今日から始める護身術19【パンチの基本】
- 2019.09.02
- 護身術
いつも心に一本のスティック糊を。どうもサイコ田中です。
護身術には様々な技術体系があり、
相手をおさえて静かに制圧したり、関節を極めて動きを制限するなど色々なアプローチがあります。
しかしこれらは体格差やスポーツの経験などを考慮しておらず、
条件や場面によっては正しく働かない可能性があります。
これに対して打撃系の攻撃は、ある程度の力で急所をタイミングよく叩けさえすれば効果が期待でき、
体重差や単純な身体能力のギャップを埋めることも可能です。
今回はシリーズ第19回として、実践的な打撃技術の一つであるパンチの打ち方を紹介します。
毎度の事ですが、ここで紹介するテクニックはあくまで自衛、護身のためだけに正しく使い、
他人を必要以上に傷つける事が無いよう注意してください。
如何なる理由があろうとも、暴力は犯罪です。
まずは手首のストレッチから
パンチを打つ際に初心者の方が一番傷めやすいのは恐らく、
手首だと思われます。
普段からスポーツや筋トレの習慣があり、それなりに鍛えたりほぐしたりしているという方は問題ありませんが、
打撃系格闘技はもちろん、柔道やレスリングなど握力に依存する競技や、
腕全体をくまなく刺激するようなトレーニングの経験が無い方は、注意が必要です。
まずは手をぶらぶらと色々な方向に振って血液の循環を促したら、
手首を前後左右、色々な方向に倒して伸ばしましょう。
普段から空き時間に肩や首のストレッチと一緒に手指をほぐしておくと、
いざと言うとき怪我をするリスクも減らせるうえに、デスクワークなどで疲労して硬くなった筋肉が弛緩し、腱鞘炎なども予防できます。
正しいパンチを打つための3つのポイント
パンチは、力が弱くともタイミングよく正確にヒットさせる事ができれば、体格差などを帳消しに出来る有効な攻撃手段です。
ここでは格闘技経験の無い方でもパンチを正しく安全に打つために知るべきポイントを3つ紹介します。
項目を一つひとつ確認しながら、ゆっくりと覚えていきましょう。
正しい拳の握り方
ここを間違えると、パンチが当たっても自分が怪我をしてしまいます。
手首や手の骨にかかる負担を最小限に抑えるためにも、正しい拳の握り方を覚えましょう。
まずは、じゃんけんのグーを作りましょう。簡単ですよね。
次に、親指が外へ出てしまっている人は、中に折りたたんでください。人差し指と中指の第一関節と第二関節の間あたりに添える感じでOKです。
↑こういうのはよくありません。
親指が外に出ていると、パンチを打つ際に突き指をしたり、
相手の衣服に指が引っかかったりして大変危険です。
次に、手の中の指がちゃんと折れていない人は、第一関節まできっちり折り曲げて、不安定な場所を無くしましょう。
また指の骨が斜めに並ぶような握り方も適切ではありません。
なるべく全ての指の関節が真っ直ぐ平行に並ぶよう握りましょう。
↑これもNGの例。
パンチを当てる場所
正しく拳を握れても、当てる場所を間違えると大怪我につながります。
基本的にパンチは、
人差し指と中指の付け根にあたる部位(第二関節と第三関節の間)を当てます。
これらの部位はナックルパートと呼ばれ、外圧に強く、前腕の力を最も効率的に伝えられるとされています。
ナックルパート以外の場所でパンチを当ててしまった場合、手指の骨はもちろん、
手首にも大きな負担がかかるため、最悪の場合は骨折してしまいます。
パンチを打つ際は、ただ闇雲に拳を振り回すのではなく、
ナックルパートを正確に当てられるように意識する事が大切です。
パンチは真っ直ぐに
正しく効果的なパンチを放つうえで最も大切な事は、
なるべく直線軌道を描くようにすることです。
大きくループするように円弧軌道をなぞったり、野球の投球フォームのように大きく振りかぶって打つのは好ましくありません。
また俗にヘイメイカー(Haymaker)など言われる、腕全体を横に大きく振り回すような打ち方もNGです。
(映画やドラマで不良がこのようなパンチを多用してますが、あまり合理的なフォームとはいえません)
これらの打ち方は打つ瞬間に顔面ががら空きになるため、思わぬ反撃をもらうリスクが高く、
肩や肘にかかる負担も大きくなるため安全とはいえません。
パンチは構えた状態から真っ直ぐに点と点を結ぶように打ち、
打ち終わりは真っ直ぐ元の姿勢に戻る事がベストです。
途中で小さな弧を描いたり、パンチを打つほうの肩が大きく上がったりしないよう注意しましょう。
またパンチを打たない方の手は、いつも顔の近くに上げておき、相手のカウンターをまともに食らわないようにすることも大切です。
(「パンチを打たない手は顎にくっつける」と覚えれば簡単です)
タオルを殴ってパンチの距離をつかもう
パンチの練習をしていくと気付く事ですが、基本のパンチ(ジャブとストレート)は、
相手とある程度の距離が無いと上手く当たりません。
理想は腕が完全に伸びきるか伸びきる直前でヒットする事ですが、
腕の長い人がこの条件を満たすには、相手とかなり距離を取る必要があります。
また距離が近すぎると腕が曲がってしまうため力が伝わりにくく、ナックルパートも綺麗に当たりません。
自分のパンチがどこまでなら届き、どこまで近づくと窮屈になるかを知る簡単な方法は、
干した洗濯物を叩く練習です。
タオルなどをハンガーに干したら、適当な高さにぶら下げて、軽く叩いてみましょう。
意外とパンチが伸びる事に気付いたり、逆に全然届かないなど、
距離感が徐々につかめるようになります。
インパクトの感触が強く、タオルが手にまとわりつかない距離とタイミングが、あなたのパンチの射程ということになります。
あとは相手の身長が自分より低い場合、高い場合をそれぞれ想定し、
目線の上下に打ち分ける練習もしておくといいでしょう。
打ち終わりのガードと、パンチを打たないほうの手で頭をカバーするのを忘れずに。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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