護身術の初心者が見落としがちな3つの重要ポイント

護身術の初心者が見落としがちな3つの重要ポイント

いつも心に1冊の旅行雑誌を。どうもサイコ田中です。

護身術を学び始めて、少しずつ自信がついてくると「もう大丈夫」と思ってしまいがちですが、

ビギナーの方が見落としがちなポイントというのは必ず存在します。

今回はそうした初心者の方や格闘技の経験がない一般の方向けに、

より安全・確実に身を守る上で知っておくべきヒントを提供したいと思います。


護身術は格闘技ではない

初心者の方のよくある勘違いに、

「護身術は格闘技の一種である」という誤った認識が挙げられます。

護身術は、身を守るための技術体系であり、

ルールが設定され、レフェリーや周囲のスタッフによって安全を確保された格闘技とは、

想定しているシチュエーションが根本的に異なります。

例えば総合格闘技は限りなくリアルファイトに近いルールで行われますが、

試合の途中でローブローなどの反則行為やトラブルが発生した場合は試合が止まり、

レフェリーは選手の安全を確保するために自身の判断で試合を終わらせることができます。

これに対し路上のファイトでは、ルールがないため急所攻撃や武器を使った攻撃も可能なうえ、

警察官やセキュリティ以外の通行人は積極的に止めに入ったりしないため、

基本的にファイトはどちらかが倒れて動かなくなるまで続きます。

護身術はあくまでルールのない路上のファイトや非常事態に備えるための技術であり、

”ルールの範囲内で相手と勝敗を競う”格闘技とは全くの別物です。

これは非常によくある勘違いですので注意しましょう。


初心者が見落としがちな3つの重要ポイント

ここでは護身術を始めたばかりの人や知識のない一般人の方が見落としている、

護身における重要なポイントを3つ紹介します。

現在ご自身で護身術を学ばれているという方はもちろん、身を守ることに興味をお持ちの方も、

ぜひ参考にしてみてください。

 

ファイトは棒立ちの状態からスタートする

日本国内でもそこそこ治安の悪い地域に生まれ、クラブセキュリティという特殊な業務をこなしていた私ですが、

互いにファイティングポーズをとった状態で、「よーいドン」でスタートするファイトは経験がありません。皆無です。

ほとんどの喧嘩は棒立ちに近い状態でのにらみ合いの形から始まり、

どちらかがいきなり手を出すことで殴り合いに発展するというのが一般的です。

基本のパンチやキック、ディフェンスの動作などはファイティング・スタンスを作った状態から練習することが多いと思いますが、

現実的なリアルファイトを想定するのであれば、

完全に棒立ちのような状態からの攻撃や防御も練習するべきです。

傍から見ると滑稽に映るかもしれませんが、

棒立ち姿勢からのパンチや頭突き、肘打ちなどの動作は、

しっかりと構えた状態からとは明らかに勝手が異なります。

臨機応変に対応できるオプションを増やす意味でも、

週に1回程度は手を前に組んだニュートラルな体勢からのパンチやガードも練習するようにしておくといいでしょう。

 

プランB,プランCがない(応用力に欠けている)

急所への不意打ちはストリートファイトにおける必勝法の一つです。

目つぶし、金的蹴りなどが代表的な攻撃手段ですが、

これらを一つずつ、単体でしか使えないと効果は半減します。

例えば目つぶしを受けた相手は、頭を動かして追撃から逃れようとします。

このとき次の選択肢、すなわちプランBないしCに相当するものがなければ、

あっさりカウンターをもらうか思わぬ反撃を受けて窮地に陥る可能性があります。

現実的な話として、相手が一撃で動きを止めるということはまずありえません。

タフな相手なら目をつぶされても構わずに殴りかかってくるでしょうし、掴んで投げられるかもしれません。

目つぶしが効かなかったらどうするか、金的蹴りをブロックされたら次は何をするのかといった、

次の、あるいはその次の一手というのは絶対に必要です。

急所攻撃を一つひとつ丁寧に練習するのは大切なことですが、

・目つぶし→肘打ち→ハンマーパンチ

・金的蹴り→頭突き→左フック

・頭突き→膝蹴り→肘打ち

などのように、最低でも3つ以上の攻撃手段を組み合わせてコンビネーションを作ることが効果的です。

急所攻撃A,B,Cプラス自分が好きなテクニック1つの合計4回攻撃を1つのセットとして、

得意なコンビネーションを見つけておくといいでしょう。

 

武器攻撃の方法を知らない

守り方ばかり練習して、攻め方を知らないといざというとき困ります。

例えばバットで殴りかかられたときの守り方を必死に練習して、

相手からバットを奪うことに成功しても、そこからどうすればいいのかを知らないとパニックになってしまいます。

基本的に使えるものは何でも武器にするのが身を守る上での重要なルールですから、

どんなツールも使い方を知っておくに越したことはありません。

ディフェンスばかりを学ぼうとするのではなく、自分から積極的に攻めなければいけない事態を想定し、

バットやナイフ、ブラスナックルなどを使った攻撃手段を学んでおいて損はしません。

一般的に相手の武装を解除した時点で過剰防衛になるので、奪った武器を使うことは法的にアウトですが、

やむを得ない緊急事態や緊迫した場面では手段を選ぶことは命取りになります。

身を守るために必要だと思ったときは、迷わず武器による攻撃を選びましょう。


基礎の積み重ねだけが上達への近道とは限らない

基本のパンチやキック、ガードを徹底的に練習するのはいいことですが、

「この形しか知らない」「このパターンしか対応できない」というのは困りものです。

予測不能に近い様々なシチュエーションに対応できなければ、護身術として意味を成しません。

基本がしっかりと身に付いたら、次はそれらの基本テクニックをどのように組み合わせるのか、

ディフェンスからオフェンスに転じるためにはどんなアイデアがあるのかといった、

より高度な応用技術を学んでいくことが大切です。

基礎レベルを身に着けただけで慢心したり安心するのではなく、

どんな分野にもまだまだ上や先があることを忘れず、

貪欲に情報やテクニックを吸収する姿勢こそがあなたを強くするためのカギになります。

そのためにも、自分より強い人や上手な人に、どんどんアドバイスを求めましょう。

あなたが本気なら、きっと相手も本気で答えてくれます。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。