今日から始める護身術11【護身用ツールは使えない?】
- 2019.08.03
- 護身術
いつも心に一人前のレバニラ炒めを。どうもサイコ田中です。
今日は「今日から始める護身術」のシリーズ第11回として、護身用ツールについて語りたいと思います。
よく、護身用としてタクティカルペンや特殊警棒を持ち歩いているストイック(サイコ)な方がいらっしゃいますが、
あの手のツールの大半は役に立ちません。
それは一体何故でしょうか。いくつかのポイントに別けて説明していきます。
ツールに興味がある方や、すでに所持している方は是非参考にしてみてください。
あなたがツールを使えない理由
まず最初に、あなたがツールを持っていてもそれらを使いこなせない理由を説明します。
現在ツールを持っている人は、これを機に物騒なものを持ち歩くのはやめましょう。
そもそも素人向けに作られていない
市販されている大半のツールは「誰でも簡単」とか「女性も安心」などというキャッチコピーと共に売られていますが、
全く意味の無い言葉だと思ったほうが賢明です。
特殊警棒やスタンガンなどのツールは主に警察官やセキュリティが、ナイフやマルチツールなどは軍人などが使うことを前提に設計、開発されており、
訓練を受けていない一般人が使うことは想定されていません。
よってそれらをただ漫然と携行しているだけでは何の意味もなく、
ただ職務質問を受けた際や攻撃者に奪われた場合のリスクを高めているだけに過ぎません。
護身用のツールも拳銃やライフルなどと同じ立派な武装なのですから、
それらの正しい使い方を知らずに使うのは自殺行為であり、無責任極まりない振る舞いといえるでしょう。
危機管理能力が無ければ「ただの飾り」になる
もしもツールを携行していても、攻撃される前にそれらを素早く取り出して使うためには、
ある程度の危機管理能力が必要です。
例えば後ろからナイフで攻撃されたとき、特殊警棒を持っていれば振り返って受け止めることができるかもしれませんが、
背後から忍び寄る攻撃者に気づいている必要があります。
催涙スプレーの類も心強いアイテムですが、
攻撃者に最初の一撃をもらったり、複数の敵に囲まれている場面ではあまり役に立ちません。
ツールをただのお守りとして持っているというなら話は別ですが、正しく効果的に使うには、
「リスクとその対処」を把握していることが前提となります。
安易に使うと傷害罪などに問われる可能性がある
ツールは非常に便利なものです。
正しく使うことができれば最小限の動きで攻撃者を制圧し、その場から逃げることが出来ます。
ですがその一方で、使い方を間違えたり、状況判断を誤ると、
相手に想像以上のダメージを与えてしまいかねません。
たとえそれが身を守るためであったとしても、
相手を傷つけて致命的な怪我を負わせてしまった場合、それは護身ではなく暴力になります。
あなた自身が犯罪者にならないためにも、安易にツールを持ち歩いたり、それらを使うことは極力避けるべきでしょう。
ツールが使い物にならないその他の理由
他にもツールが役に立たない理由がいくつかありますので、私自身の経験なども踏まえて簡単に説明しておきます。
隠すのが難しすぎる
大半のツールはカモフラージュされているため一見すると何らかの日用品のように見えなくも無いのですが、
よく見るとおかしな点ばかりなのですぐわかってしまいます。
例えばヘアブラシと一体化したナイフなんかがありますが、これを使うためには常にそれをポケットかズボンの後ろに差し込んでおく必要があり、
傍目にはヘアブラシを持ち歩いている男性という、非常に奇妙な姿になり怪しまれます。
またタクティカルペンも胸ポケットに挿していて全く不自然なものではありませんが、
抜いた瞬間にペン以外の機能があることは見た目ではっきりとわかってしまうので隠蔽効果は薄いと言えるでしょう。
こういうものはいくつ持ち歩いていてもリスクを増すばかりで役に立つとは思えません。
ちなみに私は学生時代毎日銃刀法ギリギリセーフのナイフを持ち歩いていましたが、
身体のどこに隠しても警察官に職務質問されてしまうので、最終的に携行するのをやめました。
(持っていないときは職質はされたことがありません。警察官の方は本当によく見ているので、あまり舐めてかからないようにしましょう)
いざというとき全然効かない
日本でも治安の良くない地域を歩くと、小さな突起のついたリングや手の中に隠せるメリケンサックを握っている若者をよく見かけますが、
ああいうものは見かけほど痛くありません。
結局はそれらを使う本人の腕力や格闘技経験に依存するので、
攻撃をかわすこともできればブロックすることだって可能なのであまり役に立たないと言えそうです。
護身用とは名ばかりでその場しのぎにもならないようなものをびくびくしながら持ち歩くなんて馬鹿らしいことです。
一度だけ深夜の繁華街で、恐らく水商売をやっていると思われる中年女性にいわゆる「暗器」のようなものでまともに横腹を突かれたことがありますが、
相手が酔っていたことなどもあって、全くの無傷という結果で終わりました。
どんなツールも使い手を選ぶということ、そして効かない相手には効かないということを覚えておきましょう。
最後の切り札は道具ではない
このように、ツールはいざというとき役に立たないうえにリスクを高めるだけなので、
極力持つことも使うことも避けるべきと言えるでしょう。
もちろん力の弱い女性や高齢の方が護身用として何らかのツールを持つことに反対はしませんが、
それらは正しい知識や訓練経験に基づいた「使い方」を理解していなければ意味を持たないどころか、
ただの凶器に成り下がる可能性さえ秘めているのです。
そんな物騒なものを持ち歩かなくても、いざというとき身を守る術は他にも沢山あります。
かく言う私自身も、かつてはナイフなどの物騒なものを持ち歩いていた時期がありました。
しかしそれらは実戦の場で全く役に立たないこと、自分がそれらを使いこなす技術と知識を持ち合わせていないことに気づいて手放しました。
(職質を受けるのが面倒だったというのが一番のような気もするのですが)
今では道具に頼って本質を見失わないために、かれこれ10年以上護身用とされるツールの類とは無縁の日々を送っています。
それでも恐怖や不安を感じることはありません。
実はツール類は、持っているほうが不安に駆られやすいのです。
何か後ろめたいことをしている気持ちがあるから、挙動不審になり、職務質問を受けるのです。
最後に自分の身を守ってくれるものは、道具ではありません。
道具はあくまで、戦いを有利に運ぶための一時しのぎの手段に過ぎないということを覚えておいてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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