【QuickTIPS】頭突きを安全・効果的に使うために知っておきたいこと【護身術】

いつも心に1本の夜間作業用誘導灯を。どうもサイコ田中です。

リアルファイトのおよそ8割は息がかかるほどの超至近距離からスタートするといわれていますが、

そんな距離で真っ直ぐのパンチや回し蹴りなどはいまいち効果を発揮できません。

今回はそんな超接近戦を制する武器の一つとして、

頭突きの安全かつ効果的な運用法をご紹介します。


まずは基礎となる身体づくりから

頭突きに限らず打撃のノックアウトパワーの大半は、

強靭な下半身と体幹から生み出されます。

 

運動習慣のあまり無い方は軽いジョギングまたはウォーキングから、

慣れてきたらスクワット等のメニューを追加し、

少しずつ下半身強化に取り組むことがファイトを制する第一歩です。

プランクなど体幹メニューを取り入れるのも忘れずに。

 

また首回りの強化は頭突きのダメージアップに繋がるのみならず、

頭部への衝撃吸収はもちろん、屈強な見た目にも繋がり一石二鳥どころか一石三鳥です。

寝転がった姿勢で首を持ち上げ前後左右に振るだけで効率的に鍛えられるため、

普段の筋トレ前後のウォームアップ等に取り入れることを強くお勧めします。


頭突きを安全・効果的に使う5つのポイント

ここからは頭突きを安全に、そして効果的に運用するために抑えるべきポイントを、

姿勢づくりなど5つの項目に分けてお伝えします。

性別年齢を問わず身を守ることに興味をお持ちの方は、是非参考にしてください。

 

頭を振りかぶらない(反動をつけない)

よく海外の監視カメラ映像などを見ていると、

頭突きを放つ際に頭や上半身を後ろに大きく反らして頭突きを放っている姿を見かけますが、

これらはリスクしかない危険な動作のため注意が必要です。

 

頭突きに限らず大きなテークバックは隙を作ることに他ならず、

攻撃の意図やタイミングを見破られやすく大変危険です。

ブロックされるだけならまだしも、

強烈なカウンターを合わせられ逆にノックアウトされてしまいます。

 

頭突きがセルフディフェンスにおいて効果的とされる理由の一つは言うまでもなく、

相手の不意を突けるからに他なりません。

予測が困難で尚且つ最速・最高効率の攻撃だからこそ意味があるのであって、

頭を大きく振って「いきますよ」とアピールしていては本末転倒です。

攻撃の意図を悟られないよう、

いきなり無言で額をぶつけるようにするのが正しい頭突きの基本動作となります。

 

また威力を生み出すために重要なのは踏み込みと体重移動であり、

頭を大きく振りかぶることではありません。

予備動作を最小限に抑えることが、安全に頭突きを決めるための前提条件です。

 

自分より小さい相手に使わない

自分よりも体が大きな相手には非常に効果的な頭突きですが、

逆に自分よりも小柄な相手に対しては危険が伴います。

 

頭突きのメカニズムは至ってシンプルで、

自身の額を相手の鼻や顎、口元といったデリケートな部位に直撃させ、

最短・最速で一定のダメージを負わせるというものですが、

相手の背が低いと頭突きをしに行ったはずが、

逆に頭突きを食らった状態になってしまうため注意が必要です。

 

相手のほうが背が高ければ、顎を引いて頭を振るだけで十分な効果が得られますが、

背が低い相手に対しては自分の鼻や口元が相手の頭頂部や額といったハードパートに当たる形になり、

自爆してしまうリスクの方が高くお勧めできません。

 

相手の方が体格的に小柄な場合、

上から打ち下ろしの肘打ちや腹部への膝蹴りが効果的であり、

特に体格差が大きい場合相手の頭を押さえつけて膝を上げるだけで頭への膝蹴りが入り、

一撃でノックアウトできる可能性が高まります。

 

相手の頭をしっかりとホールドする

頭突きを活用するうえで欠かすことの出来ない重要なテクニックの一つは、

相手の頭を両手でしっかりとコントロールすることです。

(これは膝蹴りを有効活用する際にも共通する考え方です)

 

相手の頭を自由にしてしまうと、カウンターで頭突きを合わせられたり、

狙った部位に最大の破壊力の攻撃を加えることが困難となります。

相手の首か後頭部付近にしっかりと手を回して押さえつけ、

脇を締めるようにして首の動きも制限してしまうのが理想的です。

そこから相手の頭を軽く押さえつけ、

素早く、そして小さく引くようにしながら頭をぶつけることで、

大きなテークバックなどなくとも最大の破壊力を発生させることが可能です。

 

また頭突きが綺麗に決まった後も首をとらえたままにしておくことで、

そこから下腹部への膝蹴り、耳への噛みつきといったかなりダーティな攻撃への展開も可能であり、

最後まで主導権を握ったままファイトを完結させることが出来るでしょう。

 

顎を引き額の”カド”をぶつける

パンチを受ける際にも同様のことが言えますが、

しっかりと顎を引いておくことは、

脳へのダメージを抑えることに繋がり大変重要です。

 

また人間は身体の構造上顎を引くことで体幹部が安定しふらつきにくくなり、

衝撃に強くなるといった特性もここでは武器となります。

顎を引くことで自然と額をやや前に押し出すような格好になりますが、

これにより額の”カド”——少し出っ張った部位をぶつけやすく、

自分はダメージを最小に、相手には最大のダメージを……といった具合に、

理想的な奇襲攻撃が可能となります。

 

額の”カド”を意識しにくい場合は、額を真正面からぶつけるのではなく、

少し首を傾けて斜めに当てるイメージを持つとわかりやすいでしょう。

(首もやや横に振るようにすると理想的なフォームに近づきます)

 

全身を使って破壊力を発揮する

頭を後ろに反らさない——というポイントとも関連しますが、

頭突きは頭を振る力や首周りの筋肉だけで打つのではなく、

全身を使って当てるイメージを持つことが非常に重要です。

 

よく見かけるその場で頭だけを振りかぶった頭突きは自爆のリスクを高めるだけでなく、

十分な破壊力を生み出せずノックアウトにも繋がりません。

相手に正対した状態から一歩前に踏み込み、体全体でぶつかるようにしながら、

頭を小さく突き出すのが理想的なフォームです。

ドン、と大きく足を踏み鳴らすようなイメージで大袈裟に踏み込むくらいで丁度いいでしょう。

腹筋や肩にもしっかりと力を入れ、体全体が大きな塊になったような感覚を持つと、

相手に与えるダメージは飛躍的に増大します。

(これはパンチやキックについても同様の考え方で応用が可能です)


肘打ちやアッパーで確実に仕留める

もしも頭突きが綺麗に決まったとしても、

その一発だけでは倒れる相手というのは少数派に違いありません。

 

頭突きが入ってもそこから肘打ち・膝蹴り・アッパーなどを立て続けにヒットさせ、

確実に相手をノックアウトする意識というのが路上のファイトでは生死を分けます。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、相手を仕留める意識が無くては思わぬ反撃にあい、

逆に主導権を奪われかねないこともまた事実です。

 

最初の攻撃がヒットしても決して気を抜かず、

相手に対し脅威を感じなくなるまでは、手を休めないことが肝要です。

特に体格差がある場面や相手が複数人の場合は、

”やり過ぎ”と感じるくらいで丁度いいでしょう。

普段から徹底的に相手を追い込むイメージを持って動作を繰り返すだけで、

十分実戦的なトレーニングになります。

首のワークアウトとセットで1日1回10分程度で十分ですので、

是非頭突きの練習を取り入れてみてください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】宗教勧誘に対する効果的な対処法【護身術】

いつも心に1杯の鎮痛剤入り海鮮スープを。どうもサイコ田中です。

突然ですが皆さんは、宗教勧誘というもの受けた経験はお持ちでしょうか?

都会で一人暮らしをされている若い方や、田舎でもそういった風土が根強い地域などでは、

ごく当たり前の体験なのかもしれません。

悪質なものであるか否かを問わず、

宗教勧誘を受けた際には、どのような対処が効果的なのでしょうか?


きっぱりと断ることが大切

宗教勧誘に関わらず、それが詐欺まがいの訪問販売だったにせよ、

たとえ興味が無い相手との会席だったとしても、

とにかく最初にきっぱりと断ることが大切で、基本的な対応となります。

 

相手に冷たい印象を与えたり、一触即発のムードになる可能性も否定は出来ませんが、

わずかでも相手の話に耳を傾けたり、興味があるような素振りを見せるとあっという間に付け込まれ、

強引に話を進められたり、ずるずると不利な状況に追い込まれかねません。

 

「興味がありません」「自分には必要ありません」という意思をはっきりと言葉にして伝えるだけでなく、

毅然とした態度で「相手を間違えるなよ」というプレッシャーを与え続けることが肝要です。

また相手が脅迫や恫喝に近い形で迫ってくるような場面では、

やり取りを録音しつつ警察を呼ぶタイミングを伺い、その場で通報してしまうというのも決してやり過ぎではありません。

 

宗教関係者やマルチ商法・自己啓発セミナーなどに関係する人物の多くは、

自身や自身が属する組織が法的にグレーな立ち位置にいることは把握しているため、

”警察”,”消費者庁”などの単語には非常に敏感です。

もしも強い身の危険や差し迫った脅威を感じるような場面では、

このようなキーワードを使って徹底抗戦の構えにあることを明確に意思表示したうえで、

「相手を間違えた」と強く認識させて、強烈な精神的プレッシャーを与え撃退しましょう。


宗教勧誘に有効な3つの対処法と応用

ここからは管理人が今日までに試みた中で効果的だと感じた宗教勧誘に対する対処法を、

その応用方法とともに3つ紹介したいと思います。

過去に宗教勧誘を受けて面倒な思いをした方や、

春から一人暮らしを始める若い方は、是非一度参考になさってください。

 

既に別の宗教団体に属していると伝える

馬鹿馬鹿しいほど単純な方法ですが、

「〇〇教の信者です」「〇〇宗を信仰しています」と伝えると、

相手が自分から立ち去っていきます。

 

理由は明白で、

既に信仰がある人物を招き入れるということはすなわち、

”相手に改宗を迫る”という状況であり、

宗教関係者にとってこれほどナーバスな状況はありません。

 

相手が過激な思想を持った団体に属していた場合、どのような恐ろしい報復が待っているか知れませんし、

単なる勧誘が組織全体を揺るがす大きな騒動に発展するリスクも避けられません。

また海外の一部カルトは他団体・他宗派を武力をもって排斥してもいいという教えを持つものまで存在するため、

場合によっては文字通り命の危険さえ伴う危険な賭けとなります。そんな危ない橋を自ら渡ろうとする者はいません。

(とても敬虔な信者であればあるいは……と言えなくもないですが、確率はほぼ0です)

 

あなたがしっかりと相手の目を見て「〇〇教の者です」と言って不敵に微笑みかければ、

まず相手から逃げ出すことでしょう。

ましてあなたが鍛えあげた身体と据わった鋭い眼を持っていれば猶更です。

文字通り一撃で終わらせてやりましょう。

 

言葉の通じない外国人を演じる

管理人が試みた中でも特に効果的な対処法として、

日本語がわからない外国人を演じるというものがあります。

 

あなたの背格好や顔立ちなどにもよりますが、

普段からアジア系の外国人に間違えられやすい方や、

ハーフの方などにとってこれほど効果的で強烈なテクニックはありません。

 

やり方は至って簡単で、

話しかけられても首を傾げて不思議そうな顔をしながら、

いかにも精一杯といった様子で「ニホンゴワカリマセン」と言うだけです。

ほとんどの場合これで終わります。

 

宗教勧誘のみならずマルチの勧誘にせよ何にせよ、そうしたグレーな連中にとって、

そもそも言葉の通じない外国人ほど時間が無駄になる相手はいません。

何を説明しても正しく伝わらないうえに、価値観が根本的に違っているため、

組織の調和や安定を乱す恐れがあるため敬遠されるのです。

 

特に管理人の場合よく韓国人・中国人に間違われるため、

大きな声で韓国語・中国語に聞こえるような言葉をそれっぽくまくし立てていると、

相手が全力ダッシュに近い形で立ち去っていきます。

その潔さときたらいっそ爽快なほどです。

片言で「ガンバッテクダサイ」などと言って煽るのも一興です。

 

露骨に危険な空気を演出し撃退する

これはかなりグレーな方法ですが、その効果は絶大です。

あまり積極的に真似してもらいたくはありませんが、

相手がしつこい場合には飛び道具的に使ってもいいでしょう。

 

残念ながらシチュエーションとして、

あなたが男性で相手が女性1人または2人の場合しか使えません。

(基本的に相手が1人の時でないと使いにくいと考えてください)

このテクニックには少しだけ準備の時間が必要です。

まず頻繁に相槌を打ったり頷いたりして相手の話にすごく興味があるような雰囲気を作り、

相手に自分をカモだと思い込ませます。(第一印象が重要です)

ある程度話を聞いたうえで、相手がガードを解いてきたと感じたら、

「もっと詳しく話を聞きたいので、私の部屋に来てください」と言って微笑みかけるのです。

(既にものすごく怖いですが、相手が相手なので致し方ありません)

何かを感じた相手はこの時点で踵を返しますし、

よほど間抜けな相手でもしつこく「二人だけになりたい」と迫られれば、不安に駆られることでしょう。

 

かなりグレーなやり方ですが、相手が女性1人または2人だけの場合、

この方法でまず間違いなく撃退できます。

警察を呼ばれないようやり過ぎに注意し、ちょっと怖いを思いをしてもらう程度に済ませておきましょう。

もう二度と同じ団体の関係者があなたに近づくことはありません。

食い物にするはずの相手に食われるなどということは、誰だって避けたいものですからね。


いつも「ちょっとヤバイ奴」でいること

社会生活を営むうえで支障が出ない程度で結構ですので、

常日頃から「ちょっとおかしい人」「様子のおかしい奴」を演じていることは、

様々な局面で大きな抑止力となり大変効果的です。

 

今回紹介した3つのテクニックはいずれも、

・やばそうなカルトに繋がっている

・ビザを持っているかどうかも怪しい外国人

・性〇罪の匂いがプンプンしている危ない男

などを演じていることに他ならず、

これらに共通する特徴は「ちょっとヤバイ奴」です。というかかなりヤバイ奴でしょう。

 

こうした危険人物になりきることの効果は明白で、

よほど異常な神経構造を持った人物や危機感の欠如した人間でなければ、

誰もがリスクを回避するため距離を取ろうとします。

場合によっては目も合わせてもらえないかもしれません。ですがそれで大いに結構なのです。

 

あなたがあなたらしく生きるため、常にトラブルの現場で主導権を握るためならば、

どんなことだって試みるべきだと管理人は考えています。

さあ、あなたはどんなヤバイ奴になりますか?

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】コンタクト・マネジメントと効果的な速攻【護身術】

いつも心に1年分の乾燥ピーマンを。どうもサイコ田中です。

現代護身術には様々な考え方やアプローチが存在しますが、

近年特に欧米においてその有効性が強く示されるようになりつつあるアイデアに、

”コンタクト・マネジメント”があります。

一体どのようなコンセプトなのでしょうか。


距離とタイミングを支配するということ

護身術のみならず、格闘技などコンタクトスポーツにおいても、

距離とタイミングを支配することはある意味で至上命題と言えるでしょう。

 

相手との距離感を適切に維持することは身を守ることに直結するだけでなく、

自分が攻勢に転じる際にも主導権を握ることに繋がります。

また効果的なタイミングでのブロック・カウンターはそれだけでファイトを完結させる強力な武器であり、

圧倒的な力やスピードさえも凌駕する切り札となります。

 

この距離とタイミングを支配するパフォーマンスを非常に高いレベルで実現しているのが、

元UFCの二階級制覇王者、コナー・マクレガー選手です。

彼はサウスポースタイルから右手を相手の方へ伸ばすようにして距離を測るセンサーにし、

的確なタイミングでカウンターを合わせることでいくつもの勝ち星を挙げてきました。

このスタイルをまた違う形で活用しているのはK-1の二階級制覇王者、野杁正明選手です。

彼は顔の前に構えた両腕をセンサー代わりに距離感や相手のリズムを読み取り

強烈なボディーや顔面への膝蹴りで国内外を問わず数多の強豪を葬り去ってきました。

本人曰く近眼というハンデをカバーするため出来上がったスタイルとのことですが、

現在では彼のプレッシャーをかけるファイトスタイルとも非常によく噛み合い、

効果的なファイトスタイルとして確立されている印象を受けます。


コンタクト・マネジメントと受け速攻

ここからはコンタクト・マネジメントに関する解説だけでなく、

実戦で活用できる効果的な速攻パターンも併せて紹介します。

老若男女を問わず実践可能な内容に絞ってお伝えいたしますので、

身を守ることに興味をお持ちの方は是非参考になさってください。

 

腕一本分のスペースを常に保つ

相手が素手の場合であれば、

原則的に腕一本分の距離を保つことで直接被弾の確率は大きく低下します。

 

何も難しいことはありません。

あなたが目の前の相手に対して片方の腕を前に突き出したとき、

相手がその手に触れない距離を常に維持するよう後退または横移動をし続ければいいということです。

これがコンタクト・マネジメントの第一歩であり基礎となります。

(欧米のメソッドでKeeping Arm’s Length:KALと称されるテクニックです)

 

この腕を突き出すという単純な動作は、相手との距離を維持するだけでなく、

・相手を踏み込みにくくさせる

・相手の攻撃を妨害する

・腕を振り払う隙を作らせる

といった副次的作用もあり、護身テクニックとしての効果は十二分です。

 

パンチをブロックするとか直線的なパンチを打つといった格闘技ベースの技術を一切知らずとも、

腕を前に突き出して「近づくな」と制するだけなら、誰にでも実践できますね。

 

相手の腕を振り払う動作と速攻

さて、腕を前に突き出して後退し続けているだけでは状況が好転することはありません。

後ろに壁が迫ってきて逃げ場がなくなったり、相手が掴みかかってきた時が勝負の瞬間です。

 

ここでは相手が片手で掴みかかってきた場面を想定して考えます。

1.突き出している方の手で相手の手を払いのける(叩き落とす)

2.払いのけた勢いを使って上体を回旋させる(タメを作る)

3.払いのけた手と逆側の腕で顔面にパンチを叩き込む(受け速攻)

 

最初のステップで相手の腕を押さえつけたり、掴んで制してしまっても構いません。

大事なことは自分の体に触れさせず、服の一部などを簡単に掴ませないよう防ぐことです。

次に相手の手を制した動作を使って半身を切り(半歩下がってタメを作る)、

攻撃に転じるための体勢を作ります。

手を払う動作と斜に構えるステップは、一挙同で(ほぼ同時に)、

相手に攻撃の意図を悟らせないよう短い時間で終えることが肝要です。

半身を切ると同時にもう片方の手を振りかぶり、相手の側頭部または顔面を狙い、

フックまたはストレートを直撃させます。

一撃で終わらせるのが理想ですが、インパクトが甘ければ更に打撃を重ね、

完全にフィニッシュするイメージで畳みかけましょう。

 

払った手でそのまま打つフック・肘打ち

上で紹介したテクニックでは相手の手を払う動作と攻撃動作が分かれていましたが、

完全に一挙同で完結させる方法もあります。

それが払った手でそのまま打つフックと肘打ちです。

 

ボクシングには少し汚いテクニックとして、

相手のガードを下げさせて(払いのけて)そのままパンチを打つやり方があります。

これの応用として、相手が掴みかかってきた手を払いのけて、そのままフックを食らわせることができます。

やり方はいたってシンプルで、

相手の手を払いのけたら、そのまま小さく前進または後退しながら同じ手でフックを打つだけです。

大きなタメが作れない分、ステップの体重移動で破壊力を増す必要がありますが、

小さな動作で、尚且つ予期しないタイミングと角度から打てるためその効果は絶大です。

 

またムエタイで用いられるテクニックとして、相手のガードしている手を小さく払って、

そのまま水平方向の肘打ちを叩き込むというアプローチも護身に応用が可能です。

相手が触れようとしてきたらその手を上から押さえつけるようにして手前に引き寄せ、

小さく前にステップインしながら肘の先を顔面へ押し込みます。

肘は人間の身体の中でも特別な鍛錬なくして生まれつき非常に硬い部位となっているため、

その衝撃とダメージは想像を絶します。

現在海外の大規模格闘技プロモーターONEで活躍中のジョナサン・ハガティー選手が多用し、

ハイライト映像でも前手で触りに行き、肘を打ち込む動作が繰り返し確認できます。


イメージトレーニングは一人でもOK

さて、ここまでコンタクト・マネジメントの考え方と実戦への応用について解説してきましたが、

イメージトレーニングは一人でも十分に行うことが可能です。

 

相手の腕を模した柔らかい棒状の物や木の枝を手で払い、

踏み込んでパンチを打つ動作を繰り返し確認していくだけでも、

実戦対応力は格段に向上します。

また上体を捻ってタメを作る動作も、何度もその場で確認しながら行い、

スムーズにパンチへ繋がるイメージが構築できればそれで十分です。

 

あとは自信をもって毅然とした態度で相手と向き合い、

もしも危害を加えられそうになったら、落ち着いて腕を前に突き出して、

強烈なカウンターをお見舞いしてやりましょう。

ここまで真剣にこの記事を読んでくださったあなたになら、必ずできるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【お知らせ】サイトリニューアル中止について【Notice】

いつも当サイトをご利用いただきありがとうございます。管理人のサイコ田中と申します。

以前より予定していたサイトリニューアルについてですが、

想定していたテーマへの変更及び新機能の反映が思うように進まず、

サイト全体の大規模なリニューアルについては断念せざるを得ないという結論に至りました。

 

誠に遺憾ながらサイトリニューアル自体は中止となりましたが、

端末の種類を問わず見やすい、そして操作しやすいレイアウトとなるよう工夫を重ねて参りますので、

今後とも当サイトをよろしくお願い申し上げます。

 

なお新規記事の投稿につきましては2月半ば以降を目途に現在執筆中でございますので、

その点につきましても重ねてご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

【お知らせ】サイトリニューアルに関するお知らせ【Notice】

いつも当サイトをご利用いただきありがとうございます。管理人のサイコ田中です。

早いもので、当ブログも運営開始から4年という月日が経過しようとしています。

更新頻度こそ高くはないものの、常に質の高いコンテンツを提供し、

性別年齢あるいは職業などに関係なく、誰にとっても役立つ情報をお伝えできればと考え、

ここまで運営を続けて参りました。

今後も引き続きユーザーフレンドリーなサイト運営を継続することを念頭に、

デバイスや利用環境を問わずより見やすく、より使いやすい構成及び機能の追加に伴い、

2023年12月初旬から2024年1月中旬にかけて、サイトリニューアル工事を行う予定です。

 

リニューアル期間中は一部の機能及び記事の閲覧が制限される可能性があり、

利用者の皆様には多大なご迷惑をおかけすることが予想されますが、

何卒ご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

またリニューアルも現時点では予定の段階であり、

期日及び所要期間が前後する恐れがあることにつきましても、重ねてご了承下さい。

今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。

 

【QuickTIPS】時間が無い人のための護身術【護身術】

いつも心に潰れかけの1人用テントを。どうもサイコ田中です。

現代人は何かと忙しいもので、

学生にせよ社会人にせよやるべきこと、やりたいことは尽きません。

今回はそんな多忙な現代人がいざという時身を守るために出来ることについて、

なるべくシンプルにまとめたQuickTIPSをご提供します。

(お察しの通り、本当に時間が無いのは管理人なのです)


トラブルには近づかない

野良猫や公園の鳩とは違い、

トラブルが自分から歩いてくるということはほぼありません。

(一部例外はありますが、その背景には必ずある種の”きっかけ”があります)

 

・明らかにガラの悪そうな若者の集団

・平気で路上喫煙&ポイ捨てをするサラリーマン

・街中で怒鳴り散らかす頭のおかしい老害

などなど、挙げだすときりがありませんが、こうした一目で危険因子とわかる対象には、

決して自分から近づいてはいけません。

 

また治安が悪いと言われている場所や夜の繁華街、

大学生のグループなどが屯する飲食店への出入りは極力回避し、

最初から自分が晒されるリスクを小さくする努力が何よりも肝要です。

 

こうした危険予知と状況把握は身を守るための第一歩であり全ての基本にあたり、

身体を鍛えたりパンチやキックといった技術を身に着けるよりもよほど重要に違いありません。

普段から「周りをよく見ること」「人の動きや視線などをよく観察すること」が、

まずは身を守るうえで欠かすことの出来ない最初のステップであることを心に留めておいてください。


時間が無い人のためのセルフディフェンス・3ステップ

ここからはあまり時間の無い方のために、

誰でも実践できて高い効果が期待できるセルフディフェンス・テクニックを、

ファイトが始まる直前からフィニッシュまで3つのステップに分けてお伝えします。

性別年齢などを問わず、身を守ることに興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

 

相手がグーを作ったら身構える

まず初めに、体格や人数などに関係なく、

目の前の相手の視線と手の動きに最大限警戒しましょう。

 

明確に危害を加える意図のある攻撃者は、

手を出す直前に必ず何らかのサインを出します。これを絶対に見逃さないことです。

例えば、

・キョロキョロと周囲を見回す

・神経質そうに首や肩をかきむしる

・何度も頷くような仕草を見せる

などが典型的であり、これらは相手のイライラが限界に達していることを意味するボディランゲージであると同時に、

理性と衝動の間で揺れ動く葛藤の表れでもあります。

特に危険なのが一番上の「周囲に目を配る」であり、

これは手を出す直前、近くに目撃者や警察関係者がいないことを確かめる動作であり、

パンチが飛んでくるまで秒読みと考えた方がいいでしょう。

 

相手が拳を握り込みグーを作るのが見えたら、いよいよあなたにも覚悟が必要です。

この「周囲を見渡す」「拳を握る」という2つのサインを見逃さず反応することが、

身を守るための最初の一歩だということを忘れないでください。

 

両手を前に出し半歩下がる

相手がグーを握り、いよいよとなれば後はやるしかありません。

ただ棒立ちでいると最初の一発をまともにもらってしまうので、

ここは落ち着いて両手を前に出しながら、半歩後ろに下がりましょう。

実はこれだけで直接被弾のリスクは半減します。

 

両手を前に突き出すことで相手の視界を邪魔すると同時に、

相手との間に遮蔽物を設けることで直接打撃をもらうリスクを抑えることに繋がります。

 

また半歩下がることで相手との間に十分なスペースを作り出し、

更に被弾のリスクを低減させることが可能です。

更に距離を取ることで視野を広く保ち、冷静に状況を見極める余裕も生まれます。

 

「あ、やべえ……」と思っても焦らず冷静に、

みっともないと思われても良いので両手を突き出して後ろに下がりましょう。

きっと相手は最初のパンチを空振りするか思うように当てられないため、

より強いストレスを感じ、その結果視野は狭く、動きは更に単調なものとなるはずです。

ここに勝機を見出すわけですね。

 

フェイントとフィニッシュブロー

管理人個人の経験上、8割がたのファイトは、

「1つのフェイントと1種類のフィニッシュブロー」

これだけで完結すると言えます。

 

そのメカニズムは至ってシンプルで、

最初のフェイントで相手がどう反応するかを観察したうえで、

次の一撃を相手が反応できないように打てば必然的に決まるからです。

 

例えば蹴りのフェイントを見せたとき、

棒立ちのまま全く反応しないなら格闘技経験は無く喧嘩もあまりしたことが無いことが容易に見て取れ、

パンチだろうが蹴りだろうが何でも入ることが予想できます。

またフェイントに反応されたとしてもその動き方で素人かそうでないかはすぐにわかりますし、

もし確信が持てなければ2回、3回とフェイントモーションを見せて様子見をしても良いのです。

 

大事なことは、こちらの小さな動きにどんな反応を見せるかを冷静に観察し、

どんな攻撃なら一撃で倒せるかを見極めることです。

これは決して容易ではありませんが、逆に言えばここさえ間違えなければ、

よほど体格差が大きいといった特殊な場面を除いて、

ほぼ一発でフィニッシュできる可能性があるということです。

 

フェイントでしっかりと相手の出方を見極めたら、

素人丸出しの大振りパンチでも、見様見真似のキックでも何でもいいので、

相手の鼻や顎といった急所を全力で打ち抜き、秒殺KOでその場を立ち去りましょう。


「手を出したら負け」はただの綺麗ごと

確かに身を守る目的とは言え、手を出した時点でそれは暴行であり、

傷害罪などに問われるリスクは避けられません。

 

ですがその一方であなたが「手を出したら負け」という一般論を信じて何もしないでいれば、

一方的に殴られ痛くて苦しい思いをした挙句、ただの被害者で終わることもまた事実です。

 

これはあくまで管理人個人の考えで、あまり常識的ではないかもしれませんが、

他人に危害を加えるような輩というのは、最初からあなたの生活や人生など全く顧慮していません。

それどころか根拠もなく見下し、自分が優位に立っていると勘違いしてさえいる——そんな社会の害悪に、

一度きりのあなたの人生が脅かされていいはずはないのです。

 

過程はどうあれ、多々ある検索結果の中から当ブログを訪れこのような記事に目を通しているからには、

それなりの状況に置かれている方が大半でしょう。

今現在置かれている状況は様々で、厳しい現状に晒されていることは想像に難くありませんが、

抵抗するための一歩を踏み出したことは、どうか誇りに思ってください。

 

気に入らない奴はぶん殴ればいい、などとは言いません。

ですがあなたのことを何とも思っていないような相手に、遠慮や躊躇は要りません。

例え相手があなたの家族や恋人だったとしても、身を守るために最後まで抵抗してください。

当ブログでは、そうした孤独な闘いを支援する情報を今後も提供し続けていきます。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】キックを上達させるために知っておきたいこと【格闘技】

いつも心に1台の超電磁パルス発生装置を。どうもサイコ田中です。

蹴りがある格闘技を習っていると必ずぶち当たる壁の一つは、

「イメージ通りに蹴ることができない」というものだと管理人は考えています。

(「俺の蹴りは完璧だぜ!」という方は黙ってブラウザバックしてください)

今回は蹴り技ありの格闘技向けQuickTIPSとして、

キックの上達に必要なポイントについてお伝えしていこうと思います。


”正解”は人それぞれ違うもの

格闘技を始めたばかりの方にはわかりにくいかもしれませんが、

蹴りだけでなくどんなに地味で些細なテクニックでも、

いわゆる”最適解”というものは人それぞれ違うものです。

 

著名なムエタイファイターを例に挙げると、

ブアカーオ、センチャイ、ロッタンなど切りがありませんが、

どの選手の蹴りも大まかには同じに見えますが、

恐らく細かいところは全く違っているでしょう。

 

これは各々の体格や持って生まれた身体の特性(上体の柔軟性や体幹の強さなど)に依存しており、

例えばロッタンがブアカーオのようなパフォーマンスをするのは困難でしょうし、

逆もまた同様に違いありません。

蹴りだけでなくパンチや肘、ディフェンステクニックの細部に至るまで、

”正解”は人それぞれ違っていて、だから面白いのだと管理人は思っています。

 

この記事を読んでくださっている方の中には、

「〇〇選手のような蹴りを身に着けたい」とか、

「〇〇選手みたいなKOパターンで勝ちたい」という方もいらっしゃるかもしれませんが、

結論から申し上げるとそれはあまりに難しい——というよりも、

既に前提として不可能に近いので諦めてくださいと言うほかはありません。

 

あなたが憧れる選手とあなたの体格がたとえ身長・体重・骨格など全ての項目で一致していたとしても、

その選手と同じように動き、攻撃を当てることは困難を極めるでしょうし、

それが効果的という保証はどこにもありません。

 

一番大切なことは、あなた自身の体格・性格といった個性を最大限に生かした、

あなたにしか出来ないパフォーマンスを目指すことに他なりません。

自分が強くなるために、まずは自分自身を知るということから始めるのも悪くはないでしょう。


蹴りの上達に欠かせない5つのポイント

ここからはキックが上手くなるために不可欠な要素について、

身体の使い方など5つの項目に分けてお伝えしようと思います。

格闘技初心者の方はもちろん、

中級者以上で伸び悩みを感じている方も是非参考にしてみてください。

 

しっかりと軸足を返す

これはキック・ムエタイ・空手など蹴り技を持つ全ての格闘技に共通する要素であり、

基本中の基本となるポイントですが、

軸足をきちんと返して蹴ることはまず大事です。

 

「軸足を返す」などと書くと少しわかりにくいですが、

要するに蹴り足と逆側——地面についているほうの足を、

きちんと蹴り足を振り出す回転方向に合わせて回してあげましょう、ということになります。

 

特にキックでは、「踵が相手の方を向くくらいしっかり返せ」と指導され、

ムエタイでは蹴り込む直前に軸足を外側に向けて踏み出すよう指導されることが大半です。

それくらい軸足を回すことは重要で、強力な蹴りを放つために欠かすことの出来ない動作です。

 

ですがそれ以上に管理人が重要視しているのは、

返した軸足を戻すことです。

何を言っているのかわかりにくいかもしれませんが要するに、

蹴りと同時に回した軸足を、

・しっかりと元の構えの位置に

・なるべく短い時間で

・バランスを崩さずに

戻してくるということです。

管理人個人の経験上、これができている人は強い人が多く、

逆に軸足をだらだらと戻す人は、スパーリング中あまり脅威に感じません。

 

正しいスタンスに素早く戻れるということは、

次の動作に短い時間で移行できるという意味であり、これができている選手は、

無駄がなく隙が無い——やりにくい相手に違いありません。

 

上半身の動作を意識する

蹴りは足を使った攻撃手段なので、どうしても下半身の動作に注目してしまいがちです。

ですが蹴りもパンチなどと同様に、

全身を使ったほうが効率的で合理的に違いありません。

 

いきなり「全身を使った蹴り」と言われてもピンと来ない方が大半だと思いますが、

要するに腰より上——上半身の動作にも気を使いましょうという話です。

 

上手い人の蹴りを真似しようすると、足元ばかりに目が行きがちですが、

管理人は蹴りが上手な人を観察する時こそ、上体の動きに目を向けていました。

 

上手い人ほど上半身と下半身を連動させることに長けており、

まさに全身を使って蹴ることを体現できているわけですが、

初心者や中級者レベルでは腕の振りばかりを意識ししてしまい、

どうしても上体の動きまでは意識できません。

 

よく「胸から脚が生えているようにイメージしなさい」などと言われますが、

管理人はこれを上半身を使って蹴ることを端的に表現した言葉だと考えています。

要するに蹴るときは腰から下だけを振り回して蹴るのではなく、

上半身もきっちり回して(ここが大事です)——そこに脚がついてくるようにイメージしなさい、ということになります。

 

こうした意識で上手な人の動きを観察したり、シャドーを繰り返していくと、

自分の蹴り方やインパクトの感触などが大きく変化することに気づくと思います。

(運動神経の悪い管理人はこの気づきを得るまでにかなりの年月を要しました。お恥ずかしい限りです)

 

しっかりと頭を保護する

初めて蹴りを習う際、必ずと言っていいほど、

「振らない方の腕で頭をガードしろ」と教わると思います。

これはディフェンス面で非常に重要であるのと同時に、

蹴りのメカニズムという点においても大きな意味を持ちます。

 

前項の「上体を使う」という部分と関連してきますが、

脚だけの力を使って力強く蹴るというのはそもそも無理があります。

上半身の力も上手く使って——理想的な方向にスピードと勢いを導くことで、

初めて蹴りのメカニズム上最大のパワーが発揮されます。

 

しっかりと顔を保護するように腕を動かすことは、

この上体の力を導くことを助ける役割を担っています。

実際に試すと分かることですが、振らない方の腕を顔の前で交差させるように、

すなわち回転方向と逆に動かすよりも、

回転と同じ向きにそろえて動かした方が、勢いがつくことに気づくはずです。

これは非常に重要な相違で、「顔面を保護する」動作のもう一つの意味はここにあります。

 

要するに振らない方の腕も、

しっかり脇を締めて回転方向に引き付ける(「押す」と表現する人もいます)ことで、

自然と上半身全体にも回転の力が生み出されてきます。

これと下半身の動作——すなわち蹴り足の回旋を組み合わせることによって、

初めて全身を使ったフルパワーの蹴りが完成することとなります。

 

頭を振って蹴る(頭も回転させる)

これは人体の構造と物理を応用したトリックですが、

蹴りと同時に頭も振ってしまえば、さらに威力は増す方向になります。

 

人間の頭というのは、想像以上に重たいものです。(体重の10%前後——4kgから6kgが平均的とされます)

ここまで述べてきた「上半身との連動」とも密接な繋がりがあるのですが、

この重たい人の頭を回転の方に向けて振り出せば、そこに大きなエネルギーが生じ、

結果的に首から下の上半身もそれに引っ張られるようにして回転しようとすることになります。

この時発生する勢い——エネルギーの移動を活用し、

更に強力な蹴りを放つことが可能となります。

(正確には首周りの筋肉の伸展など人体のメカニズムも絡むのですが、小難しい話になるため割愛します)

 

やり方はいたってシンプルで、

蹴りと同時または蹴り出す直前に、

回転方向に向かって頭を振るだけです。

蹴りと同じ方向に首を回す——と書いた方がわかりやすいかもしれません。

 

これに前項で述べた振らない方の腕の引きつけ、

更に上半身の回旋、蹴り足側の腕の振り、軸足の回転などが組み合わされば、

理論的に(というかもはや考えるまでもなく)途方もない破壊力が生み出されることは言うまでもありません。

 

特に蹴りの破壊力という点において伸び悩みを感じ始めている方は、

一度騙されたと思って頭を振ってみてください。

信じられないほどのパワーを感じられるはずです。

 

勘のいい方はもうお分かりかもしれませんが、

このテクニックはオーバーハンド系のパンチなどにも応用が可能です。

(パンチを振る方向に頭を振るだけです。簡単ですね)

 

予備動作を小さくする

蹴りのフォームなどには問題が無いのにあまり有効に活用できていないという方は、

蹴り出す際の動作に問題があるかもしれません。

 

蹴りの予備動作は意外と大きく、よほど気を使っていないと簡単に見破られてしまいます。

特に左または右のスイッチキックなどの場合予備動作はとても大きなものとなり、

蹴り出す前から前蹴りなどのカウンターを合わせられバランスを乱されるということも珍しくはありません。

 

蹴り出す前の動作は最小にすることを心がけ、

いつでも素早くコンパクトに——そして全く同じように蹴ることを意識しましょう。

 

また予備動作をあえて大袈裟にしたうえで、

何度も何度も繰り返した挙句、いきなり全然違うパンチなどと組み合わせるといったトリック(フェイント)も非常に効果的です。

大きな予備動作をなかなか矯正できない中級者以上の方はいっそ開き直って、

その予備動作を活用したフェイントやコンビネーションをいくつも引き出しにしまっておく方が、

結果的に唯一無二の武器を手にすることに繋がってくるかもしれませんね。


ストレッチは入念に

蹴り技は股関節の柔軟性が非常に重要であり、

それ以外にも硬い場所があるとその部位を中心にバランスが崩れ、

結果的に怪我などに繋がるリスクが高まります。

 

特に中高年以上の方で趣味として格闘技を始められる方や、

若くても運動不足気味の社会人の方などは注意が必要です。

蹴りの練習をしない日でも練習前はもちろん起床後、お風呂上りなどに出来る範囲で全身をストレッチし、

怪我無くトレーニングを継続できるコンディションを作っていくことが肝要です。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【ツールディフェンス基礎】第1回:ツールを手に取るまでの流れ【護身術】

いつも心に1年分の乾燥トウモロコシを。どうもサイコ田中です。

急に新しいことを始めたくなったので、護身術カテゴリーでの新シリーズとなる、

【ツールディフェンス基礎】の第1回をお届けしようと思います。

「わけがわからないよ」という方が大半だとは思いますが、

当ブログでは毎度のことです。お察しいただければと存じます。

それでは行きましょう。

(いきなり文体が変わって驚かれている方が多いかと思いますが、

中の人間は変わらずサイコ田中です。ご安心ください)


出来ればツールなんて使いたくない

本末転倒としか言いようがないのですが、

そもそも日本という国においては例え護身・自己防衛の目的だとしても、

人を傷つける恐れのあるツール類および一定のサイズ規格を超える刃物の所持・携行は強く規制されており、

最悪の場合その場で逮捕・連行される可能性さえあります。

(詳しくは日本の銃刀法について各自でサーチされてください)

 

よってグレーなものを持ち歩いたり、取り出して実際に使ったりということは、

出来ればしたくないということになります。本当の最終手段です。

 

当ブログではかねてより犯罪などへの悪用や護身を口実にした暴行・傷害事件への繋がりを避けるべく、

こうしたツールを扱うテクニックやノウハウを扱うトピックに関しては、

極力扱わないというスタンスを貫いてきました(一部例外あり)。

 

とはいえ昨今の日本国内における犯罪発生件数や路上トラブルの発生頻度、

攻撃者らが持つ凶暴性や不可解な動機・心理状態を見る限り、

身を守る側にも何らかの”武器”が必要なことは火を見るよりも明らかと言わざるを得ません。

 

よって部分的または段階的にせよ当ブログにおいてもツールを扱ったセルフディフェンス、

またはそれに付随したテクニック・ノウハウの提供を解禁することとし、

これから少しずつ当該シリーズ及び関連コンテンツの充実を図っていこうという次第です。

(決してネタ切れが深刻であるとか、そういったネガティブな事実はございません)


ツールを手に取るまでに気を付けたいこと

さてここからは実際にツールディフェンスの基礎として、

まずツールを手に取るまでに注意しておくべきことについて解説したいと思います。

性別年齢、格闘技経験の有無などに関係なく、

身を守ることに興味をお持ちの方は是非参考になさってください。

 

ツールをしまう場所は一定に

仕事に趣味、何にでも当てはまることですが、

いつも使う道具・すぐ使いたい道具は、

いつも同じ場所・同じ方向に収めておくべきです。

これは護身に使うツールでも同じことです。

 

特にセルフディフェンスの場合、

ツールを使う瞬間というのは往々にして非常に差し迫った事態であり、

一瞬の判断ミスや反応の遅れ、見極めのズレも許されません。

 

特に「ツールを抜く瞬間」というのは絶望的なほど無防備であり、

ここを抑えられるとどうすることもできなくなると言っても過言ではないでしょう。

(逆に言えば、攻撃者のツールを取り出す動作を抑えられれば、こちらが主導権を握れるということでもあります)

勝負は一瞬ですから、自分が使いたいツールに、

・出来るだけ短い時間でアクセスできる

・素早く取り出せる

・取り落としたりしない

ことが最低条件、前提条件となります。

これらを満たすうえでも、

ツールはいつも身体の同じ部位に、そして全く同じ方向にしまっておくことが大切です。

 

最小の動作で取り出す

それがタクティカルペンにせよそこら辺の靴ベラだったにせよ、

抜く動作が大振りになるのは好ましくありません。

前項で述べたように、ツールは取り出す瞬間が最も隙が大きくリスキーなため、

この動作をいかに最小化するかが課題と言い換えても差し支えないでしょう。

 

ツールを取り出す際には、腕を大きく後ろに振りかぶったり、

腕を前に突き出すような格好になったりしないよう注意しながら、

出来れば相手に「抜いたかどうかわからないような形で」取り出して、

しっかり握り込むことが肝要です。

 

ツールを抜くときに生じるリスクパターンは、

・抜くことまたは抜いたことがバレる

・突き出した腕を振り払われカウンターをもらう

先に殴られる(実はこれが一番多いケースだと思います)

などであり、

いずれも自分がツールを手に取った事が仇になる、大変危険なシチュエーションに他なりません。

 

被弾リスクを最小に抑え、最初から最後まで相手に主導権を渡さないためにも、

ツールは素早く、そして小さな動作で取り出すことを心がけましょう。

 

もう片方の腕でしっかりとカバーを

ツールを取り出す際の致命的かつメジャーなもう一つのミスは、

顔などの急所をカバーしないことです。

 

ツールを抜く際、ほとんどの場面でほとんどの人が、

片手で握ってそのまま構えの体勢に入ると思います。これは間違いではありません。

 

問題なのは、映画やドラマのワンシーンで見られるように、

何の警戒も無く無造作に得物を手に取って構えてしまう……というものです。

(ヤンキーがナイフを取り出すときの様子が典型的だと思います)

 

ここまで述べたように、ツールは取り出す瞬間が最もリスキーです。

勘のいい方ならわかることでしょうが、顔面がら空きでツールに手を伸ばすのは、

このタイミングで「殴ってくれ」とこちらからお願いしているようなものであり、

身を守る以前の問題です。致命的ミスと言っていいでしょう。

 

ツールを取り出す際には、空いている方の手でしっかりと顔面をカバーし、

ツールを抜いた後ももう片方の手はツールを握っている手に軽く添えるようにして、

上半身と顔面を保護できる形にすることを忘れてはいけません。

 

この基本形を作ってきちんと構えることさえできたなら、

勝てないまでも負けることはないはずです。相手が素手なら猶更でしょう。


まずは3ステップの自主トレーニングから

以上3項目に分けてツールを取り出す際の注意点について述べてきましたが、

まとめると以下のようになります。

 

ツールはいつも同じ場所にしまう

最小の動作で取り出す

・フリーになっている腕で急所をカバーする

 

この3点を意識しながら、

まずはツールを抜く動作だけを繰り返し練習してみてください。

 

非常にばかばかしい試みのように聞こえますが、

それがボールペン一本にせよキーホルダーにせよ、

毎回同じように素早く取り出して構えるというのは、

意外とぶっつけ本番で出来るものではありません。

 

毎日とは言いません。

週に数回、5分から10分程度という短い時間で結構ですので、

得物を抜いて構える——ただそれだけの動作を、無心で反復してみてください。

 

その一見滑稽にも見える営みの繰り返しが、

いざという時あなたやあなたの大切な人を守ることに、必ず繋がってくるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】ストリートにおける膝蹴りの効果的な運用方法【護身術】

いつも心に1本の業務用青じそドレッシングを。どうもサイコ田中です。

梅雨明けも近づきじわじわと暑気の忍び寄る日々ですが、

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルスの影響も徐々に薄れ、外出の機会が増えた方も少なくはないでしょう。

これから祭りやイベントなど様々なレジャーが活気を取り戻す中で、

どうしても避けられないのが予期せぬ対人トラブルではないでしょうか。

昨今は日本でもかつては考えられなかったような動機や特に理由の無い傷害・暴行事件も後を絶ちません。

今回はいざという時身を守るための強力な武器として、

路上における膝蹴りの効果的な運用方法についてお伝えしようと思います。


攻撃者に慈悲や思いやり(優しさ)は不要

こういう言い回しは少しセンシティブになってしまいますが、

あなたに明確な悪意や敵意、攻撃の意志を向けている相手に対しては、

慈悲や情け、思いやりのようなものは一切必要ありません。

むしろ切り捨てるべきでさえあります。

 

管理人がまだ若かったころ、積極的に海外のセミナーにも参加していましたが、

ある研修で力加減を誤り、50代前半の男性参加者をダウンさせてしまいました。

すぐに駆け寄り、「I’m sorry, are you okay?(すみません、大丈夫ですか?)」と声を掛けましたが、

近くにいたインストラクターにシャツを掴まれ、

「何故君が謝るんだ、君は相手が凶悪な殺人犯でも、同じように声をかける気か」と、

かなり強い口調で叱られ、「Show no mercy (決して慈悲を見せるな)」と教わりました。

この経験は強く印象に残っており、今でも練習中似たような状況になると思い出すことがあります。

 

確かに優しさや相手を思いやる気持ちは社会生活を送るうえで大切なものですが、

それは差し迫った危険や脅威のある場面では何の役にも立たないどころか、

むしろ自分や自分の大切な人をより危険に晒すだけでしかありません。

 

例え相手が学生や若い女性、高齢者だったとしても、

あなたに明確な敵意や殺意、攻撃の意志を向けている相手に遠慮は要りません。

全力で叩き潰して脅威を排除し、五体満足でその場から立ち去ることを目指しましょう。

目の前の相手が、あなたの家族や友人・恋人だったとしてもです。


路上で膝蹴りを効果的に使う3つのポイント

ここからは路上のファイトで膝蹴りを用いる際に気を付けるべきポイントについて、

身体の狙うポイントや体勢など3つの項目に分けてお伝えしようと思います。

性別・年齢を問わず誰でも実践可能な内容となっておりますので、

身を守ることに興味をお持ちの方はぜひ一度参考になさってください。

 

狙うのは金的(股間)一択

膝蹴りで相手をノックアウトするうえで狙うポイントがあるとすれば、

それは金的(股間)に他なりません。

これは相手が女性だったとしても同様です。

(できれば女性に手をあげたくはありませんが、状況によってはやむを得ないでしょう)

 

路上のファイトでちまちまボディを効かせる意味は皆無に等しく、

かといって顔面を狙うのは難易度も相手に与えるダメージも高すぎて合理的とは言えません。

接近した場面で膝を斜めに持ち上げるだけで直撃する金的を狙うのが最もシンプルかつ効果的であり、

非力な女性でも男性をノックアウトできる唯一のアプローチでもあります。

 

つかみ合いや息がかかるほどの至近距離なら無言でいきなり膝先を持ち上げるのが手っ取り早く、

少し距離がある場合は体ごとぶつかるようにして膝を前に突き出すか、

大股で歩き出すようにして2ステップで(2歩目が膝蹴りとなるように)踏み込んで蹴る方法も有効です。

 

しっかりと相手の頭をホールドする(クリンチ)

椅子に座った状態で頭を押さえつけられると立ち上がれないように、

頭は人間の動き出しの起点(重心移動の中心)となる部位です。

しっかりと両腕で相手の頭を抱え込みコントロールし、

強力な膝蹴りを叩きこむための体勢づくりを意識しましょう。

 

相手はあなたの友達や恋人ではないのでハグするような形ではなく、

後頭部を両手でしっかりと抱え込み、脇を締めて相手の顔を胸元に引き寄せます。

そこから蹴り出す方の脚を小さく後ろに引いて、相手の頭は胸から離してスペースを作ります。

もう一度相手の頭を強く引き寄せ、同時に膝を相手の金的へ叩き込みます。

(お腹に当たってしまっても問題ありません。狙いを修正し立て続けに股間を蹴ってください)

しっかりと相手の体との間にスペースを設けて溜めを作ることで、

非力な女性や体の小さな人でも強い膝蹴りが打てるようになり、

短い時間でノックアウトできる可能性が高くなります。

 

蹴り足をキャッチさせない

全ての蹴り技について言えることですが、

蹴り足を掴まれることほど恐ろしいことはありません。

膝蹴りは比較的キャッチされるリスクの低い蹴り技となっていますが、

運動神経がよくフィジカル面で優れた相手は普通に掴んでくるため注意が必要です。

 

膝蹴りをキャッチされないために意識すべきことは、

・蹴り足を素早く引く

・蹴った足を前に落とす(体重をかける)

・フェイントで揺さぶる

などですが、格闘技経験のない素人の方や女性には少し難しいかもしれません。

 

もしもキャッチされてしまったときは、焦らず蹴り足を後ろへ引き抜くか、

前のめりに体重をかけて相手のタックルを潰すように動きましょう。

また倒れるときは頭を保護しながら後ろ向きに倒れ、

下から相手の顔を蹴り上げたり、両足を上げて相手を威嚇しながら、

簡単にマウントを取らせたりしない工夫が必要です。


最後はしっかりと倒しきるところまで

膝蹴りを叩き込んでそれで終わり、ということは滅多にありません。

何度か膝蹴りを当てて様子を見ながら、

近くに壁があるなら相手を壁に叩きつけたり、

壁に押し込んで繰り返し蹴ることも効果的です。

 

また何度か金的または腹部へ膝蹴りを直撃させ相手の動きが鈍くなってきたら、

頭を押さえつけている腕で手前に強く引き寄せ、前のめりに倒すのが基本的なフィニッシュパターンであり、

下がってきた相手の顔に対して膝をめり込ませるというアプローチもあります。

 

大切なのは自分が相手に対して脅威を感じなくなるまで徹底的にダメージを与えること

追い詰めていく意識であり、その場で倒しきらなければ全く意味がありません。

その場から立ち去るにせよ、警察を呼ぶにしても、まずは目の前の対象を制圧し、

自分自身と周囲の安全を確保してからでなくてはなりません。

相手が弱ってきても最後まで決して気を抜かず、確実にノックアウトすることを意識しましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】スキルアップのために知っておくべきこと【格闘技】

いつも心に1本の補強用フラットバーを。どうもサイコ田中です。

仕事にせよ勉強にせよ、またそれが単なる趣味だったにしても、

長く続けていると壁に当たり、伸び悩む時期というのが訪れるものです。

今回は格闘技を続ける過程で避けては通れないスランプと向き合い、

さらなるスキルアップに繋がるアイデアをお伝えしたいと思います。


上達のための近道は存在するか

格闘技に限った話でははなく、

何かを始めると人はそれをもっと上手くできるようになるため、

あるいはより早い段階で手ごたえを感じられるよう、

近道を探ろうとするものです。

 

とはいえどんな分野でも実際に結果を出している人というのは大抵の場合、

・周囲の誰もが認める天賦の才の持ち主

・幼い頃より英才教育に近い指導を受けてきたエキスパート

・単純にIQが高く物事のポイントを抑えるのが人より早い

などであり、何のバックボーンもなく平凡なセンスしか持ち合わせていない一般人がその領域に達するのは、

極めて困難に違いないというのが現実のように思われます。

 

よく耳にする「1万時間の法則」などのように、

とにかく時間をかけることが成長への最短ルートとする考え方にも納得は出来る一方で、

その努力の内容はもちろん何をもって”成長”と定義するのかも曖昧な中では余りにも空しい言葉遊びに過ぎず、

また芸術分野のように最後の最後はセンスが問われる世界では通用しないかもしれません。

(管理人も若い時分に簡単な溶接の仕事をしていましたが、結局最後まで全く上達しませんでした)

 

多忙な社会人ほど時間の使い方を最適化し無駄を省きたくなるものですが、

近道を探るのではなく、ただ無心で取り組むこと、そしてそれを楽しむことこそが、

結果的に目標とする場所へ辿り着く最短のルートになるのかもしれません。


スキルアップを実感できる5つのアプローチ

ここからは実際に格闘技の練習を続ける過程でスキルアップするため、

あるいはスランプを抜け出すためのヒントとして、

技術面と考え方それぞれ5つの項目に分けてお伝えしようと思います。

格闘技の練習をそれなりに続けている中級者の方から始めたばかりの方まで、

幅広いレベルを対象とした内容となっているので、ぜひ一度参考になさってください。

 

ディフェンススキルを組み立てなおす

特にビギナーから中級者レベルへステップアップする過程で必ずぶち当たる壁が、

ディフェンスレベルの伸び悩みでしょう。

 

ディフェンス技術は基礎の基礎、全ての基本になっているからこそ、

時間が経つにつれ雑になり詰めが甘くなる傾向にあります。

明確な目的意識を持ったディフェンステクニックの練習は総合力アップに繋がることはもちろん、

スパーリングなどの実戦に対する自信をつけることにも深い関連があります。

 

特に中級者以上の場合、

・漫然と同じディフェンステクニックばかりを活用しない

・ディフェンスから得意な攻撃パターンに持ち込む

・フットワークを使うor使わないポイントを探す

といったアプローチが有効で、

初心者の方には、いくつかあるディフェンステクニックのうち、

どれが自分にとって扱いやすく信頼感が得られるかを探るというのも重要なポイントです。

(例:蹴りは受け流すのが楽か、キャッチする方が簡単に感じるか……etc)

 

自分の弱点を見つける

ディフェンス練度を磨くという前項と関連するところですが、

やはり自分自身の強みだけでなく、弱い部分を知ることも非常に重要です。

 

考え方はいたってシンプルで、練習中(特にスパーリングの最中)、

・教わった通りに出来ていないテクニック

・苦手に感じる攻撃またはディフェンス

・いつまで経っても上手くならないパンチまたはキック

などは、自分の弱点に相当すると捉え、修正を試みる——これだけです。

 

例えばフットワークが正しく使えず、「何だか足元がバタバタするなぁ……」と感じているなら、

30分から1時間といったまとまった時間を、フットワークスキルを磨くことのみに費やすべきです。

 

また右はそうでもないけど、「どうも左の蹴りがやりにくいな……」と思っているなら、

ポイントが掴めるまで徹底的に鏡を見てフォームを確認したり、サンドバッグを蹴り込んでもいいでしょう。

 

言うまでもありませんが、トップクラスの選手が持つ共通点の一つは、

「これといった弱点が無い」ということです。

つけ込まれる隙や弱みがあるようではそこを突かれた時点であっけなく瓦解し、

強力な武器を使うチャンスも与えてはもらえません。

一つでも多くの弱点あるいは不安定な部分を見つけて修正し理想の形に近づけることが、

早い段階でスキルアップするために重要なアプローチです。

 

上手い人(強い人)の動きを研究する

これを実践している人は多いと思いますが、

やはりジムに何人かいる強い人の一挙手一投足には意味があり、

しっかりと観察し情報を得る努力をすべきです。

 

特に初心者の方にとって大切なのは、

強い人のスパーリングを自分と対戦相手という2つの視点で見ようとすることです。

 

何を言っているのかわかりにくいかもしれませんが要するに、

・強い人(上手い人)の視点を自分のそれに置き換えて見る

・その相手をしている選手を自分に置き換えて観察する

これを交互に繰り返し、

特に「自分と違っている点」「何故そうしたのかわからない点」を重視することです。

 

「自分ならこうしたけど、強い人は違っていた」という部分は非常に重要であり、

強くなるためのキーが隠されている可能性が高いため、

もしも可能なら本人に直接質問するか、相手をした人の意見を後から聞いてみるのもいいでしょう。

(向上心のある選手ならこうした質問をされることを好むので、丁寧に受け答えしてくれるはずです)

 

予習・復習を徹底する

「学生のテストじゃないんだから……」と言われてしまいそうですが、

やはり格闘技の練習においても、予習・復習は大切です。

 

格闘技のトレーニングにおける予習とは例えば、

・来週習う予定のテクニックをYoutubeで見ておく

・強い選手の試合動画を鑑賞する

・対戦相手の情報を集め分析する

といったことが該当し、事前になるべく多くの情報を集めておくことがポイントとなります。

 

予習以上に大切なのが復習で、その内容は主に、

・習ったばかりのテクニックを自宅に帰ってから確かめる

・脅威に感じた攻撃パターンを思い出し対策を考える

・試合内容あるいはスパーリング中の気付きについて振り返り考察する

といったことが該当します。

 

特に初級・中級問わず大切なのは、

10分前後と短い時間で全く問題ないので、

家に帰ってから(あるいは練習後)、

手ごたえのあった攻撃パターンまたはカウンターの動きを繰り返し、

頭と身体に覚えさせることです。

練習や試合の直後は記憶が鮮明で、肉体も受けた衝撃を覚えているので、

例え一人でも実戦に即した高度なトレーニングが可能です。

例えばものすごく強力なジャブを打ってくる選手がいた場合、

その動きと衝撃を思い出しながら、カウンターのフックを合わせる練習をする……といった内容ですが、

イメージをより鮮明に出来るなら、普段のシャドーにターゲットとなる対戦相手を思い浮かべても同じ効果が得られます。

 

重要なのは、より短い時間の中で、

記憶と身体の動きをリンクさせるよう心がけることです。

 

知らない選手とスパーをする

これは関連記事でも強くなるためのヒントとして繰り返しお伝えし、

実際に管理人自身が最も飛躍的な上達を実感できたヒントですが、

それはいたってシンプル——全く知らない相手とのスパーリングです。

 

同じジムや道場に通い、同じような顔ぶれとスパーリングを繰り返していると、

どうしてもマンネリ化し、対応や攻撃パターンなども偏る傾向にあることは否めません。

 

現状の自分の実力がどのあたりのレベルにあるのか——それを知るために最も手っ取り早いアプローチは、

全然知らないジムへ出稽古に行き、顔も名前も知らない選手とスパーをすることです。

相手の動き方や考え方、得意な攻撃やフットワークの使い方など、

全てが未知の相手を前に今日まで自分が培ってきたものがどれだけ通用するのかを試すことは、

究極的な意味合いでの「真の実戦」に他ならず、上達への最短ルートと言っても過言ではありません。

 

そうした出稽古・他流試合に臨むうえで気を付けなくてはならないことは、

事前にルールや普段の練習における暗黙の了解を確認しておくことです。

例えば「蹴りのキャッチはしてもいいか」「クリンチからの膝は許されているか」など、

これはジムによって少しずつ、あるいは大きく異なっており、

指導者が選手の怪我や事故を防ぐため最も気を遣う部分に違いありません。

(そのため出稽古や道場破りまがいの行為を一切受け入れていないジムも少なくありません)

互いにしっかりと安全を確保し、五体満足で自宅に帰るためにも、

しっかりと訪問先のジムで確認事項を把握し、マナーを守って練習に臨みましょう。


「誰よりもやってきた」と言える努力を

昭和のスポコン的なノリで、現代の価値観に即していないかもしれませんが、

結局のところ強くなれるか弱いままか、その命運を分けるものは、

「誰よりもやった」と言えるだけの努力をしたか否かだと考えています。

 

例えばあなたが「俺は努力している」と胸を張って言えるだけの試みをしていても、

客観的に見て明らかに時間のかけ方が違う、質の違う努力をしている者が他にいるなら、

その相手には負けないまでも勝てる日は訪れないでしょう。

 

もちろん何をもって「誰よりもやった」と言い切るのか、その定義と線引きは曖昧で、

単なる自己満足に終始するものなのかもしれません。

それでもあなたが自信をもって「俺は誰よりもやった」「人よりやってきた」と言い切れるだけの努力を重ねたならば、

それは強さだけでなく大きな自信と心の余裕になり、

格闘技だけでなく——仕事や学業といった日常生活においても力を発揮する、

あなたの強力な武器になることは言うまでもありません。

 

調子の悪い日、気分が乗らない日、全てが上手くいかない日——生きていれば色々な困難が立ちふさがりますが、

例えどんな状況に陥っても、どうか自分自身にだけは嘘を吐かず、いつまでも問いかけ続けてください。

「今俺は誰よりも努力していると言えるか」と。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。