恐怖心と向き合うための3つのポイント
- 2019.09.06
- 護身術
いつも心に一着のトレンチコートを。どうもサイコ田中です。
突然ですが、皆さんには怖いものはありますか?
管理人は年齢を重ねるごとに虫と幽霊が怖くなってきました。
どちらも格闘技や護身術の知識を持っていても、どうする事もできない相手だからでしょう。
恐怖心は護身の観点から見ても、あるいはそれ以外の様々な分野においても、
克服すべき大きな課題の一つです。
今回はどうすれば恐怖心を軽減、あるいは乗り越える事ができるのかについてお話したいと思います。
日本人は恐怖を感じやすい?
実は最近の研究により、
日本人は他の人種に比べ恐怖や不安を感じやすいことが明らかになっています。
これはストレスホルモンの分泌量やセロトニンの伝達に関係する遺伝子の特性によるものですが、
いずれにしても外国人から見て日本人が心配性だったり悲観的に感じられるというのは、あながち間違ってはいないようです。
ですから「ひょっとして私って怖がり?」と思っている方や、あまり自分に自信が無いという方は、
細かい事は気にせず、日本人はみんなそんなものだと思って笑い飛ばしましょう。
(それにしても、世界で一番怖がりの人種がホラー映画やお化け屋敷などのアトラクションを好む理由は一体何なのでしょうか)
恐怖心をコントロールする3つのコツ
日本人は他の人種と比べてちょっと怖がりということがわかったところで、
実際に恐怖や不安といった負の感情をどうやって乗り越えるのかを見ていきましょう。
今回は大まかに3つのポイントに分けて説明しますので、太字になっている部分だけでも目を通して、参考にしてみてくださいね。
メタ認知を強化する
メタ認知とは、自分自身を客観視した上で、自分が認知しているという事実を認知するという事です。
わかりやすく言えば、○○というものが怖いと感じたときに、「○○が怖い」と感じている自分を見つめる(見つける)という事です。
護身の観点で言うと、酒に酔った不良に絡まれたときは、「うわ、どうしよう……」で終わってしまうのではなく、
絡まれて不安を感じている自分を認め受け入れたうえで、
「俺、びびってるなあ」と心の中で苦笑するぐらいが丁度いいということです。
絡まれたという事実だけに着目してしまうと、あれこれ不安や恐怖が吹き出して歯止めがきかなくなりそうですが、
一旦そこにある恐怖を受け入れてしまえば、後は自分がやるべきことを考えるだけになります。
身を守るうえで大切な事は、非常事態でも落ち着いて対処する事です。
そしてそのためには、強い感情の動きや瞬間的な強い衝動などに支配されず、いつも冷静でいなくてはいけません。
メタ認知を強化していく事は、冷静さを保つうえで非常に重要です。
常日頃から今自分が何を感じ、何を思っているかを見つめるようにしておくと、仕事や勉強などの面でも突破口が見出せるかもしれませんね。
呼吸でスイッチを切り替える
呼吸は、あらゆる物事に通じている基本的な概念です。
ストレッチの際は上手に力を抜くため、トレーニングにおいては力を発揮するために重要とされ、
緊張と緩和のバランスを制御するのが呼吸と言い換えてもいいでしょう。
もしもあなたが強い恐怖を感じた際には、息が荒くなり、呼吸の間隔が短くなるかもしれません。
それはあなたの肉体が本能的に生命維持のために起こしている至って自然な反応ですが、パニック時の過呼吸はあまり好ましいものではありません。
それよりも、何かを怖いと感じたときは、
一度深く息を吸い、ゆっくり吐くのが理想的です。
ただ深呼吸するだけでは意味がありません。落ち着いて周りが見えるようになったら、自分がどうするべきなのかを考える必要があります。
闘わなければいけない状況ならば、相手の人数や周囲の状況、身近に武器の代わりになるものがあるかなど、情報をなるべく素早く集めます。
このように、1回ないし2回の深呼吸を挟んで、自分自身を戦闘モードに切り替えることが大切です。
黒光りするアレが苦手という方は、出会ってしまったらそのまま取り乱すのではなく、
一度深呼吸をしてから思考を対処モードに切り替えましょう。
新聞を丸めて潰すのがスマートか、殺虫剤をかけるのがいいのか……冷静になれば選択肢はたくさん見えてきます。
深呼吸をしながらアドレナリンを出していけるようになると更に効果的です。
より高度な呼吸法として、米軍式4カウント法というものが存在します。
以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひこちらも併せて参考になさってください。
↓ ↓ ↓
恐怖の対象について学ぶ
一般論として人は未知のもの、よくわからないものに対して恐怖を感じるとされます。
あなたがよほどの怖がりさんでも無い限り、恐怖の対象になるものはある程度限定されるはずです。
恐怖を乗り越えるためには、自分が怖いと感じるものについて深く知ることが一番の近道だと私は考えます。
例えばドラキュラが怖いという女の子がいたら、
「ドラキュラは、太陽の光と十字架が苦手なんだよ」と言った具合に、対象の弱点を教えてあげます。
こうして恐怖の対象に対する知識を持てば、もう相手は未知のものではなくなりますし、
おまけに倒す方法がわかったのですから、もう怖くはありません。
護身においても同じことが言えます。
身体の大きい相手が怖いなら、身体の大きい相手が苦手とする攻撃手段や効果的なアプローチをいくつも学べばいいのです。
ドラキュラが日光や十字架のほかにニンニクや聖水を苦手とするように、大男を倒すためのテクニックも無数に存在します。
そうした引き出しをどんどん増やしていけば、いざという時恐怖に押し潰されたり、取り乱したりするような事もありません。
護身の技術体系をきちんと学んでいく事が大切なのは、技術を身につけることで強くなれるということはもちろん、
様々なオプションを持っているという自信そのものが、恐怖心を乗り越えることに繋がるからです。
ですから黒光りするアレが怖い人は、自分には殺虫スプレー、丸めた新聞紙、スリッパなど様々なオプションがあるということを心に留めておきましょう。
そしてそれらを忘れてパニックになってしまわないよう、深呼吸する事を忘れずに。
怖いもの知らずの人生を手にするために
誰にでも怖いものがあります。
女の人には頭が上がらないという人や、タンスの角が恐ろしいという人、どうにも犬が苦手という人……
ですがこれらの恐怖は全て、遺伝子レベルの恐怖ではありません。あなたの人生経験などに基づいて形成された、単なる苦手要素に過ぎません。
必ず乗り越える方法はあります。
逆に、遺伝子に組み込まれた恐怖だけは克服する術がありません。
例えば暗闇や猛獣、黒と黄色のまだら模様などは、
我々の先祖がかつて命の危機に瀕した際に刻まれた遺伝子レベルの記憶であり、拭い去る事はできません。
ですが、それらを怖いと感じることは、恥ずかしい事でも、情けない事でもありません。
自分の身を守るために、本能的に強い恐怖を感じるのは、生物として当然の反応です。
ですから恐怖を感じたときはそれを恥じたり、取り乱したりする事なく、冷静に受け入れましょう。
その場から逃げたいと思ったら逃げればいいし、叫び声を上げたくなったら叫べばいいのです。
人は誰でも恐怖を感じるように出来ていますし、誰にでも弱点はあります。
今、一人ぼっちで恐怖や不安に押し潰されそうな人も、どうかそれは自分だけじゃないという事を忘れないで下さい。
あなたが望む限り、必ず乗り越えて自分らしく生きられる道はあります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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