”最初の一撃”を見極めるために知っておくべきこと

”最初の一撃”を見極めるために知っておくべきこと

いつも心に一本のマチェーテを。どうもサイコ田中です。

よく路上のファイトでは「最初の一発が勝敗を分ける」と言われますが、

何の訓練も受けていない人が”最初の一撃”を見切るのは至難の業です。

それでもある程度ポイントをおさえてさえいれば、完全に見切ることは出来なくても、

まともに殴られることを回避することには繋がります。

今回はそうした”最初の一撃”を見極めるために大切なポイントについてお話ししたいと思います。


まずは頭をしっかりとカバーすることから

当ブログの護身術に関する記事では再三にわたり申し上げていることですが、

もしも第三者に危害を加えられそうになった時には、

しっかりと頭を保護することが大切です。

頭には言うまでもなく脳をはじめ様々な急所が集中しており、

まともに殴打されると最悪の場合命を落とす可能性もあり大変危険です。

格闘技の経験がない素人の方や、今日まで殴り合いのファイトを経験したことが無いという方は、

完全にノーガードの状態でパンチなどを食らってしまうことが珍しくなく、

文字通り一発でノックアウトされてしまうといったケースが目立ちます。

格闘技の知識や経験、護身術のテクニックなど全く知らなくても、

下の写真のように頭を抱えるようにするだけでも受けるダメージを大幅に軽減することができます。

痛みや恐怖でパニック状態になってしまっても、

・しっかりと頭部をカバーすること

・何でもいいから手を出して抵抗すること

・周囲に助けを求めること

といった対応が生存率を高めることに繋がります。

ちょっとした空き時間や鏡を見て身だしなみを整えるときなどに、

頭を抱えるようなポーズを取る癖をつけましょう。

カッコつけていると思われてもいいのです。その動きはいつか、あなたやあなたの大切な人を守るために役立つはずです。


”最初の一撃”に反応するための3つのポイント

ここでは路上トラブルで相手から危害を加えられそうな場面で、

”最初の一撃”を見切るためのポイントを3つ紹介します。

自己防衛や防犯、護身術に興味をお持ちの方は参考になさってください。

 

相手のボディランゲージを見逃さない

顎をしゃくる、肩を怒らせるなどのボディランゲージは、

攻撃者が手を出す前に見せる明確なサインであり、攻撃を見切るためのヒントになります。

もしも目の前の相手が、

・上から見下ろすような姿勢

・腕を広げて胸を張る

・手や腕を忙しなく動かす

などの動きを見せた場合、最大限の警戒が必要です。

顎を突き出し胸を反らすといった姿勢は、身体を大きく見せ相手を威圧するための典型的なボディランゲージであり、

多くの動物が縄張り争いなどに伴う闘争に際して見せる挙動です。

また手を落ち着きなく動かし続けたり、腕をブラブラさせるといった動作にも注意しなくてはいけません。

多動性の表れは緊張や不安などストレスが高まったことを意味し、手を出すための準備をしているという見方も出来ます。

もしも相手から強い敵意を感じるような場面でこのようなボディランゲージに気づいたときは、

”最初の一撃”に備えて心の準備をしましょう。

 

攻撃者が見せるボディランゲージについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。

↓ ↓ ↓

危険な相手が見せる10のボディランゲージ

 

相手の肩ではなく肘を見る

よく格闘技などでは「相手の肩のあたりをぼんやり見るように」と指導されますが、

何の訓練も受けていない人が肩の周辺を見ても動きが分かりにくく反応が遅れがちです。

素人のパンチは写真のように肘が大きく外に開く傾向にあるため、

予め肩ではなく肘のあたりを見るようしておくと動き出しがよく見えて、

なおかつどちらのパンチが飛んでくるのかも見極めやすくなります。

また相手が素人ではなかったとしても、肩も肘も全く動かすことなくパンチを打てる人種というのは一握りです。

必ず肩から肘にかけてのラインに動きが見られるはずなので、

迷ったときはとりあえず相手の肩から肘のあたりをなんとなく見るようにしておくといいでしょう。

 

キックは膝から動き出す

パンチと同様に蹴りの場合はまず膝から動き始めることが多いため、

相手の下腹部から膝のラインに動きが見られたときはキックを警戒しましょう。

格闘技経験などない素人の蹴りは金的などの急所に入らない限りほとんどダメージにならないため無視することも出来ますが、

相手が先端に鉄芯の入った安全靴や軍用ブーツなどを着用している場合はそのリスクを軽視できません。

また相手が格闘技経験者の場合は高確率で後ろに引いている足(一歩から半歩下げたほうの足)から蹴りが飛んでくると予想され、

これはスピード・破壊力ともに想像を絶するためまともに食らってしまった場合はほぼ手遅れです。

蹴りの予備動作として、

・蹴り足と同じ側の腕を小さく前に振る

・一歩から半歩斜め前にステップする

・前後の足を素早く切り替える(スイッチする)

などが考えられますが、経験者の蹴りはこれらの予備動作を考慮しても見極めるのは至難の業です。

もしもトラブルになった相手が明らかにそれとわかる構えを見せた場合や、

拳の周辺の変色や変形、首の太さなどから素人ではないと判断できる場面では距離を置くことを最優先にし、

よほどの事情が無い限り真っ向勝負は回避すべきです。

(身を守るためにやむを得ない場合は身近なものを武器にするなどの柔軟な対応が求められます)


いつも「先手必勝」とは限らない

ファイトは常に先手必勝、先に動き出したほうが勝つという教えが一般的ですが、

日本の法律を考慮すると、少し話は複雑になってきます。

まず日本の法律では手を出した時点でほぼ100%暴行罪なり傷害罪が適用されます。

殴られるのが先だろうと、殴るほうが早かろうと同じことです。手を出した時点で有罪という扱いに変わりはありません。

問題なのは、

・今すぐ、その場で

・身を守る必要があり

・やむを得ず手を出した

という3点が抑えられていないと、正当防衛が認められないということです。

あなたの目的が身を守ることで、目の前の相手から何らかの危害を加えられる恐れがあるような場面では、

先に手を出しても恐らく問題にはならないでしょう。(やりすぎてしまった場合はまた別ですが)

また相手の攻撃が見えて、それに対して取った咄嗟の行動で相手をノックアウトしてしまったとしても全く問題はないと考えられます。

正当防衛と過剰防衛の境界線上でもっとも厄介な問題は、

相手に攻撃の意思があるかどうかが、ギリギリになるまでわからないということです。

明らかにキレてやばそうな雰囲気になった相手が空き瓶や陶器の灰皿などを手に取ったとしたら、攻撃を防ぐ必要があると考えるべきですが、

ただ大きな声で何かまくしたてたり、物を投げたりしているだけの人物には攻撃の意思があるのかどうかがわかりません。

このような”グレーゾーン”にある人物に先手必勝のセオリーに従って先制攻撃を仕掛けてしまった場合、

警察官らが現場に到着してから立場が不利になる可能性が高く、周囲の目撃者からの印象も決して良くありません。

「先に殴られろ」などと恐ろしいことは言えませんが、

路上のトラブルでは可能な限り先に手を出させたうえで、

どんな結果になっても「身を守るためにやむを得ない対応だった」というスタンスだけは崩さずに済むようにしましょう。

(相手を殴ったことについての言い訳を考えましょう、という話ではありません)

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。