でしょう)

 

実際の刃物を使った攻撃がどのように始まるかというと、

・口論の最中に何の前触れもなく切りかかる

道を尋ねるふりをして近づいて刺す

・スマホに目を落としている最中に背後から突く

などであり、攻撃のほとんどは互いの手が届く至近距離から始まり、

決して遠くから「行きますよ」と言って襲っては来ないことに留意する必要があります。

 

予測が極めて困難な奇襲

前項とつながる部分ではありますが、

ナイフをはじめ刃物のほとんどはズボンや上着、袖口などに隠して、

その存在を悟られないよう携行している攻撃者が大半を占めます。

 

きちんと人の目につくよう構えるのは強盗か小心なチンピラくらいのもので、

明確な害意や殺意を持った攻撃者は、凶器を必ず隠し持っています。

 

持っているかどうかを見極めることさえ困難なうえに、

虫も殺せないような見た目のサラリーマンや学生のような風貌で、

にこやかに「道を教えてくれませんか」と言って近づいてきたら、

10人中9人の一般人は刺されるその瞬間まで気が付くことはできないでしょう。

そうして刺されてしまった時点で、もはや助かる見込みはありません。

 

”もう片方の手”の脅威

現代護身術におけるナイフディフェンスで最大かつ致命的な課題の一つは、

言うまでもなく”ナイフを持っていない方の手”の扱いに他なりません。

 

ナイフを持った攻撃者は、何もナイフだけを使って攻撃してくるわけではありません。

・服などを掴んで引っ張りながら刺す

・ナイフを持っていない方の手で殴打する

もう1本のナイフを取り出して切り付ける

など、リスクパターンは数え上げると切りがなく、

その全てに対して一切ダメージを負わず完璧に対処するなど、不可能に違いありません。

 

またよくある護身術のテクニックに、

「刃物に対する受け速攻」——すなわち、

ナイフ攻撃をブロックすると同時に相手の顔面にパンチを当てる……といった技術が見られますが、

お察しの通り相手はもう片方の手でそのパンチを防いでくるため、

全く効果がありません。

”もう片方の手”は、現代護身術において永遠の課題と言っても差し支えないでしょう。

 

多岐にわたる連続攻撃

ナイフの攻撃は素早く見えづらいだけでなく、

決して一度では終わりません。

 

よくあるデモンストレーションに、

「相手がナイフで突いてきたら」というのがあり、

攻撃者役が「よいしょ」と一回刺す動作を見せますが、

そんなフレンドリーで都合の良い攻撃者がいるはずもありません。

 

実際の攻撃者はあなたが倒れるまで、

・何度も繰り返し腹部を刺す

・首筋や太ももなどを何度も切り付ける

・胴体を手当たり次第にめった刺し

など、決して自分から手を止めることはありません。

そして攻撃は一度で終わることなどあり得ません。

 

例え最初の一撃を運よく防げたとしても、

立て続けに別の部位を何度も突いたり刺されたりして、

悲鳴を上げる間もなく目の前が真っ暗になっていくことでしょう。

 

致命傷を避けられない

「当たり前でしょ」と思われるかもしれませんが、

刃物による攻撃は、それがどんなに浅くとも致命傷になりかねません。

 

・太ももなどを繰り返し切られる

不衛生な刃物で刺される(破傷風のリスク)

喉や目などの急所を攻撃される

など、たとえ傷が浅くとも命を落とすか大きな後遺症が残る可能性は高く、

例え相手が女性や小さな子供であっても、刃物を手にしている場合は警戒が必要です。

 

また護身術や格闘技のテクニックを駆使して相手をどうにか制圧できたとしても、

首や手首、太ももなどを切られて出血している場合は速やかな止血処置が必要です。

正しい止血の方法を学び、可能なら携行止血帯を持ち歩くようにしましょう。

(冗談のような話ですが、管理人は常にマウスピースと止血帯を携行しています)


刃物で襲われたときに出来ること

「結局のところどうすればいいのか」という話になってくると思いますが、

結論から申し上げますと、

「ダッシュで逃げる」以外の選択肢はありません。

(「えぇ……」という声が聞こえてきそうですが、これが現実です)

 

自分から向かっていくのは自殺行為であり、

例え複数人で囲んでもその場で全員始末される可能性を否定できません。

拳銃などの飛び道具が無い限り制圧は極めて困難となるため、

残る選択肢はシンプルに”逃亡”を置いて他にありません。

全力ダッシュでとにかくその場から離れることを最優先に考えてください。

 

刃物を持っていない相手でも、

もし口論などトラブルに発展した場面で少しでも嫌な予感がした時には、

なるべく相手の右隣りか右斜め後ろに立つよう心がけ、

刃物に手を伸ばされたとき死角からの不意打ちをもらわないよう心がけることが肝要です。

(「日本人の約9割は右利きである」という統計的データを基にしたある種のギャンブル的対処法であり、

何の保証も無いことをあらかじめお断りさせていだきます)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。