【QuickTIPS】パンチに対する最も簡単な対処法【護身術】

いつも心に1本の強力すっぽんドリンクを。どうもサイコ田中です。

もしも路上で第三者から攻撃を受けた場合、最も一般的で尚且つ被弾した際のリスクが高くなるのが、

拳による攻撃――すなわちパンチです。

パンチを処理するために、どのような対処法が効果的と言えるでしょうか?


拳・手首は想像以上に壊れやすい

攻撃を受けた際はもちろん、自身が攻勢に転じる場面でもぜひ知っておきたいことは、

拳および手首周辺の骨・関節の脆さです。

 

ボクシングなどパンチを攻撃手段として用いる格闘技では、

必ずと言っていいほど拳及び手首をバンテージという包帯のようなもので保護します。

こうした保護具を適切に用いなかった場合、

・中手骨骨折

・手関節捻挫(手首の捻挫)

・手指の腱断裂

といった怪我のリスクは免れません。(管理人も手関節捻挫には長く悩まされ続けています)

 

まして拳を一切保護しないで行うストリートファイトでは、

一発の強力なパンチをブロックされるか、相手の額など硬い部位に当ててしまっただけで大怪我に繋がりかねません。

(逆に言えば、それを逆手に取ったパンチの処理が可能ということになります)

 

普段から手首周辺のストレッチや拳立て伏せといったワークアウトを通し、

拳や手首を強化する取り組みが大切です。

 

 

拳及び手首を鍛える方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。こちらもぜひ参考になさってください。

↓ ↓ ↓

【一人で出来る】拳や手首を鍛えるトレーニング


パンチに対する最も簡単な対処法

ここからは一般的なパンチに対する最も簡単なアプローチを、

格闘技経験などが無い方にもわかる内容から応用編まで、

4つの項目に分けてお伝えします。

 

一人でも出来る練習方法も併せて紹介しておりますので、

防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ一度参考になさってください。

 

基本は「下がる」か「出る」かの2択

パンチに対する対処というのは、実は大まかには2つしかありません。

それは自分から距離を置く――「下がる」か、

距離を詰める――前に「出る」かの2つです。

 

パンチを手っ取り早く処理したい場合でも、

とにかくダメージを最小限に抑えたい場合でも、戦略プランは最初から定まっていて、

それは「同じ場所に棒立ちのままでいない」ということになります。

 

サンドバッグを想像してもらえばわかることですが、

全く微動だにしていないサンドバッグを叩くのは容易ですが、

振り子のように動いている状態のサンドバッグを完璧に芯で捉えるには少し工夫が必要です。

この「少しの工夫」を相手にさせることで、パンチをまともにもらうリスクは大幅に低減できます。

 

「パンチの威力が最大になる距離とタイミングを外すこと」

これこそがパンチを処理する上で最も重要なポイントと言っても過言ではないでしょう。

そのために、後ろへ下がるフットワークと前に飛び込むカウンターは非常に重要なテクニックです。

 

両手を前に突き出して下がる

女々しく、そして情けなく見えるかもしれませんが、

両手を前に突き出して後ろへ下がる動作は、とても効果的な対処法になります。

 

上に述べた通り、パンチの処理には主に2種類の考え方しかありません。

進むか、下がるかの2択です。

前に出るのは高いリスクを伴うため、下がるほうを選ぶのが一般的には違いありません。

 

しかしただ後ろに下がるだけは相手の攻撃を食い止めることはできません。

手を前に突き出すことで相手の視界を遮るのと同時に、

手を使ってブロックできるため直接被弾のリスクは極限まで低くすることが可能です。

 

また前に出した手をセンサーのように活用し、

相手との安全な距離を測りながらカウンターのタイミングを窺うことも出来ます。

このような構え方はムエタイ、キックボクシングにおいてはハイガードまたはロングガードなどと呼ばれ、

特にリーチ差がある相手との攻防で力を発揮する立派なファイティング・スタンスです。

迷ったら両手を前に突き出し、目の前の相手と距離を置くように動きましょう。

運がよければ異常を察知した第三者が止めに入ってくれるかもしれません。

 

画像はムエタイにおける典型的なロングガードの例です。

ここからクリンチ、肘打ちなどへと展開し相手を圧倒するのが理想的な反撃パターンとなります。

 

安全な”受け方”を使い分ける

あなたがプロボクサーで相手が素人という場面でもない限り(ほとんどあり得ませんが)、

全てのパンチを見切って処理するなどは到底不可能です。あきらめましょう。

 

その代わりに、パンチを受けてもそんなにダメージを受けない、

安全な”受け方”(食らい方)というものが存在します。

 

まず大事なのはです。

肩周辺の筋肉は分厚くクッション性に富んでいるため、パンチ一発分程度の衝撃なら問題なく吸収できます。

(それでも何度も同じ場所に食らっているといずれは怪我をするので注意が必要です)

肩を小さくすくめるようにして顎を隠してもいいでしょうし、

斜に構えて肩を小さく動かすだけで、パンチを反らすことも可能です。

 

続いてはです。

意外に思われるかもしれませんが、額の骨は非常に硬いのでむしろ殴ったほうが怪我をするリスクが高まります。

パンチが飛んでくるのがわかったらしっかりと顎を引き、額を気持ち前に突き出すようにして受けるだけで、

大ダメージを回避しつつも相手の拳や手首に大ダメージを負わせることが可能です。

(自信があるなら相手のパンチにあわせて自分から額をぶつけに行ってもいいでしょう)

 

また胸の筋肉も分厚く丈夫なため、相手の手を上から叩き落とすようにブロックして胸を打たせるのも有効です。

(パリィという動作ですが、ボクシングや空手の経験が求められるためやや高度なテクニックと言えます)

 

カウンターのキックを食らわせる

路上のファイトではあまり有効ではないとされているキックですが、

パンチに対するカウンターとして用いる場合は別です。

 

上に述べたテクニックを用いながら相手のパンチを捌き、

タイミングを合わせられそうな攻撃が見えたら躊躇わず蹴りを狙っていきましょう。

主なターゲットは、

・太腿へのローキック

・金的(股間)への前蹴り(フロントキック)

・カーフキック

などであり、距離を詰める方向性でアプローチする場合、膝蹴りは特に有効と言えます。

 

いずれもパンチをかわすように動きながら蹴る必要があり、

尚且つ転倒や足を掴まれるといったリスクを回避するため腰の高さ以上に脚を上げないよう注意が必要です。

 

相手のパンチに合わせて身体を斜め前に前傾させるローキックや、

上体を反らし気味にしながら放つカーフキックなど自宅でも繰り返し練習が可能です。

相手のパンチをくぐるイメージを持ちながら動きを確かめていきましょう。


防戦一方では生き残れない

ここまでとにかくパンチに対する対処法だけを述べてきましたが、

大事なのは速やかにファイトを終わらせることです。

 

守っているばかりではいたずらに体力を消耗するばかりであり、

たとえガードの上からでもどんどんダメージは蓄積してしまいます。

 

一方的に殴られる展開から始まったファイトでも、防戦一方のリズムを変えるタイミングを探り、

速やかにカウンターの攻撃や距離を詰めた状態からのコンビネーションで相手をノックアウトする意識が大切です。

 

特に距離を詰めるアプローチでは肘打ちが有効であり、

肘で相手のパンチをブロックするだけでなく、相手のパンチに肘を当てに行くというテクニックもあります。

(当然ながら小さな骨などが少ない分だけ、肘のほうが拳よりも強くなります)

肘でのブロックを軸に距離を詰めたら、金的への膝蹴り、頭突きなどで圧倒し、

相手のアイライン(眼の高さ)が自分の胸より下がるまでは手を緩めてはいけません。

あなたが「相手に対し脅威を感じなくなる」まで、ファイトは続きます。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今後のサイト更新について

当サイトをご利用いただき、誠にありがとうございます。

管理人のサイコ田中と申します。

 

諸事情により、2021年9月18日から10月半ば頃までの約1か月間、

サイト更新及びサポート(DM,コメント対応)を一時的に停止させていただきます。

 

尚、サイト自体はこれまで通り利用可能な状態を維持させていただきます。

ただでさえ更新頻度が低下しつつある中このような事態となり、

ご利用いただいている方々にはご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。

 

10月半ば以降は特に問題が無い限りサイト更新並びにサポートを再開する予定です。

 

今後とも当サイトをよろしくお願いいたします。

 

 

 

【防犯】電車や駅構内で襲撃を受けたときに出来ること・知っておきたいこと【護身】

いつも心に1台の改造耕運機を。どうもサイコ田中です。

日本では80年代後半からたびたび電車内または駅構内での暴行・殺傷事件が発生していますが、

今年(2021年)も被害こそ小さく収まったものの、それなりに規模の大きな傷害事件が起こりました。

ここではもしも電車及び駅構内で襲撃を受けたとき、私たちが身を守るためにすべきこと、出来ることは何か、

現代護身術の観点から大事なポイントのみに絞ってお伝えします。


どんな凶悪事件も「明日は我が身」

わざわざ語るまでもないことですが、

もしも報道されている凶悪・残忍な事件を自分に無関係な他人事だと思っているなら、

その考え方が既に致死率を高めていることを自覚してください。

 

まず、電車の利用者数は首都圏だけで見ても1週間に1億人を超えており、

(冗談のような数字ですが、2019年時点でのJR東日本調べの公式データに基づいた数字です)

平均乗車時間は15分、最も利用者数が多いのは35~49歳の男性となっています。

1日あたり約1500万人以上の乗客が行き交っているという計算であり、

何も起こらないほうがおかしいと考えるのが妥当に違いありません。

 

治安に優れた日本ですが、電車や駅構内に関わらず刃物のような凶器を用いた無差別殺傷事件や、

子供や女性を狙った卑劣で悪質・凶悪な事件は後を絶ちません。

特に近年は「肩がぶつかった」「話し声がうるさかった」「イヤホンからの音漏れを注意された」など、

幼稚かつ無責任な理由から犯行に及ぶケースが増加している傾向にあり、

些細なきっかけで思わぬ危険を招くことが懸念され、車内及び駅構内の全局面において注意が必要と言えます。


電車及び駅構内での襲撃から身を守るための5つのポイント

ここからは電車及び駅構内で襲撃を受けた際に出来ること・知っておくべきことについて、

危機管理などマインドセットの部分も含めて5つの項目に分けてお伝えします。

防犯・護身に興味をお持ちの方はもちろん、

公共交通機関の利用頻度が高い女性や学生の方もぜひ参考になさってください。

 

なるべく最前列に立たない

乗車前に出来る対策として、

列の先頭に立たないようにすることが挙げられます。

 

駅構内で受ける可能性のある襲撃の中で最も凶悪かつ回避が困難なものは、

「背後からの突き飛ばし」に他なりません。

 

このようなパターンは事前に攻撃者の存在を察知・回避するのが困難であり、

列の先頭に立った時点で終わっていると言っても過言ではありません。

電車待ちの際は急いでいる時も可能な限り二人以上が並んでいる列の後ろに並ぶことを心がけ、

決して背後を確認できない状態でホームの端に立つようなことが無いよう注意しましょう。

やむを得ず列の先頭に立つ際にはどちらか片方の足を前に出し(両足が揃わないように)、

可能であれば斜に構えるようにホームの白線に対して斜め45度を向いて立つようにしましょう。

このような立ち方であれば万が一後ろから強く押されたとしても、踏ん張りが効くうえに、

真っ直ぐホーム下へと転落するリスクを軽減することが可能です。

 

言うまでもありませんが、乗車時は降りる人を最優先に振る舞い、

無理に割り込んだり他の乗客のスムーズな乗り降りを妨害しないよう注意しましょう。

(この辺りはもはや個人のモラル・常識の部分なので細かい言及は避けます)

 

車内設備の位置と使い方を確認する

電車の車内には車内非常ボタンなど、

有事に備えた設備が整えられていることがほとんどです。

これらを有効活用することで、いざという時の生存率を大幅に高められることは言うまでもありません。

 

電車に乗車した際にはまず自分が乗った車両の車内設備を確認し、

可能であればその位置と使い方まで頭に入れておきましょう。

典型的なものは、

・車内非常ボタン

・AED

・非常はしご

・消火器

などであり、特にその位置と使い方を優先的に把握しておくべきなのは、

車内非常ボタンに他なりません。

 

車内非常ボタンは、

・ドアに人や物が挟まった状態での発車

・車内での犯罪またはトラブル

・救命処置が必要な場面

など様々な有事に対応しており、マイクを活用することで乗務員との会話も可能です。

ボタンを押した時点で緊急停車する事業者がほとんどであり、

状況によってはドアコックを操作しドアを開閉する操作も可能となっています。

(緊急時以外に使用すると法律により罰せられる恐れがあるため注意が必要です)

 

電車に乗車した際には、例え乗車時間が短くともまずは上に述べた車内非常ボタンを筆頭に、

様々な車内設備の位置と使用方法を把握したうえで、それらを活用しやすい位置に立つ(座る)ことを意識しましょう。

 

座る際には「すぐに立ち上がれる体勢」で

座席に腰を下ろす際には、

「すぐに立ち上がれること」が何よりも重要です。

 

電車の車内で攻撃を受けたときに最も恐ろしいのは、

「攻撃者が立っていて、自分が座っている」という状況に他なりません。

 

すぐに逃げ出すのが困難なうえに、身を守る体勢を作るのも困難であり、

一方的に圧倒されるケースがほとんどになることは想像に難くありません。

 

もしも座席に座るときは周囲の状況に十分注意を払い、

有事の際にすぐ立ち上がれるよう背もたれに体重を預けないことが肝要です。

(だらりと両脚を投げ出してスマホをいじるなどは論外です)

またよく見る一般的なベンチ型のシート(ロングシート)ではなく、

電車の進行方向に向かって座るクロスシート(セパレート型シート)は座面を外すことが可能であり、

刃物を振り回す攻撃者などに遭遇した際にはそれらを即席の盾として活用できることは頭に入れておきましょう。

 

「立ち方」を覚えて危機的状況をわずかでも優位に

身を守るためには、電車内での「立ち方」にも気を配らなくてはなりません。

 

まず絶対に回避したいのは、

連結部の周辺

・ドアから離れた車両の中央付近

・明らかにそれとわかる酔客の周辺

などであり、これらは座席に座る際についても同様です。

 

連結部周辺は死角になりやすい上に、

声を上げても他の乗客に聞こえづらいため襲撃を受けた際のリスクは計り知れません。

またドアから離れた位置は襲撃を受けた場合に逃げるのが遅れることに加え、

女性の場合満員状態で痴漢被害に遭うリスクが高くなる傾向にあるため回避すべきです。

更に電車や駅構内に関わらず酔っぱらいは最高クラスの危険因子です。

もしも見た目や臭いでそれとわかる酔客がいる場合は可能な限り距離を置き、

女性や学生の場合は別の車両に移ることまで考慮すべきです。

 

上記のような場所を避けた場合、必然的に安全とみなされるのはドアの近く、

特に前述した車内非常ボタンを押せる位置となるわけですが、

常にこのような場所を確保できる可能性は低く、無理な割り込みなどもやむを得ない場面も想定されます。

他の乗客の乗り降りを妨げないことに注意しながらなるべくドアに近い位置に立ち、

速やかに車内設備へアクセスできる車両および立ち位置を一つでも多く把握し、

可能な限り同じ時間・同じ車両に乗車することを目指しましょう。

 

カメラ・録音装置をすぐ使えるようにしておく

車内暴力や痴漢などの被害に遭った場合、

決定的な証拠を握っておくことがあなたを助けることは言うまでもありません。

 

特にスマートフォンのカメラは向けるだけで抑止力となる可能性が高く、

(相手を刺激する恐れもあるため注意が必要です)

グレーな立ち振る舞いをしている人物を見かけた際にはそれとなくレンズ部分を向けることで、

「お前を見ているぞ」という無言のメッセージを送ることも出来ます。

 

普段使っているスマートフォンをいつでもカメラ・録音機能が使える状態にしておくことが理想ですが、

一日の終わりになると充電が残り数パーセント……ということも珍しくないのが現代人です。

予備のモバイルバッテリーを携行しておくことはもちろん、

もう使っていない古いスマホをポケットに入れておき、素早くカメラを起動する練習も決して無駄になりません。

(ロック画面から直接カメラへアクセスできるように設定しておくのがおすすめです)

 

犯罪の現場を記録するのは個人の自由ですが、

それらの映像・音声をSNS上にアップロードする「ネット私刑」は社会問題になっており、

取り扱いには十分注意が必要です。

(実際に犯罪被害を受けた際には証拠を持って速やかに警察へ届け出てください)


普段から”非常事態”を想定したシミュレーションを

被害妄想が強いと思われようと、「自意識過剰だ」と罵られようと、

平生よりある種の”非常事態”を想定したシミュレーションを重ねることは大きな意味を持ちます。

 

車内で刃物を振り回す人物による襲撃を受けたことを想定する場合、

・車内の混雑度合いはどうか

・車内設備へのアクセスは可能か

・身を守るものは周囲に見つけられるか

・攻撃者から距離を置くためにどう動くか

などが主なポイントであり、これらを一つ一つ抑えてクリアしていく事で、

確実に生存率を高めることが可能と言えます。

 

生存率を高めるためのカギの一つは、

「パニック状態を回避すること」に他なりません。

いつ訪れるかわからない”その日”に備えて、

自分に出来ると思える全てのリスクパターン対策を試み、

危機管理能力の向上に努めることが、あなたとあなたの大切な人を守ることに繋がります。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【格闘技】上達を実感できない時に見直したい5つのポイント【護身術】

いつも心に1本のマグネットスティックを。どうもサイコ田中です。

どんなことにも当てはまることですが、始めたばかりの頃はどんどん変化や改善を感じ、

それなりに上達を実感できるものです。

しかし半年を過ぎたあたりからはなんとなく伸び悩み、

ある種の頭打ちのような状態に陥ってしまうことも珍しくはありません。

もしも格闘技や護身術を学ぶ上でそうした壁にぶつかってしまったとき、

どのような部分に問題があるのでしょうか。


練習は「自己満足」で問題ない?

管理人個人としては、どのようなトレーニングも、

最終的には個人の自己満足に落ち着くと考えています。

 

例えば格闘技の場合は上を見始めれば切りが無く、

選手として現役で活動している間に結果を残せるような人は一握りで、

プロテストに受かることさえ誰にでも出来ることとは言えません。

また怪我をせず結果を残し続けることが出来ても、

猛スピードで追い上げてくる自分より若くて強い選手の勢いを食い止めるのは困難です。

 

セルフディフェンスのような実戦的技術体系の場合は主に、

・絶対的な体格差(フィジカル面での課題)

・凶器攻撃に対する対応

・法的側面でのアプローチ

など課題は数え切れず、全てを網羅的に、そして無理なく安全に身に着けて運用するというのは、

ほぼ不可能に近いと考えられます。

 

このように、全てを完璧な形にするのが極めて困難なマーシャルアーツの分野においては、

ある程度のところで見切りをつけ、自分の中で明確な線引きをしたうえで、

「自己満足」に落ち着くぐらいがむしろ丁度いいのかもしれません。


上達を実感できない時に見直したい5つのポイント

ここからは、格闘技及び護身術の練習を続ける中で上達を実感するのが困難な時に見直すべき問題点について、

基本的な練習内容など5つの項目に分けてお伝えします。

格闘技・護身術に興味を持ちの方はぜひ一度参考になさってください。

 

練習内容を記録する

積極的に練習の内容を記録していないという方は、

残念ながら基礎レベル付近で上達にブレーキがかかっているかもしれません。

 

「大体同じことの繰り返しなのに、いちいち記録なんかとってどうするの」と思われるかもしれませんが、

ここで取り扱う記録というのは、主に映像媒体――すなわちビデオのことです。

 

それがシャドーでも、ミット打ちでもスパーリングでも何でも構いません。

一度自分が練習している姿を誰かに録画してもらい、後からゆっくり観察してみましょう。

ほとんどの人が、自身の抱くイメージとのギャップに戸惑い、赤面し、

トイレに駆け込んで大声で叫びたくなるでしょう。

自分が練習している姿というのは、客観的に見ると涙が出るほど滑稽に見えるものです。

(これは本当に全ての人に当てはまると管理人は考えています)

初めは恥ずかしくて見るのも嫌に違いありません。ですがそうした映像記録を基に修正点を探し、

徐々にスタンスやフォーム、フットワークを改善していく事により、必ず上達していきます。

 

昨今はスマートフォン1台あれば高画質の動画を長時間撮影することが出来る時代になりました。

今日まで練習の記録をとったことが一度もないという方は、

普段は鏡ばかり見てやっているシャドーを録画し、自分の姿を見てみましょう。

困惑や失望、羞恥など様々な感情が沸き起こるでしょうが、それはあなたが強くなるために欠かせないものです。

しっかりと自分のありのままの姿を受け止め、自力で直せる場所を地道に修正していきましょう。

 

フィジカル面ばかり鍛えようとしない

身体を大きくすれば強くなった実感が得られ、自然と自信もついてきますが、

本当にあなたが上達したかどうかは、上級者とスパーリングをすればものの数分ではっきりします。

 

ジムに入会して間もない練習生の中で、必ず数名は見かけられるのですが、

・身体ばかり大きくなって動きは素人のまま

・明らかに動きのキレが悪いのに高重量のウェイトばかり

・上半身だけ異様に発達している

このような方々は、恐らく技術面の上達が頭打ちになっていると考えられます。

 

確かにフィジカル面を強化しウェイトを増やすことは「強くなること」に直結していますが、

技術面が素人レベルのまま向上しなければ、

それはもはや「格闘技をかじったボディビルダー」に過ぎません。

あなたが選んだ格闘技を本当に上手くなるため、強くなるために大きな体が必要ならば止めはしませんが、

身体を大きくするのが目的になっていると感じているなら、根本的な練習内容を一から見直すべきです。

 

たまには他のジム(他流派)に出稽古へ

あなたがプロのファイターでもなければ、滅多なことが無ければ他のジムに足を運んだり、

他流派の道場へ道場破りのようなことをする機会はないでしょう。

(道場破りなんてしても特に意味はないのでやめておきましょう)

 

とはいえ、ずっと同じジムで、同じ顔触れでの練習ばかりを続けていると、

・シンプルなモチベーション低下

・練習内容のマンネリ化

・練習そのものの”馴れ合い”化

などを招き、上達が遠ざかってしまいます。

 

一般の練習生などでも利用可能な「一日トライアル(体験)コース」や、

交流試合・合同練習などの機会を探して積極的に参加することは大きな意味を持ちます。

 

交友関係の広がりはもちろん、技術面での意見交換・怪我をしたときの対策など得られる情報は数え切れません。

本気で強くなりたいなら、どんどん他のジムや他流派の道場へ足を運びましょう。

(外部からの参加者を受け入れない団体や流派も少なくないため、その辺りは注意が必要です)

 

目的意識の低い練習をしない

目的のない練習ほど悪いものはありません。

一回一回の練習をただ漫然とこなすのではなく、

明確な課題を持つことが上達のカギであることは言うまでもありません。

 

例えば週2回、スパーリングありの打撃クラスに参加している人の場合、

〇(第1週目~2週目)

・コンビネーションの組み立てを意識したシャドー

・脱力を意識したミット又はサンドバッグ打ち

・ディフェンスに重点を置いたスパーリング

〇(第3週目~4週目)

・フットワークに注力したシャドー

・スピード感を意識したミット又はサンドバッグ打ち

・キックからの展開に重点を置いたスパーリング

といった形で、特定のステータスを強く意識・強化できるイメージを持って取り組むことが特に有効です。

 

練習内容はジム・道場ごとに決まったものが構成されており、指導者は適宜ポイントを抑えて指導はしてくれますが、

それらを漫然と受け止めているだけで強くなれるはずがありません。

「ジムに行っているから強くなれる」とか「道場に通っているから俺は強い」といった思い込みは幼稚でとても危険なものです。

 

自分が強くなるために必要なものは何かを知り、足りない部分を埋めて元々持っている長所をより強化するために、

自分から明確な目的意識とより現実的なイメージを持つことが肝要です。

 

練習をサボる言い訳を探さない

言うまでもありませんが、練習をサボる口実を探したり、

隙があれば手を抜こうとするような人は、永遠に上達しません。

(いっそのこと辞めてしまったほうがいいと思います)

 

ジムに必ず一人はいる、

・全然練習内容と関係のない質問をする人

・雑談ばかりしていつまでも腰を上げない人

・しょっちゅうトイレに行く人

を反面教師にし、

限りある練習時間をフルに使いきって、昨日よりも、また先週・先月よりも強くなるために、

自分自身を追い込んでいくタフネスを磨いていきましょう。

それは格闘技に限らず、仕事や勉強など他の分野でもあなたを支える大きな力になってくれるはずです。


今日強くなれるなら……

とある格闘漫画のキャラクターの台詞に、

「今日強くなれるなら明日はいらない」という言葉があります。

管理人は若い頃から様々な武道・格闘技(護身術)を学び続けてきましたが、

無茶な練習をしていた頃は、まさにそうした心境の中で日々を過ごしていました。

 

そこまでのストイックなイメージを持って練習に臨めるのが一番のような気もしますが、

やはり学生にせよ社会人にせよ、とにかく普通の生活を送っていく事の優先順位が最も高いため、

怪我をしないことが何よりも大切なことです。

 

明らかに無謀な練習内容や疲労が溜まった状態でのハードワークは避け、

しっかりと体調管理をしながらゆっくりと強くなっていきましょう。

 

生き続ける限り、人はずっと「昨日よりも強く」なれるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【格闘技】ガードが下がってくる原因と対策【護身術】

いつも心に1本の可変ラチェットを。どうもサイコ田中です。

格闘技を習ったり、試合を観戦していると必ず耳にする言葉の中に、

「ガードを上げろ!」というものが挙げられます。

当の本人は必死になって腕を上げているつもりでも、

いつの間にかずるずると下がってしまっているのがガードです。

何故、ガードは気づかないうちに下がっていくのでしょうか。


まずは正しい基本姿勢を作るところから

ガードが低い高い以前の問題に、

そもそも基本姿勢がきちんと形になっていれば、

頭部の危険な部位(顎・こめかみ等)はきちんと保護することが出来ます。

 

シャドーの最中ディフェンスが疎かになったり、

スパーリングが始まると顔面ががら空きになってしまう人というのは、

一番最初に教わる基本姿勢が崩れていることが多いように見受けられます。

 

自分では正しく出来ているつもりでも、なかなか理想的な形にならないのが基本姿勢です。

「もういいよ」と思うほど、そして馬鹿馬鹿しくなるほどしつこく、

鏡を見ながらただの基本姿勢だけを維持する時間を作り、

自分の体型やファイトスタイルにフィットした合理的な基本姿勢をしっかりと身に着けていきましょう。

 

基本姿勢のポイントは、

・しっかりと顎を引き

・両手は目線の高さに上げ

・膝は軽く曲げる

という3点であり、これらを抑えてさえいれば間違いはありません。

(足の幅やどの程度半身を切るかは本人のスタイルなどに依存するため細かくは言及しません)

 

安全な基本姿勢の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

↓ ↓ ↓

今日から始める護身術22【安全なスタンスの保ち方】


ガードが下がる3つの原因と対策

ここからはガードが下がってくる原因とその根本的な対策について、

大きく3つの項目に分けてお伝えします。

格闘技を始めたばかりの方や、身を守ること(護身術)に興味をお持ちの方は、

ぜひ一度参考になさってください。

 

前が見えない恐怖心から無意識に下げてしまう

ガードが下がってくる理由の最も典型的なものの一つは、

シンプルに前方がよく見えない不安から、

自分から無意識に下げてしまっているというパターンです。

 

やってみるとわかるのですが、正しい基本姿勢で顔面及び頭部を保護するように構えると、

自分の手で視界が塞がれるため前が見えづらくなってしまいます。

(慣れでどうにでもなるのですが、経験の浅い方には強い不安要素に違いありません)

相手の動きが確認できない不安から手が下がるのは自然なことで、

恥ずべきことでも何でもありませんが、それでは顔面ががら空きになりリスクしかありません。

 

どんなに緊張した状態でも、また恐怖が強まった場面でも、

致命的なダメージを回避するには頭部をしっかり保護する必要があります。

肘が乳首のラインよりも下がらないよう意識し、

両腕(両手)で小さな窓を作り、そこから相手の様子を窺うようにするといいでしょう。

「やばい!」と思ったときは両手で頭を抱えるようにしてカバーをすれば問題ありません。

 

攻撃にばかり意識が向けられてしまっている

攻撃すること(オフェンス)にばかり集中してしまうと、

半自動的にディフェンスは疎かになり、ガードは下がりがちになります。

 

相手をノックアウトする自信があるときも、またどんなに気が逸っている場面でも、

・攻撃後にしっかりと基本姿勢に戻る

ディフェンスとセットコンビネーションを活用する

フェイントを織り交ぜて様子を見る

など、自分が攻撃を当てることだけでなく、相手の攻撃を処理するイメージが大切です。

 

上手な人とスパーリングをすると綺麗にカウンターを合わせられたりして、

「攻撃一辺倒では危険だ」という事実は嫌でも認識させられますが、

常にカウンターのリスクを頭に入れておくことは、どのようなレベルにおいても言えることに違いありません。

特に護身術においては不意打ちの先制攻撃が大きな突破口となりますが、

それでもカウンター攻撃を受ける可能性を無視することはできません。

 

自分の攻撃だけが当たるゲームのような闘いは、この現実世界においては起こりえないのです。

 

ディフェンスに自信があるからこそ下がる

矛盾した言い回しのようになってしまうのですが、

ディフェンスが上手な人ほど、自信過剰になってガードを下げてしまうことが多いことも事実です。

 

特にボクシングのように蹴りや掴みのようなオプションの無い競技において顕著であり、

頭や上体を動かすディフェンスを多用するファイターの多くは、

むしろ動きの邪魔になるため手を完全に下ろす傾向にあります。

(典型的なL字ガードやフットワーク重視のスタイルなどに多く見受けられます)

 

卓越したディフェンス技術があればこその対応であり、

本人にその能力とポテンシャルがあれば問題は無いようにも思えますが、

顔面をがら空きにしているという事実に変わりはありません。

 

いつどのような危険な攻撃をどのようなタイミングでもらうか予測できない以上、

基本的にガードを自分から下げることは回避すべきであり、

いつでも頭を保護できる姿勢を取っておくに越したことはありません。

 

もちろん試合中の負傷などにより上手くガードが上がらない場面も想定されますが、

そういう時こそフットワークやヘッドムーブメントが生きる場面であり、

腕が上がるときはしっかりと上げておくのが確実です。


路上のファイトでは立ち方(構え方)に注意

ガードを上げておくのが大切なのは言うまでもなく、

ここまで重要さについて述べてきましたが、

路上のファイトとなると話が変わるため注意が必要です。

 

護身術(セルフディフェンス)において、典型的なファイティングポーズというのは、

相手を刺激する危険な姿勢とされており、回避すべきです。

特にしっかりと拳を握ったタイトなポーズは「やるぞ」「かかってこい」というボディランゲージに相当し、

目の前の相手をより一層感情的・攻撃的にするリスクがあり大変危険です。

 

路上のトラブルに際しては、

顎に手を添え相手の話を聞くような立ち方(インタビュースタンス)を採用し、

相手を刺激せずにいつでも身を守れるような距離感を維持する意識が肝要です。

また凶器攻撃を想定し相手の手元には常に注意を払い、

手にしているもの(ボールペンなど)は何でも武器にして抵抗しましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

護身用としてのエアガン(空気銃)の可能性と問題点

いつも心に1kgのドライアイス爆弾を。どうもサイコ田中です。

管理人自身もそうでしたが、

いざという時「市販されているエアガンで身を守れるのではないか」と考える方は少なくないと思われます。

確かに市販のエアガンでもある程度の抑止力になる可能性はあると考えられますが、

問題点は数え切れません。

この記事では、護身用ツールとしてのエアガンが持つ可能性と問題点についてお伝えしたいと思います。


「護身用です」という言い訳は通用しない?

ナイフにせよ何にせよ、グレーなものを持ち歩く理由として、

「護身用です」という常套句は頻繁に耳にしますが、

全く言い訳になっていないので注意が必要です。

 

まず大前提として、

・明らかに殺傷力があるものを

・「殺傷力がある」と理解したうえで

・いつでも使える状態にして持ち歩いている

というのは、

・十分な殺傷力があるものを

・明確な殺意を持って

・誰かに危害を加えることを目的に所持していた

と思われても仕方がありません。

(「え?何がダメなんですか?」という方は、一度メンタルクリニックを受診してください)

 

あくまで”護身用として”何らかのアイテムを持ち歩くのは自由ですが、

お巡りさんに声を掛けられてしまったとき、

あなたはきちんと正当な理由と目的を示すことが出来ますか?

 

それが難しい、できそうも無いと思うのであれば、

そんなものは最初から所持・携行しないのが一番であり、

自分自身が加害者にならないためにも重要な考え方ではないでしょうか。

 

護身用ツールの法的問題点については以下の記事も参考にしてください。

↓ ↓ ↓

【小ネタ】ツールの「護身用です」はどこまで通用するか【コラム】


エアガンが護身用として使えない3つの理由

見出しに結論を書いてしまいましたが、

ここからはエアガンが護身用として有用でない理由について、

管理の難しさなど3つの観点からお伝えします。

護身用としてエアガンの購入を検討している方や、

既に所持しているような方は、太字の部分だけでも目を通して参考になさってください。

 

殺傷力が低すぎる

言うまでもありませんが、

市販されているエアガンに殺傷力というものはありません。

(もし殺傷力があるなら一般向けに販売することはできません)

 

サバイバルゲームなどで実際に被弾したことのある人ならわかると思いますが、

エアガンで撃たれても「ちょっとイタイ」くらいであって、

倒れて動けなくなるようなダメージを受けることはありません。

一発で目の前の危険人物の動きを封じたり、

複数の攻撃者を制圧するような効果は期待できず、

とても護身用として活用することは出来そうにありません。(というかまず間違いなく機能しません)

 

かといって改造して殺傷力を上げてしまうと法的に所持できなくなり、

競技用の空気銃などは所持に許可(法的な手続き)が必要であり、

仮に手に入ったとしてもそれらを正当な理由なく所持して歩くなどは論外です。

 

また殺傷力が低いといっても眼球のようなデリケートな部位に直撃した場合は失明のリスクもあり、

過剰防衛に問われる可能性も決して無視してはいけません。

 

維持管理及び携行が難しすぎる

現在日本で市販されているエアガンには様々な種類があり、

そのほとんどがメンテナンスの容易さを売りにしてはいますが、

安全確実に正しく使える状態を保つというのは、誰にでも出来ることではありません。

 

まずガスをパワーソースとしたタイプのエアガン(ガスガン・ガスブローバック)ですが、

これらは使用するためにガスを充填しておく必要があり、

当然のことながら外気温などの影響を受けやすく挙動は想像以上にデリケートなものです。

またガスを充填し圧力の高まったマガジンをポケットやカバンに入れっぱなしにして歩くというのは、

それだけで破裂・破損による自爆の恐れがあり、

高温や火気に近づく場面では特に注意が必要と言えます。

 

ガスガンに次いでオーソドックスなものとして電動ガンが挙げられますが、

電力をパワーソースとしているためこまめな充電・放電といったバッテリーの管理が欠かせず、

バッテリーの劣化により出力が大きく低下するという致命的な欠点も抱えています。

更に電動ガンは大振りなライフルタイプが多く、ケースに入れて持ち歩くにしてもあまりにも無理があり、

危害を加えられそうになった時、

「準備するのでちょっと待ってください」といって取り出すのもおかしな話です。

(もはやケースで思いきりぶん殴ったほうが早いです)

 

日本国内では抑止力として機能しにくい

最近の市販エアガンはとても精巧に出来ており、

ぱっと見は本物と区別がつかないようなものまで普通に売られています。

 

しかし銃社会アメリカや普通に銃火器が流通している諸外国ならまだしも、

「本物の銃」が強く規制され購入・所持が困難な日本国内においては、

そんなものを向けたとしてもほとんどの人は玩具としか思いません。

本物を持っているはずがないと考えている人が、圧倒的多数を占めるからです。

 

よって何かの拍子にエアガンを抜いて見せたとしても、

それは相手を刺激するだけで全くの逆効果にしかならず、

何より残念なことにその銃に本物のような殺傷力は無いのですから、

構わず向かってくる相手を止めることもできず、結果為す術もなく危害を加えられる羽目になるケースがほとんどでしょう。

(相手が日本の銃規制に詳しくない外国人の場合は強い抑止力となる可能性もあります)

 

またどれだけ完成度が高いといっても実銃と見分けがつくように刻印があったり、

銃口内部に金属パーツが見えたりと、

慣れればわずかな時間観察するだけでエアガンまたはモデルガンと見抜くことが出来るようになります。

抑止力として所持しているものを全く効力の無い玩具と見抜かれることは、

より危険な状況に置かれることに繋がり、大変危険です。


どうしてもエアガンを持ち歩きたいなら……

ここまで市販のエアガンが護身用として「いかに使えないか」を説明してきましたが、

それでもエアガンを持ち歩きたいという変わった方のために、

いくつかグレーなアドバイスを残しておきます。

(言うまでもなく、犯罪などへの悪用は厳禁です)

 

一般的なハンドガンタイプのエアガンの場合は、

マガジンにガスやBB弾を充填せず、ガムテープなどで抜け落ちないようしっかりと固定します。

あとは普通に持ってグリップ部分(マガジン底部)で殴打するだけです。

ガスガンほどの重さと硬さがあれば、単純に殴打するほうがよほど効果的と言えます。

 

また拡張マウントレールが装備されているエアガンの場合、

別売りのタクティカル・フラッシュライトを装着しておき、

相手の顔に弾を浴びせる代わりにいきなり光を浴びせ、

そのまま顔面を殴打するというダーティなアプローチもあります。

(危険極まりないため、身を守る目的以外には決して応用してはいけません)

 

このように、エアガンのようなものを持ち歩ていても、

結局は「殴ったほうが早い」場面のほうが圧倒的に多くなるため、

グレーな飛び道具をいくつも買い揃えたり、

護身用ツールをアクセサリーのように持ち歩くのはやめたほうが無難でしょう。

それよりもしっかり身体を鍛えてパンチやキックなど基本の打撃テクニックを一つでも多く身につけたほうが、

よほど有用に違いありません。

 

銃で撃ちあいの真似事がしたいならサバイバルゲームを、

本気で身を守りたいならきちんとセルフディフェンスを学びましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術32【0から学ぶヘッドコントロール】

いつも心に1丁のヒートガンを。どうもサイコ田中です。

身を守る上で最低限身に着けておくべき基礎知識は数え切れませんが、

相手の頭部をコントロールする――ヘッドコントロールの技術体系は非常に重要です。

何故、相手の頭部を抑えることが大切なのでしょうか。


頭と身体操作の関係性

あまりにも有名な、そして興味深い実験として、

「椅子に座った人の頭を抑えると立ち上がることが出来ない」というものがあります。

これは椅子から立ち上がる際に重心を前方へ移動させることで、

”てこの原理”のようなものが働くことに起因していますが、

これは性別年齢・人種や体格を問わず、全ての人に共通する人体のメカニズムです。

「体格や筋力などとは一切関係が無い」というところがポイントです)

 

もしも管理人が「手段は問わないので、自分よりも大きな相手を倒してください」と言われたときは、

黙って対象の背後から近づき、両手で頭を抱え込みながら強く引き倒します。

(いわゆる「膝カックン」のような動作を付け加えてもいいでしょう)

こうすれば相手がどんなに大柄で屈強でも、必ず倒すことが出来ます。

それは上に述べた実験と同様、頭部が人体のバランスを保つ上で非常に重要な役割を担っているからに他なりません。

 

またムエタイおよびキックボクシングにおいては、

蹴りを放つ際、蹴る方向と同じ向きに首を素早く振ることにより、

蹴りの威力とスピードを各段に向上させることが出来るとされており、

実践している選手の姿は多く見られます。

(フルコン空手などの近代武道においてはそのような癖や予備動作に繋がるものは好ましくないため、

あまり見受けられない傾向にあると言えます)

 

このように人間の頭部はその身体操作並びにボディバランスの形成・維持と密接な関係があり、

特に護身術においては相手をテイクダウン(制圧)するうえで必要不可欠な基礎知識と言えます。


0から学ぶヘッドコントロール

上に述べた通り、頭部をコントロールすることは護身術において非常に重要なタスクの一つであり、

熟練の指導者ほどこの操作に長けているという共通点が見られます。

ここからは全くの初心者・未経験者でも直感的に身に着けて実戦に生かすことが可能な、

ヘッドコントロールの基礎についてお伝えしていきます。

防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ一度参考になさってください。

言うまでありませんが、

ここで紹介する技術体系は必ず自分や身近な人の身を守ることにのみ用い、

犯罪などに悪用することは絶対にやめてください。

 

まずは相手の側面・背後を取ることから

ヘッドコントロールにおいて重要な位置を占めるものは、

立ち位置(ポジショニング)に他なりません。

 

相手の正面に立った状態はいつ致命的な攻撃を受けても不思議ではなく、

それらをブロックすることが出来ても劣勢には変わりありません。

なるべく危険な相手の斜め前から側面、出来れば背後を取るように動き、

正面に立たないことが重要です。

(これはヘッドコントロール以外の分野においても同様のアイデアです)

 

もしも相手があなたの正面に立ちふさがったり、

拳を握ってファイティングポーズを取っているような状況ならば、

あなたの最優先タスクはヘッドコントロール(相手の頭を取ること)ではなく、

相手をその場で、可及的速やかにノックアウトすることです。

パンチや肘打ち、金的への膝蹴りなどを活用してアグレッシブに攻めましょう。

 

相手の頭を捉えたら90度回転させる

うまく相手の斜め前か側面に立ち、会話などで注意を反らすことが出来たら、

頭を捉えに行く準備は完了です。

 

相手の顔と後頭部に素早く手を回し、

相手の後頭部(首の後ろ)がこちらを向くように、

素早く90度回します。

(強く回しすぎると大変危険です。軽く「押して引く」イメージで十分と考えてください)

この際相手の脳を軽く揺らすようなイメージを持ちながら、

「回す」というより「叩く」ような感覚で手を動かすのがポイントです。

(熱したやかんや鍋を両手で小さく回すようなイメージです)

 

そうすると人体のメカニズム上、相手の身体は反射的に首が回ったほう、

すなわちあなたが立っている場所に背を向けるように回ろうとします。

次の瞬間には上に述べた「相手の背後から頭を押さえて引き倒す」というパフォーマンスが可能な体勢になるので、

そのまま相手の頭を胸元へ引き寄せるようにして、素早くテイクダウンします。

相手を傷付けるのが目的ではないため、

必要以上の力は加えず、静かに足元に寝かせるイメージを持ちましょう。

 

正面・至近距離の相手には金的攻撃から

ヘッドコントロールにおいて重要なタスクの一つは、

「相手のアイライン(目線の高さ)を自分の胸より低く保つこと」です。

 

先に述べた通り、人間の頭部は動作の起点となっているため、

ある一定の高さよりも低い位置になると身体的パフォーマンスに影響を及ぼします。

レスリングの試合などを見ていると、

腕の取り合い以外にも相手の頭を押さえつけるような動作が多く見られますが、

これは相手の頭部をコントロールすることで、主導権を握ることを目的としています。

こうした「崩し」はテイクダウンを成功させるうえで非常に重要であり、

何の工夫もなくいきなり仕掛けるよりも、小さな、そして地味な手間をかけた攻撃のほうが圧倒的に成功率が高まり、

致命的な反撃のリスクも低減できます。

 

特に相手が正面――そして手の届く至近距離に立っているような切迫した場面では、

側面を取るように動くのは難しく、また対応の遅れも致命的です。

このような状況では迷わず金的または腹部に素早い攻撃を加えることで、

相手の身体を「くの字」に折ってしまうことが手っ取り早く確実に違いありません。

 

特に金的への素早い膝蹴りは、蹴り足を掴まれるといったリスクも少なく、

両腕をフリーに出来るため理にかなっています。

金的を打たれた相手の身体が前のめりになったら、

すかさず頭部を上から押さえつけ、ダメ押しの肘打ちやハンマーパンチ、

頭部への膝蹴りなどでフィニッシュしてしまいましょう。

(相手が酔客などの場合、ヘッドロックのような形で制圧するのが安全かつ良心的です)

 

身長差などの兼ね合いから金的への膝蹴りが難しいような場面では、

手の甲または手のひらで相手の股間を強打するというアプローチもあります。

いずれの場合も、素早く不意打ちをすることにより、

相手に心と身体の準備をする時間を与えないことが最大のテーマになります。

(攻撃の意思を感じて身構えられたりブロックされた場合、一気に不利な状況に追い込まれることは言うまでもありません)

 

テクニックを組み合わせて運用する

おさらいになりますが、

ヘッドコントロールの基本は、

・相手の斜め前か背後から

・首を90度回して後ろへ引き倒す

・正面からは金的打撃で頭を下げさせる

というものでしたが、

これらは言うまでもなく、組み合わせて運用することが可能です。

 

例えば正面から相手の股間に蹴りを入れ、相手の身体がくの字に折れたら、

そのまま相手の頭を抱えて90度回転させ、

一気に後ろへ引き倒すというテイクダウンも非常に効果的です。

(多少荒っぽいアプローチですが、相手が強い脅威であるならやむを得ません)

 

また相手の斜め前方から頭を取ることに失敗してしまっても、

金的や腹部への素早い攻撃から主導権を握り、

素早くテイクダウンできる体勢へと移行することも出来ます。

 

このように、基礎の技術体系はいくらでも状況に応じて応用・発展させることが可能であり、

その活用方法は使い手次第とも言えます。

より素早く効率的に、そして確実に相手を制圧するために、

どのような組み合わせが理想的か考えながらイメージを膨らませるだけでも、

自己防衛能力は格段に向上するでしょう。


打撃テクニックの練習は欠かせない

上で紹介したテクニックがより効果的に、そして確実に機能するためには言うまでもなく、

パンチや蹴りといった基本の打撃テクニックの練度が重要となります。

 

相手をテイクダウンできなかった場合は組み合った体勢からの殴り合いに発展するため、

フックやショートアッパー、肘打ちなどのテクニックを正しく使える必要があります。

また正面からの金的攻撃を狙う際にも膝蹴りの精度が求められ、

それらの攻撃が失敗した時の保険として頭突き、肘打ち、掌底打ちといったテクニックも知らなくてはなりません。

 

このように、ただ相手の頭部をコントロールして制圧することを目的とするのではなく、

生き残るために使える武器・スキルをなるべく多く身に着けておくという考え方が大切になってきます。

切れるカードが多ければ多いほど迷いや躊躇いに繋がることも事実ですが、

セルフディフェンスにおいて「これしか出来ない」「これしか知らない」というのは非常に危険です。

 

打撃テクニックが正しく機能すればより安全・確実なテイクダウンにも繋がり、

必要以上に相手を傷付けることの無い、スマートな制圧が見えてきます。

 

まずは基本のパンチ・キックの練度を高め、

「瞬間的に相手を圧倒する」イメージを拡大するところから始めていきましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【小ネタ】ナイフディフェンスのウソ・ホント【コラム】

いつも心に1台のマグロ用電気ショッカーを。どうもサイコ田中です。

護身術を扱ううえで外すことのできない最大のテーマの一つは、

何といってもナイフを扱う自己防衛テクニックでしょう。

巷にはナイフディフェンスにまつわる様々な情報が溢れかえっていますが、

全てが正しいとは言えません。

今回は「ナイフディフェンスのウソ・ホント」と題して、

刃物を扱う護身術で知っておくべき豆知識をお伝えしたいと思います。


もしも刺されたら「痛い」では済まない

言うまでもありませんが、

もしもナイフのような鋭利な刃物による攻撃を受けた場合は、

文字通り命に関わります。「痛い」どころでは済みません。

 

現在日本の法律における銃刀法において明確に所持が規制されている「刀剣類」は、

・刃渡り5センチメートル以上の剣・匕首

・45度以上に自動展開する装置を有する飛び出しナイフ(モーフィングナイフ)

などであり、

「たった5センチ……?」と思ってしまいそうですが、

人はたった5センチの刃物で命を落とす可能性があるということです。

その確率と危険性を決して軽視してはいけません。

 

刺し傷はもちろん、見た目には小さな切り傷でも血管に達する深さとなれば、

迅速な救命処置が求められ、感染症リスクも計り知れません。

 

もしも危険人物から刃物による攻撃を受けた場合は軽傷でも必ず病院で適切な処置を受け、

速やかに警察へ被害届を出しましょう。

また護身を目的に上記の銃刀法に違反する刃物・凶器の類を携行してはいけません。


ナイフディフェンスのウソ・ホント

ここからはナイフディフェンスにまつわる様々な豆知識を、

主にそれらのテクニックが有用かそうでないかといった観点からお伝えします。

一風変わったアプローチも併せてご紹介していますので、

防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ一度参考になさってください。

 

ダッシュで逃げるのが一番?

刃物に対するあまりにも有名で典型的なアプローチは、

ダッシュで逃げることに他なりません。これは勿論「ホント」です。

 

日本国内におけるある防犯(防災)訓練から、

「凶器を携行した対象に立ち向かったグループ」と、

「可能な限り距離を置くこと(逃げること)を優先したグループ」との間には、

実に90パーセント近い生存率の差が生じたという結果が確認されています。

 

言うまでもなく生存率が高かったのは後者、

すなわち「逃げることを優先したグループ」です。

 

刃物を持った危険人物は焦って制圧(取り押さえること)を優先に考えてしまいがちですが、

あなたの目的が生き残ること――生存することであるならば、

ナイフのような凶器を持った攻撃者には決して自分から近づいたり、

制圧を試みたりしてはいけません。

 

また、一口に「ダッシュで逃げる」と言っても、ただ逃げればいいのではありません。

危険な相手に背を向けて走り出してしまった場合、

背後から首や背中のような危険な部位に攻撃を受けるリスクが高く大変危険です。

必ず攻撃者の動向を伺いながら後退りするように距離を置き、

可能なら何らかの遮蔽物を隔てるように動き、攻撃者を手の届く距離に近づけない工夫が肝要です。

 

ナイフを持っている人間を見抜くのは難しい?

これも残念ながら極めて難しいというのが現実で、「ホント」ということになります。

 

市販されているナイフの中には、

・女性の手のひらに収まってしまうようなサイズのもの

・服の一部などと一体化するようなもの

・スマホケースに隠せるような形状のもの

など隠ぺい性の極めて高いものが多く、

それらのほとんどは残念ながら「攻撃を受ける瞬間」まで存在を見抜くことは困難と考えられます。

(要するに攻撃を受けた時点で手遅れということです)

 

とは言えいかにその存在を捉えるのが困難だとしても、

・相手の手の動きに注意を払う

・安全な距離を保つ

・「やられる前にやる」(危険なのでオススメはしません)

などといったアプローチにより対処は可能です。

 

路上トラブルにおける攻撃のほとんどは手から始まります。

相手が手やポケットの中に何かを握り込んでいないか、

相手と向き合いながらもその手の動きに注意を向けているだけで、

一定の生存率を維持することが出来ることはぜひ覚えておいてください。

 

以下の記事でナイフのような凶器を持った人物を見抜くためのTipsを紹介しています。こちらも併せてご覧ください。

↓ ↓ ↓

【小ネタ】ナイフを持ち歩く人間の行動と心理【コラム】

 

合気道のようなメソッドで攻撃を防げる?

よくある合気道や空手の型のような動作で刃物による攻撃を凌ぐというのは、

ほとんど不可能と考えたほうが無難でしょう。よって答えは「ウソ」になります。

(合気道や空手の鍛錬内容を否定・批判する意図は一切ありません)

 

何故、合気道や空手ではナイフと向き合えないのでしょうか?

その理由の最たるものは、

「本気で自分を襲う(殺そうとする)相手」を想定していないことにあります。

 

普段の練習で、パートナーは本気であなたを殺す気で襲うでしょうか?

答えはほとんどの場合NOです。あり得ません。(そもそもそんな人物がいる道場は危険です)

明確な殺意や敵意を持たない攻撃をどれだけ上手に処理できても、

本気で襲ってくる脅威をどうにかすることはできません。

 

またこれはナイフディフェンスに限った話ではありませんが、

練習通りの綺麗な(教科書通りの)攻撃をしてくる相手などいるはずがありません。

路上のファイトともなると、攻撃者のほとんどは何の訓練も受けていない素人か、

少し武道をかじった程度の相手が大半になり、

こうした人物が繰り出す攻撃のほとんどはシンプルに「見たことが無い」ため、

予測不能でリスキーなものになりがです。

(プロのファイターがフォームの崩れた攻撃を繰り出す相手を苦手とすることにも関連しています)

 

「ナイフを持って、こういう方向から、真っ直ぐ私を突いてください」などと細かく前提条件を設定する武道の練習が、

一心不乱にあなたを刺し殺そうとする相手を止めることに役立つでしょうか?

難しく考えるまでもなく、答えは出ているはずです。

 

椅子のようなものは役立つ?

椅子やスツールのようなものを構えてブロックするというメソッドですが、

これらはやり方によっては効果的と言えます。よって答えは「ホント」です。

 

ナイフの有無にかかわらず、攻撃者にとってターゲットとの間に遮蔽物を挟むのは、

精神的・肉体的に大きなストレス、プレッシャーとなります。

 

特に椅子の脚は長く先端が細くなっているため無数の槍や棒のような抑止力を持ち、

攻撃者が距離を詰めようとする動作を著しく阻害します。

 

椅子は脚部分を掴まれると面倒なことになるため、

椅子の座面を掴んで顔や胸の高さに構えたら、

ハンドルを回すようにくるくると動かすのが効果的です。

(椅子の脚が不規則な動きをすればするほど、攻撃者は不快感を覚えます)

 

また腕力に自身があり、周囲に椅子がたくさん置かれているような状況ならば、

難しく考えず掴んで相手に投げつけるのが最も効果的です。

(相手がナイフを投げてくるというワーストケースも想定されますが……)

 

カバンのようなもので攻撃をブロックできる?

椅子は間違いなく効果的と言えますが、

普通のカバンのようなものは少々心もとないかもしれません。よって答えは「ウソ」になります。

 

強度の高い登山用リュックや革製バッグのようなものであれば、

胸の前に抱え込むだけで抑止力にはなるかもしれませんが、

普通の布やビニールで出来たバックパックのようなものでは、

致命的な攻撃を防ぐのは難しいかもしれません。

 

カバンを振り回して応戦するというアイデアも有用には違いないのですが、

両手でバットを振るような動作のフルスイングや、

力任せに振り下ろすような攻撃は隙が大きく、

攻撃動作の終わりに距離を詰められてあっけなく刺されてしまう可能性が高くおすすめは出来ません。

 

カバンのようなものを使って身を守る際には、

手に持ってどうこうするというよりは、

・相手に向かって思いきり投げつける

・片方の腕に巻き付けるようにする

・カバンを使って相手の腕を押さえつける

といったアプローチが効果的であり、

ただ手に持って振り回せばどうにかなるものではないといった点に注意が必要です。


2on1メソッドで生存率を1パーセントでも高く

昨今の護身術業界におけるナイフディフェンスのトレンドはずばり、

2on1メソッドに他なりません。

 

シンプルにナイフを持っている相手の腕を、

こちらはいつでも必ず2本の腕を使ってコントロールするという考え方です。

(1つに対し2つと言う意味で、2on1です)

 

両手で相手の片方の手を押さえるときは、

相手のもう片方の腕で攻撃を受けるリスクが高く危険に違いありませんが、

ナイフによる直接攻撃を受けるよりもよほど安全です。

また相手の方が体が大きく腕力が強くとも、

流石に腕2本で邪魔された場合は思うように動かすことが出来ません。

 

しっかりと相手の凶器を持った腕を2本の腕で抱え込むようにコントロールし、

可能であれば相手の肩口や胸元に顔を押し付けるようにして、

空いているほうの手で攻撃されないよう立ち回りましょう。

 

とにかく凶器による直接攻撃を凌いでさえいれば、

無傷は困難にしても生き残ることはできるはずです。

(大声で助けを呼んだり頭突きなどの攻撃で抵抗することを忘れずに)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【小ネタ】「身体の小さい人が学ぶべき格闘技」という幻想【コラム】

いつも心に1本のシノ付きカッターを。どうもサイコ田中です。

護身術を扱う情報に目を通していると、必ずと言っていいほど出てくるのが、

「身体の小さい人が勝つための格闘技」とか、

「身体の小さい人が学ぶべき武道」というキーワードです。

とても大切なことなので最初に断っておきたいのですが、

そんなものはこの世に存在しません。

どういうことなのか、一つずつ順を追って説明していきましょう。


「小よく大を制する」は幻想なのか?

日本の伝統的な武道(空手や合気道)に昔から根付いている思想として、

「小よく大を制する」というものがあります。

読んで字の如く、

”身体の小さいものほど大きなものを圧倒できる可能性を秘めている”といったニュアンスになりますが、

そんな都合の良い話があるはずもありません。

 

一般的にそれがどんな分野にせよ、

肉体的なスペック(フィジカル面)が重要視されるような競争の場においては、

身体の大きい人物がより良い結果を出せると相場が決まっています。

 

背が高く手足が長ければ一挙動で発生させることのできるエネルギーはより大きくなり、

格闘技においてはリーチ面(攻撃の射程)で優位に立つことが出来ます。

またシンプルに体重の重さは打たれ強さ(耐久力)と密接な繋がりがあり、

握力や咬合力(噛む力)なども基本的には体重と比例の関係にあるため、

強さ=身体の大きさという構図があることにもはや疑いの余地はありません。

 

「小よく大を制する」という言葉は魅力的に聞こえますが、

「健全な精神は健全なる肉体(身体)に宿る」と同じことで、

本質を捉えれば「有れかし(そうであってほしい)」という願望の込められた言葉であり、

それが現実離れしたビジョンであることは誰の目にも明らかです。

 


「身体の小さい人が勝てる武道」という勘違いとその問題点

巷で護身術などの情報とセットで提供されているのが「身体の小さい人におすすめの武道」ですが、

そんな都合の良いものが存在するはずはありません。

この致命的な勘違いとその問題点は、どのようなところにあるのでしょうか。

 

”身長と技術”の二択問題から見える現実

あなたがもしも小柄な体にコンプレックスを抱いているとして、

「身長が高くなる方法」と「小さいまま強くなれる方法」の2つがあったとしたら、

どちらを求めますか?

 

大多数の方が前者――すなわち「大きな体を手にする方法」を取るのではないでしょうか。

言うまでもなく、身体が小さいまま強くなるよりも、

大きな体を手に入れてから技術を身につけたほうがより強くなるのは明白であり、

あえて小さい身体のまま強くなることを目指す意味はほぼ皆無です。

 

残念ながら人間の成長期は決まっていて、成人してから身長を伸ばすことはほぼ不可能に近いため、

大多数の人が「小さいままで強くなる方法」を求めますが、

そもそも「技術を持った小さな人」は「技術を持った大きな人」に勝ち目は無いため、

最初の前提からして既に崩壊しているのです。

そして残念なことに、この現実に気が付いていない人があまりにも多すぎるのです。

(言うまでもなく、管理人もかつてはその一人でした)

 

「技術を持たない相手」にしか勝つことはできない

前項と繋がる部分ですが、

結局のところこの世の中に存在する武道・武術・格闘技(護身術)の大半は、

「その技術を知らない人物」を打ち負かすために生み出されたものであり、

あえて厳しい表現を用いるとするならば、

「素人にしか通用しない」という意味合いになってきます。

 

上に述べた通り、

同じ技術を持つ者同士であれば身体の大きい人物がより良い結果を出すのは明白であり、

身体の小さい人が自分よりも大きな人と同じ成果をあげるには、

より多くの経験・知識・技術が求められ、それら全てが高い水準でなくてはなりません。

そしてそれは限りなく不可能に近いため、

結局「身体の大きな相手には勝てない」という残念な結果だけが残されることになります。

 

身体の小さな人物が格闘技を極めても、

苦もなく圧倒できるのはその知識や経験を持たない一般人か、

同じ技術を持つ体型の変わらない人物――すなわち同じ階級の対戦相手のみであり、

身体が大きく若い、経験豊富なファイターを敵に回した場合はどうにか生き残るのがやっとになるでしょう。

 

以下の記事でもヒントになる情報を提供しています。ぜひ参考になさってください。

↓ ↓ ↓

【防犯】身体の小さい人が身を守るためのルール【護身】

 

求められるのは柔軟性(人とは違う考え方)

では本当に身体の小さな人物が結果を出すにはどうすればいいか、

答えは明白で、他の人とは何か違う取り組み方をするしかありません。

 

身体の小さな人が大きな相手を倒すためには、

最初から勝ち目のない部分を徹底的に排除して、

特定のパラメータを強化していくのが確実です。

・パワー(瞬間的な破壊力)

・タフネス(打たれ強さ・耐久力)

・リーチ(攻撃の届く距離)

これらのファクタは、どう足掻いても縮めることの出来ない致命的な差になるため、

埋めようとするのは時間の無駄です。

 

・スピード(瞬発力・機動力)

・バランス(安定性・柔軟性)

・タイミング(カウンターの精度)

など、フィジカル面に大きく依存せず、

なおかつ小さな体躯であるからこそ光る部分を徹底的に強化していく事こそ肝要であり、

他に突破口は無いとも言えます。

 

特にテクニックの練度を上げていく事は非常に重要であり、

相手の虚をつくフェイントや出入りの速さを意識したフットワークなど、

突破口はいくつも見つかります。

 

正攻法でぶつかっていくのではなく、

相手の力を受け流すように、自分の持ち味を生かして戦うということが、

「小よく大を制する」ひいては「柔よく剛を制する」の神髄ではないでしょうか。


小柄な人や女性こそ格闘技を学ぶべき理由

勘のいい方は既にお分かりかもしれませんが、

上に述べた事実こそが、翻って考えたとき、

小柄な方や女性こそが武道・格闘技を学ぶべき理由に繋がってくるのです。

 

確かに、身体の小さな人がどれだけ沢山の知識や技術を身に着けたところで、

同じ技量を持つ大きな人物には手も足も出ません。

ですが言い換えれば、何も知らない素人相手には、

勝てないまでも負けるはずはないということになります。

 

何も知らなければ一方的にやられてしまうような場面でも、

もしもあなたが急所への攻撃方法や正確なテイクダウン技術、

相手の関節を極めるサブミッションを知っていたらどうなるでしょうか?

 

小柄な人や女性に向けて開発された武道や格闘技、護身術の技術体系などはこの世に存在しません。

ですが身を守るための技術は知っていることに意味があるのであり、

ジムや道場で自分よりも大きく強い相手と向き合うことによって、

「どう対処するのか」「どのように窮地を切り抜けていくか」を学ぶことにこそ価値があるのです。

 

スパーリングで自分よりも大きく上手なファイターと闘ってボコボコにされるのは、

痛く、苦しく、不愉快な時間に違いありません。

ですがあなたがそうして味わった苦痛や悔しさは、

あなたが本当の意味で強くなるための大きな糧になることを決して忘れないでください。

 

あなたが本気で望みさえすれば、

「小よく大を制する」というイメージは、必ず現実のものにできるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【格闘技】コロナ禍における失敗しないジム・格闘技の選び方【護身術】

いつも心に1本の大型マシェットナイフを。どうもサイコ田中です。

東京都を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、

それでもなお「新しいことを始めたい」「新鮮な刺激が欲しい」という方は少なくないでしょう。

今回はコロナ禍におけるジムおよび格闘技の選び方について、

2つのシンプルな判断基準に沿ってお伝えします。


感染対策・体調管理をしっかりと

現在日本のみならず全世界で新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が広がっています。

重症化リスクに性別・年齢は関係ないとされ、ウイルスそのものの変異も確認が相次ぎ、

僅かな気の緩みも許されない状況であることは言うまでもありません。

 

これからジムを探し、練習に参加しようとお考えの方には、

・マスクの着用

・アルコール消毒スプレーの活用

・うがいと手洗いの徹底

といった根本的な感染対策はもちろんのこと、

疲労をため込まないことや3食きちんとしたものを口にするなど、

体調管理にも十分注意していただきたいと思います。

 

もはやウイルス感染と重症化、後遺症との闘いは他人事ではありません。

自分自身や対戦相手とのファイトだけでなく、

見えないウイルスとのファイトにも万全の備えで臨んでいきたいですね。


コロナ禍におけるジム・格闘技の選び方と2つの判断基準

ここからはコロナ禍においてジムおよび格闘技を選んでいく考え方について、

シンプルな2つの判断基準に沿ってお伝えします。

格闘技や護身術に興味をお持ちの方はもちろん、

何か新しいことを始めたいとお考えの方もぜひ一度参考になさってください。

 

体格・年齢・性別は関係ない

とても大切なことなので一番最初にお伝えしておきたいのですが、

ジムや格闘技を選ぶ上で、

身長体重や年齢、性別などは一切関係がありません。

 

あなたの身長が何センチで体重が何キロであれ、

今日まで格闘技の経験があろうとなかろうと、

それらの情報はジム選びをするうえで決定的なファクタにはなりえません。

 

最も重要なことは、

あなたが何を望み、何のために鍛えるかということです。

 

大切なことなのでもう一度。

身体の大きさやスポーツの経験などは関係ありません。最も重要なことは、

「あなた自身がどうなりたいか」、これに尽きます。

 

とはいえ何の参考もなく選んでいくのは少し不安かもしれません。

体型や年齢別に取り組むべきトレーニング・おすすめの格闘技について以下の記事にまとめてありますので、

こちらも一度参考になさってください。

↓ ↓ ↓

今日から始める護身術30【年齢別・体型別トレーニング方法】

 

判断基準1:プロになりたいか・そうでないか

ジムを選んでいく過程で大きな判断基準の一つは、

ずばり「プロを目指す気があるかどうか」です。

 

これから格闘技で食べていくとか、

競技の世界で頂点を目指したいという気持ちがあるならば、

最初からプロを育成するコースがあるジムで、

実績のある選手を輩出している指導者の下で練習していくのが一番の近道に違いありません。

 

実際に結果を出している指導者の下にはハイレベルな選手が集まるだけでなく、

「試合における勝ち方」「勝つための考え方(マインドセット)」といったより高度な指導を受けることができます。

練習は苛烈なものになるでしょうが、

・基礎練習にすらついていけない

・ウォームアップでガス欠になってしまう

・年下の女子選手にボコボコにされる

といった経験は決して無駄にはなりません。

もし辞めてしまった後でも、そのような体験は必ずあなたが生きていく上で大きな力になるはずです。

 

判断基準2:趣味として楽しむのか・そうでないか

大きな判断基準の2つ目は、

「あくまで趣味の一つとして割り切るのか、そうでないか」という点です。

 

ただ楽しむのが目的ならば、

・なるべく家から近い(場所)

・会費がリーズナブル(金銭面)

・純粋に楽しめるかどうか(感覚)

といった3点で選んでいけば間違いはありません。

 

週に2回から3回、毎回往復2時間もかけて、

汗臭い場所でゴリゴリのおじさんに殴られるなんて、面白くもありませんよね。

あなたがただ単に格闘技を楽しみたいだけ、趣味として嗜みたいだけなら、

自宅の近辺で、なるべく会費が安く、雰囲気の穏やかなジムを探すのが一番です。

 

家から近ければ通うのが億劫ではなくなるため練習をサボリにくくなり、

会費が安ければ「費用がかかりすぎる」という言い訳も出てきません。

(あまりにもコストが低すぎるとサボりがちになることも懸念されるため、

あえて高い月謝を払うことで「行かなきゃ損だ」と自分に言い聞かせる方法もあります)

 

格闘技に限らずどんなことにも当てはまることですが、

何より大切なことは「とにかく続けていくこと」です。

自分から練習を続けやすい環境を整えていく事は、決して無駄ではありません。

ダラダラと続けるだけでは意味が無いように思えるかもしれませんが、

そうして時間をかけて習い覚えた技術や考え方は決して無駄にはなりません。

 

ただし、世の中にはあまり好ましくない「怪しい・危険なジム」が存在することも事実です。

以下の記事でそうした怪しいジムを見抜く方法を紹介していますので、参考になさってください。

↓ ↓ ↓

【小ネタ】怪しい教室(ジム)・セミナーの特徴と共通点【コラム】


身を守る方法はプロから指導を受けよう

ナイフなどを扱う典型的なセルフディフェンスや、

痴漢やストーカーなどとの向き合い方といった根本的な危機管理能力の向上に関しては、

必ずプロから指導を受けるようにしましょう。

 

セルフディフェンスの技術体系が目指すゴールとは「状況の認識と生存」であり、

リング上のルールに従ったファイトで勝利を収めることではありません。

 

間違っても自己防衛能力を高めることを目的に格闘技ジムに通ったり、

闇雲に身体を鍛えたりしようとしてはいけません。

身を守る技術はセミナーなどに参加することで、

その道のプロから直接指導を受けることでしか学ぶことはできません。

 

あなたの目的が「競技で勝利し結果を残すこと」ならどうぞジムに通って鍛錬なさってください。

「ルールの無い状況で突発的に生じる危機的状況から脱する方法」を学びたいなら、

【セルフディフェンス】【護身術】といったキーワードの含まれるジムや教室を探しましょう。

もちろん、当ブログに掲載している情報を参考にしていただいても結構です。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。