【小ネタ】ジムにいる強い人に共通する4つの特徴【コラム】

いつも心に1本の直管マフラーを。どうもサイコ田中です。

過ごしやすい季節も終わり、昼間は少し汗ばむようになってきましたが、

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

日本における新型コロナウイルスもどうにか終息の兆しが見え始め、

新しい挑戦、あるいはこれまで自粛していた活動を再開するという方も珍しくはないでしょう。

今回はこれから格闘技を始めようという方、または始めて間もないという方向けに、

ジムに必ず一人はいる強い人の見分け方をお伝えしようと思います。


人は見かけで判断できない?

わざわざ語るまでもないことですが、

やはり人は見た目では判断できません。

 

見るからに強面でどこかのマフィアのボスのような風貌の男性でも、

趣味はお菓子作りやガーデニングだったり、

腰が低く物腰柔らかな普通のサラリーマンが、

自宅に〇〇を隠し持つ真性のサイコだったりと、

人の容姿・風貌とその本質には、根本的にあまり相関が無いように感じられます。

 

同様にして、ジムにいる一見「強そうな人」「ヤバそうな人」も、

案外スパーリングで対峙すると普通すぎるくらい普通だったり、

むしろ期待外れで拍子抜けするほど実力不足ということも珍しくはありません。

 

良い意味においても悪い意味においても人をその外見的特徴などから判断することなく、

実際に接すること、そしてそこから得られる情報とパーソナリティを結び付るよう心がけていくことが、

スポーツのみならず普段の社会生活の場面においても理想的な対応と言えるのではないでしょうか。


ジムにいる”本当に強い人”が持つ4つの共通点

ここからは管理人個人の今日までの経験を踏まえて、

ジムに必ず一人はいる本当に強い人を見分けるために知っておくべきポイントについて、

スパーリング前の練習や普段の何気ない仕草など4つの項目に分けてお伝えしようと思います。

ジムに通い始めたばかりの方や、これからジムに通おうとお考えの方は、

話のネタ程度で構いませんので、是非一度参考になさってください。

 

まばたきをしない

これは管理人が空手をやっていた小学生時代から常々感じていたことですが、

強い選手の多くは、まばたきが少ないか、ほとんどしないように見受けられます。

 

練習以外の時間では普通に笑ったりして表情豊かで、適度にまぶたも動いているような人物が、

練習になると極端にまばたきが減る場合、間違いなく強い選手だと思っていいでしょう。

 

特にパンチをブロックするドリル(ディフェンスの練習)や、

スパーリング中プレッシャーをかけられたような場面でまばたき一つしない人物の場合、

生半可な仕掛けは通用しないと考えるべきです。

 

この特徴を持つ選手は攻守バランスよく高い水準にあり、

動体視力に優れカウンターを合わせるテクニックも一級品であることが大半で、

スパーリングパートナーとしてはシビアな、極めて危険な相手になるでしょう。

 

不安になるくらいワセリンを塗る

主にカットの予防・止血を目的に塗布するワセリンですが、

「大丈夫か……?」と見ていて不安になるほど過剰に塗る人がいます。

ですがその人物は、ジムで1,2を争うほどの猛者かもしれません。

 

先に述べた通り、ワセリンを塗布する主な目的はカットの予防と止血のためですが、

そのほかにもう一つ、「打撃をクリーンにもらわないようにする」というものがあります。

少々グレーなアプローチですが、要するに潤滑剤で表面を滑りやすくすればするほど、

ヒットの衝撃は逃がしやすくなり、受けるダメージを軽減できます。

「イカサマじゃねえの……?」と思われても仕方がないのですが、

これは怪我の予防に繋がっていることはもちろん、

長い選手生命を考えたとき、脳へのダメージを考慮した合理的対応とも言えます。

 

特に顔周辺のみならずヘッドギアにまでワセリンを塗布している選手の場合、

明らかに自分の意志または第三者の指導によってそうしている場合が大半であり、

今日までこなしてきた場数、くぐってきた死線の数を物語ると同時に、

これから先のキャリアを見据えた、高い志を持つ選手であることが伺い知れます。

 

このタイプの選手は言うまでもなく老獪で技巧派、

間違いなくトップクラスの実力を持つ選手であることに疑いの余地はありません。

初心者の方が組まされる可能性は皆無ですが、

このような選手とのスパーリングは徹底して回避すべきです。

(最悪の場合容赦なく壊されて再起不能にされます)

 

ウォームアップが長い(ゆっくり)

たまに「こいつ一生アップしてんのか?」と思うほど、

しつこく入念にウォームアップをする人物がいますが、

管理人個人の経験上、彼らは高い確率で怪物クラスの猛者です。

 

理由はいくつかあるのですが、まず最初に考えられるのが、

実戦——すなわち試合を明確にイメージしているという点でしょう。

経験者ならわかることですが、試合の直前というのは、

大体信じられないほど長い時間をかけて準備をするものです。

(中にはアップが極端に短い選手もいるので一概には言えませんが)

最低でも1時間、あるいは2時間に迫る長い時間を、

ただただ黙々とパフォーマンスを発揮する準備にのみ費やすわけですが、

そもそもそれ自体がある程度の経験とスタミナが無ければできないことです。

(普通の人が1時間も丁寧にウォームアップをすると、それだけで息が上がります)

 

また特にウォームアップの過程でディフェンステクニックを入念にチェックする人物の場合、

・タイトなブロック技術

・洗練されたフットワーク

・高精度のカウンター

などを武器とした防御力の高いファイターであることが多く、

スパーリングパートナーとしてはやりにくい、厄介な相手になることは言うまでもありません。

 

紐式グローブを愛用している

これは完全に管理人個人の主観でありネタ以外の何物でもありませんが、

紐式グローブとマジックテープ式グローブの二つを比較したとき、

明らかに前者を愛用する人物に猛者が多いという印象があります。

(「関係ねえよそんなもん」というご意見は甘んじて受け入れます)

 

相関があるかは定かではありませんが、

恐らく紐式の方がマジックテープ式に比べ手首周辺のホールド力が高く、

インパクトの瞬間にズレる確率も下がるため、

ハードパンチャーほど紐式を好む傾向にあるように見受けられます。

 

また試合だけでなくスパーリングにおいても紐を結んだ上から更にテープを巻く選手がいますが、

これもプレッシャーをかけて強打を武器に畳みかける強い選手に共通して見られる習慣です。

 

もしも紐式グローブを使い、尚且つリスト周辺をガチガチに固定している選手を見たときは、

財布に保険証が入っているか確かめておきましょう。


 

最後はやってみなければわからない

何事もそうなのですが、

結局はやってみなければわかりません。

ここまで書いておいて無責任極まりない発言で申し訳ないのですが、結局そういうことです。

 

上に挙げた特徴を持つ選手でも、

いざやってみたら「意外と普通……」なんてことも珍しくはありませんし、

何の特徴もないのに手合わせすると驚くほど強い相手もいます。

 

ただ、格闘技を始めたばかりという方や、これから始めようと思っている方にとって、

完全に「未知の世界」である格闘技の世界において、

「強い選手」の特徴を知るということはとても重要です。

 

「この人上手いなぁ」と思ったら普段の小さな仕草まで観察して真似してみてもいいでしょうし、

共通する所作や習慣がある場合そこにどのような意味があるのかを考えることも非常に重要です。

 

今回紹介した「強い選手の共通点」がどこまで役立つかはわかりませんが、

一日でも早く、また昨日より1ミリでも先へ進みたいと考えている若い方や初心者の方にとって、

ほんのわずかでも有益な情報としてお届けできていれば幸いです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】5分間のウォームアップから始める基礎練習【格闘技】

いつも心に1本の電気ショックバトンを。どうもサイコ田中です。

皆さんはGWをいかがお過ごしでしょうか。(管理人は多忙のため現実味があまりありません)

今年に入り日本ではマスクの着用が一部緩和されるなど、

新型コロナウイルスの影響も昨年よりも幾分か穏やかな印象を受けますが、

コンタクトスポーツの練習を再開したり、新しい挑戦をしようという方も少なくないかと思います。

今回はこれから格闘技(特にボクシングなど打撃系格闘技)を始めようとお考えの方に向けて、

5分前後で終わるウォームアップを軸にした基本的な自主練メニューをお伝えしようと思います。


怪我を防ぐうえで大切なこと

どんなに意欲があっても、またハードな練習をこなしていたとしても、

怪我をして治療や休養が必要な状況に陥っていては元も子もありません。

 

なるべく怪我をせず練習を続けていくために、

・早寝早起きを心がける(生活リズムを一定に保つ)

・暴飲暴食を避ける(内臓への負担を最小限に)

・練習の前後やお風呂上りに入念なストレッチ

といった心掛けと習慣作りが大切です。

 

特に多忙な現代人にとって時間の管理は大きな課題の一つですが、

お金も時間も体力も、すべて有限なもので急に増やしたり減らしたりは出来ません。

(お金は一瞬でなくなることがあるので例外的と言えるかもしれませんが)

練習を始めたばかりのビギナーの方が特に陥ってしまいがちな悪循環に、

「とにかくやらなければ」という実はあまり意味のない強迫観念に駆られて、

時間がないにもかかわらず、また体調が優れないにもかかわらず、

無理に練習を強行してしまうということが挙げられます。

 

格闘技はあなたがプロを目指すのではない限りあくまで趣味の一つに過ぎず、

仕事のように強いられるものでもなければ、

受験勉強のように一日も無駄に出来ないほど切迫した戦いではありません。

 

怪我をして全てを台無しにしてしまわないためにも、

どうか時間がないときはいま必要なことのみに集中し(優先順位を明確に)、

体調が悪いときは決して無理をせず、しっかりと体を休めてあげてください。

 

「今日はいいや……」という怠惰な感情は好ましくありませんが、

「今日は絶対にやらなきゃ……」などと自分を追い詰める必要はありません。

ゆっくりと自分のペースで、焦らず一歩ずつ進んでいきましょう。


4ステップ・合計5分から始める打撃の基本

ここからは誰でも出来る簡単な動作を軸に、

5分前後という短い時間で、尚且つ一人でも行える打撃の基礎トレーニングについて、

4つのステップに分けてお伝えしていこうと思います。

これから格闘技を始めてみようというビギナーの方はもちろん、

運動不足を自覚している社会人の方や女性、学生の方まで、

老若男女を問わず実践できる内容となっています。

是非一度参考になさってください。

 

Step1.肩をぐるぐる回す

最初のステップは読んで字のごとく、

肩をぐるぐると回してみましょう。

 

拳をゆるく握り、

後ろから前、前から後ろと回転方向を変えながら、

肩回りにだるさを感じるまでゆっくりと肩を回します。

 

腕はまっすぐ伸ばすのが理想ですが、

慣れないうちは肘を緩く曲げても構いません。

 

最初は小さな円を描いて回し、

徐々に円を大きくしていきます。

もしも肩に痛みが出た場合はすぐに動作を中止し、

肩回りを伸ばすストレッチを試してください。

それでも痛みが続く場合はこのウォームアップは行わないでください。

また痛みや違和感が強い場合は、医師に相談することを強くお勧めします。

 

このウォームアップを通して肩回りの小さな腱や靭帯が鍛えられ、

同時に関節の可動域も広がり肩こりの解消にもつながります。

肩回りのストレッチと並行して行うのはもちろん、

腕立て伏せといった筋トレ前のウォームアップとしても有効です。

 

Step2.上半身を色々な方向に捻じる(回す)

肩の次は腰や背中といった上半身の硬さを取っていきます。

 

ちょうど伸びをするような格好で両腕を頭上に伸ばして、

どちらか片方の手首をつかみます。

そうしたらそのまま掴んだ腕を反対側へ——頭の後ろ側へ伸ばすように、

上体を捻じっていきます。

(左腕を掴んでいるときは頭の右後ろへ、右腕の場合はその逆側へ引っ張ります)

 

自分の体全体を一枚の雑巾のようにイメージし(例えが悪いかもしれませんが)、

ギューッと絞るような感じでしょうか。

何秒間といった区切りはありません。

ゆっくり息を吐きながら、

背中から腰にかけて心地のいい伸びを感じたらそこで終わりにしてください。

 

続いて腰を左右に回していきます。

でんでん太鼓(小さな振り子と太鼓を組み合わせたおもちゃ)のように、

両腕をだらりと伸ばして、脱力を意識して上体を繰り返しターンさせます。

腰や股関節といった部位に痛みや違和感を覚えた場合はすぐに動作を中止し、

痛みの出ない範囲を探ってゆっくりと行ってください。

肩と同様に痛みや違和感が強い場合は医師に相談してください。

 

上体を素早く回旋

より安定したフォームで強いパンチを打てる身体が出来上がっていきます。

 

Step3.片足立ちの体勢を維持する

続いてはどちらか片方の膝を腰の高さに持ち上げて、

片足立ちの体勢を作ってみましょう。

 

最初は10秒前後で全く問題ありません。

そこから20秒、30秒と徐々に時間を伸ばしていき、

最終的には1分前後片足立ちの体勢を維持できることを目標に取り組んでください。

 

一見ナンセンスに思えるこの片足立ちエクササイズですが、

・強固なスタンス(土台)づくり

・平衡感覚強化

・蹴りの姿勢を作る基本

など、打撃系格闘技に求められる様々な要素を網羅的にカバーした、

理想的なウォームアップメニューとなっています。

特に体幹部(腸腰筋)への刺激は腰痛の改善・予防にも繋がるだけでなく、

普段の立ち姿やスタイルにも影響を及ぼすため、

女性の皆さんにも積極的に取り組んでほしいところです。(変な意味ありません)

 

Step4.脚を前後左右にぶらぶらさせる

最後のステップですが、

脚を前後左右にぶらぶらと揺らす運動です。

 

よくある振り子の動きをイメージし、

股関節を軸にして脚をなるべくまっすぐに伸ばして、

前後左右にぶらぶらと振ってみてください。

つま先が大体腰の高さに来るあたりを目安に、

力んだり勢いをつけすぎたりすることなく、

股関節を中心にした振り子をイメージすることがポイントです。

 

前後に足を振る場合は片手を壁につき、

左右に振る際には手すりのようなものに両手をつくとより安全に行えます。

 

このエクササイズはハムストリングス(太ももの裏側)の動的ストレッチになるだけでなく、

Step3で紹介した片足立ちと同様に腸腰筋群への刺激になり、

股関節周りの柔軟性が得られるのと同時に、安定した蹴り技を身に着けるための土台作りにもなります。

 

腰や下肢に痛みや痺れといった違和感を覚える場合はすぐに動作を中止し、

整形外科を受診することを強くお勧めします。


パンチや蹴りの練習が全てではない

「パンチやキックの動作が含まれてませんが……」という冷静なツッコミをいただきそうですが、

打撃の動作を反復したりミットやサンドバッグを叩くことだけが練習ではありません。

 

今回紹介したウォームアップの動作は、その一つ一つだけでは関連性が薄れて見えますが、

いずれのエクササイズもパンチや蹴り、ディフェンスの動作と密接な繋がりがあり、

「身体の使い方」という点において大きな意味を持っています。

 

一口にパンチと言っても、そのメカニズムは極めて複雑なもので、

下半身から発生したエネルギーを上半身、拳の先端まで伝える過程には、

言うまでもなく全身の連動性というものが関わっています。

今回紹介したウォームアップメニューは、一見バラバラで相関が無さそうに見えて、

実は最終的に様々な動作と直結する「基本動作」を構成しているのですが、

それは皆さんが実際にパンチやキックの動作を学ぶときに実感できることでしょう。

 

中国武術では門下生に当該武術の動作とは一切関係が無い(ように見える)日常動作を長期間反復させた後、

根幹となるメカニズムと技術をセットで習得させるという指導体系を取るものがありますが、

これは旧弊な体育会系メソッドに見えて、実は理にかなっていると管理人個人は考えています。

 

いきなり技のメカニズムを教えても、

よほど運動神経のいい一部の人間以外は大前提となる「身体の使い方」がイメージできません。

そこで最初は余計な知識や情報を一切与えず、

一見何の関係も無いような簡単な動作を反復させることによって、

関連する筋群や神経系を効率よく発達させることができ、怪我も防ぐことが可能です。

 

今回紹介した4ステップのウォームアップメニューも、各々が持つ情報量はそう多くはありませんが、

これから習得する様々なテクニックと深い関連を持つものばかりをピックアップしてお届けしています。

三日坊主でも構いません。まずは騙されたと思って、5分間身体を動かしてみてください。

シンプルなエクササイズの一つ一つが、必ずあなたを強くしてくれるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】スパーリングを通して強くなるための3つのポイント【格闘技】

いつも心に1本の犬用ハーネスを。どうもサイコ田中です。

2023年に入り、いよいよ日本においてもマスクの着用義務が緩和されるなど、

新型コロナの及ぼす影響が少しずつ和らいでいるという印象を受けます。

そうした中で、

近年自粛していたジム通いやコンタクトスポーツの練習を再開するという方も珍しくはないでしょう。

今回は格闘技を始めようという方や、これから練習を再開するという方に向け、

スパーリングの中で強くなるために必要なアイデアをお伝えしようと思います。


最初から上手にできる人はいない

格闘技に限らずどのようなことについても当てはまることだとは思いますが、

何もかも最初から上手くいくということは決してあり得ません。

(中には最初から何でも普通以上にできてしまう天才という人がいますが、

そういった一握りの限られた人種の存在はここでは無視します。もちろん管理人は凡人かそれ以下です

 

スパーリングというのは大体練習の最後、

ミット打ちなどでへとへとになった状態からのスタートになることが多いため、

最初は疲弊してまともに動くことすらままならないでしょう。

また打たれる怖さはもちろん、相手に手を出すことに抵抗があったりして、

動作の一つ一つがぎこちなくなってしまうというのも、仕方のないことです。

 

最初から上手に出来るということはありえないので、

出来ない自分を責めたり、恥ずかしいと感じたりせずに、

まずは自分の直感に身を委ねて、がむしゃらに動き回ってください。

そんなことを繰り返しているうちに、段々”やるべきこと”が見えてきて、

自然と他の方や上のクラスの方と変わらない動きができるようになっていきます。

 

始めたばかりの方や中級者までの方はなるべく肩の力を抜いて、

「とりあえず相手と自分が怪我しなければOK」ぐらいの感覚で臨むのが一番です。

きちんとジムに通いやるべきことをやり続けていれば、必ず強くなれます。

両親はもちろん周囲の人に散々「お前は向いてない」と言われ続けた私が語るのですから、

説得力が違いますよね(?)。


スパーリングで意識したい3つのポイント

ここからは、実際のスパーリング中に意識したい重要なポイントについて、

メンタル面よりも実技面に重きを置いて3つ、お伝えしたいと思います。

格闘技を始めたばかりの方はもちろん、

ジムや道場に通い始めて2年前後の中級者の方までを対象とした内容となっています。

参考程度にご一読いただければ幸いです。

 

「今日やる事」を一つ決める

これは自主的に取り組まれている方が多いかもしれませんが、

その日ごとにしっかりテーマを決めて臨むというのは、非常に重要です。

 

慣れないうちは疲れと緊張で頭が回らず、

何が何だかわからないうちに終わってしまうスパーリングの時間ですが、

早い人で2週間、遅い人でも1か月ほどで大体の雰囲気は掴めるようになるはずです。

 

スパーリングの感覚に慣れてきたら、

決して漫然と打撃を交換する時間で終わらせてしまうのではなく、

明確な目的意識を持ち、テーマを設定して取り組むようにしていきましょう。

 

例えば、

・ディフェンスの動作に重点を置く

・フットワークを意識する

・コンビネーションを活用する

など大雑把なイメージでも問題はないのですが、

 

・いつも左のガードが甘いので下がらないようにする

・打撃を2回以上交換したらステップバックして距離を作る

・すべての攻撃動作の最後をローキックで締めくくる

など、具体的であればあるほど効果は高くなります。

 

また、一度に色々なことを試そうとするのではなく、

やる事を一つに限定する方が集中力が増し、効率も良くなるでしょう。

どのようなことについても当てはまる考え方ですが、

最初から色々なことをやろうとすると混乱しますし、

全てが中途半端になり結果的に身につく技術もいい加減なものになってしまいかねません。

あなたが10年に1人の天才でもない限りは、

一回の練習で設定する目標・目的は1つに限定し、なるべくテーマを絞るよう心がけていきましょう。

 

相手の反応を冷静に観察する

最初のうちは自分のことばかりで余裕がなく、

相手を見るのが困難かもしれませんが、

対戦相手の動きや反応を観察することは上達に必要不可欠です。

 

格闘技というのは相手がいて初めて成立するもので、

そういった意味では実際に動く人間を相手にできるスパーリングの時間はとても貴重と言えます。

その反面、痛みや疲労、緊張などが絶えず付きまとうため、

「どうしてもスパーリングの時間は苦手」という方も珍しくないでしょう。

(かくいう管理人自身も小学生の頃はそうでした)

 

そんなスパーリングが苦手な方にこそ、

スパーリングは「相手との対話」という風に捉えてほしいのです。

痛いし、怖いし、そんなの無理……と思われるかもしれませんが、

あくまでジムや道場における練習の一環ですから、

本気であなたを倒しに来る相手はいませんし、敵意や悪意をむき出しにして取り組むようなものでもありません。

(一部に例外として”危ない人”がいますが、そういうジムは辞めてしまってOKです)

 

なるべく肩の力を抜いてリラックスし、

相手の反応をうかがうことに重点を置いてスパーリングに臨むことによって、

多くの学びがあることに気が付くはずです。

 

・Aさんは教科書通りのジャブを打つ

・Bさんは右のクロスにカウンターを合わせてくる

・Cさんはスパーリング中に何度もシンガードを直す

などなど、人それぞれ動きや考え方に個性があることが何となく見えてきます。

そうした個人の”クセ”が掴めてきたら今度は、

それらを利用したアプローチを試みましょう。

 

・ジャブのステップインに素早いローを合わせる

・右クロスのフェイントから別の打撃パターンに変更

・シンガードを直そうとしたら飛び膝のふりをする(危ない)

などなど、相手に固有の動作に対するアプローチの中で、

またそれぞれに対する反応が得られ、それらがあなたの格闘データバンクに蓄積されます。

そうした知識を再構成する過程でファイトIQというものが高まり、

最終的にはあなただけのファイトスタイルまたはスタンスというのが完成されていきます。

 

最初は難しいかもしれませんが、

小さな小さな駆け引きを楽しみ、一つでも多くの情報・反応を相手から引き出しましょう。

そうした試みは、必ずあなたが強くなることに結び付きます。

 

具体的な戦略に基づいて立ち回る

さて、上の2つが何の問題もなくこなせるようになってきたら、

いよいよ自分の戦略というものを試す時間です。

 

ここまで試してきた攻撃及びディフェンスパターンの反復、

相手から得られた情報などを総動員し、

どうすれば「相手に嫌な顔をさせられるか」を考えていきます。

(性格が悪いと思われるかもしれませんが、戦略とは詰まるところそういうものです)

 

例えば、

「Dさんはローをきっちりカットしてくるので、

何回もローを蹴ってガードさせてから、いきなりインローを蹴る」というプランがあるとしましょう。

最初はこれでうまくいき、ローをカットしようとした相手の内股を蹴り飛ばせるかもしれませんが、

相手もあなたと同じ脳味噌を搭載した人間です。必ず対応してきます。

そこで今度は、

「インローに対応してステップバックされるようになったので、

追いかけてボディにクロスを当てに行く」というプランに切り替わります。

 

このように、ゲームプランの組み立てと実戦対応――そこからの再構成という一連の流れを経て、

最終的には「相手にもプランがある」ということに気が付きます。これは必ず見えてきます。

そこからが一番の問題で、さらなる上達への大きな壁の一つなのですが、

「相手にプランがあると分かった上で、それらを利用し自分が望むリアクションを引き出す」というのが最終目標となります。

管理人個人の経験上、これがスパーリングという練習における明確なゴールになると考えています。

 

何を言っているのかさっぱりわからないかもしれませんが、

格闘技はスポーツなのですから、必ず勝つための戦略があり、適切な解法があるはずなのです。

体格や運動神経など人それぞれ持っている特性が異なり、

絶対的な最適解というのは存在しないかもしれませんが、

プロアマ問わず結果を出している選手というのは、

絶対に何かしらの戦略――プランを持って臨んでいるはずです。

リング上ではそうした互いの戦略とテクニックがぶつかり合い、勝敗が決するわけですが、

運に左右される部分を除けば、個人的にはこの戦略というものが大部分を占めるのは無いかと考えています。

ですからスパーリングを通して上手くなりたい、もっと強くなりたいという気持ちを持っている人ほど、

戦略を練る時間にこそ重きを置いてほしいと思います。

 

ただ自分の立てた戦略が正しく機能するためには、

それらを支える基本的なテクニックの質も高い水準を保たなくてはなりません。

普段の基礎練習はきっちりとこなしたうえで、

戦略シミュレーションゲームのように、どうやって相手を打ち崩すかを考えてみてください。

きっとスパーリングの時間が楽しみになってくるでしょう。


馴れ合いの雰囲気を感じたら

長く同じジムや道場に通い、同じ顔触れで練習を続けていると避けられないのは、

”練習の馴れ合い化”です。これはどうも不可避のように思えます。

 

人は時間がたてば勝手に打ち解けて仲間になってしまう動物なので仕方ないのですが、

どうしても一回一回のスパーリングが緊張感を欠いたものになる印象は否めません。

そしてこれは強くなるために絶対避けたい状況の一つです。

 

もしも他の練習生と仲良くなりすぎたり、

同じ顔触れとばかり練習を繰り返すことによってマンネリ化を感じているならば、

週に1回程度でいいので他のジムへ出稽古に行くか、

ジムの移籍を考慮するべきでしょう。

 

慣れ親しんだ環境、人間関係から離れていくというのは寂しくもあり、

負の影響が生じる可能性も否定は出来ませんが、

厳密な意味であなたが強くなるために、

心の安らぎや親しみなどは必要ありません。

(やや厳しい言い回しになりますが、これが現実です)

 

仲間意識や集団への帰属意識を否定はしませんが、

より高い場所を目指すうえで時には切り捨てなくてはならないものも生じます。

「今のままでいいのだろうか」という疑問をそのままにせず、

誰よりも自分自身のために、ベストな選択ができる生き方を追求していきたいですね。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】自分に合った練習メニューの組み立て方【防犯・護身】

いつも心に1本の全長調整式車高調を。どうもサイコ田中です。

昨今の日本という国は何かと物騒で、驚くような凶悪事件の報道も後を絶ちません。

恐らくは身を守ることに興味をお持ちの方も以前よりも増加傾向にあり、

紆余曲折を経て当サイトを見つけてくださったという方もいらっしゃるでしょう。

今回はそんなセルフディフェンス初心者の方に向けて、

「今自分は何をすべきなのか」「何から始めればいいのか」といった、

基本的な練習メニューの構成についてお伝えしていこうと思います。


最初は”趣味程度”でOK

何を始めるにしても、最初から完璧を目指したり、

結果を出していくというのは困難でしょう。(というかほぼ不可能と考えるべきです)

これは護身術を学ぶ上でも同じことで、

普通の人がいきなり強くなったり、凶器を持った相手に勝てるようになるはずがありません。

ですので人それぞれ差し迫った事情はあるかと思いますが、

ぜひ一度肩の力を抜いて、趣味感覚で始めてみてほしいと管理人は考えています。

 

Youtubeにアップロードされている護身術系の動画を適当に眺めて回ってもいいでしょうし、

自分で興味を持ったテクニックやメソッドを見よう見まねで再現しようとしてもいいでしょう。

(もちろんこの怪しいブログの記事を暇つぶし程度に読んでくださっても結構です)

最初のきっかけはともかく、まずは形から――始めてみることが何よりも大切なことです。

 

どんな分野にも当てはまることですが、

実際にやってみたことが無いことはいつまで経っても具体的なイメージが湧きませんし、

練習で一度も出来たことが無いようなことを、ぶっつけ本番で出来るはずもありません。

ですのでセルフディフェンスに触れる第一歩として、

老若男女を問わず、まずは”趣味程度”にやってみてほしいのです。

自分で考え、自分の体を動かし、何が必要かをイメージしてください。

そうすれば自ずから方向性が定まり、次の行動へと繋がり、また新たな探求心が生まれてきます。

 

時間がない社会人の方も、ゆとりのある学生や主婦の方も、

毎日とは言いません、週に1回程度で全く問題ありませんので、

「Youtubeで怪しいオッサンがこんな動きしてたなぁ……」と思い返してもらいたいのです。

その繰り返しが、いつ訪れるかわからない”その日”に、

あなたとあなたの大切な人を守るためのヒントになってくれるでしょう。


自分に合ったトレーニング方法を見つける3つのヒント

ここからは、自分に合ったトレーニングメソッドを組み立てるためのヒントを、

体格や今日までの運動経験など、3つの観点からお伝えしていきたいと思います。

老若男女を問わず誰でも今日から実践できる内容となっておりますので、

身を守ることに興味をお持ちの方は、是非一度参考になさってください。

 

”体づくり”を軸に組み立てる

学生の方や、今日までハードな運動の経験がないといった方は、

まずは土台となる体を作るところから始めていきましょう。

 

怪我をしない程度で全く問題ありませんので、

・基本的な柔軟体操(ストレッチ)

・自重を使った筋力トレーニング(腕立て伏せなど)

・軽いジョギングまたはウォーキング

などからスタートし、体を動かすことに抵抗がなくなってきたら、

少しずつボクシングや空手といった打撃系格闘技の動作を取り入れていきましょう。

 

また現時点において体重が超過気味――肥満の傾向にあるという方は、

決して無理をせず、体を労わりながら体重を落とすことに専念してください。

体重を落とす前からハードなトレーニングをしてしまった場合、

自然治癒が困難な靭帯・関節への中長期的ダメージの蓄積に加え、

ホルモンバランスの崩れや疲労による体調不良、強烈なリバウンドを引き起こす原因となり、

標準体型の方よりも大きなリスクが伴います。

 

同様に運動不足という自覚がある方も最初から無理をせず、

自分の体の声に耳を傾けながら、自分らしく、自分のペースで少しずつ動いていきましょう。

大切なのはまず始めること、そして少しずつでも継続していくということです。

最初から出来ないことなどわかりきっているのですから、何事も一つずつ、ゆっくり行うのが一番です。

 

スタイルの決定と基本動作の反復

週に3回程度の汗をかく運動習慣があり、

腕立て伏せを連続で20回程度行える体力があるという方は、

ぜひセルフディフェンスに関連する基本動作の反復に取り組んでみましょう。

 

ここで取り扱う基本動作というのは、

・頭部を保護する動き(基本のカバー動作)

・前後左右への足運び(フットワーク基礎)

・簡単なパンチや肘打ちといった打撃テクニック

などが該当し、いずれもYoutubeの動画や文献など、

自分の気に入った媒体から得た情報を基に、我流で取り組んでもらって構いません。

(正直このブログの内容は文字ばかりであまり参考にならないので、Youtubeを見てもらった方がよほど役に立つと思います)

 

気を付けてもらいたいのは、

「一度に沢山のテクニックを取り入れない」ということです。これはすごく重要です。

全く未経験の方にとって、最初に学ぶ技術や動作は今後を大きく左右します。

(だからこそ本当はジムやセミナーに通うべきなのですが、なかなか難しいというのが実情でしょう)

最初から「あれも、これも」と手を出してしまうと、

どれも一番大切なポイントが抑えられないまま中途半端なスタイルになり、

軸になるもの(バックボーン)が存在しないという、一番不安定で頼りない状態になってしまう恐れがあります。

 

そうなることを回避し、一回一回の練習に集中するという意味でも、

軸となるメソッドを決定(クラヴマガ、シラット、詠春拳……何でもOKです)

・その日取り組む内容を1つに限定(1つのスタンスから1つの動作というのがポイント)

10分から15分程度という短い時間に集中し行う

といった点に注意し行うことが肝要です。

そして個人差はあると思いますが、一週間から一か月ほど同じメソッド、同じセットメニューを続けた後、

自然な動作が身に付き自信が持てるようになったら、次のスタイルを試してください。

そうやって自分に合ったテクニックの系統を探り、時間をかけて自分のものにしていく意識が大切です。

 

因みに管理人の場合は、

極真空手→ボクシング→ムエタイ→クラヴマガといった変遷を辿りました。ご参考までに。

 

格闘技に挑戦してみる

いきなり飛躍しすぎと思われるかもしれないのですが、

ある程度身体が絞れていて、今日まで怪我無く運動を続けられているという方の場合、

何らかの格闘技を学んでいくというのが、やはり一番の近道になってきます。

 

トレーニング強度や怪我のリスクなどにある程度の違いはあれど、

・基本のウォームアップとストレッチ

・パッドワーク(ミットを使った練習)

・サンドバッグトレーニング

・スパーリング

など、練習内容の充実度では完全に我流で行う場合の量と質を遥かに凌駕します。

手っ取り早く強くなりたいなら、やはりジムや道場に通うのが王道に違いありません。

 

ただ、自分の学びたい格闘技のジムが地元でなかなか見つからないとか、

社会人で時間が限られているなど様々な事情があり、

多忙な現代人にとって週2~3回の練習に参加し続けるのは困難と言わざるを得ません。

 

そんな多忙な方にこそお勧めしたいのが、

セルフディフェンス専門の一日研修セミナー(一般向け講習会)です。

ネットで調べればいくらでもヒットしますから、

それらの中から興味が持てるもの、家から近い場所で開催されているものなどを選び、

都合のいい時間帯(週末に催されていることが大半です)を選んで受講の申し込みをするだけです。

全くの初心者を想定してメニューが組まれていることがほとんどなのでハードルも低く、

参加者もほとんどが自分と同じビギナーばかりなのでリラックスして臨めるはずです。

また「俺はやるぜ……」という本気の方の場合、

海外の法人向けセミナーに一般参加枠で忍び込むという裏技もあります。

(新型コロナが蔓延する以前は、管理人もしょっちゅう海外に足を運んでいました)


食事・睡眠の質を高める工夫を

ここまで長々と語ってきましたが、

護身術を学ぶにしても何をするにせよ、

人間は体が資本です。怪我をしていては元も子もありません。

 

自炊が面倒だからと食事をコンビニ弁当やジャンクフードで済ませたり、

不規則な生活・短い睡眠時間ではパフォーマンスが下がるだけでなく、

意識も低くなり何もいいことがありません。

 

あなたが本当の意味で強くなるためには、

なるべく新鮮な野菜や肉を口にし、しっかりと眠り、

規則正しい生活を送ることが何よりも大切です。

足りない栄養をサプリメントで補ってもいいでしょうし、

お金があるなら高品質なプロテインを活用してもいいのです。

繰り返すトレーニングと日々の生活を無駄なものにしないために、

お金と時間、そしてエネルギーの使い方をしっかりと厳選していきましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】最小の動作で身を守るテクニック【防犯・護身】

いつも心に一本のケバブ串を。どうもサイコ田中です。

現代護身術のコンセプトに共通するのは、

「シンプルかつ効果的」という点ですが、なかなかイメージしにくいかと思います。

2023年2回目のQuickTIPSでは、

最小限の動作で身を守るテクニックについてお伝えします。


恐怖や混乱は避けられない

管理人は20代の頃、日本国内ではまあまあ治安が悪いほうの地域で生活し、

クラブセキュリティという危険と隣り合わせの仕事も経験しましたが、

どれだけ体を鍛えて真剣に練習を繰り返しても、

怖いときは怖い——これだけはどうしようもありませんでした。

 

情けない話ですが、

今でも路上でいきなり体の大きい外国人に襲い掛かられたら、

一瞬パニックになって今日までやってきた事も、ノウハウやスキルもすべて忘れてしまうでしょう。

刃物を持った攻撃者がまっすぐ向かってきたら、足がすくむかもしれません。

銃口を向けられたら、泣いて許しを請うのかもしれません。

ですがこれは、人間である以上仕方がないのだと個人的に感じています。

 

ファイトというのは言うまでもなく非日常——言うならば異常事態です。

普通にしていたら経験することのない場面ですから、

パニックになったり、強い不安や恐怖を感じ、混乱に陥るのも無理はありません。

はっきり言って仕方がないのです。

(諦めてください、などとは言いませんが、そういうものだと思ったほうが楽になれることは確かです)

 

本気で誰かが襲ってくる状況に慣れるということはまずありえないでしょうし、

日本で暮らす以上銃弾が飛び交うこともなければ、

命がけで歩かなければならないスラム街というのも存在しません。(一部例外あり)

それでも昨今報道される凶悪事件や動機・目的の不明な暴行・傷害事件は決して他人ごとではなく、

「自分は大丈夫」などと考えていると生き残ることは困難に違いありません。

 

恐怖や不安、焦りを感じるのは仕方がなく、それはそれでいいのです。

問題なのは、そこからどのように状況を打開し、

なるべく無傷に近い状態——要するに五体満足で家に帰るか、ということです。

当ブログで紹介しているテクニックやメソッドは、そのためのヒントになると信じてお伝えしています。


最小の動作で身を守る:3つのテクニックと基礎知識

さてここからは表題にある通り、最小限の動作で身を守ることの出来るテクニックを、

それらを成立させるための基礎知識とともに3つお伝えしたいと思います。

性別年齢を問わず実践でき、なおかつ効果的なテクニックだけを厳選しています。

身を守ることに興味をお持ちの方は、是非一度参考になさってください。

 

手を顔の前に突き出す

なんだか情けなく頼りない恰好に見えるかもしれませんが、

手を前に突き出す「こっちに来るな!」のポーズは、

実はとても理にかなっています。

 

まずこの体勢が持つ最大の強みは、

顔面を保護できるという点にあります。

多くの攻撃者が高確率で狙うのは顔面または頭部への殴打などであり、

特に急所が集中している顔面の周りは最優先で保護すべき部位と言えます。

顔の前に手を突き出すことでそれ自体がブロックの役割を果たすだけでなく、

相手の視界を邪魔して攻撃を出しにくくするという効果もあり一石二鳥です。

 

また突き出した手が相手の体の一部(肩など)に触れている場合は、

そこから動き出しの気配を感じ取ることができ、その技術があればカウンターを合わせる、

適切なブロックをするという動作に繋げることが可能となります。

これは総合格闘家なども活用するテクニックであり、非常に実践的かつ効果的アプローチと言えるでしょう。

(このメソッドを活用する最も著名なファイターは、UFCの二階級制覇王者、コナー・マクレガー選手でしょう)

 

もちろんそんな体勢のままで防戦一方で状況は打開できないので、

相手の動きを見ながら反撃の機会をうかがい、

急所への攻撃などでノックアウトするところまでが目標となります。

 

肩をすくめて身を翻す

路上のトラブルで見られる典型的な暴行のパターンは、

・服や体の一部をつかむ

・両手または片手で胸倉または襟首をつかむ

・シンプルにグーで殴る

などであり、いずれも向こうから接近してくる場面が大半と言えます。

 

このようなシチュエーションで最も効果的な最小の動作は、

肩をすくめて闘牛士のように身を翻す、というものです。

具体的なやり方と原理を解説しましょう。

 

1.肩をすくめる

説明不要ですが、自分の首が完全に隠れてしまうくらい、

しっかりと肩をすくめます。

こうすることでまず相手は首の周辺に触れることが難しくなり、

肩で顎の周りが保護されるため、殴打のリスクにも対応できます。

(プロボクサーなどが見せる”L字ガード”などはこれの応用になります)

 

2.半身を切る(斜に構える)

半歩か一歩どちらか片方の足を引いて、

相手に対して斜めか真横に近い状態に体の向きを変えます。

これにより被弾面積が小さくなり、相手はうかつに手を出しにくい状態となります。

また仮に体の一部を掴まれていたとしても、

勢いよく半身を切りながら(上体を回転させながら)ステップアウトすることで、

そのまま振り払ってしまうこともできます。

相手に向き直った後は、自分の攻撃を繰り出す準備をするか、

相手が酔っ払いなどの場合「落ち着いてください」などと声をかけましょう。

 

3.1及び2のステップを同時に行う

ここまで説明した1及び2の動作をほぼ同時に行うことで、

ほとんどの敵意を持った動きは制することが可能です。

タイミングと相手の動きの見極めが重要となりますが、

こちらから手を出したくない場面や、

正当防衛が認められるかどうか判断が難しい局面においては有効な動作と言えます。

 

肩をすくめて小さく回る——ただこれだけのシンプルな動作ですが、

コツさえ掴んでしまえば女性でも相手に直接触れられる時間を大幅に短縮でき、

悪質な痴漢などが相手の場面でも効果を発揮してくれます。

相手が隙だらけなら、攻撃をかわされて動揺している相手の顔面に、

本気のパンチをお見舞いしてやりましょう。

(実際ほとんどの場面では無言で顔面を殴ったほうが早くケリが付きます)

 

金的への膝蹴り

身を守るうえで、金的攻撃ほど合理的なものはありません。

なぜ金的がそんなに効果的なのかについて簡単に説明します。

 

金的ありのムエタイマッチなどを見たことがある人はご存じかもしれませんが、

なぜか金的ありのルールで試合を行うと、

選手双方が顔でもボディでもなく、必死になって金的を守るように動きます。

正直見ていて哀れなほどですが、いかに金的が致命的な急所かを物語る事例と言えるでしょう。

 

また金的攻撃は与えるダメージが致命的なのに加え、

最小の動作で攻撃できるという点も強みに違いありません。

攻撃者があなたを襲っている場面では、恐らく互いに手が届く距離で、

なおかつ双方ともに立ち上がった状態であることが大半と考えられます。

このような状況で相手が金的攻撃をもらわずにあなたを恫喝などするためには、

極端に腰が引けてしまった、不自然な体勢を取らざるを得ません。

もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、

よほど体格差がない限り、一般的な成人男性同士のリーチ差である以上、

手が届く距離にいるならば必ず相手の股間——すなわち金的はいつも射程内にあるのです。

 

特に相手の顔が目の前にあるほど切迫・接近した場面(壁に押し付けられるなどしている)では、

どちらか片方の脚を上げるだけで膝が相手の金的に直撃します。

脚を上げるだけなのでもはや膝蹴りという動作でさえないのですが、

とにかく相手の金的がすぐに触れられる距離にあるというのは、

こちらが主導権を握るため欠かせない条件と言えます。

もしも相手の金的を打てる可能性をわずかでも感じられる場面では、

相手の顔や腹部の周辺などはそっちのけで、

黙っていきなり金的を攻撃しましょう。

膝蹴りはもちろん、距離がある場合は足の甲を使った蹴り、

手の甲で強く打つ、下から鷲掴みにする(!)など攻撃手段は多岐にわたります。

直感的にやりやすい方法で、ためらわず決めに行きましょう。

当たれば相手は倒れます。


「小細工なし」が一番強い?

護身術を聞くと、相手の視点や生理的な反応を駆使した、

一種のトリックのようなものを思い浮かべるという方もいらっしゃるでしょう。

確かにそうしたテクニックも多数存在しますが、管理人個人としては、

セルフディフェンスこそ「小細工・駆け引きなし」が最も強力と考えています。

 

理由はいくつかありますが、恐らく最も重要なポイントは、

「考えている時間がないから」ということでしょう。

緊迫した場面ではあれこれ考えたり、準備をしている時間などありません。

(というか相手がそれを与えてくれません。やるしかないのです)

ごちゃごちゃと手順の多いテクニックは、何度練習を重ねても結局は本番で、

「これをああしてこうして……」と余計なことを考える羽目になり、

結果反応も遅れ、手順が飛び、より混乱が強まるという最悪な結末につながってしまいます。

そうならないよう練習通りの動きができるまで反復あるのみなのですが、

相手がいつも想定通りに(練習の流れ通りに)動いてくれるという保証はなく、

そうしたメソッドは汎用性に欠け実戦的とは言えません。

 

あれこれ考えるのはやめ、直感や本能というものに身をゆだね、

その時最適と思える動作を取ることが、結局は生存率を高めることにつながります。

(人間はもともとそのように作られているとも言えるでしょう)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】危機管理能力を高める街歩きのポイント【防犯・護身】

いつも心に1発の携帯式対空ミサイルを。どうもサイコ田中です。

皆さんは年末年始をどのように過ごされたでしょうか。

実家でゴロゴロしていただけの人も、やる事が山積みで全く余裕の無かった方も、

仕事始まりとともに少し落ち着いてきた頃でしょうか。

新型コロナの世界的な蔓延とともに例年ほどの活気こそ失われたにせよ、

初詣や実家周辺の挨拶回りでいつも以上にあちこち歩き回ったという方は、

決して少なくはないでしょう。

新年第1回目は、

そうした何気ない街歩きを通して身を守る能力を高めるためのポイントについてお伝えしようと思います。


人は目的も無く近づいては来ない

「何を当たり前のことを……」と思われてしまうかもしれませんが、

人は目的も無く近づいては来ません。

逆に言えば、誰かがあなたに近づくとき、

そこには必ず何かしらの目的と意図があるということです。

 

たとえ相手が足を引きずった高齢の男性であれ、

今風のオシャレな格好をした若い女性だったとしても、

声をかけられたり歩み寄られた時には、

ある程度警戒するべきです。

 

昨今は通り魔に近い形の無差別殺傷事件はもちろんのこと、

目的や意図、行動原理の不明瞭な迷惑行為の報道が頻繁に見受けられます。

こうした事件に共通して挙げられるのは、

・対象を選ばない

・時間帯や場所を問わない

・これといったきっかけがない

という点であり、

いつどこで誰がターゲットになっても不思議ではないことを意味しています。

 

他国に比べかなり治安が良いとされている日本ですが、

それでも常識や倫理観、最低限のモラルのない危険人物はどこにでも潜んでいます。

こうした危険因子を少しでも遠ざけるために、

目的や意図が読めない相手の安易な接近は、許さない姿勢が肝要と言えるでしょう。

(「人を見たら泥棒と思え」とまでは言いませんが、それぐらいの心掛けでいるほうが安心でしょう)


街歩きで危機管理能力を高める3つのポイント

さてここからは実際に普段の街歩きで危機管理能力を高めるためのポイントを、

誰もが実践できる内容を中心に3つ、お伝えしたいと思います。

性別年齢を問わず実践可能で有効なノウハウとなっています。

身を守ることに興味をお持ちの方は、是非一度参考になさってください。

 

小さな違和感を見逃さない

「探偵ごっこがしたいの?」と言われてしまいそうですが、

わずかな違和感やおかしな所を見逃さないことは、

最終的に自分自身の身を守ることに直結してきます。

 

例えばよく歩く散歩ルートに自動販売機があったとしましょう。

あなたがそこで飲み物を買おうと思った場合の自然な動作は、

1.ポケットまたはカバンから財布を取り出す

2.必要な数の硬貨または紙幣を投入する

3.欲しい飲料のボタンを押し、出てきた飲み物を取り出す

という流れになると考えられます。

自動販売機に向き合っている時間が長く、

意識の大部分は自分自身の手元や自販機周辺に向けられています。

 

もしも自販機の近くに人がいて、上記以外の所作や視線の動きが見られるような場合、

その人物の目的は「自販機で飲み物を買う」以外のところにあると考えられ、

要注意となります。

(そしてそういう人物は高確率で「釣銭漁り」をするか、自販機周りの小銭を探します)

 

TPOという概念がありますが、

人にはその時、その場、その目的に見合った振る舞いというものがあり、

そこから外れている場合目的は別にあると考えられ、警戒の対象となります。

例えばスーパーで買い物をしていて、

陳列棚ではなく周囲の人の動きばかりに注意を払う人物がいた場合、

この人物はこれから万引きをするつもりでいるか、既に商品を隠し持っている可能性が高いといえるでしょう。

(同様にして経験の浅い万引きGメンはついつい人の動きばかりを観察しがちなのですぐに見分けられます)

 

「こいつ何やってんだ……?」と思ったときは距離を取るように動くか、

スマホのカメラ(動画モードのが望ましい)を起動してその動静に注意を払いましょう。

 

”落書き”の数と内容に気を付ける

都会はもちろん、郊外の街中でも田舎の寂れた商店街にせよ、

どこかしらに缶スプレーによるものと思われる落書きは見られます。

これらは犯罪など悪意に結び付いたものも含まれるため、

最大限の注意が必要と言えます。

 

彩り豊かでアーティスティックなものならそれほど問題にはなりませんが、

・同じような形状のマークやシンボル

・シンプルな×印や〇印など

・数字やアルファベットを組み合わせた文字列

などは好ましくありません。

 

特に数字とアルファベット組み合わせた文字列については、

空き巣や窃盗を計画する者が、

対象となる家または部屋の家族構成や家を空けている時間帯などを示したものである可能性が高く、

トップクラスの危険信号と言えるでしょう。

このような落書きが目に付く区画には悪意ある人物や集団が潜んでいる確率が極めて高いため、

夜間の外出はなるべく控え、特に女性はしっかりと戸締りをして就寝することを強くお勧めします。

また引っ越しを考えるようなときには、

入居希望のアパートなどの周辺に上記のような危ない落書きが無いかを事前に確かめ、

少しでも不安を感じた場合は例え条件が悪くなってでも別の場所を選ぶべきでしょう。

 

不審な車の存在に注意を払う

夜間人気のない場所でずっとアイドリングしていたり、

ライトを消して隠れるように停めている暗い色の車両は、

例え何ら脅威を感じなくても、危険因子としてマークすべきです。

 

そもそも車というのは移動手段または荷物の運搬手段であり、

エンジンをかけたまま停車状態を維持する意味はあまりありません。

(車中泊や人を待つなどしている場合は別です)

よって目的も無さそうなのに長時間アイドリングしたままの車両や、

夜間人目につかない場所でライトを消して停まっているような車は、

その時点で目的のわからない不審な対象ということになります。

(なので巡回中の警察官はこうした車両を積極的に職務質問の対象にします)

 

中には本気でただ一人の時間を持ちたいだけの人や、

これから車中泊をしようと考えている(あるいは現在進行形でしている)人もいるので一概には言えませんが、

・車内に複数名いることが伺える車両(タバコの吸い殻や携帯電話の画面が発する光など)

・明らかに車中泊には適さない車両(セダン・クーペなど)

・ちょっとずつ動いている車(職質を回避する意図がある・危険度高め

などは管理人個人の経験上要注意です。

 

特にボディタイプなどの特徴でいうと、

・車高を落としたセダンまたは大型ミニバン

・窓やライト類に暗い色のフィルム

ルームミラーに飾りがぶら下がっている

・字光ナンバー(かなり危ない)

などが最悪で、

「車高を下げた黒系のセダンまたはミニバンで字光ナンバー」という特徴は、

車の運転中はもちろんのこと、コンビニ等の駐車場で目にした時も、

なるべく早く立ち去るなど、距離を置くように動くことを強くお勧めします。

(管理人個人の経験上、まともな人間は乗っていません)


ただの通勤・散歩を高度な訓練に

さて、ここまで街歩きの中で危機管理能力を高めるポイントを紹介してきましたが、

とにかく大切なのは意識すること・続けることです。

 

本気をで身を守りたいと思っているような人はおそらく無意識のレベルで実践できているかもしれませんが、

今日までの何の危機感も持たずに過ごしてきた人がいきなり始めて意味や効果を実感するというのは難しいかもしれません。

 

最初は難しいかもしれませんが、

・人や車の動きを注意深く観察する

・普段と違う(ように感じる)ところを探す

・規則性のある落書きを見つける

といった形で、肩の力を抜いてゲーム感覚で取り組むと、

短い時間で習慣化し、いずれは完全に無意識で出来るようになるでしょう。

 

わずかな視点や意識の変化によって、

何気ない息抜きの散歩や通勤・通学の時間が、

あなたやあなたの大切な人を守ることにつながる訓練になります。

私立探偵にでもなった気分で、視界に入る様々な場所に目を凝らしましょう。

いざというときあなたを助けてくれるヒントが、どこかに転がっているかもしれません。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】誰もが知っておくべき実践的護身テクニック BEST5【2022年まとめ】

いつも心に1本の大型車載用消火器を。どうもサイコ田中です。

早いもので、2022年という年もすでに終わりを迎えようとしています。

皆さんにとって2022年は、どのような1年になりましたか?

管理人個人としては、仕事量が一気に増えたせいで夏以降の記憶がほぼ残っていないという状況です。

もう歳は取りたくねえなぁ……。

さて、2022年最後の記事は、

”誰もが知っておくべき実践的護身テクニック BEST5”と題しまして、

性別・年齢を問わず知っているだけで効果的なセルフディフェンス・テクニックを、

ランキング形式で紹介していきたいと思います。


「やるしかない場面」は突然に

ラブストーリーが突然始まるのは結構ですが(?)、

今の世の中は大変荒んでおり、世界的に治安が良いとされている日本という国においても、

「やるしかない場面」というのは唐突に訪れるものです。

 

・レジの順番待ちに割り込まれた

・マスクを着用していないことを注意された

・隣室の生活音や話し声がうるさかった

というあまりに幼稚なものから昨今報道件数の増えつつある「近隣トラブル」に至るまで、

我々の生活環境にはありとあらゆる所にトラブルの種が潜んでいます。

それらのほとんどは自力で回避することも困難ではありませんが、

「話の通じない相手」や「最初からトラブルを望んでいる相手」というものはどうしようもありません。

 

トラブルを回避するために危機管理能力をフルに発揮し、

日ごろの言動に細心の注意を払っていたとしても、

残念ながら最後には「やるしかない状況」に追い込まれてしまいます。

決して理由や根拠もなく「自分だけは大丈夫」などと慢心したりせず、

いつでも自分は被害者になり、平穏な日々を壊される可能性があることを忘れてはいけません。

大げさな表現に思われるかもしれませんが、昨今日本国内で報道されている事件や問題は、

絶対に他人事ではありません。

「明日は我が身」の精神で生活し、ある程度は心の準備をしておきましょう。


明日から使える防犯・護身テクニックBEST5

さて、ここからは性別年齢を問わず知っているだけで誰もが効果的に運用できる護身テクニックを、

ランキング形式で合計5つ、紹介していきたいと思います。

専門的な知識や格闘技などのバックボーンは一切必要ありません。

身を守ることに興味をお持ちの方は、ぜひ一度参考になさってください。

 

第5位 武器になるものを探す

いざという場面での生存率を高めるために大切な習慣の一つに、

武器になるものを探す、というものが挙げられます。

 

当ブログでは複数の関連記事で同様のTipsをお伝えしてきましたが、

常に一貫していることは、

・ある程度の重さと硬さがあるもの

・握りこめる大きさのもの

・先端が尖っているもの

などが主に即興武器の候補となりえるということです。

 

特に「手の中に隠せるもの」「先の尖ったもの」という二つの条件を満たす道具として、

一般的なボールペンは非常に心強い味方となってくれるはずです。

ボールペンに限らず文具の大半は所持・携行していても全く不自然でないうえに、

いざというとき取り出して相手の体の柔らかい部位(目・喉・肩口など)に突き立てるだけで、

ほぼ一撃必殺の効果が得られるという優れものとなっています。

あまりに鋭利なものはその場で相手に重傷を負わせ、過剰防衛に問われるリスクがあり大変危険ですが、

そこら辺の机に投げ捨てられているボールペンならば何の問題もありません。

トラブルの場面に遭遇したら、胸ポケットやバッグ名の中にペンが無いか確かめておきましょう。

 

第4位 相手の足を全力で踏みつける

護身術と聞くと、多くの方が「相手の腕をああしてこうして……」と、

難しいテクニックや一連の所作を思い浮かべがちだと思われますが、

そんな複雑な動作や考え方や必要ありません。

 

相手があなたの目の前にいて、なおかつ胸倉を掴まれるなど既に接近し緊張した状態ならば、

相手の足を、上から全力で踏みつけてください。

驚くほど簡単ですよね?

極めてシンプルなこのテクニック、実はとても効果的です。

 

人間の足は、手と同様に非常に細かい骨と靭帯・軟骨などで構成されており、

足の裏は分厚くそこそこ強靭と言えますが、

上からの力——特に足の甲から指先にかけての部位への打撃に対しては、

紙装甲ともいえるほどの脆さを見せます。

 

タンスの角などで親指や小指を強打すると動けなくなるほど痛いというのは、

日本人のほとんどの方が今日までに最低一度は経験しているはずですが、

足の指というのはある意味において人体の急所であり、

特にトラブルの場面で頭に血が上っている相手は、

視野が狭くなるうえにあなたの顔の表情や所作ばかりに気を取られがちなので、

いきなり足を踏まれてもほとんど反応できません。

(管理人個人の経験上、9割がたの攻撃者は自分が足を踏まれるなんて思ってもいません)

 

男性であれば革靴または作業靴のかかと部分で、

女性の場合はヒールの底で突き刺すようにして、

相手の足の甲——特に足の指に近い部分を狙って全力で踏みつけてやりましょう。

相手がサンダルや軽いスニーカーのようなラフなものを履いている場合は、

致命的なダメージになること間違いなしです。

(想像以上に強力なので、言うまでもありませんが悪用厳禁です)

 

足手の足を踏みつけた後は、大きなトラブルになる前にさっさと立ち去るか、

顔面に一発入れるなどして確実に動きを止め、脅威を排除してください。

 

第3位 顔に液体をかける

昨今大きな問題になり、とうとう日本国内においては厳罰化の対象となった「煽り運転」ですが、

ファイトを望んで車から降りてきた相手をほぼ一撃でノックアウトする方法があります。

それが、相手の顔面に液体をかけるというテクニックです。やはりこれが第3位にランクインしてきましたね(?)

 

難しいことは何も考えず、持っている液体(飲み物・化粧品・車の洗車用品など)を、

近づいてきた相手の顔面に浴びせるだけです。

特に煽り運転など相手が自分からこちらに向かって近づいてくるとか、

「ここに来る」とわかっている場所(運転席など)をのぞき込んでくるような場面では、

ほぼ確実に決まります。そしてそこで終わります。

 

ただの飲料などでも問題はありませんが、

・エナジードリンクなど刺激の強い清涼飲料水

・消毒用アルコールなどの薬品

・特定の化粧品や洗剤の類

・80℃以上の熱湯

などは特に効果的であり、車内やカバンの中に携行していても全く不自然ではないため、

後から警察に事情を聴かれても大きな問題になりにくく一石二鳥です。

 

「やべー奴がこっちに来そうだな……」と思ったときは、

飲みかけのエナジードリンクをぶちまける準備をしましょう。

溺れている(動きが鈍くなっている)相手に何発か入れてしっかり止めを刺すこともお忘れなく。

 

第2位 相手の腕にしがみつく

相手の腕でにしがみつく、などと表現するといかにも情けなく頼りない印象ですが、

性別年齢を問わず生存率を向上させるため欠かすことの出来ないテクニックです。

この基本動作”アームコントロール”が2022年管理人イチオシのテクニックで、無事第2位にランクインしています。

(疲れで一体何を書いているのかわからなくなっていますが、どうかお許しください)

 

路上トラブルには様々な場面が存在しますが、

最も典型的で遭遇率の高いシチュエーションは、

・胸倉を掴まれ恫喝される

・服の一部を掴んで押すor引っ張られる

・掴まれたまま殴打される

などであり、互いに手が届く状況で、体の一部を掴まれていることが多い傾向にあります。

こうした状況で体格差などがあると一方的に殴られノックアウトされるなどリスクが極めて高く、

棒立ちのままでいるのは大変危険です。

 

実戦的な現代護身術や格闘技の知識は全く必要ないので、

とにかく相手の利き腕(基本的には右腕になると考えてください)を両手で抱え込み、

「十分な攻撃ができない状態」に抑え込む努力が肝要です。

 

特に重要なポイントは、

・相手の腕に対してなるべく体重を乗せるようにする

・しっかりと両腕で抱え込むようにする

・相手の肩のあたりに自分の頭を押し付ける

という3点です。

 

相手の腕にただ漫然としがみついているだけでは、あっけなく振りほどかれてしまいます。

相手の腕をホールドすることに成功したら、

地面に押し付けるようなイメージで体重をかけて、可能ならそのまま壁などに押し込むようにするのが理想的です。

また片腕だけでは力が分散するうえ、体重を預けるのも困難になってしまいます。

なるべく相手の腕は両方の腕で抱きかかえるようにし、

(かの有名な「ダッコちゃん人形」を思い浮かべてください)

簡単に引き抜かれたり振り払われたりしないよう、なるべく相手の腕が伸び切った状態を保つよう心がけてください。

ここまでのポイントを押さえてアームコントロールを試みた場合、

半自動的にあなたの体勢は相手の肩のあたりに顔または頭を押し付けるような形になっているはずです。

この状態は顔面の殴打などを食らいにくく最も安全なため、

たとえ相手の腕をきちんと掴み損ねたとしても、相手の攻撃側の腕(主に右腕)を意識し、

肩の向こうに顔を出したり胸元に顔を押し付けたりすることは、決して無駄にはなりません。

(ボクシングにおいてはクリンチと呼ばれる状態ですが、なるべく攻撃をもらわず休むための効果的な戦略です)

 

残念ながら相手の腕にしがみついていても、時間稼ぎにしかならず状況は悪化していきます。

そこから耳や首筋を狙って噛みつく、頭突きを入れるなど攻撃に転じ、

確実に自分が優位に立てる形に持っていくことを決して忘れないでください。

 

第1位 さっさと逃げる(トラブルを避ける)

堂々の第1位は、お察しの通りというべきかもしれませんが、

当ブログではもはやお馴染みとなったノウハウ、

「さっさと逃げる」です。

仕事や恋愛ではどうか知りませんが、

トラブルの場面では迷わず逃げるのがベストと言い切ってもいいでしょう。

 

多くの路上トラブルの現場においては、

・相手が複数名

・相手が体格的にこちらよりも有利(身体が大きい)

・相手が何らかの凶器を手にしている

といった状況が珍しくはなく、

勇猛果敢に向かっていくのは勝手ですが、

ボコボコにされてそこら辺の道端に転がされるのが目に見えています。

(最悪の場合、命を落とす可能性さえあります)

 

トラブルに近づかない、自分自身がトラブルの原因を作らないことはもちろんのこと、

明らかに「ヤバそうな奴」と揉めそうになった時には、

恥も外聞も気にせず全力で逃げることを試みましょう。

 

たとえ相手にお金を掴ませることになっても、

その場で土下座をすることになったとしても、

あなたが五体満足で家に帰ることができれば、それはあなたの勝ちです。

相手は最初から話の通じないトラブルメーカーか犯罪者予備軍であり、

一般的な倫理観や常識は一切通用しません。

そんな相手と張り合い、傷つき、被害者または加害者になるなど全くナンセンスであり、

何の意味もなくそこには無駄しかありません。全てが徒労です。

 

危険な相手からはどんな手を使ってでも距離を置き、

なるべく関わらないことを最優先に行動することが何よりも大切です。

そしてそのためには日ごろから危機管理能力の向上に努め、

あなたにとって脅威となる可能性のある対象を見分け、トラブルを未然に防ぐ立ち回りが求められます。

 

とはいえ世の中そんなに甘くはなく、

あなたが精いっぱい努力してトラブルを回避しようとしても、

また逃げることを試みてもどうにもならない状況というのが必ず生じてきます。

その時には、全く逆——すなわち相手に向かっていく方向にシフトしなくてはなりません。

命をかけて闘い、最後の最後まで抵抗しましょう。

あなたのたった一度きりの人生を脅かし、平穏を乱す対象というのは、

たとえそれが家族や恋人であったとしても、敵とみなすべきです。


あなたの中の“狂気”を味方に

さて、ここまでランキング形式で管理人イチオシの護身テクニックを紹介してきましたが、

「これは使えそう……」とか、「今度試してみよう」と思えるものはありましたか?

 

このブログにたどり着き、こうした記事をお読みになっている方というのはおそらく、

管理人の私自身と同様に、内面にある種の狂気に近いものを内包されているのではないかと推察します。

事情は人それぞれとは思いますが、

・身を守る必要性を感じている

・何かと闘おうとしている

・人知れず強くなりたいと思っている

というのは、平穏な日々を送る一般人には理解しがたく、また生じようもない欲求・衝動に違いありません。

 

今、この記事を読んでくださっているあなたが何と闘おうとしているのかは、私にはわかりません。

ですが環境や状況を問わず共通してお伝えできる言葉があります。

「その狂気はすでに強力な武器だから、もっともっと研ぎ澄ませてください」

私が初めて師事した外国人講師からの助言です。

あなたが持っている常人に理解できない感性や感覚、神経構造はあなただけの強力な武器です。

もしも身近にあなたやあなたの大切な人を傷つけようとする危険人物やコミュニティが存在するならば、

あなたはその対象を全力で叩き潰し、あなたの人生を取り戻すべきです。

過激な言い回しになりますが、それはあなたの当然の権利で、そうしても良いのです。

一番大切なのは、あなた自身のたった一度きりの人生です。それはいつでも変わりません。

 

 

なんとも雑な締め括りとなりましたが、

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

【コラム】映画で学ぶ護身術:第3回『ザ・ゲスト』【新シリーズ】

いつも心に1本のロックピックハンマーを。どうもサイコ田中です。

今回はシリーズ「映画で学ぶ護身術」の第3回として、

2014年に公開された洋画『ザ・ゲスト』を紹介したいと思います。


『ザ・ゲスト』のあらすじと見どころ

今回紹介する映画『ザ・ゲスト』(原題:The Guest)は、2014年にアメリカで製作された作品であり、

極めて一般的なB級アクション映画の雰囲気を漂わせていながら、

そのカテゴリ(ジャンル)が”スリラー”に設定されているのが大きな特徴と言えます。

 

大まかなあらすじとしては、

戦争で長男を失ったとある一家に、ある日長男の友人を名乗る男が訪れる……というものですが、

そこからの展開の変化と物語の加速感は凄まじく、

ぼんやり鑑賞していると置いて行かれること間違いなしの、

ジェットコースター型サスペンス映画となっています。

 

一応ジャンルが”スリラー”となっているため誰にでもお勧めできる作品とは言えませんが、

主演のダン・スティーヴンスの圧倒的イケメンぶりを眺めているだけでも十分に楽しめるので(?)、

管理人個人としてはぜひ女性の方にも観ていただきたいと思っています。


『ザ・ゲスト』で学べる3つの実戦的護身テクニック

ここからは映画『ザ・ゲスト』の劇中シーンから、

現実のセルフディフェンスにも応用できそうなテクニックを3つ紹介したいと思います。

身を守ることに興味をお持ちの方は、当該のタイトルを観ていなくても全く問題ありませんので、

ぜひ一度参考になさってください。

 

顔面に刺激物を浴びせる

これはバーでの戦闘シーンにおいて確認できるテクニックで、

体力やスポーツの経験などに関わらず、誰にでも実践可能なアプローチとなっています。

 

ダン・スティーヴンス演じるデイヴィッドはバーでファイアボールというカクテルを注文しますが、

これはウイスキーにシナモンや唐辛子といった香辛料を漬け込んだ、

匂いだけで咳き込むほど刺激の強いカクテルです。

デイヴィッドはこれを攻撃者の顔面に浴びせることで不利な条件において先手を取ることに成功します。

こうした攻撃方法は手軽で確実、なおかつ効果的であり、

実生活における緊迫した場面においても、力を発揮してくれることに疑いはありません。

デイヴィッドは一時再起不能にした相手をしっかりとノックアウトしていますが、

体格差が大きい場面や体力に自信がないときには、

相手の顔にぶちまけてさっさと逃げる、というのも有効です。

 

ここで詳細な内容を記載するのは好ましくないため深く掘り下げることは避けますが、

・市販の眠気覚ましドリンク(エナジードリンクなど)

・洗濯用液体洗剤

・シンプルに熱湯

などは携行していても特に不自然でなく、十分効果的と言えるでしょう。

 

この系統のトピックでは毎回のようにお伝えしていますが、悪用は厳禁です。

ここで紹介している知識やテクニックは、身を守る目的のみに用い、

決して犯罪や人を傷つける行為に応用してはいけません。

 

先手を取る立ち回り

常に自分が相手を圧倒できる状況を作ることは、

身を守るうえで欠かすことの出来ない技術に違いありません。

 

前項で紹介した「液体を浴びせる」というのもその一つであり、

劇中の戦闘シーンのほとんど全てのにおいて、

デイヴィッドは自ら仕掛けることで、相手を圧倒しています。

 

日本の法律では手を出した時点で暴行罪になってしまうため、

軽率な振る舞いはなるべく回避したいところですが、

一刻を争う場面や生命の危険が感じられるような局面においては、

手段を選んでいる余裕はありません。

 

結果が好ましくない方に向かったとしても、

積極的に自分から仕掛けて状況をコントロールし、

なるべく無傷でその場を立ち去れるよう、常に心の準備をしておくことが大切です。

不意打ちの先制攻撃は護身の第一歩と覚えておきましょう。

 

環境を利用した攻撃

現代護身術においては、周辺環境を利用した攻撃手段も重要視されており、

その例となる場面も『ザ・ゲスト』には散見されます。

 

バーでの戦闘シーンにおいては、

・刺激の強いアルコール飲料

・ビリヤードキュー

・酒瓶

などが環境に絡んだ即興武器として機能しており、

その場にあるものを武器にするという、現代護身術の基本がわかりやすく表現されています。

 

またホームパーティのシーンでは、

壁際に立った状態から相手を殴打するのではなく、

壁に相手の頭を叩きつけることでノックアウトするという描写が見られますが、

これも環境を利用したアプローチのサンプルに相違ありません。

 

無数に存在する攻撃手段の中から、

「今、どれが最も確実で効果的なのか」を短い時間で判断し実行するというのは、

決して容易なことではありません。

よって日ごろから高いレベルで(なるべく現実に即した内容で)イメージトレーニングを反復することや、

今現在自分がいる場所の周囲で武器になりそうなもの(文具類・棒状の金属など)を探す習慣

実際に起きた事件などを参考にした傾向と対策の立案などが重要になります。

 

しっかり体を鍛えたり格闘技を習うことも大切ですが、

広い視野で周辺環境を俯瞰し、自分にとって有利な条件や素材がどれだけ揃っているかを探ることも、

生存率を高めるうえで欠かすことの出来ないトレーニングです。

日常の何気ないワンシーンの中に、勝利のカギは転がっているかもしれません。


「ただの一般人」が生き残るためにできること

さて、ここまで映画『ザ・ゲスト』の内容に絡んだ護身テクニックを紹介してきましたが、

映画の登場人物で敵を圧倒しているのはそのほとんどが軍人や格闘技経験者、

体を鍛える習慣のある人物であるというのが一般的です。これは揺るぎません。

(『ザ・ゲスト』における謎の男デイヴィッドも、軍人というバックボーンがあることは明らかです)

 

軍人でも格闘家でもない、ごく普通の一般人が極限状態を生き延びるために大切なのは、

わざわざ語るまでもないことなのですが、

徹底してトラブルまたは争いごとを回避することに他なりません。

 

危険な人物または場所に近づかない

・自分から積極的に譲る、または一歩引く姿勢で接する

・たとえ相手から舐められても、「舐めている」と思われない振る舞いを心がける

といった対応が肝要であり、こうした「大人の対応」は社会生活における多くの場面で、

あなたにとってプラスの結果をもたらしてくれるはずです。

相手と争って勝つのが目的なら、リングに上がって闘ってください。

生き残りたいのなら、どうすれば争わずに済むのかを考えましょう。

それが最もスマートな危機管理のメソッドであり、

セルフディフェンスの最適解ではないでしょうか。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【QuickTIPS】”ブリッツクリーグ”の考え方と実践【護身術】

いつも心に1台の業務用冷凍庫を。どうもサイコ田中です。

現代護身術には様々なコンセプトやアプローチの体系が存在しますが、

近年アメリカの一部地域またはオランダにおいて独自に発展しつつあるアイデアの一つに、

”ブリッツクリーグ(Blitzkrieg)”というものがあります。

この記事では、最新の現代護身術コンセプトである”ブリッツクリーグ”について、

なるべく短い時間で解説・紹介してみたいと思います。


まずは身体づくりから

身を守ることに興味をお持ちの方や護身術を学びたいという方に、

管理人がまず最初に伝えたいことは、

「とにかく身体を大きくしましょう」ということです。

(女性には不適切なアドバイスかもしれません)

 

身を守るために出来ることで最も効果的で速効性が高いのは、

格闘技を学ぶことでも、防犯グッズを持ち歩くことでもありません。

なるべく身体を大きく、——要するに強く見せることです。

 

どのような攻撃者も、また悪意のある人物も、

一番最初にターゲットに選ぶのは、

「自分がたやすく圧倒できる相手」に他なりません。

結論から言えば、「自分よりも弱く見える相手」ということになります。

これは人間だけでなく、肉食の全ての動物に当てはまる本能とも言えます。

(遺伝子に最初からそのようにプログラムされているとも言えるでしょう)

 

よって、あなたが他者からの攻撃や悪意に晒されない最もシンプルなアプローチは、

客観的に見て「こいつを相手にするのは難しい」、

または「自分より弱いとは言い切れない」という印象を与えるということです。

(「自分より強いかもしれない」というのが理想ですが、それは少々無理のあるお話しです)

逆に言えば、それぐらいの第一印象を与えられる程度のフィジカルがあれば、

ほとんどの危機的状況や路上トラブルなどは未然に防ぐことが出来るということになります。

 

格闘技や実戦的な護身術を学ぶのはとても重要なことですが、

「トラブルになった時どうするか」を考える以上に、

「トラブルを未然に防ぐにはどうすればいいか」を考えるほうがよほど有意義かつ効果的であることは言うまでもありません。

 

男性の場合は軽度の自重トレーニングと食事管理からスタートし、

まずは現在の体重から5キロ増を目指していきましょう。

既に体重が超過気味……(太ってしまっている)という方は、

ウォーキングまたは軽めのジョギングと並行し摂取カロリーを制限し、

1か月で3キロ減を目安に身体を絞っていきましょう。

自信もついて女性にもモテる、まさに一石二鳥です。(個人差があります)


”ブリッツクリーグ”の考え方と実戦への応用

ここからは海外の現代護身術市場においてささやかなブームとなりつつある(?)コンセプト、

”ブリッツクリーグ”について、その基礎と実際の運用方法など3つの項目に分けてお伝えします。

格闘技の経験が無い方や今日まで護身術を学んだことがない方でも、

「知っているだけ」で効果的な内容となっていますので、ぜひ一度参考になさってください。

 

相手に準備する時間を与えない

これは現代護身術のあらゆるコンセプトに共通する考え方の一つですが、

とにかく目の前の攻撃者に対し、

・考える時間

・準備をする時間

・手を出す時間

という3つの時間を一切与えないことが重要なポイントです。

 

これはブリッツクリーグ・コンセプトを構成する要素の一つである、

「速攻性」に該当し、崩れた表現を用いるならば、

「やられる前にやれ」ということになります。

(とにかく「先に手を出せ」と言い換えてもいいかもしれません)

 

攻撃の気配を感じさせない

また同時に、相手に攻撃の意図を悟らせないことも重要です。

手を出す直前までは相手の話に耳を傾けたり、

「もうやめましょう」「向こうで話を聞きます」などと下手に出つつ、

相手の集中力と意識を、《これから自分が攻撃を行う部位》から遠ざける工夫が大切です。

ファイティングポーズを取ると相手は警戒またはより興奮して逆効果になるため、

顎に手を添えて考え込むようなポーズを取ったり(インタビュースタンス)、

広げた両手を顔の前に突き出して「落ち着いてください」という姿勢を見せるなど、

とにかくいつでも顔面及び頭部を保護できる体勢を作っておけばそれで十分です。

(要するに「これからお前を殴るぞ」という意思が伝わられなければ何でもOKなのです)

 

相手の頭部を攻撃するなら手の動きなどを使って目線を下へ、

(わざと財布や車のカギを落としたり、スマホの画面を見せたり)

相手の金的など下腹部を狙って攻撃するなら目線はより上方へ、

(何度も髪の毛を触ってアピールしたり、手を顔の前に突き出すなど)

視線を誘導するのは先制攻撃を確実に当てるための第一歩であり、必要不可欠な仕掛けです。

 

また攻撃の際も振りかぶる・強く踏み込むといった予備動作は最小限に抑え、

なるべく最初の立ったままの姿勢から最速で出せる攻撃手段を選ぶべきです。

(頭突き・肘打ち・膝蹴りなどは予備動作が小さく与えるダメージも大きいため理想的です)

 

攻撃を一点に集中させる

”ブリッツクリーグ”というコンセプトの大きな特徴の一つは、

その語源通り攻撃を一点に集中させる——集中砲火という考え方に違いありません。

 

例えば相手の頭部を狙うと決めた場合は、

・ジャブ→ジャブ→ストレート→肘打ち

・頭突き→肘打ち→肘打ち→肘打ち

といった具合に、

同じ部位に最低でも3回~4回のまとまった打撃を与えることが目標となります。

 

同様にして下腹部を狙う場合、

・腹部への前蹴り→膝蹴り→膝蹴り→金的蹴り

・金的蹴り→金的蹴り→腹部への膝蹴り

のようにして、攻撃を切れ目なく繋げて圧倒するイメージを持つことが重要です。

 

ブリッツクリーグにおける集中連打の練習は一人でも十分に行うことが可能です。

やり方は至って簡単で、上で紹介したコンビネーションセットを、

「今日はこれをやる」と決めて疲れるまで反復するだけです。

好きな音楽を聴きながらでも、筋トレの締めにでも、単なる暇つぶしでも問題ありません。

毎日違ったコンビネーションパターンを繰り返して体に覚えさせ、

いざ「その時」が来たら自分が望む最速・最強の攻撃パターンで相手を圧倒しましょう。


ただの速攻が”ブリッツクリーグ”ではない

管理人がブリッツクリーグ・コンセプトについて学び始めた当初は、

とにかく手数で相手を圧倒するというつまらないアイデアだと勘違いしていましたが、

何度もオンラインセミナーに参加するうち、それは致命的な勘違いだったと気付かされました。

 

”ブリッツクリーグ(電撃戦)”の肝となる概念とは、

「素早い不意打ちから同一部位への止まらぬ速攻による圧倒」であり、

根底にあるものはかの有名な詠春拳やジークンドーなどと大差は無いように思えます。

(ジークンドーは攻撃を散らす傾向にあるため似ているとも言い切れませんが)

 

現代護身術には様々なコンセプトやアプローチがあり、

どれを学ぶのが理想的かわからなくなってしまいますが、

実際にやりたいことはそう大きくは違わないのではないかと管理人は考えています。

 

・急所への不意打ち

・死角からの速攻

・相手が倒れるまで攻撃する(脅威を感じなくなるまで手を止めない)

これらの要素はどのような技術体系にも共通しており、

どれが正解でどれが間違いということは無いでしょう。

 

ただ今回取り扱った”ブリッツクリーグ”については、

構造が難解な部分もあるため管理人自身これからも実践とリサーチを重ね、

より適切で正確な解釈ができるよう努めていきたいと考えています。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【コラム】映画で学ぶ護身術:第2回『Mr.ノーバディ』【新シリーズ】

いつも心に1本のモーフィング・カランビットを。どうもサイコ田中です。

今回はシリーズ「映画で学ぶ護身術」の第2弾として、

2021年公開のアクション映画『Mr.ノーバディ』を紹介したいと思います。


『Mr.ノーバディ』のあらすじと見どころ

今回紹介する『Mr.ノーバディ』(原題:Nobody)は、

2021年に公開されたボブ・オデンカーク主演のアクション映画であり、そのキャッチコピーは、

火曜日、ゴミ当番
愛車は路線バス
地味な男が
派手に、キレる。

という風になかなか過激ですが、内容は至って健康的(?)というか、

良くも悪くも王道的なアクションタイトルのプロットに沿った展開となっています。

 

主人公のハッチ・マンセルは妻子を持つ至って普通の会計士であり、

これと言って取り柄のない「何者でもない男」(主題)でしたが、

自宅に強盗が押し入るという事件きっかけに、物語が動き始めます。

 

何といってもこの作品の見どころは、

どこにでもいるぱっとしない中年男性が、

実はマフィアを単独で壊滅させるほどの実力を持つ戦闘マシーンだったという筋書きと、

その本性が露わになる過程で生じる強烈なカタルシスに他なりません。

 

鬱屈した日々、平穏無事だが退屈な生活——そういったものに疑問や葛藤を抱く社会人にとって、

これほど痛快なエンターテイメントは無いでしょう。

護身術を学ぶとかそんなことに関係なく、一度頭を空っぽにして最後まで観てほしい作品です。


『Mr.ノーバディ』から学ぶ実戦的護身スキル3選

ここからは映画『Mr.ノーバディ』から学べる実戦的なセルフディフェンススキルを、

誰でも実践できるマインドセットなども併せて3つの項目に分けて紹介します。

身を守ることに興味をお持ちの方は、当該のタイトルをご視聴の上でぜひ一度参考になさってください。

(ここで紹介する内容は映画を見ていない方でも実践できる内容となっています)

 

手に持っているものは何でも武器にする

この手のテーマでは繰り返しお伝えしていることですが、

身を守る上で、「その場にあるものを武器にする」という意識は不可欠なものです。

 

特に『Mr.ノーバディ』の作中描写では、特にバス車内での戦闘シーンにおいて、

・腕時計を拳に巻いて握り込む

・カバンで殴打する

・ひも状のもので相手の首を締め上げる

など、クリエイティブかつアグレッシブでありながら、

誰でもその気になれば実践できるテクニックが見受けられます。

 

また上記のテクニック以外にも、自宅が特殊部隊員による襲撃を受けるシーンにおいては、

・野球用バットでシンプルに殴打

・キッチンの包丁で切りつけるor刺す

・鍋の中の熱湯をかけてそのまま鍋で殴打

など、なかなか豪快かつ強烈なアプローチも確認できます。

 

こうした攻撃テクニックはそれらを「知っているだけ」で十分に機能します。

キーになるのは「武器になるものを探す意識」と「手段を択ばない覚悟の強さ」です。

どのような局面でも決して諦めることなく、

相手を圧倒するイメージを持ってアグレッシブに攻めの姿勢で向かっていく事が大切です。

 

「覚悟しろ」という強気の姿勢をアピールする

自信が無い、弱気な状態では攻撃者の思う壺です

どんな不利な局面でも「お前らは怖くない」「やってやる」という気持ちを前に出すこと、

半ば狂気に近い攻撃性を前面に押し出していく意識は、

相手にプレッシャーを与えることに繋がり、それが主導権を握るための第一歩となります。

 

『Mr.ノーバディ』の作中では、特にバスでの戦闘シーンにおいて、

一度バスから飛び出した(飛び降りた?)主人公が、血だらけになりながらも立ち上がり、

再度ガラの悪い連中が待つバスの車内へと戻っていく場面がわかりやすい例と考えられます。

本来ならそのまま立ち去ってもいいのに、女性を逃がして再度ごろつきと対峙し、

「俺は本気だ」「最後までやってやる」という表情・仕草を見せることで、

人数的に圧倒的不利な状況で完全に主導権を握っています。

 

またマフィアのボスとの対談の場面においても、

絶対に勝ち目のない状況でも冷静に目力と佇まいで相手を圧倒し、

無傷でその場を立ち去っています。

 

相手の人数が多かったり、明らかにヤバそうな雰囲気になると恐怖を感じ、

萎縮してしまいそうになるものですが、

そういう場面こそ冷静かつ大胆に――とにかく堂々と振る舞うことが大切です。

相手にナメられるのが良くないのでは無く、

「覚悟が出来ている」ことをきちんと視線や態度で示すことが重要なのです。

ファイティングポーズを取って「かかってこい」という態度を見せるのではなく、

「俺は今日死んでもいいけど、お前らはどうだ?」という表情で、

「どうかしたんですか?」と尋ねるくらいが丁度いいのです。

(そしてそういうマインドセットを作るためにも、メンタルを鍛えプレッシャー耐性をつけていくことが肝要です)

 

”匂わせ”で闘わずにファイトを終わらせる

最近SNSなどで流行り(?)の言葉に”匂わせ”というのがありますが、

路上のファイトにおいても、

「只者ではない」「自分たちが狩られるかもしれない」と相手に感じさせるような、

”匂わせ”の立ち振る舞いが強力な武器になってきます。

 

『Mr.ノーバディ』の作中においては、

主人公がマフィアの情報を集めるため裏稼業の人間たちが屯するアジトに単身乗り込むシーンにおいて、

ファイトになりそうな雰囲気を、一瞬にして鎮めるという描写に見られます。

結論から言うと主人公の手首に入ったタトゥーを見た退役軍人がその正体を察し、

自ら争いを回避した――という描写ですが、

同様にして相手にそれとなく情報を与え、

闘わずしてファイトを終結させるというアプローチも決して非現実的とは言えません。

 

例えば管理人個人の体験としては、

・拳ダコに気が付いたトラブルの相手が突然「失礼しました」

・VENUMのバッグを目にしたDQNが慌てて立ち去る

・後から合流してきた黒人の友人を見て一気に萎縮する老害

といった場面には幾度となく遭遇してきました。

相手にどれだけの情報を与えるか、あるいは相手がどれだけ情報を処理できるかにもよりますが、

基本的に「勝ち目が無い」と悟った時点でどんなにヒートしている相手もあっさりと身を引きます。

(非常に馬鹿馬鹿しい話ですが、人間は結局その程度のちっぽけな動物に過ぎません)

 

本当に相手を圧倒できなければ何の意味もありませんが、

「見掛け倒し」でもいいのでとにかく身体を大きくしておくとか、

「何かやっている」オーラをまとっておくことは決して無駄にはなりません。

(若い方には特にハードな筋トレと首回りを太くするワークアウトをオススメします)

またよく見ないとわからない場所にタトゥーシールを貼っておくとか、

彫り物が入っているように見えるアームカバーなども意外と効果的です。

 

そもそもファイトに発展しないこと――互いが無傷で帰宅できるということが、

現代護身術の最高の到達点であるということに変わりはありません。

可能な限りトラブルや争いを回避し、手を出すのは最後の手段という意識を大切にしていきましょう。


この世の誰もが”Nobody”の時代に……

さて、今回紹介した映画『Mr.ノーバディ』の主人公は、

一見すると冴えない会計士の男性が、実は元プロの●●●で――という、

創作物では非常によくある典型的「能ある鷹は爪を隠す」タイプでしたが、

こうした人物は、実はそこらへんを普通に歩いているかもしれないのです。

 

少々不謹慎な話になるためあえて婉曲な言い回しをしますが、

今の世の中、

・自宅で火薬を乾かしている

・山で自作銃の試し撃ちをしている

・特定の人物を傷付けるために周到に準備をしている

といった危険な人物どこに潜んでいるか全くわかりません。

それはあなたが毎朝電車で同じ車両に乗り合わせる冴えないサラリーマンかもしれません。

職場にいる何だかぱっとしない派遣社員の男性かもしれません。

ときどきアパートの駐車場ですれ違うちょっと魅力的な女性かもしれません。

誰にも相手の正体はわからない――究極的に言えば、この世の全ての人が、

今回紹介した『Mr.ノーバディ』の主人公のようなモンスターかもしれないのです。

 

決して「自分だけは大丈夫」などと根拠のない自信は持たず、

関わる全ての人物を冷静に観察し、一定の距離を保ち、

自分が危害を加えられる可能性というものを考慮した立ち回りを意識していくことが大切です。

それが例えあなたの友人や恋人……家族だったとしてもです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。