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聖なるサイコ野郎の日常 - パート 23

恐怖心と向き合うための3つのポイント

いつも心に一着のトレンチコートを。どうもサイコ田中です。

突然ですが、皆さんには怖いものはありますか?

管理人は年齢を重ねるごとに虫と幽霊が怖くなってきました。

どちらも格闘技や護身術の知識を持っていても、どうする事もできない相手だからでしょう。

恐怖心は護身の観点から見ても、あるいはそれ以外の様々な分野においても、

克服すべき大きな課題の一つです。

今回はどうすれば恐怖心を軽減、あるいは乗り越える事ができるのかについてお話したいと思います。


日本人は恐怖を感じやすい?

実は最近の研究により、

日本人は他の人種に比べ恐怖や不安を感じやすいことが明らかになっています。

これはストレスホルモンの分泌量やセロトニンの伝達に関係する遺伝子の特性によるものですが、

いずれにしても外国人から見て日本人が心配性だったり悲観的に感じられるというのは、あながち間違ってはいないようです。

ですから「ひょっとして私って怖がり?」と思っている方や、あまり自分に自信が無いという方は、

細かい事は気にせず、日本人はみんなそんなものだと思って笑い飛ばしましょう。

(それにしても、世界で一番怖がりの人種がホラー映画やお化け屋敷などのアトラクションを好む理由は一体何なのでしょうか)


恐怖心をコントロールする3つのコツ

日本人は他の人種と比べてちょっと怖がりということがわかったところで、

実際に恐怖や不安といった負の感情をどうやって乗り越えるのかを見ていきましょう。

今回は大まかに3つのポイントに分けて説明しますので、太字になっている部分だけでも目を通して、参考にしてみてくださいね。

 

メタ認知を強化する

メタ認知とは、自分自身を客観視した上で、自分が認知しているという事実を認知するという事です。

わかりやすく言えば、○○というものが怖いと感じたときに、「○○が怖い」と感じている自分を見つめる(見つける)という事です。

護身の観点で言うと、酒に酔った不良に絡まれたときは、「うわ、どうしよう……」で終わってしまうのではなく、

絡まれて不安を感じている自分を認め受け入れたうえで、

「俺、びびってるなあ」と心の中で苦笑するぐらいが丁度いいということです。

絡まれたという事実だけに着目してしまうと、あれこれ不安や恐怖が吹き出して歯止めがきかなくなりそうですが、

一旦そこにある恐怖を受け入れてしまえば、後は自分がやるべきことを考えるだけになります。

身を守るうえで大切な事は、非常事態でも落ち着いて対処する事です。

そしてそのためには、強い感情の動きや瞬間的な強い衝動などに支配されず、いつも冷静でいなくてはいけません。

メタ認知を強化していく事は、冷静さを保つうえで非常に重要です。

常日頃から今自分が何を感じ、何を思っているかを見つめるようにしておくと、仕事や勉強などの面でも突破口が見出せるかもしれませんね。

 

呼吸でスイッチを切り替える

呼吸は、あらゆる物事に通じている基本的な概念です。

ストレッチの際は上手に力を抜くため、トレーニングにおいては力を発揮するために重要とされ、

緊張と緩和のバランスを制御するのが呼吸と言い換えてもいいでしょう。

もしもあなたが強い恐怖を感じた際には、息が荒くなり、呼吸の間隔が短くなるかもしれません。

それはあなたの肉体が本能的に生命維持のために起こしている至って自然な反応ですが、パニック時の過呼吸はあまり好ましいものではありません。

それよりも、何かを怖いと感じたときは、

一度深く息を吸い、ゆっくり吐くのが理想的です。

ただ深呼吸するだけでは意味がありません。落ち着いて周りが見えるようになったら、自分がどうするべきなのかを考える必要があります。

闘わなければいけない状況ならば、相手の人数や周囲の状況、身近に武器の代わりになるものがあるかなど、情報をなるべく素早く集めます。

このように、1回ないし2回の深呼吸を挟んで、自分自身を戦闘モードに切り替えることが大切です。

黒光りするアレが苦手という方は、出会ってしまったらそのまま取り乱すのではなく、

一度深呼吸をしてから思考を対処モードに切り替えましょう。

新聞を丸めて潰すのがスマートか、殺虫剤をかけるのがいいのか……冷静になれば選択肢はたくさん見えてきます。

深呼吸をしながらアドレナリンを出していけるようになると更に効果的です。

 

より高度な呼吸法として、米軍式4カウント法というものが存在します。

以下の記事で詳しく説明していますので、ぜひこちらも併せて参考になさってください。

↓ ↓ ↓

米軍式呼吸法”4カウント法”の効果的な使い方と注意点

 

恐怖の対象について学ぶ

一般論として人は未知のもの、よくわからないものに対して恐怖を感じるとされます。

あなたがよほどの怖がりさんでも無い限り、恐怖の対象になるものはある程度限定されるはずです。

恐怖を乗り越えるためには、自分が怖いと感じるものについて深く知ることが一番の近道だと私は考えます。

例えばドラキュラが怖いという女の子がいたら、

「ドラキュラは、太陽の光と十字架が苦手なんだよ」と言った具合に、対象の弱点を教えてあげます。

こうして恐怖の対象に対する知識を持てば、もう相手は未知のものではなくなりますし、

おまけに倒す方法がわかったのですから、もう怖くはありません。

護身においても同じことが言えます。

身体の大きい相手が怖いなら、身体の大きい相手が苦手とする攻撃手段や効果的なアプローチをいくつも学べばいいのです。

ドラキュラが日光や十字架のほかにニンニクや聖水を苦手とするように、大男を倒すためのテクニックも無数に存在します。

そうした引き出しをどんどん増やしていけば、いざという時恐怖に押し潰されたり、取り乱したりするような事もありません。

護身の技術体系をきちんと学んでいく事が大切なのは、技術を身につけることで強くなれるということはもちろん、

様々なオプションを持っているという自信そのものが、恐怖心を乗り越えることに繋がるからです。

ですから黒光りするアレが怖い人は、自分には殺虫スプレー、丸めた新聞紙、スリッパなど様々なオプションがあるということを心に留めておきましょう。

そしてそれらを忘れてパニックになってしまわないよう、深呼吸する事を忘れずに。


怖いもの知らずの人生を手にするために

誰にでも怖いものがあります。

女の人には頭が上がらないという人や、タンスの角が恐ろしいという人、どうにも犬が苦手という人……

ですがこれらの恐怖は全て、遺伝子レベルの恐怖ではありません。あなたの人生経験などに基づいて形成された、単なる苦手要素に過ぎません。

必ず乗り越える方法はあります。

逆に、遺伝子に組み込まれた恐怖だけは克服する術がありません。

例えば暗闇や猛獣、黒と黄色のまだら模様などは、

我々の先祖がかつて命の危機に瀕した際に刻まれた遺伝子レベルの記憶であり、拭い去る事はできません。

ですが、それらを怖いと感じることは、恥ずかしい事でも、情けない事でもありません。

自分の身を守るために、本能的に強い恐怖を感じるのは、生物として当然の反応です。

ですから恐怖を感じたときはそれを恥じたり、取り乱したりする事なく、冷静に受け入れましょう。

その場から逃げたいと思ったら逃げればいいし、叫び声を上げたくなったら叫べばいいのです。

人は誰でも恐怖を感じるように出来ていますし、誰にでも弱点はあります。

今、一人ぼっちで恐怖や不安に押し潰されそうな人も、どうかそれは自分だけじゃないという事を忘れないで下さい。

あなたが望む限り、必ず乗り越えて自分らしく生きられる道はあります。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

地味なのにイタイ「急所以外」の弱点

いつも心に一本のライトセーバーを。どうもサイコ田中です。

人体にはいくつもの急所と呼ばれる部位があり、

これらはある程度の強さで打撃を加えると呼吸困難に陥ったり、身体の自由が利かなくなります。

(急所についてはこちらの記事で詳しく説明しています)

護身の上では急所攻撃は非常に有効なテクニックですが、場合によっては相手に致命的なダメージを負わせてしまい、

過剰防衛などに問われるリスクもあります。

今回は急所とは違って地味で大したことがなさそうなのに、案外痛いポイントとその有効な攻撃手段を紹介します。

相手が女性や高齢者など、急所攻撃がふさわしくない場合に活用してください。


相手と周囲をよく見るということ

路上のファイトで重要なのは、相手と周辺の状況を冷静に観察する事です。

例えばあなたのほうが身体が大きく、相手のほうが小さい場合、たとえ先に手を出したのが相手のほうだったとしても、

もしもあなたが反撃してしまった場合は警察などが来ると面倒な事になります。

あなたにとっては正当な理由での自己防衛でも、

周囲が見れば身体の大きい男が、自分よりも小さい相手をボコボコにしているようにしか見えません。

こうした第三者の印象は警察が目撃者から情報を集める際に、あなたにとって不利に働く可能性が高いと言えます。

また相手を一人だと思ってのんびり構えていたら、いつの間にかぞろぞろと仲間が集まっていて四方を囲まれていたなんて笑えません。

もしもファイトに発展した場合は、まず相手の年齢や体格などを冷静に見極め、

周囲を見渡し、相手の仲間や関係者がいるか、目撃者の数は……といった情報を整理して対応を決めましょう。

周囲に仲間がいるなら目の前の相手は一撃で倒さなければいけませんし、そうでなければ話し合いがベストです。

目撃者が多い場所で自分より小さい相手や女性に手を上げるのは好ましくありません

相手を人気の無い場所に誘導するか、自分はあくまで被害者ということを周囲にアピールしましょう。


地味だけど痛い場所とその攻撃方法

人体には急所以外にも、強く叩かれたり押されたりすると痛い場所があります。

ここではその中でも特にシンプルかつ効果的な弱点を、その有効な攻撃手段とあわせて3つ紹介したいと思います。

この手のグレーな知識を扱う場合は毎度書いていますが、ここで紹介するテクニックは護身の目的にのみ使用してください。

悪用は厳禁、そして暴力は犯罪です。

 

手首・手の甲

手の平や手の側面は肉が厚く外圧に強い構造なので、強く打ったとしてもそれほど痛みを感じませんが、

手の甲や手首に近い場所は別です。

自分で手の甲を軽くグーで殴ってみるとわかりますが、びっくりするほど痛い人が多いと思います。

また手首も手の甲に近い場所を真上から強く叩くと、強い痛みを感じます。

こうした攻撃は相手が刃物などの凶器を手にしている場合や、顔を指差して怒鳴ってくるような相手に対して有効です。

 

攻撃手段は、シンプルにグーで殴るか、何か硬いものを持っているならそれで殴打するのが簡単です。

手首を打つ際は、手の側面の手首に近い場所(いわゆる「手刀」)で思い切り叩くのが理想です。

 

向こう脛(スネの前側)

向こう脛は「弁慶の泣き所」などと呼ばれるように、

よほど鍛えていなければ叩かれるとかなり痛みます。

特に足首に近い場所は肉が薄く神経も多く走っているため、

硬いもので軽く打つだけでも身動きが取れなくなるほどのダメージになります。

(それでもある程度鍛えることで強くできるため急所とは呼べません)

 

有効な攻撃手段は、靴のつま先を当てるキックです。

サッカーボールを遠くに蹴り出すときのように、前方に大きく踏み出し、下から上に蹴り上げましょう。

このとき、バランスを崩さないよう気をつけながら、

相手の膝下あたりを狙って蹴るようにすると高い確率でスネに直撃します。

相手が痛みを感じて前かがみになったり、片足立ちのような姿勢になったら、

そのまま抱きついて動きを止めるか、蹴った勢いをそのまま利用して走り去るのがスマートです。

 

爪の付け根(爪の生え際)

知る人ぞ知る痛いポイントです。

冗談のように聞こえるかもしれませんが、爪の生え際あたりをある一定の角度で思いっきり押さえると、

飛び上がるほどの痛みが走ります。

(実際に自分の手で試してみましょう)

 

攻撃手段は言うまでも無く爪で押し込むのがベストです。

自分の手で痛い場所と角度が確認できたら、そのあたりに爪を突き立てて、思いっきり押し込むだけです。

相手に胸倉をつかまれたとき、相手の手に自分の手を重ねるようにして(右手で掴まれているなら自分の右手を上から重ねて)指の位置を確かめ、

爪の下を思いっきり押すと相手は驚いて手を離します。

相手が凶器を手にしている場合もこの方法で簡単に武装解除できます。

日頃から手の爪を少しだけ長めにカットしておくと、いざと言うとき心強いでしょう。


「つねる」のも簡単で効果的

電車の車内など、大きな動作が難しく騒ぎになると面倒な場面では、

相手の身体の一部を指でつねるのも有効です。

一般に「つねる」というと指でぎゅーっと絞るイメージですが、それだけでは不十分です。

護身の用途に使う場合は相手の身体の一部を指でつまんだら、

そのまま強く捻る動きを加えることが重要です。(ドアノブを回す動きをイメージしてください)

またつまむ皮膚の面積もなるべく小さくすると痛みが集中的に伝わるため効果的です。

女性の場合は痴漢の被害に遭ったり、面倒な相手に絡まれたときに有効でしょう。

ある程度指の力を鍛えておくのが理想ですが、普通程度の握力があれば十分な効果が期待できます。

命に関わるほどではなくとも、身の危険を感じた場合のオプションとして覚えておくと、いざと言うとき役に立つかもしれません。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術19【パンチの基本】

いつも心に一本のスティック糊を。どうもサイコ田中です。

護身術には様々な技術体系があり、

相手をおさえて静かに制圧したり、関節を極めて動きを制限するなど色々なアプローチがあります。

しかしこれらは体格差やスポーツの経験などを考慮しておらず、

条件や場面によっては正しく働かない可能性があります。

これに対して打撃系の攻撃は、ある程度の力で急所をタイミングよく叩けさえすれば効果が期待でき、

体重差や単純な身体能力のギャップを埋めることも可能です。

今回はシリーズ第19回として、実践的な打撃技術の一つであるパンチの打ち方を紹介します。

毎度の事ですが、ここで紹介するテクニックはあくまで自衛、護身のためだけに正しく使い、

他人を必要以上に傷つける事が無いよう注意してください。

如何なる理由があろうとも、暴力は犯罪です。


まずは手首のストレッチから

パンチを打つ際に初心者の方が一番傷めやすいのは恐らく、

手首だと思われます。

普段からスポーツや筋トレの習慣があり、それなりに鍛えたりほぐしたりしているという方は問題ありませんが、

打撃系格闘技はもちろん、柔道やレスリングなど握力に依存する競技や、

腕全体をくまなく刺激するようなトレーニングの経験が無い方は、注意が必要です。

まずは手をぶらぶらと色々な方向に振って血液の循環を促したら、

手首を前後左右、色々な方向に倒して伸ばしましょう。

普段から空き時間に肩や首のストレッチと一緒に手指をほぐしておくと、

いざと言うとき怪我をするリスクも減らせるうえに、デスクワークなどで疲労して硬くなった筋肉が弛緩し、腱鞘炎なども予防できます。


正しいパンチを打つための3つのポイント

パンチは、力が弱くともタイミングよく正確にヒットさせる事ができれば、体格差などを帳消しに出来る有効な攻撃手段です。

ここでは格闘技経験の無い方でもパンチを正しく安全に打つために知るべきポイントを3つ紹介します。

項目を一つひとつ確認しながら、ゆっくりと覚えていきましょう。

 

正しい拳の握り方

ここを間違えると、パンチが当たっても自分が怪我をしてしまいます。

手首や手の骨にかかる負担を最小限に抑えるためにも、正しい拳の握り方を覚えましょう。

まずは、じゃんけんのグーを作りましょう。簡単ですよね。

次に、親指が外へ出てしまっている人は、中に折りたたんでください。人差し指と中指の第一関節と第二関節の間あたりに添える感じでOKです。

↑こういうのはよくありません。

親指が外に出ていると、パンチを打つ際に突き指をしたり、

相手の衣服に指が引っかかったりして大変危険です。

次に、手の中の指がちゃんと折れていない人は、第一関節まできっちり折り曲げて、不安定な場所を無くしましょう。

また指の骨が斜めに並ぶような握り方も適切ではありません

なるべく全ての指の関節が真っ直ぐ平行に並ぶよう握りましょう。

↑これもNGの例。

 

パンチを当てる場所

正しく拳を握れても、当てる場所を間違えると大怪我につながります。

基本的にパンチは、

人差し指と中指の付け根にあたる部位(第二関節と第三関節の間)を当てます。

これらの部位はナックルパートと呼ばれ、外圧に強く、前腕の力を最も効率的に伝えられるとされています。

ナックルパート以外の場所でパンチを当ててしまった場合、手指の骨はもちろん、

手首にも大きな負担がかかるため、最悪の場合は骨折してしまいます。

パンチを打つ際は、ただ闇雲に拳を振り回すのではなく、

ナックルパートを正確に当てられるように意識する事が大切です。

 

パンチは真っ直ぐに

正しく効果的なパンチを放つうえで最も大切な事は、

なるべく直線軌道を描くようにすることです。

大きくループするように円弧軌道をなぞったり、野球の投球フォームのように大きく振りかぶって打つのは好ましくありません。

また俗にヘイメイカー(Haymaker)など言われる、腕全体を横に大きく振り回すような打ち方もNGです。

(映画やドラマで不良がこのようなパンチを多用してますが、あまり合理的なフォームとはいえません)

これらの打ち方は打つ瞬間に顔面ががら空きになるため、思わぬ反撃をもらうリスクが高く、

肩や肘にかかる負担も大きくなるため安全とはいえません。

パンチは構えた状態から真っ直ぐに点と点を結ぶように打ち、

打ち終わりは真っ直ぐ元の姿勢に戻る事がベストです。

途中で小さな弧を描いたり、パンチを打つほうの肩が大きく上がったりしないよう注意しましょう。

またパンチを打たない方の手は、いつも顔の近くに上げておき、相手のカウンターをまともに食らわないようにすることも大切です。

「パンチを打たない手は顎にくっつける」と覚えれば簡単です)


タオルを殴ってパンチの距離をつかもう

パンチの練習をしていくと気付く事ですが、基本のパンチ(ジャブとストレート)は、

相手とある程度の距離が無いと上手く当たりません。

理想は腕が完全に伸びきるか伸びきる直前でヒットする事ですが、

腕の長い人がこの条件を満たすには、相手とかなり距離を取る必要があります。

また距離が近すぎると腕が曲がってしまうため力が伝わりにくく、ナックルパートも綺麗に当たりません。

自分のパンチがどこまでなら届き、どこまで近づくと窮屈になるかを知る簡単な方法は、

干した洗濯物を叩く練習です。

タオルなどをハンガーに干したら、適当な高さにぶら下げて、軽く叩いてみましょう。

意外とパンチが伸びる事に気付いたり、逆に全然届かないなど、

距離感が徐々につかめるようになります。

インパクトの感触が強く、タオルが手にまとわりつかない距離とタイミングが、あなたのパンチの射程ということになります。

あとは相手の身長が自分より低い場合、高い場合をそれぞれ想定し、

目線の上下に打ち分ける練習もしておくといいでしょう。

打ち終わりのガードと、パンチを打たないほうの手で頭をカバーするのを忘れずに。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

学校や職場でいじめられている人へ

いつも心に一匹のニホンカワウソを。どうもサイコ田中です。

毎年5月の連休明けや夏休みが終りに近づく頃、学生の方の自殺が報道されます。

原因は様々だと思いますが、いわゆる「いじめ」もその一つと考えられるでしょう。

今回は、現在学校や職場でいじめの被害にあっている方に向けて、護身術の技術体系に基づいたアドバイスを送りたいと思います。

ここで扱う情報があなたの人生を取り戻すためのヒントになれば幸いです。


いじめられる理由を考えても仕方が無い

いじめられていると、色々な事が頭をよぎると思います。

「私が悪かったのかな」とか「何か変なこと言っちゃったかな」など、考え出すときりがありませんよね。

もし仮に自分がいじめを受けるきっかけになった出来事や原因を特定できたとしても、

残念ながら現実はそれほど好転しないでしょう。

あなたが誠意を持って謝ったり、態度を改めても火に油という可能性すらあります。

何かを変えたいという気持ちは大切ですが、いじめられる原因や理由を考えてあれこれ悩むのはやめたほうが無難でしょう。

そんなことより、あなたが自分の人生を取り戻すために「今から」「今すぐ」始められることを一緒に考えてみませんか?


いじめと向き合うための4つのヒント

現代のいじめはSNSの普及によってこれまでよりも遥かに陰湿かつ巧妙なものになりつつあります。

しかしよほどの事が無い限り「どうする事もできない」という致命的な状況には陥りません。

ここではあなたがいじめと向き合うためのヒントを4つ紹介したいと思います。

人それぞれ抱えている問題やシチュエーションは異なると思いますが、一つでも参考にできる事があれば試してみてくださいね。

 

とにかく身体を鍛える

私の場合、いじめの対策と言われて真っ先に思い浮かぶのがこれです。(典型的な脳筋ですね)

人間界に限らず、他者を虐げようとする者は必ず自分よりも弱い相手をターゲットに選びます。

例えば容姿や身体能力、学力や対人関係にまつわるスキルなど、

様々な点で相手よりも優位に立てることを確認し、攻撃に及びます。

一つでも圧倒的に負けている部分があると、思わぬ反撃を受けて窮地に立たされることを知っているからです。

ですから真っ先にあなたがすべきことは、

徹底的に身体を鍛え上げることです。

運動神経が悪かろうが身体が小さかろうがそんなことは一切関係ありません。

護身の観点で見たとき、攻撃者がもっとも恐れるのは自身の圧倒的優位が崩れる瞬間です。

あなたをいじめている加害者は恐らく、あなたにならどんな局面でも負ける事は無いという根拠の無い自信を持っていると思われます。

それが幻想だと教えてやる事が出来れば、状況は大きく変化します。

容姿や性格といった生まれつきの個性や、ソーシャルスキルなどは一朝一夕には改善できません。

しかし体力は別です。鍛えれば鍛えた分だけ、必ず何らかの成長に結びつきます。

まして成長期の中高生ならば、身長体重が大幅に増加する可能性さえあるのです。

いじめに対処するために今すぐできる事などは限られていますが、ただ頭を抱えたり現実逃避に時間を費やすくらいなら、

イヤホンを耳に入れて腕立て伏せから始めましょう。

トレーニング後はきちんと食事をするのを忘れずに。

 

攻撃者(加害者)を相手にしない

これは護身の技術体系からは少しズレてしまうのですが、有効な対処法です。

いじめの加害者というのは、ネット掲示板の「荒らし」やSNSのアンチら同様、

「攻撃を受けた相手の反応を見て楽しむ」幼稚な人種です。

このような相手を興醒めさせ、逆に追い詰める一番の対抗手段は、

無視に他なりません。

何か嫌がらせをされても平然とした(超然とした)態度をとり続けることで、

「お前らなんか最初から相手にしてねえんだよ」という言外のメッセージを突きつけましょう。

もしも余裕があるなら、悪さをする小さな子供でも見るような目を向けながら、冷たく笑ってやりましょう。

よほど肝の据わった相手でもない限り、攻撃者は焦ってあなたが表情を変えざるを得ないような攻撃手段を探す事でしょう。

その時見せた一瞬の焦燥や不安という弱みは、後からあなたが加害者を追い詰めるための重要なヒントになります。

表情や仕草を注意深く観察し、小さなサインを見逃さないように心がけましょう。

 

そもそも学校(職場)に行かない

護身の観点で見たとき最初に抑えるべきポイントは、

「危険な場所や攻撃者から離れる」ことです。

治安が悪いとされている場所に近づかないとか、身体の大きい外国人とは関わらないといった具合に、

自分にとってリスクになるものを遠ざけるのは身を守るための第一歩です。

ですから「何だか負けたような気がするから」とか「親がうるさいから」という理由で無理して学校や職場に足を運ばず、

黙って休んでしまいましょう。

学生の方なら、学校に行く振りをして適当に時間を潰して家に戻ってもいいでしょうし、

それこそ図書室や保健室に居座っても問題ないでしょう。

大切な事は、あなたをゲーム感覚で傷つけて喜ぶような危険人物から、

きちんと距離を置くことです。

それは逃げる事でも、負けを認める事でも何でもありません。

かっこ悪いことや恥ずべきことでもありません。

今すぐ改善できない状況に追い込まれたら、まずは一旦距離を取りましょう。

そしてあなた自身が適切と思う相手に助けを求め、心のゆとりが出てきたら、自分にできる事を探していきましょう。

 

法務省 人権相談窓口

(法務省による各種相談窓口です。一人で悩まず、まずは誰かに相談しましょう

 

もしも「やる」なら徹底的に

相手をとことん無視、あるいは冷笑し続けた場合、

よほど狡猾で理知的な攻撃者でもない限りは、実力行使に及びます。

ここまで来れば、ほとんどあなたの勝ちです。

護身の観点では、相手から肉体的(物理的)反応を引き出すのはあまり好ましくありませんが、

いじめの場合は別です。

相手があなたに直接手を下すということは、

相手はそれ以上どうする事もできなくなったことを意味します。

何をされても動じない相手を愉快に感じる攻撃者はいません。

何をしてでもあなたから恐怖や不安、動揺といった感情の動きを引き出すために、相手は最終手段に出ます。

それが暴力です。

ここまで来れば正当防衛の成立も視野に入れることができますから、

あなた自身ももはや手段を選ぶ必要はありません。

考えつく限りの汚い攻撃(金的蹴りや目潰し)で相手を追いつめ、

再起不能になる寸前まで攻撃しましょう。

あなたがもう二度と被害に遭わないためには、

相手に「もうこいつとは関わりたくない」と強く思わせなくてはいけません。

そしてそのためには、例えあなた自身が法的な意味での加害者になったとしても、

相手を徹底的に痛めつけるしかありません。

身近な道具を凶器にしてもいいでしょう。馬乗りになって顔面を叩くのも効果的です。

あなたや周囲の人間の人生を台無しにするようなろくでもない相手に、

慈悲など要りません。

後から復讐されるかもしれない? そんなこと考えられないほどの苦痛を与えれば済む事です。

(このブログで初めてサイコらしいことを書いた気がする……)


「ネットいじめ」への対策について

物を隠されるとか、陰口や悪口を言われるなど、

間接的、精神的に追い詰めてくるタイプの攻撃はある程度の無視と自己管理で対応できます。

しかしLINEなどのコミュニケーションアプリやTwitterといったSNSを介した「ネットいじめ」は、

陰湿極まりなく、対策も困難なのが現状と思われます。

こうした「ネットいじめ」の被害に対処する方法はいくつか考えられますが、

最も効果的なのはシンプルに端末を持たないことでしょう。

コミュニケーションアプリやSNSを介したいじめは、いずれもそれらを利用していることが前提で成立しているのですから、

その前提を崩せば済む事です。

端末を持たなくなれば、そうしたツールを用いた見えない形の暴力から、

言葉の暴力や物を壊すなど間接的な攻撃へと移行するでしょう。

そうなれば今度は相手をとことん無視して逆に追い詰め、加害者の最終手段である物理的な暴力を引き出しましょう。

後は音声や映像を記録して警察に被害届を出し、相手を社会的に抹殺するだけです。

いじめられていると、「自分にできる事は何も無い」とか「誰も助けてくれない」なんて思ってしまうものですが、

そんなことはありません。

どこかに必ずあなたを見ている人がいて、助けてくれる人がいます。

相手を逆に追い詰めて、どん底に叩き落す反撃手段だってあります。

この際「相手を許すのが本当の強さ」とか「暴力に暴力で応じるのは幼稚」といった綺麗ごとは忘れても構いません。

陰湿かつ巧妙に他人を追い詰めて感情を揺さぶり、その反応を見て楽しむような輩には最初からモラルや常識などありません。

考え付く限りのあらゆる反撃を試み、最後の最後まで抵抗しましょう。

誰にもあなたがあなたらしく生きる事を阻む権利はありません。

自分の人生を取り戻すための戦いを、ここから始めませんか?

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

韓国人男による暴行事件から学ぶ女性のための護身

いつも心に一つまみのシナモンを。どうもサイコ野郎日本代表(?)の田中です。

日韓関係の緊張が続く中、

韓国で日本人女性が韓国人の男に暴行されるという事件が発生しました。

被害者側と加害者側で主張が食い違うなど事態は複雑化の一途を辿っていますが、

30過ぎのオッサンが若い女性に手を上げるなどは、国籍や政治的背景などに関係なく許されざる行為です。

今回は女性がこうした理不尽な暴力から身を守るためにどのような対策が必要かを、

護身術の技術体系を基に解説していきたいと思います。


女性が男性に勝つことは難しい

最初に結論だけ書いてしまいますが、

女性が男性に勝つのは至難の業です。

基本的に体力面では男性が女性を上回り、更にスポーツの経験や筋トレの習慣などを考慮すると、

ほとんど女性には勝ち目がなくなります。

服や髪の毛など、身体の一部を掴まれた場合はその時点で終りと言っても過言では無いでしょう。

今回韓国で発生した事件のように、掴まれた後はそのまま地面に引き倒されるか、力任せに殴られておしまいです。

こうしてただ被害者になって人生を台無しにされないためには、きちんとした対策が求められます。

それでは実際にどのような対策が考えられるのかを見ていきましょう。


女性こそ知るべき護身術「3つの基本」

運動習慣や格闘技の経験が無い女性が男性から攻撃された場合、生半可な知識や小細工では切り抜けられません。

女性が身近なトラブルと向き合うために知るべき護身術の基本を、今回韓国で発生した事件をふまえて3つ紹介したいと思います。

護身術や格闘技に全然興味が無いという方も、いざと言うときのために太字の部分だけでも読んでください。

「豆知識」や「小ネタ」程度でも、知らないよりはずっとマシなはずです。

 

危険な場所や人物に近寄らない

当たり前ですが、

危険と言われている場所や治安の悪い地域には近づいてはいけません。

今回韓国で発生した事件で被害に遭われた女性には大変申し訳ないのですが、

この日韓関係が緊張した状況下で韓国の街を堂々と出歩き、相手の韓国人と一瞬でも言葉を交わすというのは、

はっきり言って自殺行為に等しいと考えられます。

性別や年齢を問わず、身を守るための基本は「敵を作らないこと」です。

今回の事件の場合、少なからず日本人に対して反感や敵意を持っていることが明らかな韓国人の生活圏に自分から飛び込み、

敵になる可能性がある人物をわずかな時間でも相手にしてしまった事が致命的なミスです。

敵がいるとわかっている場所、敵になる可能性があるとわかっている相手には近づかない事が自己防衛の基本原則です。

「自分は大丈夫」という根拠の無い思い込みと傲慢は今すぐ捨てましょう。

 

相手を刺激しない

ただの見知らぬ通行人があなたの敵や攻撃者になる瞬間には、

必ずそうなるきっかけがあります。

例えば雑踏の中では肩やカバンなどの持ち物がぶつかるとか、足を踏まれたなど些細なことです。

明らかに自分が悪いとわかる場面ならば、

急いでいてもなるべく誠意を持ってきちんとした言葉遣いで謝罪しましょう

一般的なモラルと良識を持った相手なら許してくれるはずです。

問題なのは、謝っても許してくれない、あるいは謝ろうともしない、話の通じない相手です。

このような危険人物(トラブルメイカー)は何をきっかけにキレて危害を加えてくるか、ほとんど予測できません。

ですが必要以上に刺激しなければ、相手の興奮はある程度抑えられます。

今回韓国で発生した事件については、

現場でどのようなやり取りがあったのかが明らかにされていない(被害者と加害者で意見が別れている)ため深く言及することは避けますが、

少なくとも相手を無視したり、非難するような視線や表情、冷たい対応などは避けるべきでしょう。

面倒な相手にも愛想よくしろと言っているのではありません。

あなたが一瞬でも相手のことを不快に感じたり相手にしたくないと思ったら、身振り手振りで先を急いでいることを示して、

さっさとその場から立ち去りましょうということです。

 

いつでも確実な証拠を残せる準備を

ドライブレコーダの普及により「あおり運転」の問題が浮き彫りになったように、

トラブルに巻き込まれた際は証拠になるものを記録する事が非常に重要です。

今では誰もが当たり前のように携行しているスマートフォンには、標準で動画や音声を記録する機能が搭載されています。

もしもトラブルに発展しそうなやり取りを目にしたり、自分が被害に遭いそうな不安を強く感じた場合は、

可能な限り迅速にこれらの記録を取る必要があります。

今回韓国で発生した暴行事件では、動画こそ残されてはいますが、

トラブルの前後に一体どのようなやり取りがあったかが抜け落ちているせいで、

加害者と被害者の間で意見が食い違うという面倒な事態に発展しています。

こうした状況を回避するには、

加害者に絶対言い逃れの出来ない強力な証拠を突きつける必要があります。

普段からカメラやボイスレコーダを素早く起動できるよう備え、

いざと言うときは一秒でも早く記録を開始できるように心がけましょう。


力の弱い女性こそ身を守る備えを

護身術と聞くと警察官やセキュリティ、軍人などが用いる技術体系をイメージしてしまいがちですが、

本来これらのテクニックや知識は自衛能力の低い弱者のために発達してきたものです。

特に女性は一般的に体重が軽く、全身の筋肉量が男性と比較して桁違いに少ないため、

相手を掴んで投げたり関節を極めたりといった単純な身体能力に依存する技術体系は推奨されません。

普段からニュース記事など治安に関わる情報に注意深く目を通し、

色々な知識を吸収する事で危機管理能力を高める必要があります。

また実際に危害を加えられた場面を想定して催涙スプレーや防犯ブザーを持ち歩いたり、

簡単な武器術を覚えておけば心強いでしょうし、

ダイエットも兼ねてボクシングや空手などの格闘技を習っておけば、

体力と技術が同時に身につき、自信に満ちた生活が送れるでしょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

「護身術は使えない」の真実

いつも心に1パックの白味噌を。どうもサイコ田中です。

皆さんは、「護身術」というとどのようなものを想像されるでしょうか。

腕を掴んできた相手をそのまま倒して制圧、ナイフで襲い掛かってきた敵を素早く武装解除して撃退……色々なイメージがあるかとは思いますが、

ほとんどがインチキ臭く、真似できないように思えてしまいますよね。

今回は何故一般的な護身術が「使えない」という印象を与えるのか、その理由について私なりの考えをふまえて解説していきたいと思います。

「本当に使える護身術」がどんなものかについてもお話しますので、

現代護身術がどういうものか、興味をお持ちの方はぜひ最後まで読んで参考にしてみてくださいね。


護身術=格闘技の一種という勘違い

よく護身術と聞くと格闘技のようなものだというイメージを持たれている方もおられるかとは思いますが、

護身術はあくまでも身を守るための技術体系であり、

ルールの上で互いの技術や戦略を競うスポーツではありません。

確かにパンチやキック、投げ技や締め技など格闘技をベースとしたテクニックを用いる事には違いありませんが、

それらの目的は全て「攻撃者の制圧による自己防衛」であり、

相手を打ち負かす事や華麗にノックアウトすることではありません。

逆に言えば、ルールの上で成り立つ事を前提にした格闘技のテクニックは、

護身の用途には役立たない事があるということです。

そういった意味では、「護身術が役立たない」というより、

「格闘技が護身には使えない」という表現のほうが適切なのかもしれません。


護身術が「使えない」と言われる理由

検索エンジンで「護身術」と打ち込むと検索候補に「使えない」と続くほど、

巷では護身術=意味が無いという認識が定着しています。

何故そのようなイメージを持たれているのか、ここでは考えられる3つの理由を挙げたいと思います。

あくまで私個人の考えですので、参考程度に捉えて頂ければ幸いです。

 

誰でも出来るわけではないから

よく護身術の謳い文句に「誰でも出来る」といった言葉が見られますが、

そんな都合のいい技術やアイデアはこの世に存在しません。

まして護身術は自分に敵意を向けている相手を想定した技術体系であり、

体力や運動神経、格闘技の経験といった前提を考慮しなくては意味を成しません。

残念ながら基本的に体力面で圧倒的に劣る女性が身体の大きな男性に勝つのは不可能です。

よくある護身術のデモンストレーションに、女性が大柄な男性を制圧するといった光景が見られますが、

実際にあのような状況が再現される事は稀でしかなく、

奇跡的な確率で再現されるかどうかというのが現実です。

ある技術について言及するとき、ほとんどの人がその技術を真似る過程で「自分には出来ない」と気付きます。

このような体験が「インチキ」とか「使えない」という印象に結びついている事は言うまでもありません。

 

状況変化に対応できない指導方法による誤解

よく護身術のパフォーマンスを紹介する動画などで「腕を掴まれたら」とか「胸倉をつかまれたときは」のように、

状況別、パターン別に技術が紹介されていますが、

それらは残念ながら単独では機能しません。

リアルファイトに発展した場合、その多くはつかみ合いか近距離のにらみ合い、罵りあいなどから始まり、

どちらかが手を出す事から殴り合いへと移行します。

この過程で攻撃を受ける側が置かれる状況は、

至近距離でのつかみ合いまたはにらみ合い(掴まれた場合の対処)

身体の一部を掴まれた状態からの頭部への攻撃(パンチなどの打撃に対するディフェンス)

地面に引き倒されてマウントポジションを奪われる(馬乗り状態からの脱出)

 

といった具合に、目まぐるしく変化します。

このような複雑かつ変則的で、極めてペースの速い状況変化に対応できなければ、

あっという間に犠牲者になってしまいます。

「胸倉を掴まれた」「パンチが飛んできた」などのようにパターン別ではなく、

「胸倉をつかまれたまま殴られる」といった、

複合的なシチュエーションに順応できる技術体系こそが本当に役立つ護身術です。

それ以外は全て「使えない」と吐き捨てられても仕方ありません。

 

法的に「使えない」技術が多い

護身術の基本は言うまでも無く、

「急所への不意打ち」です。

相手の眼球や金的など、鍛えようが無く人体にとって大ダメージとなる部位への攻撃は極めて強力ですが、

当然のことながら「過剰防衛に問われるリスク」も併せ持っています。

もしも急所攻撃などを成功させてリアルファイトに勝利できても、

その後の「法廷におけるファイト」では勝ち目が無いでしょう。

身を守るためにやむを得ないとしても、

日本の社会では現実的に「使うことができない」技術体系があることも事実です。

ですから結局のところ多くの護身術は、

「覚えても仕方がない」という意味での「使えない」技術と見なされることになります。


本当に役立つ護身術を身につけるために

本当に使える護身術を学ぶためには、本末転倒になってしまうのですが、

実際に危険な目に遭う中で、自分に足りないものを身を持って知るほかありません。

例えば女性の場合、身体の大きい暴漢相手に生半可な「小手返し」や「噛み付き」が通用しないとわかれば、

催涙スプレーなどのツールを携行するのが確実という結論に至るでしょうし、

男性でもただ単に身体を強く大きくするだけでは、刃物を持った相手や複数名相手には手も足も出ないことが経験として理解できれば、

そこから武器術や軍隊格闘技へと傾倒するきっかけが出来るでしょう。

護身術を学ぶ上で私が一番良くない事だと感じているのは、

「これさえ覚えておけばいい」という思い込みと、そのような技術体系への依存です。

護身術に正解や結論はありません

相手が両手にナイフを持っている、正体のよくわからない凶器を使ってくるなど、想定される状況は多岐にわたります。

その全てに完璧に対応できるなどということはあり得ません。

色々なシチュエーションを実際に経験し、そこから現実に想定されるリスクと対策を学ぶ事こそが一番の近道であり、

慢心せずに追求を続けるためのモチベーションになると私は考えます。

本気で使える護身術が学びたいと思っている人は、

自分の足で治安の悪い場所を歩き、トラブルの渦中に飛び込みましょう。

実際に五感や肉体を通して感じることでしか身につかない技術があるという現実を知ることこそが、

身を守るための第一歩になるはずです。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

カギを武器にしてはいけない理由

いつも心に一鉢の盆栽を。どうもサイコ田中です。

よく護身術で身近なものは全部武器にしましょうという話が出ますし、管理人もその考えには概ね賛成ですが、

カギだけは例外です。

なぜ、家や車のキーを武器にするのは好ましくないのか、その理由と考えられる代替案についてお話したいと思います。


何でも武器にしなさいとは言われるが実際は……

護身術のセミナーではとにかく「困ったときは何でも武器にしなさい」という指導を受けることもありますが、

それはいつも正しいとは限りません。

例えばガラス片などは、鋭利で殺傷力も高く、扱う本人も相手も大怪我をする可能性があるため好ましくありません。

相手を制圧するために手段を選べない場面でも、

命に関わるようなダメージを与えることは護身、自衛の目的を逸脱しています。

護身の目的は自身や第三者の身を守り安全を確保することであり、

攻撃者を必要以上に傷つけることではありません。

素手で戦うことが好ましくないことは事実ですが、

物事には限度があること、越えてはいけない一線があることもわきまえる必要があります。

道具は便利なものですが、使い方を間違えれば思わぬ事態を引き起こす可能性があることも事実です。

自分が手にしたものがその場をおさめるうえで適切かどうかの見極めも大切だということを忘れてはいけません。


カギを武器として用いる場合に考えられる3つのリスク

古典的な護身術のテクニックとして、

車や家のキーを武器にしなさいという教えがありますが、管理人はそれを適切とは考えていません。

なぜカギを武器として使うのは好ましくないのか、大きく3つの項目に別けて説明したいと思います。

 

壊れると使えなくなる

言うまでもありませんが、

カギなどの貴重品は壊れてしまうと大変なことになります。

例えばそれが家のカギであれば家に入れなくなり、

車のカギなら車に乗れない、車が動かないという状況も考えられます。

何でも武器にしなさいという教えを鵜呑みにして安易にカギを手にとってしまうと、

後々大変なことになる可能性があることを忘れてはいけません。

 

現場に落とすと面倒なことに

壊れてしまった場合と同様に、

現場付近でなくしてしまったり、攻撃者や好ましくない人物に拾われると厄介なことになります。

ましてカギなど小さなものですから、

少しの弾みで手から放れて、行方がわからなくなる恐れは大いにあります。

カギに関わらず落としたり紛失したりして困るような貴重品を武器として用いるのは絶対にやめましょう。

 

過剰防衛に問われる恐れも

カギは一般的に金属製であり、特殊な形状のものを除けば先端は非常に鋭利なため、

万が一相手の目に刺さったりした場合、失明は免れません。

眼球以外にも、喉や首筋、脇腹など柔らかく太い血管が走っている場所に刺さった場合は出血多量やショックにより、

最悪の場合命を落とす恐れもあります。

カギのような金属製の尖ったものを安易に武器として用いた場合、

思わぬトラブルや事件に発展する可能性があります。

相手が刃物を持っているなど命に関わるような緊急事態を除いては、

単に相手を殴打するなど威嚇的な攻撃手段に止めましょう。


どうしてもカギを使うなら

どうしても護身の目的でカギを持ち歩きたいというのであれば、

護身用とそうでないものを明確に別けておく必要があります。

家のカギや車のキーとは別に、

もう乗っていない自転車のカギやスペアが無数にある倉庫の鍵などを一つにまとめておき、

いざというときはそちらを取り出して使うという要領です。

ただし、上に述べたとおりカギは非常に殺傷力の高い鋭利な金属の塊です。

護身用に携行するのであれば極力先端が丸く、尖った部分の少ないものを選びましょう。

護身の目的はあくまでも自身の身を守ることであり、相手を不必要に傷つけることではありません。

もしもあなたが素手で制圧できる相手ならば素手で、

それが困難な場合でも可能な限り相手に必要以上のダメージを与えないよう工夫して対処するよう心がけましょう。

自分の身を守るためとはいえ、あなた自身が加害者(犯罪者)になっていては元も子もありません。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日から始める護身術18【ジョギングから始める護身】

いつも心に1パーセントの果汁を。どうもサイコ田中です。

趣味やダイエットで、朝からジョギングしているという健康志向の方はわりと多いかもしれませんが、

実はその習慣、護身という観点でも非常に重要です。

今日はジョギングやランニングといった運動がどのようにして身を守ることに結びつくのか、

具体的な例を挙げながらお話したいと思います。

まだ走り込みの習慣がない人も、もう既に実践しているという方も、

これから遭遇するかもしれない危険にどうやって対処するのかを、「走る」という動きの中から発見してみませんか?


護身の基本は「逃げる」ことから

どんなセミナーに参加しても、指導者や講師は練習の前に参加者を集めてこのように語ります。

「危険な目に遭ったときは、死に物狂いで逃げなさい(Run like hell)」

要は脚がもげるまで走って、危険から遠ざかりなさいという教えです。これは、どんな場面についても言える事です。

相手が巨漢でも、刃物を持っていても、複数名で襲ってきても、とにかく逃げおおせれば無傷で済むのです。

そのためには、逃げるための力が必要です。

そしてその逃げる力とは、走る力に他なりません。

普段からある程度の距離をある程度のスピードを維持して走り続ける習慣は、

危険を遠ざけるためにとても重要です。

また単に走るのではなく、明確に目的と意識を持つことで、その意味は大きく変化してきます。

どのような心がけが大切なのでしょうか。


「走る」を護身に結びつけるために

走るといっても、ただ漫然と一定の距離を、一定のリズムで走っていてはあまり意味がありません。

ここでは普段のジョギングやランニングをより高度に、そして自己防衛に役立てるための工夫をいくつか紹介します。

 

スプリント(ダッシュ)を取り入れる

言うまでもなく、目的がトラブルの現場から逃げることならば、ただ走るだけではいけません。

あなたは死に物狂いでダッシュする必要があるのです。

したがって普段からダッシュを取り入れた走り込みが求められます。

例えば5kmのランニングであれば、

コースの何箇所かでペースを度外視した短距離ダッシュを織り交ぜるのが効果的です。

特に真っ直ぐな坂道や、足場のあまり良くないような場所を全力疾走する習慣は、

いざという時逃げる能力を大幅に向上させます。

また単純な瞬発力や下半身の爆発力を鍛えられるため、

最終的にはキックやパンチなどの打撃力向上にも繋がるでしょう。

実際に危険な目に遭ったときのことをイメージして走ると、

自然にペースが上がってイメージトレーニングにもなるので一石二鳥です。

 

あえて夜間に走る

朝走ると気持ちがよく、清々しい一日の始まりを迎えられて得した気になりますよね。

ですが危機管理能力を高めたいなら、昼間よりも圧倒的に夜間がオススメです。

それも時間帯を細かく別けて、

街の様子を注意深く観察しながら走るのがベストです。

例えば夜の9時を過ぎたら交通量はどうなるのか、人通りが少なく雰囲気の悪い通りはどこか、

実際に走ると見えてくることは沢山あります。

いざというとき逃げられる場所や、家までの安全なルート、

車やバイクで追われた場合の逃走経路などは何度も通って確認することで不安要素を減らすことに繋がります。

このように身の危険を感じない範囲で自分が暮らす街の情報を集めておくことは、

護身という観点で非常に重要です。

女性の場合は安全に配慮して何人かのグループで行動するか、男性と一緒に走るといいでしょう。

 

呼吸を整えるコツをつかむ

走ると息切れがして、アドレナリンやら何やらが一気に噴出し、ちょっとした興奮状態になりますよね。

これはトラブルに遭遇してパニックになったときとよく似ています。

違うのは、そこに緊張や不安が伴うかどうかという点だけです。

一気に上がった心拍数と呼吸を整える過程で、

あなたは無意識のうちに「自分を落ち着かせる技術」を学んでいるのです。

例えば管理人の場合は、大きく息を吸って、吐いて……というのを3回繰り返した後で靴紐を結びなおすと、

冷静に周りが見えるようになります。

こうした習慣やコツは、実際に危険な目に遭い、自分を見失いそうなときにも活用できます。

どうすれば普段の自分を取り戻せるのか、その手段やきっかけをより多く掴み、把握しておくことは、

非常事態を落ち着いて抜け出すために必要不可欠です。

色々なパターンを試し、ぜひ自分だけのルーティーンを探してみてください。きっと大事な場面で役に立つはずです。


日本では「走って逃げること」が最強の護身術

わざわざ言うまでもありませんが、日本ではよほどのことがない限り、

銃を持った攻撃者と対峙することはありません

飛び道具による攻撃を受ける可能性がない以上、

相手から一定以上距離を置くことが出来れば、危害を加えられる恐れはほぼ無いとさえ言えます。

あなたがもしも相手より速く、そして長く走り続けることが出来るなら、

相手は銃でも使わない限りあなたを止めることはできません。そうなれば99.9%あなたの勝ちです。

逃げることは、みっともないこと、かっこ悪いことではありません。

自分の身を守るための自然な反応であり、理にかなっています。

もしも危険な目に遭ったときは、

どんなときも可能な限り逃げることを優先してください

 

綺麗事のように聞こえるかもしれませんが、あなたは一人ではありません。

生き残るために必死になって逃げて、それでも逃げ切れないときは、

安全な場所に閉じこもったり、信頼できる人に助けを求めてください。

周りが全て敵に見えるときでも、どこかに必ず味方になってくれる人がいることを忘れないでください。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

路上で蹴りを使ってはいけない3つの理由

いつも心に1週間分のアミノ酸を。どうもサイコ田中です。

実戦空手などグレーな分野にまで突っ込んだ指導をしている道場などに通っている人は、

「路上では相手を蹴るな」と指導されたことがあるかもしれません。

かつての管理人自身がそうでした(当時はまだ子供だったのでよくわからなかったのですが)。

ここではなぜストリートではキックを使うのが好ましくないのか、大きく3つのポイントに別けて解説したいと思います。

格闘技経験がない方のために、安全なキックの運用方法も紹介していますので、是非参考にしてみてくださいね。


護身の用途に蹴りを教えているのは日本人だけ?

海外の大きな団体や法人向けのセミナーに参加すると、

外国人講師の大半が金的蹴り以外の蹴りを指導しません

主に指導されるのはパンチやフットワーク、肘打ちなども混ぜたコンビネーションであり、

初心者向けのコースではキックのキの字も出てきません。

この理由について尋ねると講師は皆口をそろえて「必要がないから」と答えます。

蹴りにはリスクのほうが多く、一撃で倒せる威力がない限り使う意味は皆無という解釈のようです。

日本の実戦空手道場や日本拳法、少林寺拳法などでは護身の技術体系として蹴りを含みますが、

これは日本独自の考え方で、世界的には珍妙な光景なのかもしれません。

管理人自身、護身のためにキックを使うことには懐疑的です。

なぜ、蹴りはあまり役に立たないとされるのでしょうか?


蹴りが好ましくないとされる3つの理由

路上のファイトで蹴りを安易に使うのがよくないのは、

格闘技経験の無い素人はもちろん、格闘技経験者も同様です。

蹴りにはどのようなリスクがあり、それらをカバーして効果的な攻撃をするためにはどんな方法があるのかを見ていきましょう。

 

バランスを崩しやすい

言うまでもなく蹴りを放つ瞬間は、

脚が三本ある人以外は片足立ちになり、非常に不安定な状態となります。

足元が滑りやすかったり、電車の車内など不規則な揺れのある状況では特にバランスを崩しやすく、

一撃で相手を倒せなかった場合は転倒して追い詰められるリスクが一気に高まります。

 

足場が不安定なときやスリップしやすい場合は蹴りに頼らず、

なるべく上半身を使った攻撃で凌ぎましょう。

拳や手首が壊れた場合でも、まだ肘や頭は使えます。

使えるものを全て使い切って、出来る限りの抵抗を試みましょう。

 

蹴り足をつかまれる(キャッチされる)

これが蹴りを放つ際に考えられる最悪のケースです。

ミドル以上(腰より上)の高さの蹴りは特に掴みやすく、

素人でも運動神経のいい相手は普通にキャッチしてくることもあるので格闘技経験者でも注意が必要です。

体力の差が大きい場合はそのまま投げられたり、転がされて大変なことになります。

一撃で倒せる自信でもない限り、安易にミドル以上の高さに蹴りを飛ばすのはやめておきましょう。

 

垂直軌道の金的蹴りや膝蹴りは蹴り足を素早く引くことが出来るためキャッチされるリスクが小さく、

初心者でも簡単かつ安全に繰り出すことが出来ます。

また大きく一歩踏み出しながら、

相手が立っている場所に飛び込むようにして蹴るサッカーキックは、

蹴ってそのまま逃げることも出来るのでオススメです。

写真のように勢いをつけて大きく踏み込み、

蹴り足を相手のすねや膝の下辺りに思い切りぶつけてそのまま走り去るか、相手の背後に回りましょう。

先端にメタルの入った安全靴などを履いている場合は靴のつま先を、

そうでない場合は足の甲や足首に近い部分のすねで蹴るようにすると効果的です。

 

蹴ったほうが怪我をする恐れがある

素人の方は特にそうだと思いますが、

何も考えずに蹴りを繰り出して足を怪我すると一気に不利になるばかりか、

運よく相手を倒せてもその場から素早く立ち去れなくなるため面倒なことになります。

UFCファイターのアンデウソン・シウバ(Anderson Silva)が自身のローキックで脚に大怪我を負ったのはあまりにも有名な話であり、

準備運動やストレッチも行えないまま始まる路上のファイトでは、

一発のキックで靭帯や関節を痛め、二度と格闘技が出来ない体になる可能性さえあります。

逃げるための足を残しておくことは、路上のファイトにおける鉄則です。

その足を自分の攻撃によって(自爆して)使えなくするなどは以ての外です。

 

蹴り足を怪我しないためには相手の動きをよく見て、太ももや膝の下、

ふくらはぎの外側など比較的柔らかい場所を蹴ることです。

このとき、「蹴る」というよりは、自分の足を相手の脚に「乗せる」ぐらいのイメージで十分です。

あまり強く蹴ってブロックされると足を痛めるリスクがあるので、蹴りはあくまで見せ球で、

本命はパンチという意識を持っておくといいでしょう。


路上で相手は何をしてくるかわからない

路上のファイトは試合ではありませんから、相手は何を仕掛けてくるかわかりません。

バウンサー時代にキックボクシングを習っていて蹴りがとても上手な後輩がいましたが、

あるとき蹴り足をナイフでブロックされ(蹴りが当たる場所にナイフを構えられて)、

足が大変なことになってしまいました。

(結局彼は格闘技どころか日常生活にも支障をきたすまでのダメージを負い、若くして杖を突いての生活を余儀なくされました)

このように、何を仕掛けてくるかわからない相手に対して迂闊に手を出すのは危険です。

格闘技の経験があって体力に自身があっても、思わぬ不意打ちやカウンター、

試合やスパーリングでは想定されない反則攻撃などで相手に主導権を握られる恐れは十分にあります。

自分の知識や経験、技術などを過信することなく、

どんなときも自分は被害者になる可能性があることを心に留めておきましょう。

そしてあっさりと被害者になってしまわないために、日頃から鍛錬と危機管理能力の向上に努めましょう。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

催涙スプレーを使う際の注意点

いつも心に1人前の味噌ラーメンを。どうもサイコ田中です。

身体能力が低い人や格闘技の経験が無い人が身を守るためには、

どうしても武器や道具が必要になります。

ですがどんなツールも正しい使い方やデメリットを把握しておかなければ、

かえって自分の身を危険にさらすリスクを抱えていることも事実です。

今回はメジャーな護身用ツールである、

催涙スプレーを使う際の注意点と問題点について語りたいと思います。


護身用ツールは「お守り」ではない

ツールに関するよくある勘違いに、「とりあえず持っていれば安心」というものがありますが、

そんな便利で安全な道具はこの世にありません。

いざという時すぐに取り出して使えなければ意味がありませんし、

使い方を間違えれば自分や全然関係のない第三者を傷つける恐れもあります。

ツールは明確な目的と意図を持って初めて作用する道具です。

正しい使い方や所持していることのリスクを十分に把握しないまま購入して携行するのは好ましくありません。

催涙スプレーに限らずどのような護身用ツールも、「なぜ必要なのか」「何のために持ち歩くのか」を明確にし、

どうしても自分に必要だと思う場合にのみ導入するようにしましょう。


催涙スプレー3つの課題と代替スキル

例えば警棒やナイフなどは隠すのが難しく、タクティカルペンなどは最低限武術の経験が必要といった具合に、

どんなツールも問題を抱えています。

催涙スプレーは誰でも手軽に使えて効果があることを主な謳い文句にしていますが、

そんな都合のいい道具はこの世に存在しません。

催涙スプレーが抱える問題点と、それに替わる効果的な対処法について見ていきましょう。

 

正しく使うためには練習が必要

どんな技術や道具についても言えることですが、正しく効果的に使うためには、

ある程度の訓練が必要です。

催涙スプレーもただポケットやカバンに入れているだけでは何の意味もありません。

すぐに取り出して相手の顔に真っ直ぐ噴射するまでの一連の動きを、淀みなく正確に繰り返せなくてはなりません。

セーフティなどの安全装置や補助機能があるものについてはきちんと取扱説明書を読み、

いざという時「あれ、動かない」ということが起こらないよう注意する必要があります。

 

催涙スプレーにしても何にしても、すぐに取り出して使うのは簡単ではありません。そんなものより、

既に手にしているものを武器にするほうが確実で安全です。

例えば飲みかけのペットボトルやアルミ缶を持っているなら中身を相手の顔にぶちまければ動きを止められます。

カバンから催涙スプレーを取り出すよりも、カバン自体を振り回したほうがよほど動きも早く、抑止力にもなります。

 

とにかく後始末が大変

身を守るために催涙スプレーを使うのはいいですが、

ニオイや衣類の汚れは想像を絶します。

換気設備の乏しい屋内や狭い場所で使用した場合、長時間にわたり人が近づけなくなったり、

使用した本人がダメージを受けることにも繋がります。

警察官が現場に到着した際も、スプレーを食らった相手がまともに話が出来るようになるまで時間がかかったり、

パトカーの車内が汚れたりニオイがこもったりするので文句を言われることもあります。

 

狭い場所でトラブルになった場合は相手が武装していない限り素手で処理するのが確実かつ安全です。

徒手格闘で制圧できれば公共の施設や互いの衣服を汚す心配もなく、それほど大事にもなりません。

身の危険を感じて催涙スプレーを使ったらパトカーと救急車、消防車が押し寄せてきたなんて笑えませんよね。

ツールを使う際は、後始末やその後の刑事手続きについても考慮が必要です。

 

持っているだけで捕まる可能性も

催涙スプレーに限った話ではありませんが、護身用のツールはそのほとんどが所持しているだけで非常にグレーなものであることも確かで、

催涙スプレーに関しては「ただ所持していただけ」で任意同行、書類送検にまで至った事例もあります。

正当な理由なくこれらの道具を持ち歩くことは軽犯罪法に抵触するため、基本的に好ましくありません。

 

どうしても身を守るために道具が必要であれば、

持っていても不自然でない「普通のモノ」を武器にするのが理想的です。

こちらの記事でツールの代替となる一般的な道具の代表例をいくつか紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


素手よりも重い責任と覚悟が必要

素手で攻撃者と向き合うことは、どのようなシチュエーションでもあまり望ましくありません。

その一方で、道具には素手以上のリスクがあることも確かです。

過剰防衛に問われたり、職務質問を受けた際はややこしいことになりかねません。

催涙スプレーなどは女性や身体の弱い人が身を守るために理想的な道具であることには違いありませんが、

使い方を間違えれば更に大きなトラブルや事件に発展する恐れもあります。

ツールの購入を検討する際は、それらを所持する意味を注意深く確認したうえで、

本当に必要なものかどうかを見極めることが重要と言えるでしょう。

 

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。