【護身術】一人で出来るちょっと変わったトレーニング【宅トレ】

いつも心に1年分の粉末かつおだしを。どうもサイコ田中です。

新型コロナウイルスの蔓延に伴い発令されていた緊急事態宣言が解除され1週間が経ちましたが、

不要不急の外出が推奨されない状況に変わりはありません。

自宅でコツコツ鍛えておられるストイックな方のために、

今回は自宅で出来る自己防衛トレーニングの中でも、

一風変わったものを紹介したいと思います。


キック(蹴り技)の練習は必要ない?

基本的に路上のファイト(ストリートファイト)想定する場合、

足を使った攻撃は推奨されません。路上のファイトにおけるキックには、

・蹴り足を掴まれる

・バランスを崩し転倒する

・足を怪我して動けなくなる

などリスクのほうが多く、一撃必殺の破壊力が無い限り積極的に用いるべきではありません。

ただし蹴り足を素早く引ける膝蹴り金的蹴り、相手の膝などを狙った低い蹴り(ローキック)などは有効であり、

相手がスリッパやサンダルなどルーズな履き物を着用している場合、

上から全力で足を踏みつけるという攻撃手段も効果があります。

これらの技は特にミットやサンドバッグなどを用いて練習する必要はない(できない)ため、

路上のファイトを想定している場合、キックの練習は不要と考えていいでしょう。


一人で出来るユニークなトレーニング3選+α

ここでは自宅でゆっくり自分のペースで取り組める自己防衛トレーニングの中でも、

特にユニークなものを3つ(+α)紹介したいと思います。

防犯・護身に興味をお持ちの方で、ジムなどに通うのが困難な方は参考になさってください。

 

バット(その他)による素振り

いわゆる野球の素振り運動は、セルフディフェンスにも関連しています。

・腰の回旋運動

・下半身から始まる連動性

・体幹安定性

など、特にパンチを打つ動作と密接な繋がりがあり、

緊急性の高い場面における武器攻撃の練習にもなり一石二鳥と言えます。

(護身の目的でもバットのような凶器を用いることは推奨されません)

自己防衛能力向上を目的として素振りを行う際の注意点は、

左右均等に(同じ回数)行うことと、

下半身から力を伝える意識を持つことです。

野球の素振りのように自分の打席(利き腕)側だけを練習してしまうと、

ボディバランスに偏りが生じることが懸念され好ましくありません。

右打ちで50回振ったら、次は左で50回というように、必ず左右同じ回数行うことが肝要です。

また力任せに腕や腰で「バットを振り回す」というよりも、

足で地面を蹴る(押す)力を上半身へと伝えるイメージを持つことにより、

パンチを打つ際の下半身の使い方がよりイメージしやすくなります。

腕だけでブンブン振り回すのではなく、下半身から腰、腰から肩(腕)という風に、

足元から発生したパワーをバットの先に伝える感覚を掴めるよう意識しましょう。

 

仰向けに寝て「一人キャッチボール」

野球やバスケットボールの経験をお持ちの方であれば、

誰もが一度はやったことがあるかもしれません。

やり方はいたって簡単で、

仰向けに寝そべり、顔に落ちても安全な柔らかいボールなどを適当な高さに投げ、

顔の前で受け止めるだけです。

このトレーニングで大切なことは、

・投げる直前に目を閉じること

・しっかりボールを見ること

・慣れてきたら拳をボールにぶつけること

の3点です。

格闘技経験などが無い一般人の方にとって、

「自分に向かって飛んでくるもの」を見る機会はそう多くはありません。

(パンチなどの打撃攻撃はその典型例と考えられます)

このトレーニングを通して自分に向かってくるものをしっかり目視する感覚を養い、

動体視力を高めることが可能と考えられます。

トレーニング効果を高めるうえで、

投げたボールの軌道を目で追えないよう投げ上げる直前に目を閉じることと、

しっかりボールを目で追い、出来るだけ顔面に近い場所でキャッチすることが大切です。

また慣れてきたら落ちてくるボールにパンチを当てに行くことで、

正確なパンチを放つうえで非常に重要な「手と目の連動性」を鍛えることも可能です。

 

壁に片手をつけてパンチ連打

パンチの練習と言うと、しっかりファイティングポーズを取って、

十分な距離を確保したうえで行うものが一般的です。

しかしリアルファイトの場面では、

・狭いバーカウンターの周囲

・混雑した電車の車内

・小さな駅の公衆トイレ

など、限られたスペースの中での攻防も想定する必要があり、

基本的なパンチ練習だけでは不十分と考えられます。

片手を壁につけるなど、動きを制限したパンチ連打の練習は特に効果的であり、

至近距離の混乱した局面でのファイトにおいて必要不可欠なテクニックが身に付きます。

同様にして、壁に背中を付けた状態からパンチを繰り返したり、

一人暮らしで手狭な環境で生活されているという方は、それを逆手に取り、

限られたスペースで効果を発揮できるコンビネーションを編み出すのも面白いでしょう。

(管理人が若い頃は1K6畳の小さな部屋で、ひたすら肘打ちと頭突きを軸にした動作を繰り返していました)

自宅にサンドバッグをお持ちの方は、

サンドバッグに帯やゴムバンドを巻き、それらを掴んだま殴打する練習も非常に効果的です。

 

バッティングセンターでかっ飛ばす

+αの要素として、

「バッティングセンターでホームランを狙う」という小ネタも紹介しておきます。

動くものを目で追うことは動体視力を向上させるうえで不可欠なトレーニングですが、

護身を目的とする場合は先述の通り「自分に向かってくるもの」を見るのが理想的です。

特に硬式ボールのような当たると痛いとわかりきっている物の場合は緊張感があり、

集中力も磨かれること間違いなしです。

打席に立ってボールだけを見ていると変な人だと思われるので一緒にバットも振って、

せっかくなのでホームランを狙ってみましょう。

バットを振る動作がパンチを打つことに関連していることは先に述べた通りですが、

同時に「インパクトの感触を掴む」という部分も鍛えられ、こちらも打撃力向上に関連しています。

(大きなタイヤなどをハンマーで叩くトレーニングが一般的です)

・動くものを目で追う

・下半身からパワーを伝える

・「全力でぶつける」感覚を養う

など、一度に鍛えられる能力は数え切れません。

お近くにバッティングセンターが稼働しているという方は、積極的に足を運ばれてはいかがでしょうか。


筋トレだけでは身を守れない

とても大切なことなので断っておきますが、

ただ漫然と筋肉を発達させるトレーニングだけを繰り返しても、

自己防衛能力を高めることはできません。

(ボディビルダーも、いきなり凶器により不意打ちを受けたら死ぬしかありません)

自宅でストイックに筋トレを続けるのも大切なことですが、

もしもあなたが自分や身近な人を守ることを目的に鍛えているなら、

その目的に合った適切なトレーニングが必要なことを忘れてはいけません。

今回紹介したのはごく一部ですが、セルフディフェンスにまつわるソロ・トレーニングは多岐にわたります。

当ブログでは他にも自宅でコツコツ強くなるためのアイデアやヒントを多数紹介しています。

興味を持たれた方はぜひ【護身術】のタグからご覧ください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

シナリオ別ソロ・ドリルNo.02【胸倉を掴まれた状態からの殴打】

いつも心に1本のどす黒いトルクレンチを。どうもサイコ田中です。

ストリートファイトで最もメジャーなシチュエーションの一つは、

服の胸元(胸倉)を掴まれた状態から受ける攻撃です。

今回はそうした胸倉を相手に掴まれた状態からのカバー(ブロック)と、

安全かつ即効性の高い反撃をセットにしたソロ・ドリルをご紹介します。


”胸倉を掴んだまま”の相手などいない

護身術でよくサンプルとして示されるシチュエーションに、

「相手に胸倉を掴まれたら」というものがありますが、

あなたの胸倉を掴んだままじっとしている相手などいるはずがありません。

服や体の一部を掴まれてしまった場合、

・そのまま全力で殴られる

・力任せに振り回される(揺さぶられる)

・壁などに強く押し付けられる

など、必ず「そこから先」の展開が待っています。

当然のことながら攻撃者はあなたとダンスを踊ったり、友達になりたいわけではないのので、

腕や服の一部を掴んだままにらみ合う、といった状況ははほぼ起こりえません。

よって、「胸倉を掴まれた」という部分のみに着目した技術体系はほぼ無意味であり、

何の抑止力にもならない点に注意が必要です。

(そもそも相手の方が体が大きかったり力が強い場合、掴まれた状態から逃れるのは至難の業です)

胸倉を掴まれたとき、そこからどのような攻撃を受けるか、

またどういった危機的な状況が想定されるかをより具体的に、現実的にイメージすることが何より重要です。


胸倉を掴まれた状態からのブロック・反撃

ここからは、胸倉を掴まれた状態からの殴打を想定した基本のソロ・ドリルを、

効果的な反撃手段と共にお伝えします。

ソロ・ドリルを標榜しているように文字通り一人で、

限られたスペースの中で練習可能な内容となっていますが、

パートナーがいればなお効率的は違いありません。

(相手がいない場合、壁にテープなどで頭および胸の高さに目印をつけるとわかりやすくなります)

 

頭部のブロック

言うまでもなく、相手は片方の手であなたの胸倉を掴んでいるわけですから、

そちらの腕で殴られる心配はありません。リスクはゼロと考えていいでしょう。

(掴んだほうの手でグイグイと顎を圧迫される程度です)

まだ掴まれていないほうの腕による殴打を警戒し、

相手に左手で掴まれているなら左腕で、

右手で掴まれているなら右手で頭を覆うようにします。

(こめかみ辺りから髪をかき上げるようにするとイメージしやすいかと思います)

全人口の10%が左利きとされているように、ほとんどの攻撃者は右利きと考えていいため、

特に左腕で掴まれた状態から、右腕で殴られる状況を想定するといいでしょう。

 

相手の腕を両腕で抑える

現代護身術の基本的なテクニックとして、2on1ディフェンスというものがあります。

ナイフを持っている腕などを2本の腕でしっかりと押さえつけ、

確実にホールドし急に引き抜かれるなどのリスクを軽減するメソッドですが、

相手が非武装の場合でも有効と言えます。

特に非力な女性などにとって不可欠なテクニックであり、

これを知っているか知らないかで生存率に大きな差が出ると言っても過言ではないでしょう。

やり方はいたって簡単で、

自身の胸の前で、相手の腕をしっかり両腕で抱きかかえるようにイメージするだけです。

(ターゲットは胸倉を掴んでいるほうの腕です。殴りに来たほうの腕を掴むのは難しいのでオススメしません)

相手の肘が伸びるように前腕・上腕の両方にしっかりと力を加え、

腋の下に相手の手が、胸の前に肘があるような位置関係を作れるよう意識しましょう。

 

間髪入れずに頭突き・金的蹴り

相手の腕を掴むことに成功しても、

ぼんやりしていると掴んでいないほうの腕で殴られます。

相手の腕を掴んでしっかりと上半身の動きを制することが出来たら、

そこから間髪入れずに頭を振って頭突きを入れるか、

股間(金的)に膝蹴りなどを叩き込む必要があります。

胸の前でしっかりと腕を組み、相手の頭がどこにあるかをイメージして頭突きを2回、

金的蹴り3回程度を1セットした動作を繰り返し、

ブロックからホールド、反撃までのセットをしっかりと体に覚え込ませることが大切です。

(感覚がつかめない場合は頭突きのみ、金的蹴りのみを練習しても問題ありません)


迷ったら「先制攻撃」でもOKだが……

服や体の一部を掴まれた時点で相手の暴行罪は成立しているため、

やりすぎなければあなたの正当防衛は半自動的に成立します。

よって胸倉を掴まれた瞬間に鼻や喉、目の辺りにパンチを叩き込むのが最も速く確実なアプローチには違いありませんが、

周囲に目撃者がいる場合、あなたが「先に手を出した」と捉えられ、

法的に不利な立場に置かれる可能性も否定はできません。

ぼんやりしていると致命的な攻撃を受けてノックアウトされるリスクがあることも確かですが、

可能な限り先に手を出させたうえで、

・自己防衛の意思があること

・自己防衛の必要性があること

・やむを得ずとった行動であること

などを確定させることが、法的な面でのリスクを軽減することに繋がります。

しっかりと正当防衛を成立させるためにも、

「先に手を出されて強い身の危険を感じ、仕方なく反撃した」というスタンスが何よりも大切です。

(相手に致命傷を負わせてしまった場合、有罪は免れないため注意が必要です)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【器具なし】自重でとことん追い込むために知っておきたいこと【宅トレ】

いつも心に1本の苦無を。どうもサイコ田中です。

いよいよ全国で新型コロナウイルス蔓延に伴う緊急事態宣言が解除されましたが、

まだまだ油断は出来ません。

「筋トレは今すぐ再開したいけど、まだジムに行くのはちょっと……」という方は少なくないでしょう。

今回は自宅でのトレーニングを継続するうえで主要な選択肢の一つとなる自重トレーニングを、

より効率的に、そしてしっかりと効かせるために出来ることについてお伝えしたいと思います。


自重トレーニングの限界と可能性

結論から申し上げて、自重トレーニングには限界があります。

・一度に設定できる負荷の高さ

・負荷そのものの自由な変更と調整

・正確に特定の部位を狙うこと

など、ウェイトトレーニングはその負荷および自由度の高さが桁違いであり、

単純に身体を大きくしたいだけなら、ウェイトを扱わない理由がありません。

(「自重トレーニングでは大きくなれない」という意味合いではありません)

自重トレーニングでは文字通り自体重を直接負荷とするため、

体重の重さ=負荷の高さということになり、軽すぎると低くなり、重すぎると持ち上がりもしないという問題に直面します。

(特に懸垂・ディップスといったほぼ自体重100%の負荷がかかる種目において顕著な差が生じます)

腕立て伏せのような典型的な種目は自体重の40%~60%ほどであり(フォームなどにより変動あり)、

やはり自体重が軽い人にとってはあまりに簡単すぎ、重い人の場合1回も出来なかったとしても不思議ではありません。

このように自重トレーニングは全ての人にとって良くも悪くも平等であり、

「いつも自分に合った負荷のトレーニングが出来るとは限らない」と言い換えることも出来ます。

ただし、ある程度体重を落としさえすれば誰でも怪我無く安全に行えるという点では、

取り扱いを間違えると命に関わる怪我や事故につながるウェイトトレーニングよりも手軽で確実という見方も出来ます。

また筋量増大(バルクアップ)により体重を過剰に増やすことを避けたい格闘家やアスリート、女性の方にとっても効果的であり、

種目そのものやバリエーションの数をとっても、まだまだ自重トレーニングには無限の可能性があると言えそうです。


自重で追い込むための5つのルールと応用

ここからは自重トレーニングでしっかりと追い込むために知っておくべきルールについて、

フォームなど5つの項目に分けてお伝えしたい思います。

腕立伏せなど自体重で行うトレーニングが大好きという人はもちろん、

自粛が明けても「まだジムに行くのは不安……」という方もぜひ参考になさってください。

一緒に新しいトレーニングの形を探っていきましょう。

 

ルール1:身体に合った正しいフォームを身に着ける

自重で行うトレーニングには、全ての人に適切なフォームというものが存在します。

(人によって少しずつ違ってくることに注意が必要です)

腕立伏せ一つをとっても、手幅を少し広くする方、手をやや八の字気味に突く方など様々ですが、

肩などの関節に痛みや違和感を感じない、自分に合った正しいフォームを見つけることはとても大切です。

痛みや違和感はもちろん、強すぎる疲労感を覚えるようなフォームは不正なものであると考えられ、

本人の筋力云々以前の問題を疑うべきです。

腕立伏せ・腹筋・背筋・スクワットといった代表的な種目を、

最低でも30回は苦も無く続けられる身体に合った安全なフォームを身に着け、

そこから徐々に負荷を高める工夫をしていくのが安全な自重トレーニングの取り組み方です。

 

ルール2:出来るだけゆっくりと行う

適切なフォームが身に着いたら、いよいよトレーニングの内容を工夫していきます。

自重トレーニングのみならずウェイトトレーニングにおいても活用できる負荷を高めるアイデアとして、

一つひとつの動作を、可能な限りゆっくりと行うというものがあります。

学生時代に部活動などで取り組まれた方もいらっしゃるかもしれませんが、

スクワットを1秒に1回のペースで10回(10秒間)行うよりも、

1回を10秒かけて行う方がはるかにキツくなります。

(嘘だと思う方は実際にトライしてみてください)

それが例え腕立て伏せであれ懸垂であれ、1レップ1レップをしっかりと「確定させる」意識を持ち、

全体の動作をなるべく緩慢なものにすることが手軽に追い込むコツです。

(普段行っている自重トレが簡単すぎるという方は、ペースが速すぎるのかもしれません。ゆっくりと行うことを意識してみましょう)

 

ルール3:回数を増やす

自重トレーニングで負荷を上げるうえで最も簡単なアイデアは言うまでもなく、

単純に回数(レップ数)を増やしてしまうことです。

例えばあなたが腕立て伏せ30回を平気で行えるだけの体力があるなら、

倍の60回、3倍の90回を連続で行うようにするだけで負荷は急激に高まります。

回数を増やすうえでの注意点は、

・回数をこなすことを目的にしない

・インターバルを長く設定する

・トレーニング前後のケアを怠らない

という3点です。

100回などという回数を目標にすると、とにかくそこにたどり着くことだけが目的になり、

フォームや動きの「深さ」がいい加減なものになってしまいがちです。

30回が限界の方は、「30回が限界になるときのフォームと深さ」をそのままに、

回数を増やす意識を持たなければ意味がありません。

また回数を増やすことでターゲットの部位に関連する筋肉は勿論、

靭帯・関節、小さな筋肉群には大きなストレスがかかります。

通常よりも長めにインターバルを設定し、トレーニング前後のウォームアップと準備運動を怠らないよう注意が必要です。

(インターバルについては、回数を倍にするのであれば時間も倍にする、というのが一番確実で簡単です)

 

ルール4:片手・片足で行う

片手・片足による動作は自重トレーニングで負荷を高める王道的手法であり、

多くの自重トレーニーが目指すべきゴールの一つとも言えます。

典型的なものとして片手腕立て伏せピストルスクワット(片足スクワット)などが想定されますが、

この他にも腕立て伏せの際に片方の脚だけを床に着けたり、

途中でパンチを打つ動作を挟んだりして一瞬だけ片手が離れる状態を作ることも効果的と言えます。

(ジャンピング・スクワットやエクスプルーシブ・プッシュアップなどもこれらに相当すると考えられます)

言うまでもなく片手・片足のみに多大な負荷のかかるこれらのトレーニングには相応のリスクがあり、

怪我を防ぐうえでの基礎体力とケアの徹底は欠かせません。

トレーニングを行う際には決して無理はせず、

「今の自分には難しい」と直感した時点で中止することが肝要です。

(それは決して「逃げ」や「甘え」ではありません。怪我をしないことが何より重要です)

 

ルール5:単純に負荷を付け加える(加重で行う)

完全な自体重に頼った自重トレーニングでは負荷が足りないというなら、

外から付け加えればいいだけのことです。

簡単なものでいえば、ペットボトルなど重りを詰めたリュックを背負ってのスクワットや、

背中にパートナーや子供を乗せて行う腕立て伏せなどは面白いでしょう。

管理人がまだ若く馬鹿丸出しだった頃は、よく自転車を両足で挟んだ懸垂を行っていましたが、

加重で行う際も特に怪我や事故に注意し、自分の限界を超えた負荷をかけてしまわないよう注意して行いましょう。

(足の上に落とすと危険なダンベル等はもちろん、トレーニングチェーンのような装具も取り扱いには注意が必要です)

トレーニングチェーンを用いた加重による懸垂の例。


やっぱり僕は王道を征く……

自重トレーニングですねぇ!

 

冗談はさておき、私(管理人)はこの約3年以上に渡り、

ほぼ自重トレーニングをメインにした筋トレに取り組んでいます。

理由はいくつかありますが、

・怪我が少ないこと

・バリエーションが豊富なこと

・体重が増えすぎないこと

などが挙げられるかと思います。

自重トレーニングも注意しなければ怪我のリスクは避けられませんが、

ウェイトトレーニングのように過剰な追い込みにより再起不能なほどのダメージを受けるようなことはほぼ起こらないと考えられ、

安全性といった観点では他の追随を許さないところがあることは確かでしょう。

更に自重トレーニングは種目が少ないと思われがちですがその実態は真逆であり、

腕立伏せ一つをとっても100を超えるバリエーションがあるとさえ言われているほどです。

単純なバーベルの上下運動に過ぎないベンチプレスなどに比べ、工夫次第で変化をつけられる自重トレーニングには、

ワークアウトとしての深みがあり、独創性と探求心がくすぐられます。

また若い頃はゴリゴリのマッチョに憧れ、セキュリティという職業柄か身体を大きくすることにばかり着目していましたが、

ある程度身体が大きくなってから動きの悪い部分や怪我などが増え、

好きな服を着られなくなったことなどもあり、ウェイトから自重トレーニングへと切り替えました。

今では適度に絞れた(自分で言うのもアレですが)いわゆる”細マッチョ”が自分にはフィットしていると感じています。

身体を鍛える理由は様々だと思われますが、

ただ身体を大きくするのが目的ではなく、長期的な健康面やファッションなどにも気を遣うという方は、

自重を使ったトレーニングに取り組まれることを強くお勧めします。

(「いや、俺は単純にデカくなりたい!」という方はガンガン高重量を扱ってください。それが一番確実です)

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【小ネタ】「コロナ後」の世界におけるセルフディフェンス【コラム】

いつも心に1頭の凶暴なマルチーズを。どうもサイコ田中です。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い発令された緊急事態宣言が段階的に解除され、

まだまだ予断を許さない状況とはいえ、少しずつ通常の生活が見えてきました。

以前とは変わってしまった現代社会において求められる自己防衛について、

いつ訪れるかもわからない「コロナ後」の世界を見据えながら考えてみたいと思います。


「コロナ後」も引き続き回避したい”濃厚接触”

わざわざここで語るまでもないことですが、いわゆる”濃厚接触”は緊急事態宣言解除後も、

「コロナ後」の世界が訪れてからも引き続き回避していきたいところです。

リモートワークや自宅待機による”引きこもり生活”を通して、

「そもそも外に出なければ犯罪リスクに晒される確率はほぼゼロになる」という、

当然と言えば当然の真理を見出した方は少なくないでしょう。

窃盗や痴漢など典型的な犯罪のみならず、口論などから発展する暴行や傷害なども、

・肩やカバンがぶつかった

・電車の車内でイヤホンの音漏れを注意された

・車の運転マナーとモラルの問題

など、些細な対人接触から発展することがほとんどです。

現在日本の医療機関などが明確に示している濃厚接触の定義は、

「1メートル以内の距離における15分以上の接触」とされていますが、

あなたがどこにいて相手が誰であれ、この警戒ラインを維持する努力は「コロナ後」も決して無駄にはなりません。

世界中で外出自粛(規制)中の犯罪率が大幅に低下していることから明らかな通り、

人と人との距離が近づくことで起こるトラブルから身を守ることは、

対象との適切な距離感を維持することから始まります。

(そもそも「外に出ない」というのが一番簡単なのですが)

これから満員電車での通勤・通学が再開するという方がほとんどだとは思われますが、

今回の新型コロナウイルス蔓延に伴う感染予防策の一つである「濃厚接触の回避」は、

ウイルスだけでなく、悪意を持った第三者から身を守ることにも直結してきます。

「コロナ以前」よりも人との距離感を強く意識し、自分の身は自分で守るイメージを持つことが大切です。


「コロナ後」の世界に求められる護身・自己防衛

ここからはいわゆる「コロナ後」の世界において必要と考えられる自己防衛について、

現在(2020年5月25日)得られている情報を基にお伝えしたいと思います。

性別・年齢を問わず防犯および護身に興味を持ちの方はぜひ参考になさってください。

 

予期せぬ”ロックダウン”に備える

自粛明けの中国・韓国において感染者数が急増したことから明らかな通り、

日本においても今後全く同じような展開が起こる可能性は否定できません。

ここで想定される最悪のシナリオは、予期せぬ”ロックダウン”——すなわち都市封鎖ということになります。

現状の日本の司法制度では厳密な意味においてのロックダウンは不可能とされていますが、

昨日まで普通に出入りできていたオフィスやお店、交通機関などへのアクセスが突如絶たれる恐れは十分にあると考えられます。

(感染者が出たとわかった時点で飲食店や医療機関のほとんどは実質的な封鎖状態になることが想定されます)

自身の生活に密接な関わりのある施設や交通機関、娯楽設備などの運営状況には常に注意を払い、

突然アクセス出来なくなったことで生じる損失は勿論、自身の感染リスクについても考慮が必要です。

 

「集団心理」による危機管理能力の低下

これから自粛や規制が段階的に解除され、観光やショッピング・アウトドアなど、

人が多く集まる場所に足を運ぶ方も増えてくると予想されますが、

そうした集団の一部になるときこそ、より強い危機感と緊張感が必要です。

人間は集合の規模が増大するとより無謀または無責任な行動を取るリスクが高くなるという、

いわゆる「集団心理」の問題点を抱えています。

特に人と接することや大勢で時間や空間を共有することに喜びを見出すという方は注意が必要で、

ハメを外しすぎた結果、普段は絶対にあり得ない過ちを犯すリスクは全ての人に当てはまります。

(韓国のナイトクラブ集団感染などが分かりやすい例になると思われます)

集団心理のリスクについては以下の記事で詳しく解説しています。

↓ ↓ ↓

香港デモ・渋谷ハロウィンに見る集団心理の危険性

 

「正常性バイアス」による注意力の欠如

正常性バイアスとは、簡単な言葉で説明すると、

「自分だけは大丈夫」と思い込んでしまう考え方のことです。

自分にとって都合の悪い事実から目を逸らし、現実を歪曲する危険な心理特性であり、

犯罪被害はもちろん、加害者側に回るリスクにも直結しています。

地震など災害時において顕著な反応であり、

もともと危機管理能力の低い人物がパニック状態と同時に陥るのが一般的と考えられます。

正常性バイアスによる注意欠陥がもたらす様々なリスク・パターンが、

自粛解除直後はもちろん、これから「コロナ後」の日本においても無数に想定されます。

特に人が集まる観光地やレジャー・娯楽施設においては上述の集団心理も相まってその危険性は増大し、

感染リスクはもとより対人トラブルのリスクも「コロナ以前」以上に警戒が必要になると思われます。

無症状の感染者(ウイルスキャリア)がどこにいるかわからないように、

危険な思想や凶器を持った危険人物を完璧に見分ける術はありません。

常に高い危機管理の意識を持ち、自粛明けもマスクの着用と帰宅後の手洗い・うがいを徹底しましょう。


家庭内・近隣トラブルにも引き続き警戒を

外出自粛期間中に窃盗などといった典型的な犯罪が大幅に減少したのに対し、

家庭内暴力(DV)や近隣トラブルに端を発する傷害事件などは一気に増加しています。

(日本国内においても殺人事件まで発生しています)

これから自粛が明けても飲食店などが通常営業に戻るにはまだまだ時間がかかることが予想され、

「コロナ以前」と比べて家で過ごす時間が増える人が多くなると考えられます。

「コロナ後」の生活でも不要不急の外出を避ける傾向は続くことは想像に難くなく、

DV被害や近隣住民とのトラブルは急増しないまでもそのリスクは微増し続け、

逃げ場を失くす人や凶行に走る(いきなり暴行被害などに遭う)人の数は増えていくでしょう。

もしこれまで通りの生活に戻れたとしても、長く続いた自粛生活で関係がこれまで以上に悪化したり、

強い身の危険と隣り合わせの生活をする人は増えていくかもしれません。

各自治体に設置されているDV相談窓口の活用はもちろん、

近隣トラブルの場合などは大家や管理会社ではなく直接警察を通すという手もあります。

どのような状況でも命を守るために出来る最大限の努力と、安心して過ごせる居場所を探す試みを忘れてはいけません。

どんな境遇に置かれていても、あなたの人生はあなただけのものです。

当ブログでは全ての人が自分らしく生きるためのヒントをお届けしています。他の記事もぜひ参考になさってください。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【器具なし】短期集中で作る逆三角形ボディ【宅トレ】

いつも心に1着の化学防護服を。どうもサイコ田中です。

新型コロナウイルス蔓延の影響により大荒れの2020年ですが、

日本では梅雨が終わるとあっという間に暑い夏がやってきます。

性別・年齢を問わず薄着になる機会が増え、特に若い方は肌の露出が増えてくると予想されますが、

あまりにだらしない体型だと、悪い意味で注目を浴びることになるかもしれません。

今回は、夏までのわずかな時間で逆三角形の身体を作るトレーニングについて、

特に器具を使わない種目と共にお伝えしたいと思います。


まずは基本的な生活習慣の見直しから

逆三角形のボディラインを作るのはもちろん、少し体を絞る程度で十分だったとしても、

基本的な生活習慣をある程度見直す必要があることには変わりありません。

特に30代,40代でお腹の周りに余計な脂肪がつき始めた方については、

小さなことからコツコツと改善しなければ、トレーニングの効果は半減してしまうと考えたほうがいいでしょう。

タバコを吸われる方は段階的な節煙・禁煙に取り組むことはもちろん、

・甘い飲み物やお酒を控える

・添加物の多く含まれる食品(加工食品)を遠ざける

・夕方6時以降の炭水化物摂取を避ける

など、食事の面だけで見ても意識すべきポイントは沢山あります。

筋トレにしても軽い運動にしてもそうですが、

まずはすぐに出来そうなことを、今日から始めるというイメージを持つことが大切です。

エスカレータではなく階段を使うとか、昼食をプロテインバーに置き換えるといった簡単なことで十分です。

あなたが出来ると思ったことを、今日から、今すぐやっていきましょう。


最短期間で仕上げる逆三角形ボディ・ワークアウト

ここからは、なるべく短い期間で逆三角形のボディラインを手に入れるためのワークアウトを、

器具なしで行える種目と共に紹介したいと思います。

ここで紹介するトレーニングは周囲の安全を確保したうえで、

怪我の無いよう無理せず自分のペースで行ってください。

 

広背筋を大きくするメニュー

逆三角形のボディラインを手に入れるうえで絶対に無視できないのは、

何といっても広背筋の広がりです。

大きな広背筋を手に入れるために、どんなトレーニング方法があるか見ていきましょう。

 

懸垂

力強く大きな背中を手に入れるうえで欠かせない種目は、

鉄棒などにぶら下がって行う懸垂運動に違いありません。

特に手幅を広くして行う懸垂は肩にも効かせることが出来、

上半身全体のボリュームアップに繋がります。きちんとした懸垂バーや鉄棒で行うのが理想ですが、

体重を預けても問題の無い強度があれば、扉の下に補強材として古い雑誌などを詰めたドアや、

押し入れなどのスペースを活用して行うことが可能です。

 

ワンハンドダンベルロウ

逆三角形のシルエットを作るうえで欠かすことのできない、

広背筋中央部の広がりに関連する種目です。

本来はその名の通りダンベルを用いて行うトレーニング種目ですが、

本やペットボトルのような重りを詰めたバッグやリュックサックでも代用が可能です。

(10リットルの非常用水タンクが持ちやすくオススメです)

バッグを使って行う場合は膝をベッドや椅子に着けて行うと可動域が制限されてしまうため、

立った状態で両足を前後に大きく開き、なるべく上体を前傾した状態でゆっくりと行うようにするといいでしょう。

(ダンベルがある場合は一般的な膝をついたフォームで行ってください)

 

タオルローイング

懸垂を行うのが難しい場合は、タオル1本で行えるタオルローイングがお勧めです。

やり方はいたって簡単で、

1.床にうつ伏せになって寝転ぶ

2.タオルの両端を握り腕を伸ばす

3.ゆっくりと上体を持ち上げながらタオルを胸元に引き寄せる

タオルにある程度のテンションをかけたまま、一本の棒を引くように胸元へ引き寄せるのがポイントです。

脊柱起立筋が弱くうつ伏せ寝で行うのが困難な場合は、

立ち上がってタオルを頭上に掲げ、ゆっくりと首の後ろに引き寄せる動きでも効かせることが可能です。

 

肩周りを大きくするメニュー

背中に次いで逆三角形のシルエット作りに関連しているのが、

肩周辺のボリュームです。

肩が大きくなるだけで肩幅が増し、上半身の印象が大きく変化します。

背中を鍛えるのが難しい場合は、せめて肩だけでもしっかりと追い込む意識を持ちましょう。

 

サイドレイズ

肩を鍛えるための代表的な種目がサイドレイズです。

本来はダンベルを用いて行いますが、ダンベルが無い場合はワンハンドロウと同様、

重しを詰めたカバンや水の入ったボトルなどで代用が可能です。

肩を傷めないよう比較的軽い重量から始め、動作をゆっくりと丁寧に行うことを意識してください。

 

逆立ち腕立て伏せ

壁に足をつけて逆立ちが出来るようであれば、そこから腕立て伏せを行うのが効果的です。

(床に手を突いたままゆっくりと壁の方へ後退し、足の方から上げていくと簡単です)

頭がぶつかるギリギリのところまで降りて、上がる……動作を繰り返すだけですが、

強度は極めて高く10回~12回で肩がパンパンになります。

難しい場合は床で前屈姿勢を作って行うパイク・プッシュアップが有効です。

パイク・プッシュアップは床に胸ではなく頭を近づけるイメージで行うとわかりやすいかもしれません。

 

リバース・プッシュアップ

通常のリバースプッシュアップは、椅子やベンチに手を突いて腰を落としていく、

主に三頭筋をターゲットとした種目を指しますが、

ここで紹介するリバース・プッシュアップは床に寝て行う、肩の後部を狙った種目となっています。

1.床に仰向けになって寝る

2.両肘を外に開いて床につける

3.肩甲骨を寄せながらゆっくりと上体を持ち上げる

両肘で地面を押しながら胸を上下させる動きを繰り返すだけですが、

肩の後ろ側にフォーカスしたトレーニングを行っていない人には十分強度のある内容となっています。

難しい場合は膝を曲げ腹筋の力を借りて行うか、肘をなるべく身体に近づけて行ってください。

 

胸の広がりを作る種目

背中や肩だけを鍛え上げても、正面から見たときのバランスが崩れていると、

綺麗なV字のボディラインが出てきません。

大胸筋下部をシャープにして、より大きく広がりのある上半身を作りましょう。

 

ワイドプッシュアップ

手幅を広げて行うワイドプッシュアップは、胸全体に効かせることが出来、

大きな胸を作るうえで欠かすことのできないトレーニング種目です。

なるべく腕を広く、そして手を突く位置を低く(腰のほうに近づける)することで、

より胸にかかる負荷を高めることが可能です。

 

インクラインプッシュアップ

大胸筋下部をターゲットとした腕立て伏せであり、

男性は立体感のある力強い上半身を手に入れることに、女性にはバストアップの効果が期待できます。

ベンチやベッドなどある程度高さのあるものに両手をついて腕立て伏せを行うだけですが、

角度をつけすぎると強度が低くなり、角度が小さすぎると胸の下部に刺激が入りにくくなります。

簡単すぎる場合は角度を落とし、胸の下に刺激を感じない場合は高さを増すことを意識して行ってください。

 

エレベーテッドプッシュアップ

角度をつけて行う腕立て伏せとして、胸の外側のラインを強調させることに関連しているのが、

椅子などに手を突いた状態で行うエレベーテッドプッシュアップです。

胸を深く沈ませる(より可動域を大きくする)ことを目的とした種目であり、

2脚の椅子に左右それぞれの手を置いて行うのがメジャーですが、

安全性を考慮して、分厚い漫画雑誌や電話帳を何冊か重ねてそこに手を置くのが理想的です。

最初から椅子のような高さのあるものを使って運動負荷に耐えられなかった場合は、

顔面から床に落ちるなどする恐れがあり大変危険です。

まずは床に本を何冊か重ねて置き、そこに手を突いてゆっくりと可動域を大きくしていく事で、

肩や肘などの関節にかかる負担も調節でき怪我の防止にも繋がります。

もしも肩や肘に痛みが出た場合はトレーニングを中止し、通常の腕立て伏せからフォームを見直しましょう。


鍛えるのは上半身だけでOK?

下半身は人間の身体を支える土台であり、弱くなるとボディバランスが崩れ動きにも支障が出ます。

あまりに上半身ばかりが発達している場合は見た目にも好ましくない部分が出てきますが、

チキンレッグなどと呼ばれるアンバランスで頼りない体型になることが一般的です)

下半身の強さがある程度パフォーマンスに影響するような激しいスポーツに取り組んでいる場合を除いては、

そこまで必死になって下半身を鍛える必要は無いと考えられます。

日常生活を送る上で最低限必要な、立つ・座る・歩くといった動作に関連する部分が致命的に弱らない限りは、

これといって支障が無いため難しく考える必要はないでしょう。

ただし上半身を徹底的に鍛え上げて逆三角形のボディラインを手に入れても、

下半身があまりに貧相な場合は逆に印象が悪くなってしまいます。

全体的なバランスを意識して下半身のトレーニングにもそれなりに注力し、

上下のバランスが致命的なレベルで崩れることがないように注意が必要です。

特に普段座っている時間が長いデスクワーク中心の方や、足腰が弱り始める40代,50代の方については、

上半身よりもむしろ下半身のほうを強化をすることが更なるシェイプアップと健康維持に繋がっていくでしょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

【ホームディフェンス基礎】住居侵入を防ぐ5つのテクニック

いつも心に1台の芝刈り機を。どうもサイコ田中です。

ホームディフェンスにおいて最も重要なことは、

侵入者を家に入れない・近づけないことに他なりません。

今回はホームディフェンス基礎の第2回として、

住居への侵入を防ぐうえで有効なテクニックについてお伝えしたいと思います。


小さな窓もしっかりと戸締りを

住宅への侵入を防ぐための第一歩は言うまでもなく、

きちんと戸締りをすることに違いありません。

ドアやガレージ、勝手口などはもちろんのこと、

「こんな場所から入れないだろ……」と思うようなトイレなどの小さな窓さえも、

しっかりと戸締り確認をすることが大切です。

普段はめったに出入りしない部屋で換気のために開けっ放しになっているような窓や、

風呂場や洗面所の窓にも注意が必要です。

たとえそこから侵入することが出来なかったとしても、

侵入者は「カギがかかっていない」という事実を決して見逃しません。

防犯の意識やセキュリティが甘い印象を与えることは侵入を防ぐうえで好ましくありません。

ほとんど出入りしない部屋や住居への侵入に直接関係しない小さな窓などもしっかりと施錠し、

可能なら雨戸を閉めるなどしておくことが理想的でしょう。

(すだれのようなものをかけておくという手もありますが、季節に関係なくぶら下がっていると逆効果になるため注意が必要です)


住居への侵入を防ぐ5つの基本テクニック+α

ここからは実際に住居への侵入を防ぐうえでどのような手法が考えられるのか、

集合住宅でも使えるテクニックも併せて5つ紹介します。

防犯・護身に興味をお持ちの方はぜひ参考になさってください。

 

ライトを点ける

言うまでもなく、玄関ドアなどを照らすライトは有効です。

特にセンサー付きの照明は有効で、

・人の存在を知らせる

・侵入者に「防犯意識」を明確に印象付ける

・節電につながる

など侵入を防ぐことに直結するだけでなく、

電力消費も抑えられるためもはやメリットしかありません。

安いもので3000円未満、デザイン性に富んだ比較的高価な製品でも20000円代で導入できるため初期費用も抑えられます。

ホームセンターなどで気に入ったものが見つからなかった場合、ネット通販という選択肢もあります。

防犯対策として照明を用いる際には、点けっぱなしにしないよう注意が必要です。

よく一人暮らしの女性が防犯対策として男性用の洗濯物を干したままにしたりしていますが、

あまりに規則性がありすぎたり放置されている時間が長すぎる場合、

逆に防犯効果が低下してしまう恐れがあり好ましくありません。

電気をつける時間帯などは毎回意図的にタイミングをずらし、

とにかく侵入者に「簡単じゃない」という印象を与えることが重要です。

 

犬を飼う(飼っているように装う)

犬を飼うのも自宅の防犯能力を高めることに直結します。

特に警戒心の強いシェパード、ドーベルマンなど典型的な防犯イメージのある犬種は勿論、

小さくても攻撃性の強いチワワやプードルは侵入者の撃退に大きく貢献することが期待されます。

また実際に犬を飼うことが難しくても、玄関や駐車場の周囲にいわゆる「猛犬注意」のステッカーを張るだけでも抑止力となり、

侵入者が背負う心理的リスクを大きくすることが出来るため十分効果的と言えます。

庭に空の犬小屋と犬用食器(餌入れ)を置いておくという手もありますが、

ライトを点けっぱなしにするのと同様に”ブラフ”の印象を強めるためあまり好ましくありません。

「犬の声がする防犯ブザー」などもその存在を見抜かれた時点で効果が半減するためオススメはしません。

 

「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼る

犬のステッカーと同様に単なる”ブラフ”には違いありませんが、

侵入者にとってこれほど脅威になるものありません。

理由は単純明快で、侵入者側にはそれが”ブラフ”かどうかを見極める術がないからです。

単なる「こけおどし」かどうかは実際に侵入してカメラの存在を確認するまではわからないうえに、

もし設置場所を確認できたとしてもその時点でカメラに姿を捉えられてしまっているためリスクしかありません。

侵入者も素人を除いてはプロの犯罪者には違いないため、自分の姿を晒してまで安全を確認するような危ない橋は渡りません。

彼らにとって最も重要なのは「足がつかない」ことであり、そのために命を張っていると言い換えてもおかしくはないでしょう。

そんな人一倍警戒心の強い犯罪者が、わざわざ自分の気配を残すようなリスクを冒すとは考えにくく、

そういった意味では単なる”ブラフ”でも強力すぎる抑止力になることは言うまでもありません。

(もちろん本物の防犯カメラかハリボテをよく見える場所に実際に設置するのも有効に違いありません)

 

人の出入りをうかがわせるモノを置く

あからさまに人の出入りをうかがわせるようなモノを置いてしまうという手もあります。

例えば玄関周辺に子供用の小さな自転車やスケートボード、縄跳びなどが置かれていれば、

侵入者はまず間違いなく昼間の侵入を諦めます。出くわした時に声を上げられて最も厄介なのは子供だからです。(犬も同様です)

また晴れた日は玄関のよく見える場所に靴や傘を広げて干したり、

平日の昼間でも適当に水をぶちまけて車を洗ったように「見せかける」ことには十分な抑止力があります。

とにかく家に人がいて、誰かが現在進行形で活動していることをアピールすることは、

侵入者にとって大きなプレッシャーになります。

同様にして窓の近くに子供用の玩具を置いたり、犬用ケージ(中身が空でも可)を置くことには一定の防犯効果があります。

集合住宅などの場合、ベランダに干し物をする・カラス除けネットを張るなども効果的と考えられます。

 

長く乗っていない自転車などは片付ける

駐車場や家の周辺の外から見える場所に、

もう乗っていない自転車やバイクなどを長く放置するのは、防犯上あまり好ましくありません。

確かに大きなものは片付けるのが大変でほったらかしになりがちですが、

侵入者にとっては警戒レベルの低い印象になり、

(実際には違ったとしても)「高齢者の一人暮らし」などと思われる恐れもあり防犯リスクは高くなります。

長く乗っていない放置自転車や使っていないガーデニング関係の道具などは積極的に片付け、

外から見たとき防犯面での脆弱性を匂わせる要素は一つでも多く取り除く意識が大切です。

 

2重ロック+警備会社ステッカー

ドアや窓を2重ロックにし、警備会社のステッカーを貼るのが最強のコンビネーションです。

実際に2重ロック加工が出来なくても、外から「それっぽく」見えるように、

ハリボテのカギをぺたぺた張り付けるだけでも十分効果的であり、

サッシ部分に見た瞬間にそれとわかる「防犯ロック」の赤いシールが貼られているだけでも違います。

また実際に警備会社と契約しなければ手に入らない印象のある警備会社のステッカーは、

実はネット通販で手軽に入手することが可能です。

実際にセキュリティサービスを受けていなくても、とりあえずステッカーだけでも貼っておけば、

侵入者が感じるプレッシャーは一気に高まります(普通は尻尾を巻いて引き返すでしょう)。

こちらは通常考えられる防犯対策+αのαの部分ですが、

実はもっとも手軽な方法となっていますので、迷ったら警備会社のステッカーだけでも購入されることを強くお勧めします。

(大手警備会社が理想的ですが、ただ単に大きく「SECURITY」などと書かれているシールでも十分です)


”ご近所付き合い”で更なる防犯能力向上を

特に都市部などでは煩わしく遠ざけがちな”ご近所づきあい”ですが、

防犯はもちろん災害時などに心強い味方になってくれるかもしれません。

もしも住居への侵入未遂があった場合には、

「昼間犬が吠えてたよ」とか「変な人が駐車場の近くをうろついていた」と教えてくれるだけでなく、

その場で注意して不審な人物を追い払ってくれる可能性だってあります。

また災害発生時の対応について事前にある程度打ち合わせをしておけば互いの生存率を高めることに繋がり、

必要に応じて助け合うことで被害を最小に抑えられます。

面倒に感じがちな”ご近所づきあい”ですが、いざという時は必ずあなたの助けになってくれるはずです。

まずは朝家を出るとき、ゴミ出しをするときなどの簡単な挨拶から始めてみませんか。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【護身】”自爆”しないパンチの打ち方・拳の握り方【豆知識】

いつも心に1枚の怪しいスタンプカードを。どうもサイコ田中です。

路上のファイトのみならず、競技としての格闘技においてもメジャーな怪我の一つは、

間違いなく手(拳)や手首の負傷に違いありません。

今回は管理人自身のファイトにおける怪我や故障の経験を基に、

自分のパンチで”自爆”しないために知っておくべき豆知識をお伝えしたいと思います。

 

手首や拳を鍛えるトレーニングについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

↓ ↓ ↓

【一人で出来る】拳や手首を鍛えるトレーニング


拳や手首の負傷が多い=「パンチがある」?

よく手や手首の周辺に負傷の多い選手は「パンチがある」と言われますが、

(「パンチがある」とは一般的にパンチ力がある・パンチに破壊力がある、という意味になります)

天性のパンチ力を持ちながらそのパワーが仇となり引退を余儀なくされる選手がいる一方で、

ハードパンチャーとしてKOの山を築き上げ特に目立った怪我もなく現役を終える選手も珍しくはなく、

怪我の頻度とパワーの相関については、明らかにされていない部分が多々あります。

基本的に練習中の怪我であれば、

・ウォームアップ不足

・疲労など劣悪なコンディション

・過剰な運動負荷

などが原因と考えられており、本人のパワーなどに依存するというよりも、

その日の体調や身体の硬さなどといったコンディションに関連しており、

大半は自己管理の甘さにより引き起こされるものと思われます。

例えば私が総合格闘家として試合に出ていた頃はしょっちゅう拳や手首を怪我していましたが、

特に人から「パンチがある」と言われた覚えはなく、

(かなり着痩せするタイプなので、初めてミットを持つ相手には驚かれますが)

単に自分が手首周りのストレッチや拳のコンディショニングを怠っているだけでしかないという自覚があり、

事実、前腕や握力を鍛えるメニューに力を入れることで怪我の頻度は少しずつ低くなっていきました。

また10代の学生など身体に未発達な部分がある状態でのパワーなどはまして当てにならず、

「パワーがありすぎて腰の骨が折れた」などという武勇伝も、

結局のところ自身が生み出すパワーに耐えられない部位が身体のどこかにあったというだけで、

それは単なる”自爆”でしかなく、凄いことでも何でもありません。

アスリートであれ一般人であれ、最初に土台として怪我をしない身体を作り、

その身体が持っているポテンシャルを最大限に引き出す努力をすることに意味があります。

わざわざ言うまでもないことですが、どんなに強烈なパンチが打てたとしても、

パンチを打つたびに怪我をしていたら全く意味がありません。

まずパンチを打っても壊れない拳と手首を作り、そこからフォームなどを修正して更に怪我のリスクを減らし、

余分なエネルギーを使わずに最大の破壊力を生む工夫こそが肝要です。


自分のパンチで”自爆”しないために抑えるべき3つのルール

ここからは自分のパンチで”自爆”してしまわないために知っておくべきルールについて、

フォームなど3つの観点から解説します。

現在格闘技を学んでおられる方はもちろん、

格闘技や護身術を学ぶうえで怪我をしない身体づくりに興味をお持ちの方は参考になさってください。

 

拳はタイトに握りすぎない

「拳は強く握らないと強いパンチが打てない」と思われがちですが、

拳を強く握りすぎると、怪我のリスクを高めることになるかもしれません。

パンチの破壊力と握力には密接な繋がりがありますが、

(パンチ力と握力に関連する物理法則についての説明はここでは割愛します)

拳を固く・強く握るということは、

手の骨や筋肉にかかるテンションを最大限に高めている、と言い換えることも出来ます。

ゴムチューブのようなものを想像するとわかりやすくなりますが、

ゴムを緩めた状態で圧力をかけるよりも、ゴムをピンと張った状態で外圧を加えるほうが、

遥かに切断されるリスクは高まりそうですよね。

これと全く同じことが、パンチを打つ際の手や手首には起こっていると考えるべきです。

拳をしっかり強く握りしめることは、手の指や手首を保護するために大切なことですが、

強く握りすぎた状態で思わぬ方向に圧力がかかり、そのダメージを逃がし切れるだけの柔軟性と耐久力が無ければ、

拳と手首は一発で破壊されてしまいます。

(一般的なものは中手骨骨折などが考えられます)

格闘技の試合であればバンテージで保護した上にグローブを着用しているので、手の骨や筋肉にかかるテンションが最大になることはありませんが、

素手のリアルファイトではよほど拳や手首を鍛え上げていなければ、一発で再起不能なほどのダメージを受ける可能性も無視できません。

素手のパンチを繰り出す際は出来るだけ拳をゆるく握り、

相手の額や肘などの硬い部位にぶつけてしまわないよう注意が必要です。

(拳を強く握らなくても、しっかり腕が振れていれば拳の骨がぶつかるだけで十分な破壊力を発揮できます)

 

小指側の拳骨に圧力をかけない

フルコンタクト空手でもボクシングでも、

パンチは必ず人差し指と中指の付け根にあたる2本の拳骨を当てるよう指導されます。

(空手では「拳頭(けんとう)」などと呼ばれる部位です)

これにはいくつか理由があり、

・小指側の骨が非常に繊細なため

・前腕と拳の先端を一直線で結ぶため

・ナックルを押し込むコークスクリュー効果

などがメジャーですが、怪我のリスクと直結しているのは上の二つです。

まず小指に限らず指は細かい骨と関節の集合であり、少しでも不自然な角度で力を加えると簡単に骨折・脱臼してしまいます。

特に小指側2本(薬指・小指)の中手骨は繊細であり、握り方が甘ければ場合によっては親指にまでそのダメージは波及します。

完治させるのが困難な怪我で、格闘家の場合は選手生命にも関わるため特に注意が必要な部分です。

(管理人自身も、右手拳の度重なる骨折が引退の原因の一つとなりました)

また特に人差し指の付け根にあたる骨を前方に押し出すようにした握りは、

手首から前腕にかけてのラインを真っ直ぐに結ぶ理想的な握り方であり、

破壊力を最大にしながら怪我を防げる理にかなった打ち方に繋がっています。

パンチを打つ際は絶対に拳の小指側からぶつけるようにすることを避け、

(横軌道のフックまたはオーバーヘッドパンチにおいて特に注意が必要です)

必ずナックルパートと呼ばれる親指側2本の拳骨を真っ直ぐぶつける意識を持つことが大切です。

 

無理に肩を内旋させない(コークスクリューしない)

特にボクシングにおいて多く見られるパンチのフォームとして、

肩を大きく内旋させ拳を内側に捻り込むようにする打ち方がありますが、

肩の故障に繋がるため理想的とは考えられません。

一般に肩を大きく内旋させる目的は、

・肩で顎を隠すため(ディフェンス)

・パンチをより深く突き刺し相手に効かせるため(オフェンス)

といった攻防両面での優位性を満たすことが考えられますが、

肩の大きな内旋はローテーターカフなどと呼ばれる肩の回旋に関連する腱に多大な負担をかけ、

インピンジメント症候群などメジャーな障害を引き起こす原因になると考えられています。

確かに上に挙げたような理由のために肩をしっかり内旋させたパンチを心がけることも理に適ってはいますが、

長期的な健康面や選手生命を考慮した時、確実に蓄積していく靭帯や関節へのダメージは決して無視することはできません。

肩を大きく内旋させなくても、しっかり顎を引き肩をすくめるようにするだけでまともに顎を打たれるリスクは軽減できます。

また肩全体を内側に捻るのではなく、肘から先――手首にかけてのラインを絞るように打ち込むだけでもナックルを返すことは可能であり、

肩に大きな負担をかけずとも体重の乗ったコークスクリューパンチを打つことは可能です。

もしもパンチを打つ際に肩の痛みや違和感・脱力感がある場合はフォームの修正を試み、

無理に肩を内旋させることのない自然で安定した打ち方を探ることが肝要です。


路上のファイトでは掌底を使うという手も

拳をバンテージやグローブで保護できない路上のファイトでは、

手のひらの親指の付け根にあたる”掌底”(しょうてい)という部位を使うのも一つの手です。

古典的な近代護身術では非常にメジャーなテクニックであり、

・下から相手の顎や鼻をかち上げる

・相手の顎にフックの軌道で打ち込む

・目の周囲を狙って素早く打って引く

といった運用法が効果的と考えられます。

言うまでもなく拳や手首を傷めるリスクはパンチに比べ極めて低く

相手に与えるダメージも状況によって調節できるためより実戦的とも言えます。

 

掌底打ちに関しては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考になさってください。

↓ ↓ ↓

今日から始める護身術26【掌底打ちの使い方】

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

米軍式呼吸法”4カウント法”の効果的な使い方と注意点

いつも心に1人前のボルシチを。どうもサイコ田中です。

突然ですが皆さんは、高いストレスに晒された状況でどのような対処法を思いつきますか?

とにかく自分に「大丈夫だ、落ち着け」と言い聞かせる人もいるでしょうし、

猫の画像を見たりしてどうにか落ち着こうとする人もいるかもしれません。

今回はそうした極限状態を切り抜けるためのテクニックの一つとして、

米軍式呼吸法”4カウント法”について解説したいと思います。


”呼吸”で人は強くなれるか

昨今は鬼退治をテーマにした某漫画(またはアニメ)の影響により、

国内外を問わず”呼吸”が肉体に与える影響が再評価されつつあるように見受けられます。

呼吸とは読んで字の如く、ただ息を吸って吐くという一連の流れですが、

全身に酸素を供給し二酸化炭素を排出するという、生命維持に欠かすことのできないものです。

腹式呼吸などは特に有名であり、美容や健康、スポーツの分野にまで応用されているメジャーな呼吸法です。

また筋トレにおいても呼吸は非常に重要なファクタであり、

息を吸うタイミング・吐くタイミングがパフォーマンスに影響することは言うまでもありません。

格闘技でもよくパンチを打つ際などに「シュッ、シュッ」と息を吐く選手を見かけますが、

パンチを打つ動作に関連する筋肉の緊張と弛緩に深く関連しており、スピード・パワーの両方に密接な繋がりがあります。

このように呼吸は人間の生命維持にとって不可欠なものであり、あまりに当たり前すぎて意識する機会は決して多くありませんが、

確実に人体のパフォーマンス向上と関連していることがわかります。

かの有名なロシア式護身術・システマのように呼吸だけで人が強くなれるかと問われれば答えに困りますが、

正しく効果的な呼吸法を知っていれば、いざという時生存率を高めることに繋がる可能性はあると言えるでしょう。


米軍式呼吸法”4カウント法”の運用方法と注意点

ここからは身を守るために役立つ可能性を秘めた米軍式呼吸法”4カウント法”の効果的な使い方と、

セルフディフェンスの分野に応用する際の注意点についてお伝えしたいと思います。

防犯・護身はもちろんストレスコントロール全般、メンタル強化などに興味をお持ちの方は参考になさってください。

 

4カウント法について

4カウント法は、主に米軍特殊部隊ネイビーシールズで採用されている軍隊式呼吸法の一つであり、

軍事の分野のみならず警察・消防・セキュリティの分野においても幅広く指導・運用されており、

昨今は精神的・肉体的ストレスが高くなる様々な業種への応用も期待されています。

4カウント法のやり方はいたって簡単で、

・4秒かけて吸う

・4秒間息を止める

・4秒かけて吐く

という流れをひたすら繰り返すだけです。

その名の通り吸う、止める、吐くという流れをそれぞれ4秒かけて行うことがポイントであり、

吸う、吐くの間に「息を止める」という工程があることも大きな特徴と言えます。

 

自己防衛への応用とその注意点

4カウント法の主な目的は「心身のリセット」と「パフォーマンスの最適化」であり、

ストレスの高まった状況下での心理的安定性の回復と維持、冷静さと広い視野の獲得に繋がるとされています。

パニックを伴う非日常的な状況下において特に有効と考えられる4カウント法ですが、

効果的に運用するためにはいくつかの注意点を把握しておく必要があります。

 

鼻から吸って口から吐く

4カウント法に従った呼吸も基本的な腹式呼吸などと同様に、

鼻から吸って口から吐くのが最も効果的とされています。

特に吐く時間を長くする(6秒前後)ことでリラックスの効果が強く表れ、

心理的に強いストレスを感じている場面などにおいて高い効果を発揮します。

また火災や有毒ガスの発生時には「におい」から異変に気付くことも多いため、

普段から鼻呼吸を心がけることで危機管理能力の向上にも繋がります。

 

目の前の状況に集中しない

4カウント法でパニックを回避し本来のパフォーマンスを取り戻すためには、

しっかり呼吸そのものに集中する必要があります。

目の前の状況があまりに非日常的で強いストレスを伴う場合、

ただ4カウント法を繰り返すだけでは緊張状態から抜け出せない可能性があります。

人の悲鳴やサイレン、爆発音などが聞こえるような極限状態では可能な限り耳を塞ぎ、

眼を閉じるなど呼吸だけに集中する工夫が必要です。

(目を閉じたり耳を塞ぐと危険な場面では、安全な場所に避難することが最優先です)

 

頭を使わない(考え事をしない)

4カウント法で自分を落ち着かせようと試みても、

頭の中で考え事をしているとそちらに気を取られるため効果が半減してしまいます。

極限状態では「次にどうするか」「今何をするべきか」といった判断と意思決定を速やかに行う必要がありますが、

パニック状態では正常な判断が下せるはずもありません。

焦って冷静な判断が出来なくなった時、自分を見失いそうになった時こそ一度考えることはやめ、

4カウント法に従って本来の自分を取り戻すことを最優先にすべきです。

 

差し迫った脅威のある場面では使えない

当然と言えば当然ですが、目の前に刃物を持った人物がいるとか、

服や腕を掴まれて今にも殴られそう、という差し迫った脅威のある場面では、

悠長に息を吸って、吐いて……を繰り返すような時間はありません。

そのような極限状態では身を守るための行動(逃げる、頭を保護する……etc)などが最優先であり、

命を守るために必要なあらゆる対処が求められます。


リアルファイトでは呼吸のペースを速く

もしも対人トラブルに巻き込まれ、目の前の相手とファイトに発展してしまった場合は、

4カウント法は一旦忘れましょう。

ファイトのような動物的反応が求められる極限状態では、

自分を落ち着かせるよりもむしろ、攻撃性を強化するためにある程度の興奮が求められるからです。

アドレナリンの分泌を促進し、身体を戦闘モードへ切り替えていくためには、

呼吸のペースをどんどん速く、吸って吐く間隔を短くする意識のほうが重要になります。

それこそシステマをネタにした某お笑い芸人の方がされているように、

・短い間隔で鼻から何度も吸う

・吸った空気を口から小刻みに吐き出す

という4カウント法とは完全に真逆の呼吸法が特に有効と考えられます。

そうして一気に増加した血中のアドレナリンと大量の酸素をガソリンにして、

目の前の敵を圧倒するファイティング・マシンになりきることが、生存率を高めるカギになります。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

重要なのに何故か軽視されがちな部位とその鍛え方

いつも心に1台の改造トラクターを。どうもサイコ田中です。

身体を鍛える目的は人それぞれで、その目的に見合った方法を採用するのが一番に違いありませんが、

その目的を問わず、重要なのに何故か蔑ろにされてしまう部位というのは存在します。

今回はそうした大切なのに何故か軽視されてしまいがちな部位とその鍛え方について、

自宅で安全に行えるトレーニング方法と共にお伝えしたいと思います。


「怪我をしないこと」の難しさ・大切さ

若い頃はかなり無茶な鍛え方をしていた管理人ですが、

30歳という人生の節目(?)を目前に控え、考え方が大きく変わりつつあります。

20代前半の頃は「とにかく高重量・高負荷」で、「1セット、1レップでも多く」を心がけてきましたが、

怪我やその後遺症による影響が無視できなくなるにつれ、「怪我をしないこと」が最優先になりました。

まだ総合格闘技の試合に出ていた頃は、毎度のように手首や拳・脚などを傷め、

練習が出来なくなって困るのはもちろん、お世話していただいているジムの関係者、対戦相手の方にもご迷惑をおかけし、

本当に情けない気持ちでいっぱいでした。

確かに、ハードに追い込む過程で必ずどこかを傷めたり、予期せぬトラブルに見舞われる恐れがあることは事実です。

ですが「成長のためにやむを得ない犠牲」と、長期的な健康面への配慮や自分が果たすべき責任を無視することは全くの別物と気づきました。

いかなる理由があろうとも、周囲に迷惑をかけたり、自分自身を無意味に傷つけるような鍛え方は正当化されるべきではありません。

それは単なる無謀・無責任な振る舞いであり、子供がする危険な遊びと何ら変わらないものです。

私たちが良識と責任感を持った社会人ならば(学生の方についても当てはまりますが)、

その目的を果たすために必要な努力を、その背後にあるリスクもしっかり考慮して続ける覚悟が必要に違いありません。

人生は戦いの連続であり、ノーリスク(ローリスク)・ハイリターンな勝負など一つも存在しません。

それがどんな分野であれ一定のリターンを求める以上、そこに付きまとうリスクを無視することは決して許されないことを肝に銘じ、

自身の果たすべき責任から目を背けることのない、本当の意味で「強い人」を目指しましょう。


何故か無視されてしまう5つの部位とその鍛え方

ここからは、大切なのに何故か無かったことにされてしまう部位とその鍛え方について、

上半身と下半身の両方から5つ紹介したいと思います。

筋トレが大好きという方はもちろん、格闘技をやっているとか、

これから何らかの格闘技を始めようと思っている方もぜひ参考になさってください。

ここで紹介するトレーニングに特別な器具等は必要ないため、自宅でゆっくりと取り組んでいただけます。

怪我の無いよう周囲の安全に十分配慮し、自分のペースで無理せず行ってください。

 

いわゆる普通の「筋トレ」だけを続けている人の中で、を鍛える人は少ないのではないでしょうか。

首は言うまでもなく人体の中枢にあたる脳を擁する頭部を支える部位であり、

ここが弱いと頭を中心に全身のボディバランスが乱れ、姿勢の悪化や動作の乱れに繋がります。

「首が太くなるのは困るよ」という人を除いては、しっかり首の周辺を鍛える時間も設け、

より男性らしい、逞しさと色気を兼ね備えたシルエットを手に入れましょう。

 

首を鍛える方法として、ブリッジがとくに有名ですが、

昨今の研究により頸椎に多大な負担がかかる危険なエクササイズであることが明らかにされ、

特別な理由が無い限り積極的に取り組むべきとは言えません。

代替案として、壁に頭を押し付けるという方法があります。やり方はいたって簡単で、

1.壁から少し離れたところに立つ

2.額(おでこ)を壁に押し付けるようにして体重を預ける

3.そのままゆっくりと顎を引く→戻すという動作を繰り返す

これだけです。

額から頭頂部にかけてを壁に押し付けることで首の前側が、

反対に壁を背にして立ち、後頭部を押し付けるようにすることで首の後ろ側が鍛えられます。

これまで床で行っていた基本的な首のコンディショニングでは首にかかる負担が大きすぎましたが、

壁にもたれて行うことによりその強度が大幅に低下し、安全性が向上した内容となっています。

運動強度が低いとはいえ、これまで首にフォーカスしたトレーニングを行ってこなかった人にとっては十分すぎる負荷であり、

30秒から1分間行うだけで首回りがバチバチになること間違いなしです。

(怪我の無いよう、無理せずゆっくりと自分のペースで行ってください)

頭だけをつけて行うのが困難であれば、写真のように手で支えても問題ありません。

 

手首

通常の筋トレではそれほど重視されない手首の強さですが、何らかの格闘技をやるとか、

単純な腕力・握力がものを言う場面では特に重要になる部位です。

怪我を防ぐことはもちろん、総合的な腕力向上、握力増強にも関連しており、

鍛えることで適度に血管の浮き上がった、太くて男性らしい前腕が手に入ります。

「手首は細い方が好き」という人以外は、普通の前腕・上腕のトレーニングとセットで取り組んでいきましょう。

 

手首を鍛えるうえで最も手っ取り早いのは、

拳を床に突いて行う拳立て伏せです。

柔らかいマットなどではなく、なるべく固い床の上で行うことが好ましく、

特に拳の人差し指と中指の付け根にあたる2か所の骨を押し付けるようにして行うことで、

自分のパンチで怪我をしない(自爆しない)、強い拳を作ることが出来て一石二鳥です。

慣れてきたら、手の甲の部分を床につけて行うリスト・プッシュアップ(Wrist push-ups)にも挑戦してみましょう。

 

手の指

「手の指なんて鍛えてどうするんだ」と思われるかもしれませんが、

手の指も手首同様に握力――すなわち総合的な膂力と密接な関係があり、無視するべきではありません。

突き指や指の骨の脱臼といった怪我を予防することに繋がることはもちろん、

しっかり鍛えることで特に懸垂運動・ボルダリングなど、何かにつかまってぶら下がるような動作でのパフォーマンスが大幅に向上します。

また前腕や手首の周囲、手指全体のシルエットもより太く、逞しくなることは言うまでもありません。

「指が太いのはちょっと……」という方以外は、積極的に鍛えてみましょう。

 

手の指を鍛える簡単な方法として考えられるのは、

手の指を床に突いて行う指立て伏せでしょう。

通常の腕立て伏せを指先に集中して行うだけなので難易度が低いとはいえ、

段階的に指の数を減らしたり、片手で行うことにより負荷の調整が可能であり、

初心者から上級者まで幅広く取り組めるメニューとなっています。

難しければ、手の指を床に突いたままの姿勢を30秒から1分間維持するだけでも効果があります。

指の怪我を防ぐために滑りにくいマットの上で行うか、滑り止めの突起が付いた軍手などを着用して行ってください。

 

足首

「マジで……?」と思われてしまいそうですが、足首の強さは意外に重要なものです。

捻挫などの怪我を防ぐことに関連するのはもちろん、片方の脚に体重を預けるような場面での姿勢制御、

体幹安定性とは特に密接な関係があり、鍛えているか否かは立ち姿や歩き方にまで現れてきます。

女性の方であればO脚の改善にも効果が期待できるため、積極的に取り組まれることをお勧めします。

 

手軽な足首の鍛え方として、

つま先立ちスクワットが考えられます。

1.足を肩幅に開いて立つ

2.踵を上げてつま先立ちの体勢に

3.ゆっくりと膝を曲げて腰を落としていく

要するに通常のスクワットをつま先立ちで行うだけなのですが、

注意点として、

・ゆっくりと行うこと

・足の甲から足首の前側を意識して行う

ということが挙げられます。

素早く行ってしまうと反動がついて負荷があちこちに逃げてしまい、ターゲットの足首周辺に効かせられません。

しっかりと足の甲から脛の下の方、足首の前側を意識してゆっくりと行い、

バランスを保つために足首の力を使うイメージを持つことが大切です。

10回から15回を1セットとし、合計3から4セットを目安に行っていきましょう。

バランスを取るのが難しければ、壁に手を突いたり腕を前に伸ばしたりして姿勢を安定させて行ってください。

 

足(足の指)

ただと言われてもイメージが沸かないかもしれませんが、

日本人の方には、「外に出るとき靴に覆われている部分です」と説明するとわかりやすいかもしれません。

足はいわゆるスクワットなどで鍛えられる大きな筋肉(大腿四頭筋やハムストリングス)などと並行して鍛えることが困難であり、

高重量のウェイトトレーニングをメインに行う方のほとんどにとって無視されがちな部位とも言えます。

足首と同様に身体を支えること、特に歩く・走る・跳ぶといった動作では起点になる部位であり、

この部分が鍛えられているかどうかで、運動時やただ歩いている時でさえ腰や膝にかかる負担に差が出ます。

もしも立ち仕事をされている方などで慢性的な腰痛や膝痛などに悩まされている方は、

太腿のような大きな筋肉だけでなく、足首や足全体(足指)を鍛えることにも目を向けられてみてください。

 

足(足指)の鍛え方として最も容易なものは、

立って前のめりになっていくだけの斜め立ちです。

1.両足を肩幅に開いて立つ

2.膝の裏と背筋をしっかりと伸ばして前のめりになる

3.限界一歩手前のところで止まる

キング・オブ・ポップこと故マイケル・ジャクソン氏のパフォーマンスに見られるような、

大きく前のめりになるポーズをイメージしていただくとわかりやすいかと思われます。

(ゼロ・グラヴィティというテクニックであり、マイケル氏は特許も取得しています)

このトレーニングのポイントは、

・しっかり足の指先に力を入れる

・膝を曲げたり背中を丸めたりしない

という点であり、足全体でしっかりバランスを取りながら、

猫背になったり反り腰になることなく、なるべく全身を真っ直ぐに保ったまま倒れていく意識が大切です。

とにかく限界まで前傾した姿勢を維持し、余裕が出てきたらさらに角度をつけるなどして負荷を高めていきましょう。

(30秒から1分間維持できるのが理想的です)

転倒による怪我を防ぐためにも、支えになるものや壁のある場所で行い、

滑りにくい床やマットの上で行うようにしてください。

写真は斜め立ちのイメージです。実際はここまで前傾する必要はありません(というか出来ません)。


「勝手に鍛えられる部位」など存在しない

よくある間違いとして、

ベンチやスクワットによって体幹や関連する小さな筋肉まで鍛えられる、というものがありますが、

人間の身体はそんなに都合よく鍛えられるものではありません。

今回紹介した部位についても、他の種目で一緒に強くできるような印象がありますが、

ターゲットを絞って行うかそうでないかは、成長速度や成長の可能性に大きく影響します。

肩の周辺をおろそかにすると腕や胸の成長に影響が出るように、

手首や足首といった末端関節のコンディショニングを軽視することは、

そこに関連する部位の成長を妨げていることと同義に違いありません。

特に若い方や筋トレを始めたばかりの方は、胸など大きな筋肉を鍛えていくことに意識を向けてしまいがちですが、

それらの大きな筋肉もその奥にある小さな筋肉も、身体の端のほうにある筋肉にまで繋がっていると考えるべきです。

これからより「伸びしろのある肉体」を作っていくためにも、また単純に怪我をしにくい長期的な健康を考慮した身体づくりを目指していくうえでも、

全身隅々までしっかりと鍛え上げるイメージを持ってほしいと思います。

一見地味で、どんな効果があるかいまいちイメージしにくいようなメニューでも、決して無駄にはなりません。

怪我のリスクを軽減しながらバランスの取れた理想の肉体を作るためにも、

普段考えたことも無いような場所の筋力にも目を向けていく意識が大切です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【一人で出来る】1日5分で覚える基本の打撃セットアップ【宅トレ】

いつも心に1発のホローポイント弾を。どうもサイコ田中です。

まだまだ油断は出来ませんが、いよいよ日本でも外出自粛の段階的な解除が見えてきました。

今まで通りの生活に戻れる方もそうでない方も、とにかく現代人は時間に追われがちです。

今回はそうした忙しい社会人・学生の方のために、

1回5分で覚えられる簡単な打撃コンビネーションとそのセットアップを紹介します。


なぜ現代護身術では打撃が重視されるのか

クラヴ・マガを始めとした現代護身術(軍隊格闘技)では、

特にパンチなどの打撃技が重要視される傾向にあります。

理由はいくつか挙げられますが、はっきりしているのは、

・比較的簡単であること

・即効性(即応性)が高いこと

・誰でも一定の効果が期待できること

などが考えられます。

まず打撃技は投げ技や組技・関節技などに比べて習得するのが容易であり、

フィジカルへの依存もそれほど強くはありません。

攻撃を当てさえすれば一定の効果が期待できるため即効性に富んでおり、

「ちゃんと手順通りにやったのに、実際やってみると上手くいかない」ということが起こりにくいのが最大の特長と言えます。

また投げ技・組技にはシチュエーションによってそのリスクが大きく変化するという致命的な欠点があります。

日本では今月(2020年5月)10日、コンビニ店員がレジでトラブルを起こした客をその場で投げ飛ばし、

頭部を負傷させるという事件を起こしています。

この事件で投げ飛ばされた男性は意識不明の重体となり、コンビニ店員は傷害容疑で逮捕されていますが、

このような状況は誰にでも起こりうる可能性があり、他人事と考えるべきではありません。

(被害者になることはもちろん、加害者になる可能性も無視できません)

現場がどのような状況だったかは現在の報道内容から把握することが困難なため憶測で語ることしかできませんが、

トラブルを起こした男性客を投げ飛ばしたコンビニ店員は、ただ自分や他のスタッフ・買い物客を守ろうとしただけで、

男性客に対して敵意や悪意は持っていなかった可能性もあるのです。

しかし結果的に投げ飛ばされた相手は頭を強く打ち意識不明となっており、

その目的が自己防衛(護身)だとしても、過剰防衛に問われることに疑いの余地はありません。

(既にコンビニ店員は傷害容疑で逮捕されています)

このように、投げ技・組技などの技術体系は仮に護身を目的としていても安易に用いるべきでなく、

その場で相手を制圧・鎮圧できないまでも、速やかに動きを止め戦意を喪失させることのできる打撃技を優先的に活用すべきであることは明白です。


1回5分で覚える基本の打撃セットアップ

ここからは1回5分という短い時間で覚えられ、なおかつ効果的な基本の打撃テクニックを、

そのコンビネーションとセットアップの方法と併せてお伝えします。

計5つのステップで構成されており、各ステップ1分、合計5分間で完了するショート・ドリルとなっていますが、

体力や持ち時間に合わせて10分、20分と延長していただいても構いません。

身を守ることに興味をお持ちの方はもちろん、

実際に自己防衛の目的で使える技術をエクササイズ感覚で覚えたいという女性の方にも参考にしていただければ幸いです。

 

1.ハンドポジションと立ち方

まず初めに、しっかり立って構えることから覚えましょう。

両脚を肩幅に開いたら、利き腕側の足を半歩から一歩後ろに下げ、

上半身が正面よりもやや斜め(45度が理想)を向くように立ちます。

手のひらを外側に向けた両手で口の辺りを隠すようにし、両脇は隙間が出来ないようしっかり締めます。

手と足を所定の位置に揃えたら、顎を引いて肩を小さくすくめるようにします。

これで基本の構えは完成です。

(普通に立った状態から基本姿勢に移る動作を、スムーズに行えるまで何度も繰り返しましょう)

 

2.ジャブ

基本姿勢を取った時、前に出ているほうの腕(利き腕と反対の腕)で打つパンチがジャブになります。

しっかりと顎を引き、肩で顎の周りが隠れるようにしながら、

ゆっくり拳を前に突き出していきます。

この時、パンチを打つ腕の肘が大きく外に広がったり、

大きく回旋してしまわないよう注意しましょう。

基本の手の位置から、目線の高さに真っ直ぐ腕を伸ばすことを意識し、

そのまま同じ軌道で腕を戻せば、基本のジャブは完成です。

(握り拳だけでなく、掌底と呼ばれる親指の付け根付近にある膨らんだ部位を押し付けるように打っても効果的です)

1分間はひたすら基本姿勢からジャブを打つ動作だけを繰り返してください。

 

3.ストレート

ジャブとは逆、利き腕で打つパンチがストレート(クロス)です。

ジャブ同様しっかりと顎を引いたまま、パンチを打つ腕の肩で顎が隠れるようにし、

しっかりと腰を回して打ち込むのがポイントです。

腕だけを力任せに振り回したり、肩に余計な力が入るとスピードが落ち、パワーも半減してしまいます。

なるべくリラックスすることを心がけて肩の力を抜き、パンチを打った腕を素早く引くことを意識して取り組んでください。

1分間基本姿勢からストレートを打つ動きを繰り返したら、次のステップに移りましょう。

 

4.肘打ち(エルボー)

は、鍛えずとも硬く鋭利な人体の凶器の一つです。

基本の構えから、前に出ているほうの肘を小さく前に突き出すのと同時に、

一歩前に踏み込みます。(この踏み込みが重要なポイントです)

肘は下から上にすり上げるようにしても構いませんが、相手にしっかり効かせたければ、

肘の先(尖った部分)をなるべく真っ直ぐ押し込むようなイメージで打ち込むのが理想的です。

(肘を上から下へ振り下ろす打ち方もありますが、隙が大きい上に与えるダメージも必要以上に大きくなるため推奨しません)

前の手での肘打ちを1分間繰り返したら、次のステップへ移ります。

難しければ、写真のように片手で髪をかき上げる動作をイメージするといいでしょう。

 

5.膝蹴り

いきなり蹴りが出てきて困惑される方もいらっしゃるかもしれませんが、

特に難しいことはありません。膝を曲げ、脚を斜め上に跳ね上げるだけです。

ムエタイやキックボクシングでただ曲げた膝を斜めに持ち上げるだけの膝蹴りを打つと注意されますが、

(相手の腹部にしっかり当てるため、持ち上げた膝を前方に押し出すようにするが正しい膝蹴りです)

ここでの膝蹴りの目的は相手の股間(金的)を捉えることになるため、ただ脚を上げるだけで十分です。

基本姿勢から小さく前方にステップし、後ろに引いた足で軽く床を蹴って勢いをつけ、

折りたたんだ膝を下から斜め上に突き上げるようにします。

イメージしにくければ、腰の高さに手を出し、その手に膝の先をぶつけるようにするとわかりやすいかもしれません。

膝蹴りの動作を1分間繰り返して、最後のステップであるコンビネーションへ移行します。

写真のように上体を多少反らして蹴る方向と逆に捻ることで、バランスがとりやすくなります。

 

セットアップとコンビネーション

最後の1分間は、ここまでの動作を全て組み合わせてコンビネーションを構成します。

ジャブとストレートを組み合わせたワン・ツー

肘打ちと膝蹴りを組み合わせたエルボー・ニーをそれぞれコンビネーションA,Bとし、

各コンビネーションを交互に繰り返すだけというシンプルな内容になっています。

大切なことは、必ずコンビネーションの前後で最初の基本姿勢に戻ることと、

各動作をゆっくりと行うことです。

基本姿勢が崩れると技のバランスも崩れ防御力も低下してしまうため、

しっかり基本の構えに戻ってから次の動きに移行する癖をつけるようにしましょう。

また慣れないうちに速く動いたり、全力で打ち込もうとするとフォームの崩れを引き起こします。

動作の一つひとつを確かめながらなるべくゆっくりと動き、雑になってしまわないよう注意してください。

2種類のコンビネーションを1分間交互に繰り返して終了です。お疲れさまでした。


生存率を上げるカギは「動き続けること」

極限状態で生き残るために大切なことは、

とにかく動き続けることです。

空手やテコンドーのパフォーマンスのようにキック1発で相手をノックアウトできれば楽に違いありませんが、

基本的に一発の攻撃で倒せる相手はいないと思ったほうがいいでしょう。

(そもそも一撃必殺のパンチやキックを持っているような人物に護身術は必要ありません。拳一つで億万長者になれます)

パンチを一つひとつ、キックの1回1回を丁寧に練習することはもちろん大切なことですが、

リアルファイトではとにかく手を止めないことが重要になります。

よってパンチ1発を当てて終わるのではなく、その次に何をするか、

蹴りが当たったらその次は何に繋げるかという連続攻撃の意識を持つことが何よりも大切です。

あなたが手を止めてもいいのは、相手に脅威(恐怖)を感じなくなった時だけであり、

それ以外の瞬間は常に攻撃しているときも、攻撃を防いでいる場面でも、

何かしら動き続けていることが生存率を高めるカギとなります。

ただし、日本の法律では過剰防衛にあたる「倒れた相手への攻撃」は行わないよう注意が必要です。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。